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第4章
疑われては誤魔化して
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潜入捜査6日目。
洗濯をしている所にそっと近づいてきたコルダからにぃ様から魔法送書が届いていると聞き、そっと存在感を消して洞窟の外の森に移動する。
ノヴァは違う所に居たので、僕が外にいることをコルダに報告するようお願いしてから魔法送書を開く。
『ルナイス。潜入している旨はコルダより報告を受けたがにぃ様は少しばかり怒っている。危険なことはするなと言っているのに…。しかしそうするのには理由があってのことだろう。定期的に無事であることを報告するように。』
読み終わると魔法送書は消え、そこには魔法の痕跡も残っていない。
しかも、僕に直接ではなく潜んでいるコルダへ送ったあたり流石にぃ様である。
最近僕の中でにぃ様コルダ買収説が浮上している。
何かコルダがやけに詳しくにぃ様に僕の事報告してるんだよなぁ。
ま、それで僕に不利益なことがあるわけでも困ることがあるわけでもないのでどうでもいいのだけど。
『にぃ様。僕は五体満足、精神も良好です。とーさまやにぃ様の許可を得ず行動を起こしたことは大変申し訳ないと思っておりますが、後悔はありません。僕はこれを機に成さねばならないことをするつもりです。僕には優秀な伴侶と護衛がおりますので必ずこの計画を成功させてみせます。多大なる迷惑をアーバスノイヤー家へ掛けることとなりますが…にぃ様達ならば僕を信じてくれると確信しております。大好きです、にぃ様。』
そんな文をにぃ様宛に送る。
最後の言葉はちょっと恥ずかしくて躊躇ったのだけど、この文を添えるか添えないかではにぃ様のご機嫌が大きく変わることを僕は知っているので、自分でもあざといとは思いつつも最後に大好きだという言葉を綴った。
照れくさいし、計算もあっての言葉だけれど嘘はない。
にぃ様も溜息をつきながらも仕方ないと笑ってくださるだろう。
そしてとーさまを華麗に説得してくださるはず!
洞窟に戻ってノヴァの元へ。
途中だった洗濯は代わりにノヴァがやってくれたらしく、汚れた布が綺麗に皺を伸ばされて干されている。
途中で僕のことを2番が聞きにきたらしいがお腹を壊して外に行っていると誤魔化してくれたらしい。
本当はそういった排泄物何かはノヴァの魔法でどうにでもできるのだけど、此処は闇属性適合者の集う場所。
日常的な浄化を扱える者は少なく、お腹を壊してしまったら外でことを済ませないと洞窟内が臭うのだ。
魔法送書を読むときも送る時も周りを警戒していたから見られたってことはないだろうが、やはり長時間洞窟を離れたり単独行動するのは危険だ。
「よぉ、野糞は終わったか?」
ノヴァと次の掃除場へ移ろうとした時、2番がふっと暗闇から現れて小馬鹿にした笑みを浮かべ僕に声をかけてきた。
どうやら彼も闇の中に身を潜めることが可能らしい。
これはますます油断大敵。
貴族出身の僕は「品の欠片もない発言ですね」と言ってやりたいが、今の僕はスラム育ちですのでそんな発言はできない。
「はい。」
そっとノヴァの服の端を掴んでノヴァの後ろに隠れる。
始めの頃の臆病な僕を演じます。
「…お前、本当にスラム育ちか?いくらこの国が比較的闇属性適合者の扱いがましだとしても、お前の肌は綺麗すぎるんだよな。普通スラムで育ちゃー傷跡で多少なりとも肌に凹凸があって当たり前だ。それがお前にはない。」
鋭い目つきで僕達を睨みながらそう言う2番の観察眼に驚く。
警戒心が強いとは聞いていたけれど、本当につよつよの強みたいだ。
まさかここまで観察されていようとは。
「こいつが小さいうちから俺が面倒見てきたんだ。綺麗な顔してんだから傷は少ない方がいいだろう。」
「…っは!なるほどな。万が一の時はこいつを娼館にでも売りつけようってか?」
「俺が死んだ時にはそっちの方がましだろ。」
どう返そうかっと悩んでいるうちにノヴァが代わりに答えてくれて、どうにか誤魔化せたっぽい。
「まぁいい。お前達はそこそこ魔力があるらしいな。これにお前たちの魔力を入れろ。」
どこか納得しきらない表情ではあるものの、それ以上2番がこちらを探ってくることはなく僕達に向かって数十個ほどの空っぽの魔力晶を投げ渡した。
「こんなもの、どうするつもりだ。」
「余計な詮索すんじゃねーよ。何も聞かずにさっさとやれ。」
それとなくノヴァが用途を聞くけれど、2番が口を割ることはなくさっさと魔力を籠めろと顎をしゃくって僕達を急かす。
2番は僕達の魔力量がそこそこあるらしいと言った。
と、いうことは2番が僕達の魔力量が見えて言っていることではないと考えられる。
恐らく5番辺りがそういうのが分かるのではないだろうか…。
5番の正体が気になりつつも、僕とノヴァはチラリと視線を交わして言われた通り魔力晶に魔力を籠める。
もちろん魔力量が見えない2番が相手なので、全力ではなくしかし僕達の魔力を視た者に怪しまれない程度のほどほどの魔力を籠めた。
洗濯をしている所にそっと近づいてきたコルダからにぃ様から魔法送書が届いていると聞き、そっと存在感を消して洞窟の外の森に移動する。
ノヴァは違う所に居たので、僕が外にいることをコルダに報告するようお願いしてから魔法送書を開く。
『ルナイス。潜入している旨はコルダより報告を受けたがにぃ様は少しばかり怒っている。危険なことはするなと言っているのに…。しかしそうするのには理由があってのことだろう。定期的に無事であることを報告するように。』
読み終わると魔法送書は消え、そこには魔法の痕跡も残っていない。
しかも、僕に直接ではなく潜んでいるコルダへ送ったあたり流石にぃ様である。
最近僕の中でにぃ様コルダ買収説が浮上している。
何かコルダがやけに詳しくにぃ様に僕の事報告してるんだよなぁ。
ま、それで僕に不利益なことがあるわけでも困ることがあるわけでもないのでどうでもいいのだけど。
『にぃ様。僕は五体満足、精神も良好です。とーさまやにぃ様の許可を得ず行動を起こしたことは大変申し訳ないと思っておりますが、後悔はありません。僕はこれを機に成さねばならないことをするつもりです。僕には優秀な伴侶と護衛がおりますので必ずこの計画を成功させてみせます。多大なる迷惑をアーバスノイヤー家へ掛けることとなりますが…にぃ様達ならば僕を信じてくれると確信しております。大好きです、にぃ様。』
そんな文をにぃ様宛に送る。
最後の言葉はちょっと恥ずかしくて躊躇ったのだけど、この文を添えるか添えないかではにぃ様のご機嫌が大きく変わることを僕は知っているので、自分でもあざといとは思いつつも最後に大好きだという言葉を綴った。
照れくさいし、計算もあっての言葉だけれど嘘はない。
にぃ様も溜息をつきながらも仕方ないと笑ってくださるだろう。
そしてとーさまを華麗に説得してくださるはず!
洞窟に戻ってノヴァの元へ。
途中だった洗濯は代わりにノヴァがやってくれたらしく、汚れた布が綺麗に皺を伸ばされて干されている。
途中で僕のことを2番が聞きにきたらしいがお腹を壊して外に行っていると誤魔化してくれたらしい。
本当はそういった排泄物何かはノヴァの魔法でどうにでもできるのだけど、此処は闇属性適合者の集う場所。
日常的な浄化を扱える者は少なく、お腹を壊してしまったら外でことを済ませないと洞窟内が臭うのだ。
魔法送書を読むときも送る時も周りを警戒していたから見られたってことはないだろうが、やはり長時間洞窟を離れたり単独行動するのは危険だ。
「よぉ、野糞は終わったか?」
ノヴァと次の掃除場へ移ろうとした時、2番がふっと暗闇から現れて小馬鹿にした笑みを浮かべ僕に声をかけてきた。
どうやら彼も闇の中に身を潜めることが可能らしい。
これはますます油断大敵。
貴族出身の僕は「品の欠片もない発言ですね」と言ってやりたいが、今の僕はスラム育ちですのでそんな発言はできない。
「はい。」
そっとノヴァの服の端を掴んでノヴァの後ろに隠れる。
始めの頃の臆病な僕を演じます。
「…お前、本当にスラム育ちか?いくらこの国が比較的闇属性適合者の扱いがましだとしても、お前の肌は綺麗すぎるんだよな。普通スラムで育ちゃー傷跡で多少なりとも肌に凹凸があって当たり前だ。それがお前にはない。」
鋭い目つきで僕達を睨みながらそう言う2番の観察眼に驚く。
警戒心が強いとは聞いていたけれど、本当につよつよの強みたいだ。
まさかここまで観察されていようとは。
「こいつが小さいうちから俺が面倒見てきたんだ。綺麗な顔してんだから傷は少ない方がいいだろう。」
「…っは!なるほどな。万が一の時はこいつを娼館にでも売りつけようってか?」
「俺が死んだ時にはそっちの方がましだろ。」
どう返そうかっと悩んでいるうちにノヴァが代わりに答えてくれて、どうにか誤魔化せたっぽい。
「まぁいい。お前達はそこそこ魔力があるらしいな。これにお前たちの魔力を入れろ。」
どこか納得しきらない表情ではあるものの、それ以上2番がこちらを探ってくることはなく僕達に向かって数十個ほどの空っぽの魔力晶を投げ渡した。
「こんなもの、どうするつもりだ。」
「余計な詮索すんじゃねーよ。何も聞かずにさっさとやれ。」
それとなくノヴァが用途を聞くけれど、2番が口を割ることはなくさっさと魔力を籠めろと顎をしゃくって僕達を急かす。
2番は僕達の魔力量がそこそこあるらしいと言った。
と、いうことは2番が僕達の魔力量が見えて言っていることではないと考えられる。
恐らく5番辺りがそういうのが分かるのではないだろうか…。
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