王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

国王との対話

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ラオイン帝国で新たな法案が発表され、連合国は大きく動いた。




元々あまり属性に対する偏見のなかった小国は柔軟に受け入れ、偏見の強かった国は連合から抜けると言い出したり兵を送り込んできたりと半壊の城はそれの対処に大忙しである。

僕達は関係ないっちゃないのだけど、此処で手を貸さなければ僕達のやったことが無駄になってしまうので連合から抜けると言う国の説得はラギ皇帝に任せ、兵を送り込んできた国には僕達が出向き対処した。





もちろんドラゴンに乗って移動し、まずは国王共に宣言どおり悪夢を見せてやった。

送り込まれた兵士達は全員眠らせてしまい各国の城の地下牢にぎゅうぎゅう詰めにしておいた。









あっちにこっちにと忙しい中、僕達の元にアーナンダ国より一通の魔法送書が送られてきた。



『君達の革命活動については部下より報告を受けている。君達の要求をアーナンダ国も受け入れることに決定したが、そのことについて一度じっくりと話し合う為3日後そちらへ伺いたい。座標を求む。』


魔法送書をノヴァにも見せて、アーナンダ国王にはラオインシュバルツの本拠地へ出向いてもらうことに決めて座標を送った。







その三日後



宣言通りアーナンダ国国王率いるご一行が建物の門前に転移して来た。





「「ルナイス!!」」


「っとーさま!にぃ様!!」



そのご一行の中にはとーさまとにぃ様も居て、待ち構えていた僕を見つけるとすぐに駆け寄ってくれ強く抱きしめてくれた。

僕も二人を強く抱きしめ返し、そして久しい二人の香りを思いっきり吸い込んだ。



あぁ…安心する匂い。







「感動の再会のところ悪いが、私はあまり国を離れられん。ルナイス・ウォード。今回の件についてきちんとした説明をしてくれるな。」


「…もちろんです。」



内心邪魔するなよっと思いながらもとーさまとにぃ様から離れ、国王様達を建物の大きな部屋に案内する。

建物の中には闇属性適合者の集団に居た者達が居るが皆には念の為一か所に集まって隠れているように言っている。
そしてもしかして、に備えて彼らの護衛にコルダをつけている。






「さっそくであるが、ウォード夫夫。君達は今回自分達が何をしたのか分かっているな。」


「えぇ。いつまでも古い考えに囚われ変化を恐れる国々にきっかけを与えました。その行為がアーナンダ国を危機に晒したという自覚はありますが後悔も反省もありません。」




椅子にかけてすぐ、国王様は威圧感たっぷりに口を開いたので僕も負けじと見つめ返し言葉を紡ぐ。

本当はこんなにじっと国王様の目を見つめ返す何てありえないのだけど…彼らの中で今僕はとんでもない反逆者なわけで…従順にするわけにはいかないのだ。






「貴殿の家族が貴殿の行動によって牢屋へ入れられ、責めて来た敵兵に罪なき民が無残に殺されても同じことが言えるか。」


「ラオイン帝国の軍勢がいくら攻めてこようとアーナンダ国の猛者達が敗北することはありません。怪我を負わせ、民達に不安を与えたことに関してはしっかりと償ってまいります。それから…国王様にアーバスノイヤー家を敵に回す覚悟があるようには思えません。」




僕の返しに流石に国王様の従者達が剣を抜き、僕の喉元に剣先を突き付ける。

にぃ様が動いてしまいそうなのをとーさまが止めてくださっているが、とーさまの額には青い血管が浮き出ていて酷くお怒りであることが分かる。



目の前で余裕の表情で腰掛ける国王様の眉がぴくりと動いたが、流石ラオイン帝国に占拠されずに独立国家を守ってきた国王様、表情から考えを読ませない術に優れている。







「なるほど…確かに今の私にアーバスノイヤー家を敵に回す度胸はない。」


「「国王陛下!!」」



以外にもすんなりとアーバスノイヤー家を敵に回す度胸がないと認めた国王様に従者達が悲鳴を上げるが、国王様は何てことない顔で従者達をすぐに黙らせた。




「属性に対する迫害についてきちんとした法を立法することは何度も議題に上がっておったが、変化による混乱を面倒臭がり長年後回しにしてきたことも認める。しかしお主等の他国を巻き込んだ革命に何の罰も与えないわけにはいかない。お主等がいくら国に尽くしてくれたものであれ無罪にはできん。」


「もちろんです。それは覚悟の上で僕達は事を起こしました。そうしなければ何時までも理不尽に散らされる命があったからです。僕は恵まれた環境にいながらもそのことがずっと許せませんでした。知っているくせに動かないでただ見下ろしているだけの王族や重鎮達に強い怒りを抱いていました。少しでも散らされる命が減るのならどんな罰でも受け入れます。」





僕の言葉に隣にいるノヴァも頷く。


革命を起こすにあたって、罰を受ける覚悟があるかは皆に確認をしていて、ノヴァもヨハネス達もそれでもこの革命に付き合ってくれた。




でも、できれば僕意外の人達にはあまり重たい罪が課せられないでほしい。









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