王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

新たな家族

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新婚旅行を終えてから2年


僕は成人…18歳になった。


僕が成人したことでノヴァとの性活も進展した。
ノヴァは驚くほどに丁寧で優しくそしてスマートに僕を抱いた。


どうしてそんなにスマートに出来るのかっと不思議がる僕に、ノヴァは照れながらもにぃ様にこの時の為に閨教育をしっかり受けろと言われていたらしい。
もし僕に不快な思いや痛い思いをさせたら即刻首を切り落とす、何て脅されていたみたいで…

何かちょっと複雑な気持ちになったけれど、にぃ様には恥ずかしいけどしっかりと気持ちよかったって伝えておいた。




だってノヴァとにぃ様が本気で戦ったらたぶん国がなくなる。









そして仕事面では魔導具研究所に正式に所属した半年後、ノヴァとオリヴァーと共同で魔力が少ない人でも生活を便利に送れるような魔導具を沢山作ってなんと国王様から褒章が貰えることになって…そこで彼等は地位ではなく金を要求した。

更に研究が進むように国税から研究へ当てられる金額を上げるように要求したのだ。



これに国王と財務省は苦い顔をしていたけれど、研究者達は大喜び。



結果、アーナンダ国で造られた魔導具は国外にも売れ国を潤したことで研究の重要性が国王だけではなく国民達にも理解してもえた。





とーさまは騎士団を休職し(本当は退団するつもりだったが国王様に止められた)領地のことに力を入れていて、有事の際に必要であれば戦場に駆り出されるのだそう。

にぃ様は近衛騎士団副長となり忙しくされていてあまり会えなくなってしまった。


国が潤ったことで、やっかむ国も出てきているのが現状で…にぃ様は危ない場に赴くことが多く心配すぎてあまり眠れなくなった僕を更に心配したホルス様が数体のレッドドラゴンを率いてにぃ様の元へ一緒に居てくれている。




ドラゴンと共に戦うにぃ様の部隊は大活躍で、他国からの侵略が少しずつ減っているよっとクラージュ殿下がわざわざ教えてくれた。

戦場にはヒュー様も行かれていて、ヒュー様は特にレッドドラゴンと相性が良かったみたいで最前線で暴れまわっているらしく『鮮血の黒騎士』だなんて面白い呼び名が付いている。






本人が帰ってきたら存分に揶揄ってやるつもりだ。










そして僕は魔導具研究所でのんびりしつつアーバスノイヤー家のお仕事を少しずつ一人でも任されるようになってきている。


一度他国への潜入捜査もあったのだけれど、アーナンダ国の予想よりも早く侵略を始めた敵をぜーんぶ闇迷宮ブラックラビリンスに閉じ込めて処分した。


ぶち込んだ敵は僕の創り出した真っ暗な迷宮の中で迷っているだけで、死んではおらず国に帰還した際とーさまにご相談して、敵のうち使えそうな者と敵意のない者のみ迷宮から解放して尋問した後使えれば駒として飼うことになった。




何名か戦うことを嫌い、無害と判断された者が居たが駒になるほどの実力を持った者は1人もいなかった。

よくよく聞けば兵士として鍛えられた者ではなく捨て駒として強制的に兵士の中に入れられた平民であった為、彼等は北の地、ハデス領に引き受けてもらうことになった。



しばらくはテトラ君の監視がつくが、どんな理由があるにせよアーナンダ国に攻め入ってきた兵が牢に入れられることなく平民として生きることを許されたのだから監視くらい耐えてもらわねば。





その他にも王族を狙う輩は国内にもいて…特に今は次期国王として正式に発表されたクラージュ殿下を亡き者にしようと動く者共が多く、そういった奴等を排除する仕事が多い。


僕は影から影へ移動が出来るし、相手を自分の影の中に閉じ込めることもできるから闇属性魔法って本当に隠密に向いている属性だと思う。
そう考えたら迫害されたことを許すつもりはないけれど、周りが警戒するのは仕方のないことかなとも思う。


特に疚しいことがある者からしたら排除したくて仕様がないだろう。
その相手が更に王家を守る近衛騎士を代々務めているアーバスノイヤー家の者ならば余計に。










幼い頃から自分が狙われていた理由が只アーバスノイヤー家の者だからという理由だけではないことは分かっていたし、属性のせいだろうことも分かっていたが、最近改めて自分の命が狙われる理由をきちんと理解した。


こんな仕事をしているとアーバスノイヤー家を出ても狙われるし、なんならたぶん前より刺客の数は増えているんじゃないかなっと思うけれど、僕がそれを把握していない理由としてノヴァの魔法操作の精度が昔よりも更に高度になったことと、ノヴァとオリヴァーが開発した結界の魔導具の設置がされたことと、それからホルス様が僕に育ててみるといいと言って預けてくれたドラゴンの卵から孵って、家を守ってくれている可愛くも強いドラゴンのおかげ。



可愛いドラゴンは灰色なのだけど透明感がある鱗をしていて、そして今は綺麗にして孤児院に寄付したぬいぐるみドラゴンのユエにそっくりなのだ。

だから可愛いドラゴンに僕はユエいう名前を与えた。



そして更に驚くことに、ユエは昔まだ僕が幼い頃にとーさま達と森で助けた子ドラゴンだったドラゴンが産んだ子だった!






今はアーナンダ国を離れ、遠い所に居るようで、以前自分達を助けてくれた子が龍神の加護を持っていると耳にし、自分の子を大切に育ててくれるだろうしユエが成長すれば愛子の力となれるだろうと自分の子を僕に託して欲しいとホルス様に預けてくれたのだそうだ。

あの頃の記憶はもう薄れてしまっているけれど、あの時のドラゴンが僕を覚えていて、大切な我が子を託してくれるだなんてすごい縁だと思う。





何だか小さい頃からずっと僕のことを守ってくれたぬいぐるみのユエが生まれ変わって動く本物のドラゴンになって会いに来てくれたような感覚がして、孵ったばかりのユエを見た時はちょっと泣いちゃった。

ほんと、ノヴァやにぃ様達も驚くほどそっくりなんだ。







ユエと家族になって凄く嬉しかったのだけど一つ面倒なことがあった。

国への報告だ。






____________

今更ですがエールって1日3回までなんですね!
その貴重な3回と時間をくださっているんだと改めて感動しました!

ありがとうございます!
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