ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

無駄にかっこいい名前の5茸

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食堂に到着したノアは再会を喜び合う無駄にかっこいい名前の5茸を眺めていた。

「おお!レガリア、バルバロッサ、クリスチャン、レベッカ!もう会えないかと思っていたぞ!」

とても嬉しいのか5人(?)は食堂前の通りでくるくると喜びの舞いを踊っていた。
ノアが眺めているとおばちゃんが近寄ってきた。

「彼ね、寂しかったんだろうね。お客さんがいない間ずっと薄暗い所でじっとしてたし…」

(茸ですしね。)

「黙ーってずっと水遊びしてるし…」

(茸ですからね。)

「たまに"仲間か…"って呟いてたりしてたよ。」

(茸で…あ、それは関係ないか。)


ただ、チャールズの反応を見る限り嬉しそうなのは確かな様だ。

「いやーすまないノア君、嬉しさのあまり小躍りをしてしまった。
仲間を連れてきてくれてありがとう。
 お礼をさせて欲しいのだがもう1人女の子がいなかったかい?」

「ああクロラさんの事ですね。彼女とはさっきまで一緒だったんですけど別れちゃって…」

「仕方ない、彼女には後日受け取って貰うとして先に君にお礼を受け取って貰おう。」

すると目の前の5人(?)の茸は円陣を組む。

「ふん!」

と一言発する。

「……。」

「……。」

「…あれ?発動しない…ふん!……あれれ?」

「どうしましたか?」

「いや、<キノコの綿胞子>を授けようとしたのだが発動しないのだ…」

(発動しないと言うことは<支援魔法>とかそう言う類いのものかな…)

「ちなみにどういった効果なんですか?」


<キノコの綿胞子>…一度体内に取り込めば毒、麻痺、睡眠等の状態異常を無効化する(但しキノコ限定)


「と言う効果だ。」

(何それメチャクチャ欲しい…)

「あのですね…」

ノアは自分の【適正】、それにより<支援魔法>の様な類いのものを受け付けない事を伝える。



「うむむ…それは困ったな…」

「いや、お気持ちだけで十分ですよ。」

「そう言う訳にはいかない、それでは私の気が収まらんのでな。
そうだ!現物支給になるがどれか好きなものを選んでくれ。」

そう言ってチャールズは小さな手を出す。
すると目の前に素材名と説明文が表示される。


『無限キノコの胞子』…手持ちの木材に栄養がある限りひたすら増え続けるキノコの胞子。100本に1本は別のキノコが生えることがある。うまいよ。

『確殺キノコの胞子各種盛り合わせ』…対象を確実に殺せる程の多種多様な毒を持つキノコの胞子。毒が強過ぎるから対象の素材はどうしようもなくなるぞ。うまいよ。

『きのこパーティ』…どんな役割を持たせるかはあなた次第。厳しく育てればあなたの頼もしいパーティになってくれるきのこの胞子。うまいよ。


(きのこパーティは【適正】上無理だな…
確殺キノコは良いかなって思ったけど素材がダメになるのはなぁ…
食糧確保の意味で無限キノコだな。)


「では『無限キノコの胞子』でお願いします。」

「おお、受け取ってくれるか、そのキノコの胞子は木材と一緒に入れておけばいつの間にか増えてるから時々見ると良い。
木の栄養が無くなったら増えなくなるからすぐに分かるよ。」

そう説明を受けたので先程試し"撃ち"に行った時の木があったのを思い出し、同じ枠内に胞子を入れる。
すると表示が『無限キノコ0本』と表示された。

「ではありがたく頂きます。」

話が終わるとチャールズは再び4人の所に戻って行った。邪魔するのも悪いのでノアは食堂を離れる。

次に向かったのは先程小麦粉や木の実等を購入した食料品店だ。
店に入ると同じ職員さんがいた。

「あらさっきの冒険者さん。お目当ての物は作れたのかしら?」

「ええ、その報告に来ました。」

そう言ってアイテムボックスから携行食を取り出し職員に渡す。

「あら。焼き菓子かと思ったけど結構固いのね。どれどれ…」

ザクッ!    ザクッ!ボリッ!ボリ!


「うん、旨いじゃない。さっきの材料全部入れてるのね。」

なかなか好評の様だ。


「お、良い匂いだね。僕にも1本くれないかい?」


後ろから声が掛かったので振り返るとジョーが立っていた。

(相変わらず気配感じないな…この人。)

「ジョーさん、商談の方は終わったんですね?」

「ああ、商談自体は早い段階で終わってたんだ、それ以降は挨拶回りって所かな。
そうしたら小腹が空いたのでこっちに来たらノア君がいたと。」 

「お疲れ様でした。はいどうぞ。」

再びアイテムボックスから取り出し、ジョーに手渡す。

「あれ?これノア君が作った物なの?」

「ええ、自分なりの携行食を作ってみました。」

「へぇ、以前島国で食べた"おこし"に似てるな…どれどれ。」

ザクッ!     ボリボリッ!

「うん!旨い。ふむ、色々入ってるね。食事効果も2つ付いてるしこの大きさで『腹持ち:中』か、ふむふむ。」


ジョーの反応からして好評の様だ。

「しかしノア君は『ヤマノハジカミ』といい面白い事を知っているね。あれを販売したら飛ぶ様に売れたよ。」

その時の光景を思い出したのだろう、ジョーがホクホク顔をしている。


「そういえばノア君はここで何をしてたんだい?」

「製作依頼してた剣が出来て、装備があと少しで出来るんです。今夜潜る前に色々と用事を済ませている所です。」

「お!遂に剣が出来たのか。見せて貰うことは出来るかい?」

「あまりおおっぴらには見せたくないのでとりあえず次の用事がある所ででも良いですか?」

そう言ってアルミラがいる建物を指差す。


「ああ、アルミラさんに用事があるのか。」

「ジョーさん、アルミラさんと面識合ったんですね。」

「これでも商人だから木材の買い付けでよく会うからね。」


確かに言われてみればそうだな、と思いつつアルミラの店に入る。

「いらっしゃい、あらノア君と…ジョーさん、いつもご贔屓にして貰ってありがとうございます。今後とも良いお付き合いを。」

「いえいえ、いつも良い物を揃えて頂き感謝してます。」

「今日は何か調達の依頼でしょうか?」

「いやいや、そこで知り合いのノア君と会いましてね。用事があると言う事で付いてきただけですよ。」


「あら、ノア君とお知り合いでしたのね。
用事というのは『魔竹』の事で良いのかしら?」


「はい、本当でしたら今日一緒に採取に行く予定でしたのに採ってきて貰ってすいません。」


「こんな状況じゃ仕方ありませんので気にしないで下さい。
はい、こちらがその『魔竹』になります。」
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