ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

報告が色々

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王都からの招待辞退を伝えたノアはギルドを出ようとするとエメラルダから呼び止められた、報告が色々残っているらしい。


「まずノア様のレベルですが『レベル5』になりました。
このまま精進してくださいね。」

「レベル5…って言われても今一ピンと来ませんね。」

「ここら辺ではそんな感じですが、王都でレベルと言うのはその者の強さを表しますので覚えておいて下さい。
ちなみに1ヶ月前までアリッサさんは『5』でした。」

(やっぱり今一分からないな…)

「えーっと、続いてですが、ノア様に【鬼神】の二つ名を授けます。」

「【鬼神】ですか…」

「ええ、ノア様の戦いぶりを見た多くの者からこの二つ名が良いと推薦がありました。」

「尚の事王と会い辛いですね、喧嘩っ早い人と絡まれる気しかしない…」

「あぁ、勿論公表するか冒険者カード内に留めるかどうかは本人の自由です。」

「それなら冒険者カード内でお願いします。」

「畏まりました、最後にノア様に"要請弾"所持の認可が降りました。」

「"要請弾"?」

「はい、近隣を歩いてる時にモンスターの群れを見掛けた、ゴブリンの集落を見付けた、大規模な野盗の一団を発見した等々自分の手には負えないと判断した物事について空に打ち上げて貰えれば直ちに王都から隊員が派遣され、対処に当たります。」

「隊員達を要請する弾なんですね?」

「ええ、そうです。
その棒を上に向けた状態で魔力を籠めますと発射されます。
取り敢えず10発預けます、足りなくなったら派遣された隊員から貰えますので言って下さい。」

「分かりました。これで全部ですね?」

「はい、以上になります。」


ノアが受け取った要請弾をアイテムボックスに仕舞っていると、丁度ギルドに入ってきたパーティに声を掛けられる。


「あ、ノア君じゃないですか!」


ノアが後ろを振り返ると剣士のエルと弓のティカ、神官のラミーの女性3人パーティが立っていた。


「あ、おはようございます。
ついさっきダンジョンから戻って来た所なんです。
あれからどうでしたか?」

「はい、ノア君から頂いた焼き菓子のお陰で久しぶりに満足出来ました。」

「もし良かったらこの後どうですか?
僕は暫く街にいるので皆さんが良ければ、例の料理を作ろうかと思うのですが…」

「「「お願いします!」」」


エル、ティカ、ラミーの3人からの圧が凄まじかった。






「それで確認ですが、肉、魚、卵がダメで脂、乳製品は大丈夫なんですね?」

「はい、それは大丈夫です。」

「ちょっと食料品店に寄って材料調達しますね。」


ノアは再び食料品店に入り、職員に声を掛ける。


「はーい…おや、さっき振り。」

「さっき振りです、今度はちゃんと買い物しに来ました。」

「ほーん…後ろの娘達に料理を振る舞うのかい?」


職員にいらぬ誤解をされている様なので彼女らの事情を説明する。


「なるほどね~【神官】はそこら辺厳しいって聞いた事あったけど本当だったのね。
それでノア君が何か考えがあるのね?」

「そういう事です。あとついでに食材の買い貯めしておきます。」

「はい、良いよ、何でも言って。」

「では、小麦粉100キロ、玉ねぎ100個、人参100個、じゃがいも100個、「ちょっ、待…」バター1キロ、乾燥出汁100箱、トマトの水煮瓶10瓶、獣脂…」

「待って待って!?流石にその量は無いからあるだけ渡しとくよ?
後日不足分取りに来て頂戴。」

「ノア君の買い物って豪快だね…」

「そろそろ街を出るからその為ですよ。」


てんやわんやの職員があるだけの品物を揃え終わったのはそれから20分程してからだった。





「すいません、またこの場所使います。」

「やぁ少年、また料理作りに来たのかい?」

「そんな所です。」


材料を調達し、街の外に出たノアは門番の人に断りを入れ数日前に煮込みハンバーグを作った場所までやって来ていた。

ノアはアイテムボックスから黒い箱を取り出して『オープン』と唱えると瞬く間にキッチンが展開される。


「「「おお~っ!」」」

「おはようございますノア様。」

「「「喋ってる~!?」」」

「本日は別の女性を連れているのですね?」

「うーん…何か言い方がよろしくない…」


とにかく展開が完了したので直ぐに作業に移る事にした。


「取り敢えず全身にクリーン、あと包丁とまな板、ボウルを準備して。」

「畏まりました、クリーンと各種道具準備出来ました。」

「ラミーさん、キノコ食べれますか?」

「あ、はい、食べれます。」

「で、あれば…」


ノアはアイテムボックスから無限キノコを4個取り出し、柄を切って傘の部分も合わせてみじん切りに、続けて玉ねぎを2個取り出して同様にみじん切りにしていく。


「フライパン1つ中火で温めて。」

「了解しました。」


フライパンが温まるまでの間ボウルに小麦粉1キロを投入、水を少量ずつ垂らして生地を作っていく。


「あ、パンも焼くんですか?」

「んーっとパンでは無いかな…」

「ノア様、フライパンが温まりました。」

「よし来た。」


ノアはフライパンにバターを一欠片入れると玉ねぎと無限キノコのみじん切りを投入、焦げ付かない様にじっくり炒めつつボウルの生地を捏ねる。

「よし、こんな物か、暫くちょろちょろと水を出しっ放しにしてて。」

「分かりました。」


そう言うとノアはボウルの中に水を入れ、洗い始める。


「え!?ちょっとノア君何やってるの?ドロドロに溶けちゃうよ?」

「いーのいーの。」


その後も生地を洗い続け、水が白く濁っては捨て、洗っては捨てを繰り返す。
暫く続けていると生地が残ったまま水が濁らなくなってきた。


「もう良いかな、鍋に水を張って沸騰させて。
あとボウルにクリーンして。」

「畏まりました。」


フライパンの中の玉ねぎは飴色になったのでボウルに上げる。


「ノア様、沸騰しました。」

「はいよー。」

ドプン!

先程捏ねていた生地を薄く伸ばし、熱湯に投入。
茹でてる間に鍋を取り出しトマトの水煮を2瓶取り出し鍋へドボン、トマトの水煮が温まり出した所でバターを一欠片ずつとウスターソースをドボン、乾燥出汁をザラザラっと投入、塩コショウをパラッパラと入れて味を見る。

「うん、こんな物でしょう。このまま保温で。
あと水を張ったボウルをお願いします。」

「畏まりました。」


続いてじゃがいもと人参を取り出し、皮をスルスルと剥いていく。
じゃがいもを少し大きめに切ってボウルに入れ、<調理時間短縮>を発動してちゃっちゃとアクを抜く。
アクを抜いたじゃがいもと人参を鍋に投入して再び<調理時間短縮>を発動。

茹で終わった生地を取り出し、軽く絞った後包丁で細かくみじん切りにする。
先程炒めた飴色の玉ねぎ、キノコに塩コショウ、獣脂、パン粉を投入して一緒くたに混ぜ込んでタネを作る。

出来たタネを軽く握り、はみ出した一口大の団子を次々鍋に投入、再び<調理時間短縮>を発動してコトコト煮込む。

暫し煮込んだ後シチューの味と団子を一口食べる。


「うん、いけると思うけどラミーさんの口に合うかどうか…
はい、出来ましたよ。
なんちゃってミートボールのシチュー煮込みです。」
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