ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
11 / 1,124
旅立ち~オードゥス出立まで

ダンジョンがある街

しおりを挟む
「あれがダンジョンがある街ですか…何か変な見た目してますね。」


現在ノア達は目的地のダンジョンと隣接されている街手前の小高い丘で早目の昼食を摂っている所である。

ダンジョンの入り口があるであろう場所は石壁で高く囲われ、石壁の周囲は堀が掘られている。更に堀の上は柵が取り付けられ周囲を武装した兵士が巡回している。そこに隣接して建物が十数軒建ち並んでいる。
その街を道を挟んで広大な小麦畑が囲んでいる。


「あそこは突然地面に大穴が出来てね、中を調査したら森林系のダンジョンになってたらしいんだ。
暫くすると大穴の入り口付近にも木々や植物が生えてきてね、規模が大きくなるといけないから石壁で覆って食い止めた。更に調査を続けたらなかなか良い素材やモンスターがいる事が分かり冒険者ギルドが派遣され武具屋、宿が作られていった。って訳さ。」


「と言うことはあの小麦畑もそういう理由で作られてるんですか?」


「ああ、あのダンジョンに『飢餓ミミズ』ってモンスターがいてね。良質な肥料を生産してくれるお陰であの小麦畑が成り立ってるんだ。」



『飢餓ミミズ』…通称:迷宮の特殊清掃員。名前に反して普段は温厚な生き物。体長は人間の腕の長さと太さ程あり、ダンジョン内の死体から冒険者が出す生ゴミまで何でも食べる。その食いっぷりが飢餓状態の動物並みなので狩りが終わったら急いで採取しないと横取りされる。 


「さて…あの娘が食べ終わったら行くとするか。」

チラリと後ろを見ると依然として肉をふもっているふももさんがそこにいた。

「ふもももぉ!」


「ふももさんの食欲ってあれが通常なんですね。」


朝は前日から食事抜いていた事もあって気にはしていなかったが、昼も同じ速度で食べ始めたからさぁ大変。ジョーさんと連携して調理を行った。


「その上さっきの実の効果もありそうだね。あの実何て言うの?」

「ヤマノハジカミって木の実です、割と色んな所に生えてますよ。臭みがある肉とかに使うと良いですよ。」


「あれ、結構独特な匂いと舌の痺れがあったから避けてたけど、ウチでも仕入れようかな…」
 

「塩とかと混ぜて調味料として売っても良いかもしれませんね。」

ちらっとふももさんを見る。

「効果は絶大だね。」




暫くして我を取り戻したクロラさんが落ち着いた所で一向は街に向け、歩き出す。

「美味しく頂けましたか?」

「お、美味しく頂けました…(照)」

「なら良かったです。」

前を歩くノアの横顔を見ながらクロラが質問を投げ掛ける。

「ねぇノア君。昨日…モンスターを押し付けた時すれ違い様『気にしないで』って言ってたけどあれは何で?」


「そのままの意味ですよ。自分がやった事を分かりきって複雑そうな顔されてたから安心させる為に言っただけです。あの2人と同じ様な顔してたらそんな事言いませんよ。」


「何かノア君って私よりも年下なのにずっと大人に感じるね…落ち着き払ってるっていうか…」


「冒険者になる前に両親と色々訓練したんですよ。そしたら色々度胸がついた、と言うか『アレ』に比べればマシだなって思える様になったんですよ。」


「一体どんな訓練したんだよ…」


「いやぁ、夜中に真っ暗、な森の中で、母さ、んが…野盗の…あれ?自分は今何を…」


「「この話はやめよう。」」


(おかしい、『あの夜』の事を考えると頭に靄が掛かる…)


ノアがうんうん唸っているのを横目に道の両脇に青々とした小麦畑が広がってきた。

「ここまで来ればもう少しだ。あそこに門が見えるだろう?あそこが街の入り口だ。ここからは君達2人で行くと良い。」


「「あれ?ジョーさんは?」」


「僕はちょっと寄る所がある、少ししたらあの街に寄る予定だよ。」

クロラは服装を正してジョーに向き直し礼をする。

ノアも装備を正し、軽く会釈。

「ではまた。」


「ではまた。皮ありがとうね。」


それからジョーは振り返らず近くの小道に入る。

色々気になる人ではあったが気さくな性格の良い人だったなぁ、と思うノア。

「それではクロラさん、行きましょうか。」


小さくクロラが頷いてノアの後を着いていく。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる

仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、 成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。 守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、 そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。 フレア。 彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。 二人の出会いは偶然か、それとも運命か。 無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、 そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。 孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

処理中です...