ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

街上空に巨大な

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空を見上げると街上空に巨大な鳥が羽ばたいていた。
飛んでいるハズなのに地上から見ても通常の大きさに見える程だ。 
ただ不可解なのはその鳥が滞空している事だ。
周囲を見ても皆呆然と鳥を見ている。

ノアが目を凝らすと鳥の上に人がいる様に見えた。<遠目>を発動すると黒い装束を来た何者かの姿が見えた。

「クロラさんはここにいて下さい!」

「う、うん。」

席から立ち上がり通りに出る。
<瞬脚><剛脚><渾身>を同時発動、通りの石畳を粉砕して飛び上がる。


<瞬脚>…速度を出したい時のスキル

<剛脚>…強烈な力で踏み出す時のスキル


羽ばたく翼に掴まる。そのまま捕まり続け、振り上げの際手を放し鳥の更に上空に上がる。
鳥の上には黒い装束の者が20人程と謎の荷が5つ。

集団の背後に降り立つ寸前、仲間の1人に気付かれた。

「な!?何者だ!どこから…」

と言うが早いか周りにいた仲間が次々抜剣しだす。

「おい!馬鹿止めろ!」

奥にいる1人が声を上げるが聞こえてないのか止まらない。
手前の装束が上段から剣を振り下ろしてくるので素早く剣を握る手を取り捻る。

「いででで!」

痛みで剣を落とし転がる。
目の前の装束も上段から斬りかかろうとしているがその背後の者が突きの構えで待機している。
恐らくこちらが避けた所を突きで仕留めるつもりだろう。

(それなら。)


上段からもの凄い速度で振り下ろしてくるのでその場を動かず手首を掴む。

ギリギリギリ…

「いっ!がぁぁあ!」

力を入れ無理矢理剣を落とさせる。
背後にいる者は仲間がいる為動くに動けない。
その隙を見逃さず、空いてる手で胸ぐらを掴み突き飛ばす。背後の者も巻き込まれ気絶する。

前方から無手の装束が3人纏めて突っ込んで来る。接敵5歩手前で両側2人が変則的な動きをし出す。真ん中の装束はそのまま突っ込み腰からダガーを取り出す。
ダガーを不規則に動かしながら斬りかかるが

「当てる場所見てるからバレバレですよ。」

装束の一撃を避け、すれ違いざま頬に強目の張り手を食らわす。

ベチィッッ!

食らった装束はその場に崩れ落ちる。
変則的な動きをしていた装束の2人は少し時間差を付けて殴り掛かってくるがノアは見もせず両手で拳を掴む。
掴まれた2人の装束はノアの手から逃れ様とするが全く外れる気配が無い。焦ってノアに攻撃しようとしたが

ミシッ 

「ぐぁあああ!」
「うがぁああ!」

痛みで悶える両名。残りの集団に向けノアが叫ぶ。

「お前達は何者だ!返答によってはこの2人の拳はこのまま砕く!」

「や、止めてくれ!」
「ちょっ、待ってくれ!」

掴まれてる方はたまったもんじゃないと叫ぶ。

「待て待て待て待て!待ってくれ!俺達は怪しいもんじゃない!」

奥にいる装束が慌ててノアに制止を求める。
ノアはその装束を睨み付けたまま返答を待つ。装束は懐から紋章の様な物を取り出す。

「俺達は王都直轄の調査隊だ!ダンジョンで異常報告があったから調査に来ただけだ!」


「え?」




「本当に申し訳ありませんでした。」

現在ギルドの建物1階カウンター前、深々とお辞儀をするノアの前にはギルド長のエメラルダと黒い装束を纏った筋骨隆々の男性が立つ。

この男性が纏う装束には金の刺繍が施されており他の者よりも上の者だと判断が着く。
室内には先程の巨鳥にいた調査隊の面々が揃っていた。

「まぁあんな物に乗った黒い装束の集団なんて何も知らなきゃ襲撃かと思うわな…」

「こちらも喚起しておけば良かったです。申し訳ありませんでした。」

「それにしても調査隊であるからある程度戦闘経験がある者を連れてきたつもりだったが、不意を突かれたとは言え6人が新人冒険者に遅れを取るとは…訓練の量増やすか?」

筋骨隆々の男性から闘気の様な物が上がった気がする。
男性の発言に周囲の調査隊が露骨にざわつく。

「さて少年。俺はこの調査隊の隊長を任されてるベルドラッドだ。よろしくな。
調査隊に対しての行いの事は気にするな。こちらの落ち度が多々あるからな。」

「それは助かります。今の言葉聞くまで生きた心地がしませんでしたよ…」


苦笑いするノアにベルドラッドは

「ふむ。君はなかなか強いな。」

「え?」

「今俺は熊2頭相手にする位の闘気を放っているつもりだが、君は特に気圧されてる様子もないな。
君は本当に新人冒険者か?」

「あー、ベルドラッドさん。
報告書に書きました『対象』の討伐を行ったのが彼なのです。」


<嘘だろ!?>
<流石にそれは…>
<いや、さっきの手際は…>

エメラルダの発言に更に周りがざわつく。

「…ほう。少年、報告書には中層1階での戦闘内容が大雑把にしか判明してないのでな、出来れば説明を頼む。」


ベルドラッドに説明を求められたのでアルミラとの共闘~鎧蜂と女鏖蜂の戦闘開始までを説明する。


「それでアルミラさんにはギルドの報告をお願いしました。
ライルさんには危ないので自分の後ろ~入口の間で待機して貰いました。」

「報告書の通りだな。」

「それから女鏖蜂に直接攻撃を仕掛けたのですが悉く防がれたので鎧蜂に接近してダガーで攻撃しましたが傷を多少付けた程度で終わりました。
その後は4匹からの針攻撃を食らいつつ回避したのですが女鏖蜂が卵を産み出して苦万蜂を強制的に孵化させ、僕に襲い掛かって来ました。
鎧蜂供は苦万蜂ごと僕に針攻撃を繰り出して来ました。」

ノアの説明を皆黙って聞いていた。エメラルダは表情を険しいものに変えている。

「それで先程傷を付けた鎧蜂から倒そうと思ったんですが、脱皮されて振り出しに戻りました。
その後眼、翅、接続部を斬ったり刺突したり<剛脚>発動してダガーを楔に翅をもぎ取ろうとも思ったのですが何も通用しないし武器も殆どボロボロになったので万策尽き掛けた所ですよ。」

「確かに鎧蜂は金属製の重鎧に匹敵する程の堅さを誇るからな。
翅を狙うのは確かに合理的ではあるが奴の翅は金属に匹敵する強化骨格に薄い金属製の皮膜で出来てるからな、並みの剣では歯が立たない。
このダンジョンは広くないからまだ良いが広大なダンジョンだと突進と翅による斬撃攻撃を仕掛けてくる程だ。
あー、すまない話の腰を折ったな。続けてくれ。」

「それで自分は切り札をきったんですけど…言わなきゃ駄目ですか?あまり手の内晒したくないのですが…」

「可能な限り頼む。」

ノアはため息を吐き、説明を続けた。

「そこで僕は固有スキル【鎧袖一贖(がいしゅういっしょく)】を発動しました。」


「【鎧袖一贖】?」
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