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旅立ち~オードゥス出立まで
ぎゃあああ
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「こんにちは~…」
「ぎゃあああ!」
現在午前11時、ノアが泊まる宿近くにある洋裁店。
血塗れになった服の代わりを買いに来たのだが、いきなり血塗れの少年が現れた為女性職員が悲鳴を上げてしまった。
「もー…びっくりさせないで下さいよ…
はいこちらでどうでしょうか?」
「おーぴったり、ありがとうございます。」
洋裁店を出て次は薬草小屋に向かう。
「いらっしゃーい…にゃ!?お兄ちゃん顔青白いにゃ。どーしたにゃ。」
「昨日ちょっと血を流し過ぎてしまって…チノアラシの針ってありますか?」
「お兄ちゃんチノアラシ知ってるのね、あるのにゃ。こっちにある秤に乗って貰って良いかにゃ?」
『チノアラシ』…石や鉱石を主食とするネズミ系のモンスター、名前の割りに温厚。背中の針に金属成分を多量に含んでおり処理の仕方によっては輸血針として使用可能。
「うーん…お兄ちゃんの体重なら2本にゃね、腕出してにゃ。」
「…はい。」
座った体勢で腕捲りをして台に腕を置く。
「じゃあいくにゃ、3…2…「ブスッ、ブスッ」ほいっとにゃ。」
「いっ!ぎっ!…2で射たないで下さいよ…」
ノアの腕、血管目掛け2本立て続けに突き刺す。
刺さった針は徐々にノアの体内へ吸収されていく。
「こーいうのは思い切りが大事なのにゃ。
あ、そうにゃ!お兄ちゃんこの間作ってた回復玉うちでも作って良いかにゃ?」
「え?構いませんよ。どうしてです?」
「あの回復玉の作り方は薬草の煮出し方や作製完了の見極めの練習になるのにゃ。」
(あー確かに、回復玉作ってたら<作製の見極め>とか<調理師仮免許>とか取れたしな…)
「それで自分達でも使ってるんにゃけど30個程余っちゃって…」
「あーそういう事ですか良いですよ。全部下さい。幾らですか?」
「い、良いのにゃ!練習で作ったからお代は貰えないのにゃ!」
「そ、そうですか。であれば頂きます。
あ、そうだこちらからも1つ良いですか?」
そう言って鞄から鉄串が刺さった苦万蜂を取り出す。
「んにゃ!苦万蜂じゃにゃいか!お兄ちゃんが取ってきたにゃ?」
「ええ、こいつの毒が結構厄介そうなので武器として使えるかな、が半分。薬草小屋の人欲しいかな、が半分ですね。」
「一撃で仕留めてるから凄く状態が良いのにゃ。でもこの毒の抽出はお師匠さんじゃないと無理なのにゃ。
師匠、しーしょー。」
と店員が店の奥に向かい叫ぶ。
「聞こえてるよ。坊やだね?苦万蜂を持ち込んだのは…ほう、綺麗に仕留めたね。ほぼ無傷じゃないか。」
奥から現れたのは杖をついたもこもこの猫獣人。
背丈はノアの胸程、体毛がもこもこ過ぎて顔が見えず完全に形は球。
ついていた杖を体毛の中にしまい、代わりにモノクルを取り出し、(恐らく目の位置に)装着して苦万蜂を観察する。
「頭の一撃で仕留めてるから眼、腹、翅全部無事だね。眼、翅は装飾品。腹に毒が入ってるから薬師、医療系に割りと高く売れるから覚えとくと良いよ。
苦万蜂には1つ1つは弱い毒だけど混合されて威力の底上げをしてるの、ただ抽出には時間が掛かるからまた来てもらって良いかしら?」
「分かりました。では手元に残り8匹ありますので渡しておきます。」
鞄から残りの蜂を取り出す。少し多かったのか店員と師匠が「にゃああ…」と鳴いていた。
「眼や翅の買取金は後でギルドに報告しとくよ。」
体調も良くなり用も済んだのでギルドに向かう。
中に入るといつも通り職員が働いている。ぐるッと中を見回し、まだ目的の人物がいないことに少し安堵する。
(何安心してるんだよ、ただご飯食べに行くだけじゃないか…)
ギィッ
ノアが何故かうんうん唸っている背後でギルドの扉が開く。今更ながら<気配感知>に知ってる反応があったことに気付く。
「あ、ノア君、お待たせ~」
クロラに挨拶しようと振り向いたノアだが、扉の向こう、通りの奥に一瞬ニヤリ顔のポーラを見た気がしたが気のせいだと思いたい。
「あ、いえ、自分も今来た所ですから。」
ノアは改めてクロラを見る。気のせいか顔が赤い気がする。
「クロラさん顔赤いみたいですけど大丈夫ですか?」
「あ、うん。たまたまそこでポーラに会って少し話してたから慌てて走ってきただけ…ただご飯食べに行くだけなのに、ごめんね。」
(ははーん、何か吹き込まれたな。)
何はともあれクロラが来たのでノアは一緒におばちゃんの食堂に向かう。
ノアの隣を歩くクロラだが俯いている。会話がないのもあれなので
「クロラさん、ポーラさんに何か吹き込まれましたか?」
「ぅえっ!?あ、いやー
『クロラは彼と2人っきりになると緊張して何も話せなくなるだろうから困ったら手握っちゃえ、彼は動揺はするだろうけど拒否する事は無いハズだ』って…」
「くそぅ…ぐうの音も出ない…」
思わず言葉に出る。それを聞いたクロラはノアの手を握る。
ノアの体は強張るが振りほどく様なことはしない。
「ホントだ。」
にこっと笑うクロラの顔に
(やっぱりクロラさんは笑ってる顔が一番だな…)
などとお互い良い感じになった所で
「良い雰囲気な所申し訳無いけど、とりあえず席座ってくれないかい?」
既に食堂に到着し、カウンターからおばちゃんとチャールズがこちらの光景を眺めていた。
「ど、どどど、どこから…?(ノア)」
「えー?『くそぅ…ぐうの音も出ない…』辺りからだね。」
(ほぼ最初からじゃないかぁっ!)
せめてもの救いだったのは周りに他の人がいなかった事だろう。
ノアが無言で嘆きつつもおばちゃんに促され席に着く。
今日のおすすめはお肉たっぷりのハンバーグの様だ。2人供同じ物を注文する。
少しすると肉の焼ける音と数種の香辛料香りが漂ってくる。クロラはもとより、ノアは昨日何も食べず寝た為とても腹が減っていた。
おばちゃんが席に料理を運んでくる。
肉が少し焦げた香りとソースの甘辛い香りが合わさり2人の胃袋を刺激する。
「「いただきまーす。」」
2人供黙々と食べる。ノアが4回程食べ進めた所でふと口に頬張って食べ続けるクロラの顔を見る。
それに気付いたクロラが慌てて口元を隠して顔を背ける。
「ノ、ノア君、どうしたの?私の顔見て…」
「前にも言いましたが僕クロラさんが美味しそうに食事してる時の表情好きなんです。」
「そ、そんなに?」
「ええ、惚れるほ、どです…」
言ってる途中で自分が何を言おうとしているかに気付くが時遅し。
お互いが赤面し合う状況になり掛けた時、2人が座ってる席が影に覆われる。
「ぎゃあああ!」
現在午前11時、ノアが泊まる宿近くにある洋裁店。
血塗れになった服の代わりを買いに来たのだが、いきなり血塗れの少年が現れた為女性職員が悲鳴を上げてしまった。
「もー…びっくりさせないで下さいよ…
はいこちらでどうでしょうか?」
「おーぴったり、ありがとうございます。」
洋裁店を出て次は薬草小屋に向かう。
「いらっしゃーい…にゃ!?お兄ちゃん顔青白いにゃ。どーしたにゃ。」
「昨日ちょっと血を流し過ぎてしまって…チノアラシの針ってありますか?」
「お兄ちゃんチノアラシ知ってるのね、あるのにゃ。こっちにある秤に乗って貰って良いかにゃ?」
『チノアラシ』…石や鉱石を主食とするネズミ系のモンスター、名前の割りに温厚。背中の針に金属成分を多量に含んでおり処理の仕方によっては輸血針として使用可能。
「うーん…お兄ちゃんの体重なら2本にゃね、腕出してにゃ。」
「…はい。」
座った体勢で腕捲りをして台に腕を置く。
「じゃあいくにゃ、3…2…「ブスッ、ブスッ」ほいっとにゃ。」
「いっ!ぎっ!…2で射たないで下さいよ…」
ノアの腕、血管目掛け2本立て続けに突き刺す。
刺さった針は徐々にノアの体内へ吸収されていく。
「こーいうのは思い切りが大事なのにゃ。
あ、そうにゃ!お兄ちゃんこの間作ってた回復玉うちでも作って良いかにゃ?」
「え?構いませんよ。どうしてです?」
「あの回復玉の作り方は薬草の煮出し方や作製完了の見極めの練習になるのにゃ。」
(あー確かに、回復玉作ってたら<作製の見極め>とか<調理師仮免許>とか取れたしな…)
「それで自分達でも使ってるんにゃけど30個程余っちゃって…」
「あーそういう事ですか良いですよ。全部下さい。幾らですか?」
「い、良いのにゃ!練習で作ったからお代は貰えないのにゃ!」
「そ、そうですか。であれば頂きます。
あ、そうだこちらからも1つ良いですか?」
そう言って鞄から鉄串が刺さった苦万蜂を取り出す。
「んにゃ!苦万蜂じゃにゃいか!お兄ちゃんが取ってきたにゃ?」
「ええ、こいつの毒が結構厄介そうなので武器として使えるかな、が半分。薬草小屋の人欲しいかな、が半分ですね。」
「一撃で仕留めてるから凄く状態が良いのにゃ。でもこの毒の抽出はお師匠さんじゃないと無理なのにゃ。
師匠、しーしょー。」
と店員が店の奥に向かい叫ぶ。
「聞こえてるよ。坊やだね?苦万蜂を持ち込んだのは…ほう、綺麗に仕留めたね。ほぼ無傷じゃないか。」
奥から現れたのは杖をついたもこもこの猫獣人。
背丈はノアの胸程、体毛がもこもこ過ぎて顔が見えず完全に形は球。
ついていた杖を体毛の中にしまい、代わりにモノクルを取り出し、(恐らく目の位置に)装着して苦万蜂を観察する。
「頭の一撃で仕留めてるから眼、腹、翅全部無事だね。眼、翅は装飾品。腹に毒が入ってるから薬師、医療系に割りと高く売れるから覚えとくと良いよ。
苦万蜂には1つ1つは弱い毒だけど混合されて威力の底上げをしてるの、ただ抽出には時間が掛かるからまた来てもらって良いかしら?」
「分かりました。では手元に残り8匹ありますので渡しておきます。」
鞄から残りの蜂を取り出す。少し多かったのか店員と師匠が「にゃああ…」と鳴いていた。
「眼や翅の買取金は後でギルドに報告しとくよ。」
体調も良くなり用も済んだのでギルドに向かう。
中に入るといつも通り職員が働いている。ぐるッと中を見回し、まだ目的の人物がいないことに少し安堵する。
(何安心してるんだよ、ただご飯食べに行くだけじゃないか…)
ギィッ
ノアが何故かうんうん唸っている背後でギルドの扉が開く。今更ながら<気配感知>に知ってる反応があったことに気付く。
「あ、ノア君、お待たせ~」
クロラに挨拶しようと振り向いたノアだが、扉の向こう、通りの奥に一瞬ニヤリ顔のポーラを見た気がしたが気のせいだと思いたい。
「あ、いえ、自分も今来た所ですから。」
ノアは改めてクロラを見る。気のせいか顔が赤い気がする。
「クロラさん顔赤いみたいですけど大丈夫ですか?」
「あ、うん。たまたまそこでポーラに会って少し話してたから慌てて走ってきただけ…ただご飯食べに行くだけなのに、ごめんね。」
(ははーん、何か吹き込まれたな。)
何はともあれクロラが来たのでノアは一緒におばちゃんの食堂に向かう。
ノアの隣を歩くクロラだが俯いている。会話がないのもあれなので
「クロラさん、ポーラさんに何か吹き込まれましたか?」
「ぅえっ!?あ、いやー
『クロラは彼と2人っきりになると緊張して何も話せなくなるだろうから困ったら手握っちゃえ、彼は動揺はするだろうけど拒否する事は無いハズだ』って…」
「くそぅ…ぐうの音も出ない…」
思わず言葉に出る。それを聞いたクロラはノアの手を握る。
ノアの体は強張るが振りほどく様なことはしない。
「ホントだ。」
にこっと笑うクロラの顔に
(やっぱりクロラさんは笑ってる顔が一番だな…)
などとお互い良い感じになった所で
「良い雰囲気な所申し訳無いけど、とりあえず席座ってくれないかい?」
既に食堂に到着し、カウンターからおばちゃんとチャールズがこちらの光景を眺めていた。
「ど、どどど、どこから…?(ノア)」
「えー?『くそぅ…ぐうの音も出ない…』辺りからだね。」
(ほぼ最初からじゃないかぁっ!)
せめてもの救いだったのは周りに他の人がいなかった事だろう。
ノアが無言で嘆きつつもおばちゃんに促され席に着く。
今日のおすすめはお肉たっぷりのハンバーグの様だ。2人供同じ物を注文する。
少しすると肉の焼ける音と数種の香辛料香りが漂ってくる。クロラはもとより、ノアは昨日何も食べず寝た為とても腹が減っていた。
おばちゃんが席に料理を運んでくる。
肉が少し焦げた香りとソースの甘辛い香りが合わさり2人の胃袋を刺激する。
「「いただきまーす。」」
2人供黙々と食べる。ノアが4回程食べ進めた所でふと口に頬張って食べ続けるクロラの顔を見る。
それに気付いたクロラが慌てて口元を隠して顔を背ける。
「ノ、ノア君、どうしたの?私の顔見て…」
「前にも言いましたが僕クロラさんが美味しそうに食事してる時の表情好きなんです。」
「そ、そんなに?」
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