ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

探索を中断した2階へ

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ダンジョン前で合流したノアとレーヴァは上層1階へ下りた後、前日探索を中断した2階への坂を下りていた。


「それにしても依頼受け過ぎじゃないかい?」

「大丈夫です。期限無いものしか受けてないので。」

「そういう事言ってんじゃないんだよ。ウルフとか鹿は良いとして熊なんか1人でどうするんだい?」


「何度か戦った事あるので落ち着いて対処すればいけると思います。」

「何度かって…坊やその歳で一体どんな経験して来たんだい?」


レーヴァに言われてノアはざっくりとこれまでの事を話し始める。


「元々父さんとはよく狩りには行ってたんです。スキルもその時に色々覚えたりしたんですが僕が冒険者になる、って言ってからは母さんも交えて実戦形式の訓練を行う様になったんです。
「最低でも熊を倒せる程度にはならないとね。」って。」


「実戦形式ってのは?」


「僕の【適正】って少し特殊でして、【適正】の儀を受けに行った協会でもあまり聞いたことが無いみたいなんです。」


(確かにあの適正…【ソロ】を持つ子なんて見たこと無いねぇ。)

レーヴァは今日の朝、報告会でノアの【適正】を知った時の事を思い出す。


「適正上、基本的に1人行動になるので両親には絶対反対されると思ったんです。
そしたら母さんが「1人で数人分強くなれば良いのよ。」って野盗対策で<対人格闘術>を覚えたり、無手で対武器戦闘したり、ナイフ1本だけ渡されて山で3日3晩過ごしたり、視覚や聴覚を奪った状態で襲ってくる母さんに対処したりとか色々やりましたね…」


どこか遠い目をして話すノア。


「ちょっと待ちな。襲ってくる母さんってどういう事だい?」

「それはですね…待って下さいレーヴァさん。
入り口付近にウルフ2頭、猪が1頭います。」


手で合図を送りレーヴァにここで待つよう指示を出す。

「行きます。」

一言告げ<忍び足>を発動。一気に駆け出す。
数歩走った所で入り口正面とその奥に1頭ずつウルフが見えた。直ぐ様腰のダガーを引き抜き、<集中>と<投擲術>を発動。
ダガーを投げる。

ヒュッ!

奥にいるウルフの首に命中。ウルフが悲鳴を発した事で入り口にいたウルフが後ろを向く形になる。 
その隙を見逃さず更に速度を上げウルフの元に到達。ショートソードを抜き、速度を乗せたまま振り抜く。
ダガーが刺さり苦しむウルフの首を狙い、振り下ろす。
視界の端に猪を確認。こちらを視認し、突進の体勢に入っている。ノアはショートソードを右手に持ち直し、猪の正面に立ち動きを止める。

猪が突進を開始。ノアと猪との距離があと僅かとなった時に以前の猪同様、1歩右斜め前に移動、転かすのが目的の為、骨に到達する程度の勢いでショートソードを振る。


無事猪が転け、のたうち回る猪に近付き喉元にダガーを突き立てる。<渾身>を発動。ダガーを引き、喉を大きく裂く。


<渾身>…全身の力を一点に集め、瞬間的に力が増大する。


猪から離れ、周囲を確認。<気配感知>には反応はない。
するとレーヴァがノアの元に合流する。

「いやはや…何度見てもウルフの首が簡単に飛ぶ光景は信じられな


ヒュボッ!

レーヴァが言いきる前にノアが矢を放つ。弓を背中に戻し直ぐ様駆け出す。

「レーヴァさん。猪を見張ってて下さい。」


レーヴァはコクと頷く、それを見届け林の奥へ向かう。程なくして遠くからウルフの悲鳴が聞こえてきた。


「指示も行動も早いねぇ、訓練の賜物ってヤツか…」


そんな事を呟いていると林の奥からノアがウルフ2頭の後ろ脚を持って戻ってきた。
レーヴァの所まで戻ると近くに置き、初めに倒したウルフの首からダガーを引き抜く。
そのまま猪の首元に投げ、深々と突き刺さる。


「確実に死んでる様ですね、回収して探索を続けます。」

猪1頭、ウルフ4頭をレーヴァの鞄に入れ、再び壁伝いに走る。


暫く走ると視界の奥で何かがウルフを吹っ飛ばす光景が目に入った。
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