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アルバラスト編
うつらうつら
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兵舎から出てギルドの方に向かおうとすると朧の足取りが重い。
表情を確認するとうつらうつらとしていた。
時間的にも既に真夜中になっていた為、武器屋エリアは開いてはいるものの、しんと静まり返っていた。
「朧さん、お疲れの様ですから今日はもうここまでにしてまた明日にしましょう。」
「それを言ったら君は今日街に来たばかりで宿は取っているのか?」
「僕は休み無しでも後3日位は大丈夫ですので、その間に取れれば良いかなー、って。」
「どんな体してるんだ君は…すまない、私は帰って寝るとするよ…」
「おやすみなさーい。」
本当に眠いのだろう、よろつきながらも宿の方に歩いて行く朧を見送ったノアは、一度ギルドへ向かう。
ギルドの扉を開けると先程とは打って変わって閑散としており、2、3人の職員がいるだけだった。
「あら、ノア君こんばんは、今日街に来たのにあっちこっち大変ね。」
「こんばんは、自分から見過ごせない問題に手を出したのですからこれ位なんて事無いですよ。」
「あら頼もしい。
ねえ、さっき兵士が火急の知らせだ!って慌ててたけど、本当なの?
内通者が捕まったら野盗がこの街に攻めて来るってのは。」
「ええ、南門周辺の頭からの情報ですが、間違いないでしょう。
でも火急の割りにギルド内は静まり返ってますね。」
「ギルド長含めてさっきまでここにいた冒険者達って皆割と豪胆でね、『煮え湯を飲まされてきた相手がわざわざ出向いてくれるんだ、手間が省けて助かる』って言って皆宿に戻っていったわ。」
「うわぁ…すげぇ…」
「あ、長々ごめんなさいね、何か用があって来たのでしょう?」
「あ、そうだった。この街でも冒険者カードで買い物とか食事って出来ますか?」
「ええ、出来ますよ。
ただ金額が不足していたらそれ以上の物が買えないのはどの街でも変わらないから注意して下さいね。」
「分かりました。ちなみにどの街でも預けられるのは1000万ガルまでですか?」
「え?ええ…そうね。」
「分かりました、ありがとうございます。」
ノアは職員にお辞儀をしてギルドを出る。
向かうは食品街、店や露店が建ち並ぶエリアは昼間の様に明るく、賑やかな声が響く。
近くまで来ると香辛料や焼いた肉の匂い等色々と香ばしい香りが漂って来る。
(今日は朝から大して食べて無いから割とガッツリ食べようと思う。)
(『俺も表に出たりしたからな、どんどん食って良いぞ。』)
(取り敢えず全部回るのは無理だからそれは後日という事で。)
そんな感じで『俺』と会話してると食品街の入口辺りで露店の店主の呼び込みが聞こえる。
「お、兄ちゃんこんな時間に夜食かい?さっと作れてさっと食えるケバブはどうだい?」
「ケバブ?」(『ケバブ?』)
店主の横を見ると鹿1頭分はあろうかという大きさの牛肉が吊り下げられ、魔石が埋め込まれた板で炙られている。
時折店主が取っ手を回して肉を回している。
所々程好く焦げ付き、チリチリとした音と低温で炙られた脂がパチパチと跳ねる音と香りが食欲を誘う。
「これだ。」(『これだな。』)
ノアと『俺』の意見が同時に合致したので取り敢えず1つ頼む事に。
店主が慣れた手付きで牛肉の塊から肉を削いでいき、一旦皿に取る。
小麦で作られた袋(?)の様なパンに彩り綺麗な野菜をチャッチャと詰め、肉をこれでもかと詰め込む。
最後に橙色をしたソースをのぺっと垂らしてノアに手渡す。
「はいよ!王都で最近登場したケバブだよ!」
店主からケバブを受け取ったノアは取り敢えず懐から1万ガルの金貨を取り出す。
「すいません、細かいのを持って無くて…」
「構わないよ。ささ、熱い内に食っちまいな!」
店主がお釣の準備をしているのを横目に、両手で持ったケバブにかぶり付く。
ザクッ! ムシャ、ムシャ、モグ、モグ…ゴクン!
「うおっ、美味い!」(『うむ、いけるな。』)
「はっはーそうだろうそうだろう。」
「牛肉の脂が丁度良くてパサパサしてないし、手で持って食べられるから気軽に食べられる。
何よりこのソース、唐辛子の辛さとこの酸味…酢?いや、それにしちゃトゲが無いし…」
「兄ちゃんなかなか味が分かるねぇ、王都で作られた酢や卵で作られた『マヨ』ってのを使ってるのさ、はい、お釣の9400ガルだ。」
「これで600ガルか…店主さん、同じのを10個包んで貰っても良いですか?」
「え?10個!?こちらとしては有難いが君1人で食べるのかい?」
「ご心配為さらず、僕ら結構食べるので。」
僕"ら"の部分が気になった店主だったが、パーティの分だろうと直ぐに気持ちを切り替えて作業に取り掛かる。
5分程して出来上がったケバブの包みを受け取る。
「はい、6000ガルです。」
「お代確かに、また来てね、歓迎するよ。」
受け取った包み10個をアイテムボックスにしまい、東門へ向かう。
門の外に出ると2人の兵士が門の両端に立っていた。
「おや?少年、こんな時間に外へ?」
「契約獣にご飯をあげようと思って…」
「契約獣?」
兵士2人はノアの周りを見渡すが契約獣の姿は無い。
後で知った事だが、通常の契約獣は主人と一緒に行動する事が殆どらしい。
「あ、僕の契約獣は有事の際以外は表に出さない様にしてるんです。」
「なるほどね。そう言う事なら構わないよ、但し俺達の見える範囲でね。」
「分かりました。」
兵士から了承を受けたノアは門の直ぐ近くの壁際でアイテムボックスから先程の包みを10個取り出す。
「グリード、出て来て。」
そうノアが告げるとノアの足元からボコッと地面が隆起して長大な姿を表す。
その光景を見ていた兵士2人は思わずギョッとしたまま硬直する。
ノアが包み紙を剥がしている間グリードはガバッと口が開き、凶悪な口が姿を表す。
包みを剥がし終えたノアがポンポンとケバブを空中へ放ると、凄まじい速度で食らい付き飲み込んでいく。
グルルルル♪
あっという間に平らげたグリードはご機嫌な様子で再び地面に潜っていった。
「また何か美味そうな食べ物見付けたら買っておくよ。」
<グルル!>
グリードへの食事を終えたノアは再び街へと戻ろうとするが兵士2人に呼び止められる。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ今のアレは何だ!?」
「え?僕の契約獣ですよ?」
「確かにそう聞いたが、あんな生き物見た事無い!申し訳ないが冒険者カードを確認しても良いかな?」
ノアは「多分見ても分からないだろうな」と思いつつも冒険者カードを兵士に渡す。
【冒険者ノアの契約獣『飢餓ミミズ』
見た目はかなり違うけど飢餓ミミズです。】
「え!?飢餓ミミズ!?」
「俺が知ってる奴と姿形全然違うぞ!?」
【国滅ぼしの主】の称号を持ってない兵士からは"飢餓ミミズ"としか表示されて無いだろうな、と思いつつ兵士に声を掛ける。
「詳しい事は話せませんが見ての通りです。
もうよろしいでしょうか?」
確実に納得してない兵士から冒険者カードを返して貰い、門の中へ。
再び食品街に入っていった。
表情を確認するとうつらうつらとしていた。
時間的にも既に真夜中になっていた為、武器屋エリアは開いてはいるものの、しんと静まり返っていた。
「朧さん、お疲れの様ですから今日はもうここまでにしてまた明日にしましょう。」
「それを言ったら君は今日街に来たばかりで宿は取っているのか?」
「僕は休み無しでも後3日位は大丈夫ですので、その間に取れれば良いかなー、って。」
「どんな体してるんだ君は…すまない、私は帰って寝るとするよ…」
「おやすみなさーい。」
本当に眠いのだろう、よろつきながらも宿の方に歩いて行く朧を見送ったノアは、一度ギルドへ向かう。
ギルドの扉を開けると先程とは打って変わって閑散としており、2、3人の職員がいるだけだった。
「あら、ノア君こんばんは、今日街に来たのにあっちこっち大変ね。」
「こんばんは、自分から見過ごせない問題に手を出したのですからこれ位なんて事無いですよ。」
「あら頼もしい。
ねえ、さっき兵士が火急の知らせだ!って慌ててたけど、本当なの?
内通者が捕まったら野盗がこの街に攻めて来るってのは。」
「ええ、南門周辺の頭からの情報ですが、間違いないでしょう。
でも火急の割りにギルド内は静まり返ってますね。」
「ギルド長含めてさっきまでここにいた冒険者達って皆割と豪胆でね、『煮え湯を飲まされてきた相手がわざわざ出向いてくれるんだ、手間が省けて助かる』って言って皆宿に戻っていったわ。」
「うわぁ…すげぇ…」
「あ、長々ごめんなさいね、何か用があって来たのでしょう?」
「あ、そうだった。この街でも冒険者カードで買い物とか食事って出来ますか?」
「ええ、出来ますよ。
ただ金額が不足していたらそれ以上の物が買えないのはどの街でも変わらないから注意して下さいね。」
「分かりました。ちなみにどの街でも預けられるのは1000万ガルまでですか?」
「え?ええ…そうね。」
「分かりました、ありがとうございます。」
ノアは職員にお辞儀をしてギルドを出る。
向かうは食品街、店や露店が建ち並ぶエリアは昼間の様に明るく、賑やかな声が響く。
近くまで来ると香辛料や焼いた肉の匂い等色々と香ばしい香りが漂って来る。
(今日は朝から大して食べて無いから割とガッツリ食べようと思う。)
(『俺も表に出たりしたからな、どんどん食って良いぞ。』)
(取り敢えず全部回るのは無理だからそれは後日という事で。)
そんな感じで『俺』と会話してると食品街の入口辺りで露店の店主の呼び込みが聞こえる。
「お、兄ちゃんこんな時間に夜食かい?さっと作れてさっと食えるケバブはどうだい?」
「ケバブ?」(『ケバブ?』)
店主の横を見ると鹿1頭分はあろうかという大きさの牛肉が吊り下げられ、魔石が埋め込まれた板で炙られている。
時折店主が取っ手を回して肉を回している。
所々程好く焦げ付き、チリチリとした音と低温で炙られた脂がパチパチと跳ねる音と香りが食欲を誘う。
「これだ。」(『これだな。』)
ノアと『俺』の意見が同時に合致したので取り敢えず1つ頼む事に。
店主が慣れた手付きで牛肉の塊から肉を削いでいき、一旦皿に取る。
小麦で作られた袋(?)の様なパンに彩り綺麗な野菜をチャッチャと詰め、肉をこれでもかと詰め込む。
最後に橙色をしたソースをのぺっと垂らしてノアに手渡す。
「はいよ!王都で最近登場したケバブだよ!」
店主からケバブを受け取ったノアは取り敢えず懐から1万ガルの金貨を取り出す。
「すいません、細かいのを持って無くて…」
「構わないよ。ささ、熱い内に食っちまいな!」
店主がお釣の準備をしているのを横目に、両手で持ったケバブにかぶり付く。
ザクッ! ムシャ、ムシャ、モグ、モグ…ゴクン!
「うおっ、美味い!」(『うむ、いけるな。』)
「はっはーそうだろうそうだろう。」
「牛肉の脂が丁度良くてパサパサしてないし、手で持って食べられるから気軽に食べられる。
何よりこのソース、唐辛子の辛さとこの酸味…酢?いや、それにしちゃトゲが無いし…」
「兄ちゃんなかなか味が分かるねぇ、王都で作られた酢や卵で作られた『マヨ』ってのを使ってるのさ、はい、お釣の9400ガルだ。」
「これで600ガルか…店主さん、同じのを10個包んで貰っても良いですか?」
「え?10個!?こちらとしては有難いが君1人で食べるのかい?」
「ご心配為さらず、僕ら結構食べるので。」
僕"ら"の部分が気になった店主だったが、パーティの分だろうと直ぐに気持ちを切り替えて作業に取り掛かる。
5分程して出来上がったケバブの包みを受け取る。
「はい、6000ガルです。」
「お代確かに、また来てね、歓迎するよ。」
受け取った包み10個をアイテムボックスにしまい、東門へ向かう。
門の外に出ると2人の兵士が門の両端に立っていた。
「おや?少年、こんな時間に外へ?」
「契約獣にご飯をあげようと思って…」
「契約獣?」
兵士2人はノアの周りを見渡すが契約獣の姿は無い。
後で知った事だが、通常の契約獣は主人と一緒に行動する事が殆どらしい。
「あ、僕の契約獣は有事の際以外は表に出さない様にしてるんです。」
「なるほどね。そう言う事なら構わないよ、但し俺達の見える範囲でね。」
「分かりました。」
兵士から了承を受けたノアは門の直ぐ近くの壁際でアイテムボックスから先程の包みを10個取り出す。
「グリード、出て来て。」
そうノアが告げるとノアの足元からボコッと地面が隆起して長大な姿を表す。
その光景を見ていた兵士2人は思わずギョッとしたまま硬直する。
ノアが包み紙を剥がしている間グリードはガバッと口が開き、凶悪な口が姿を表す。
包みを剥がし終えたノアがポンポンとケバブを空中へ放ると、凄まじい速度で食らい付き飲み込んでいく。
グルルルル♪
あっという間に平らげたグリードはご機嫌な様子で再び地面に潜っていった。
「また何か美味そうな食べ物見付けたら買っておくよ。」
<グルル!>
グリードへの食事を終えたノアは再び街へと戻ろうとするが兵士2人に呼び止められる。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ今のアレは何だ!?」
「え?僕の契約獣ですよ?」
「確かにそう聞いたが、あんな生き物見た事無い!申し訳ないが冒険者カードを確認しても良いかな?」
ノアは「多分見ても分からないだろうな」と思いつつも冒険者カードを兵士に渡す。
【冒険者ノアの契約獣『飢餓ミミズ』
見た目はかなり違うけど飢餓ミミズです。】
「え!?飢餓ミミズ!?」
「俺が知ってる奴と姿形全然違うぞ!?」
【国滅ぼしの主】の称号を持ってない兵士からは"飢餓ミミズ"としか表示されて無いだろうな、と思いつつ兵士に声を掛ける。
「詳しい事は話せませんが見ての通りです。
もうよろしいでしょうか?」
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再び食品街に入っていった。
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