219 / 1,124
王都編
屋台街の一角
しおりを挟む
夜が明けて、街では慌ただしく店を広げる者や、開けた広場に露店を建てる者がいる中、屋台街の一角ではノアが朝方から食べ歩きを行っていた。
「それにしても坊主、良く食うなぁ。」
「昨日の夜何も食べてなかったので。」
そう言いながら、アルバラストでも食べたケバブを頬張る。
既に食べ始めてから10個目である。
「それにしたって食い過ぎだぜ?
そんなに食ったら動けなくなるぞ…お、英雄方のお出ましだな。」
屋台のおっちゃんが通りの方を見てそう呟いたのでノアもそちらを見ると、屋台街から少し離れた王城へと続く大通りを6人組のパーティと3人組のパーティが歩いていた。
「英雄?」
「おや?知らないのか、6人組パーティの方は上級冒険者同士のパーティ。
魔素上昇で被害が上がっていた竜種ダンジョン『ドラガオ』では、彼らのパーティが全戦闘の8割を引き受けてくれたとの事で、王城に呼ばれたらしい。
そして
3人組のパーティ少人数ながら、魔鎧を身に付け、南の方にある海洋ダンジョン『青龍の亡骸』で魔素強化された凶悪なボスモンスター『神兵鮫』を討伐。
同様の理由で王城へ呼ばれたんだとさ。」
「へぇ~、海洋ダンジョンですか。面白そうですね。」
「へぇ~、って君ね…
まぁ彼等も凄いが、俺の中ではフリアダビアの奪還に尽力したって言う、【鬼神】の二つ名を持つ1人の冒険者に会ってみたい物だがね。」
「ぶっ!?」ゲホゲホッ…
「おいおい、そんなに食うから喉に詰まらせるんだぞ…
まぁ君も何れは、彼等の様な立派な冒険者になってくれよ?」
ノアが噎せ、それを屋台のおっちゃんが介抱していると、王城の方から隊員2名が2人の元へ。
「おや、隊員さんじゃないか、朝飯かい?」
「いや、用があるのはそこの少年の方でね。
突然の訪問申し訳無い、王の謁見準備が整いました。
【鬼神】のノア殿、御同行頂きたい。」
「そ、それは良いのですが、あまりその二つ名で呼ぶのはちょっと…
まだ慣れていないので…」
「はは、良い二つ名だと思いますよ。
私もあなたの二つ名を推した1人ですしね。」
そう言って隊員は王城へと歩を進める。
「あ、屋台のおじさんまた後で来ます。あとこれお代です。」
そう言って屋台にジャラリと硬貨を置き、足早に隊員達の後ろへと付いていった。
その後ろ姿をおっちゃんは呆然と見送っていた。
「開門されたし、【鬼神】のノア殿をお連れした。
ノア殿、冒険者カードの提示を願いたい。」
王城正面の門に到着したノアは、隊員に促され冒険者カードを門番に提示。
確認が終わると即座に重厚な門が開き、中へと通される。
城内はそこかしこに赤い絨毯が敷かれ、豪華な調度品や絵画等が飾られていた。
ただ、<気配感知>の反応から、絵画が飾られている壁の隣には隠し部屋があり、兵が配置されていた。
<彼が【鬼神】か…>
<本当に新人冒険者じゃないか、未だに信じられんな…>
<いや、彼で正しい。俺はオードゥスで彼を見た。>
<あれ?彼こっちに気付いてないか?>
等々、<聞き耳>で聞こえる範囲内はノア関係の話で犇めいていた。
「今更ですけど、普段の装備のままですが大丈夫でしょうか?」
「ご心配無く、元々王も冒険者であったのでその辺り寛大でございます。」
その辺りの事をすっかり忘れていた為、ノアとしては有難い事であった。
少し長い廊下を歩いていると、突き当たりの広目の部屋に通される。
中に入り床を見ると魔法陣が描かれており、天井は遥か上まで吹き抜けとなっていた。
ガグンッ!「おふっ。」
魔法陣が描かれた床ごと持ち上がりぐんぐんと上昇し、僅か10秒程で停止。
部屋の外を見ると、廊下には10人程の隊員と6人の侍女が待機していた。
「ノア殿、入室の前に幾つかお話する事がございます。
1つ目ですが、王は体が少し不自由な為、実は既に中に居られます。
2つ目は他の冒険者パーティ2組とお知り合いのバラス、アルキラー夫妻は既に入室して待機しておられます。
3つ目ですが、入室の際武器の類いはここに居る者に預けて頂きますが宜しいですか?」
「ええ、構いませんよ。」
すると、侍女達がノアの元へ歩み寄って来たので背中の弓、矢筒を外し、渡していく。
次にカランビットナイフ、刺突武器を2本を抜いて渡すが、かなりの重さにふらついている。
「あの、腰の剣は隊員さん達で持った方が良いですよ。これかなり重いので。」
「「ぐおおっ!?」」
腰から外した荒鬼神を隊員達にゆっくりとではあるが手渡す。
3人掛かりでヒィヒィ良いながら受け取り、何とか武器を預かる事に成功。
いよいよ入室となったが、今の一部始終を扉の向こうから顔を覗かせていた側近が心配そうに眺めていた。
「…大丈夫か?何か呻き声が聞こえたが…」
「あ、申し訳ありません…武器の預かりに手こずってしまって…」
「あ、ああ、ならば良い。では入室してくれ。」
側近が顔を引っ込めると直ぐ様扉が開く。
中へと入ると足元には一直線に延びる赤い絨毯が敷かれ、その延長線上に王と思しき人物が部屋の最奥、二段上がった場所に置かれた豪華な机に座していた。
どこぞの物語だと、玉座か何かに鎮座していると聞いた事があるが、体が不自由という事なので政務も行える様、兼用になっているのだろう。
王が座している場所から二段下がった位置に6人パーティ、3人パーティ、バラス、アルキラーが絨毯を挟んで向かい合う様に整列していた。
王は見た所、30代後半か40代前半と王にしては若いなと感じる印象である。
白のローブを身に纏い、比較的楽な姿勢で座しておりノアの姿を見るや否や、ニコリと破顔した。
その王が座る机の両側には赤み掛かった全身鎧を身に纏い、腰には剣を差して微動だにしない騎士2人が立っている。
王の警護としては不十分かと思われるが、<気配感知>の反応からして天井と床に何か仕掛けがある様だ。
そんなノアの目の動きを見たのだろう、側近の男性が「ほぅ」と呟いた所で頭を切り替え、王に一礼した後アルキラーの隣に並ぶ。
ノアの姿を見た6人パーティと3人パーティは一様に『え?』と言う顔をしていた。
まぁこの場に新人冒険者が登場するとは誰も思っていなかったのだろう。
「ゼル、これで全員か?」
「は、左様に御座います。」
「そうか。
皆の者、今日はこの場に集まってくれて感謝する。
配下の者から聞いているだろうが私はちと体が不自由でな、座ったままで失礼する。
我が名はエルニストラ・アーミスタ、この国の王と言う立場ではあるが、元々私は君達同様冒険者であったので、出来れば砕けた感じで接してくれると助かる。」
王と言えば威厳たっぷり、半端無い圧力を放っているのを予想していたのだが、この人からは本当に"出来れば仲良くしたい"と言う雰囲気が伝わってきた。
(それにしてもエルニストラ・アーミスタか…
最近頭に"エル"が付く人が続くなぁ…
あれ?でも"アーミスタ"って最近どっかで聞いた様な…)
等と考えていると王がノアの方を見て声を上げる。
「さて、皆の偉業に対して褒美を与える前に個人的に話したい者が居る。
先にその者に感謝と謝罪をさせて欲しい。
【鬼神】のノア君、息子の手助けをしてくれてありがとう。」
『息子』と言われたが王族の知り合いなど居ないので何も言えずにいると側近の男性が王に耳打ちをする。
<王よ、ノア殿が困っております。それだけでは誰の事か分かりませんぞ。>
<あ、それもそうだな。>
「旧フリアダビアの前哨基地で指揮を執っていたエルグランドが居たであろう?
あれは私の息子だ。」
「それにしても坊主、良く食うなぁ。」
「昨日の夜何も食べてなかったので。」
そう言いながら、アルバラストでも食べたケバブを頬張る。
既に食べ始めてから10個目である。
「それにしたって食い過ぎだぜ?
そんなに食ったら動けなくなるぞ…お、英雄方のお出ましだな。」
屋台のおっちゃんが通りの方を見てそう呟いたのでノアもそちらを見ると、屋台街から少し離れた王城へと続く大通りを6人組のパーティと3人組のパーティが歩いていた。
「英雄?」
「おや?知らないのか、6人組パーティの方は上級冒険者同士のパーティ。
魔素上昇で被害が上がっていた竜種ダンジョン『ドラガオ』では、彼らのパーティが全戦闘の8割を引き受けてくれたとの事で、王城に呼ばれたらしい。
そして
3人組のパーティ少人数ながら、魔鎧を身に付け、南の方にある海洋ダンジョン『青龍の亡骸』で魔素強化された凶悪なボスモンスター『神兵鮫』を討伐。
同様の理由で王城へ呼ばれたんだとさ。」
「へぇ~、海洋ダンジョンですか。面白そうですね。」
「へぇ~、って君ね…
まぁ彼等も凄いが、俺の中ではフリアダビアの奪還に尽力したって言う、【鬼神】の二つ名を持つ1人の冒険者に会ってみたい物だがね。」
「ぶっ!?」ゲホゲホッ…
「おいおい、そんなに食うから喉に詰まらせるんだぞ…
まぁ君も何れは、彼等の様な立派な冒険者になってくれよ?」
ノアが噎せ、それを屋台のおっちゃんが介抱していると、王城の方から隊員2名が2人の元へ。
「おや、隊員さんじゃないか、朝飯かい?」
「いや、用があるのはそこの少年の方でね。
突然の訪問申し訳無い、王の謁見準備が整いました。
【鬼神】のノア殿、御同行頂きたい。」
「そ、それは良いのですが、あまりその二つ名で呼ぶのはちょっと…
まだ慣れていないので…」
「はは、良い二つ名だと思いますよ。
私もあなたの二つ名を推した1人ですしね。」
そう言って隊員は王城へと歩を進める。
「あ、屋台のおじさんまた後で来ます。あとこれお代です。」
そう言って屋台にジャラリと硬貨を置き、足早に隊員達の後ろへと付いていった。
その後ろ姿をおっちゃんは呆然と見送っていた。
「開門されたし、【鬼神】のノア殿をお連れした。
ノア殿、冒険者カードの提示を願いたい。」
王城正面の門に到着したノアは、隊員に促され冒険者カードを門番に提示。
確認が終わると即座に重厚な門が開き、中へと通される。
城内はそこかしこに赤い絨毯が敷かれ、豪華な調度品や絵画等が飾られていた。
ただ、<気配感知>の反応から、絵画が飾られている壁の隣には隠し部屋があり、兵が配置されていた。
<彼が【鬼神】か…>
<本当に新人冒険者じゃないか、未だに信じられんな…>
<いや、彼で正しい。俺はオードゥスで彼を見た。>
<あれ?彼こっちに気付いてないか?>
等々、<聞き耳>で聞こえる範囲内はノア関係の話で犇めいていた。
「今更ですけど、普段の装備のままですが大丈夫でしょうか?」
「ご心配無く、元々王も冒険者であったのでその辺り寛大でございます。」
その辺りの事をすっかり忘れていた為、ノアとしては有難い事であった。
少し長い廊下を歩いていると、突き当たりの広目の部屋に通される。
中に入り床を見ると魔法陣が描かれており、天井は遥か上まで吹き抜けとなっていた。
ガグンッ!「おふっ。」
魔法陣が描かれた床ごと持ち上がりぐんぐんと上昇し、僅か10秒程で停止。
部屋の外を見ると、廊下には10人程の隊員と6人の侍女が待機していた。
「ノア殿、入室の前に幾つかお話する事がございます。
1つ目ですが、王は体が少し不自由な為、実は既に中に居られます。
2つ目は他の冒険者パーティ2組とお知り合いのバラス、アルキラー夫妻は既に入室して待機しておられます。
3つ目ですが、入室の際武器の類いはここに居る者に預けて頂きますが宜しいですか?」
「ええ、構いませんよ。」
すると、侍女達がノアの元へ歩み寄って来たので背中の弓、矢筒を外し、渡していく。
次にカランビットナイフ、刺突武器を2本を抜いて渡すが、かなりの重さにふらついている。
「あの、腰の剣は隊員さん達で持った方が良いですよ。これかなり重いので。」
「「ぐおおっ!?」」
腰から外した荒鬼神を隊員達にゆっくりとではあるが手渡す。
3人掛かりでヒィヒィ良いながら受け取り、何とか武器を預かる事に成功。
いよいよ入室となったが、今の一部始終を扉の向こうから顔を覗かせていた側近が心配そうに眺めていた。
「…大丈夫か?何か呻き声が聞こえたが…」
「あ、申し訳ありません…武器の預かりに手こずってしまって…」
「あ、ああ、ならば良い。では入室してくれ。」
側近が顔を引っ込めると直ぐ様扉が開く。
中へと入ると足元には一直線に延びる赤い絨毯が敷かれ、その延長線上に王と思しき人物が部屋の最奥、二段上がった場所に置かれた豪華な机に座していた。
どこぞの物語だと、玉座か何かに鎮座していると聞いた事があるが、体が不自由という事なので政務も行える様、兼用になっているのだろう。
王が座している場所から二段下がった位置に6人パーティ、3人パーティ、バラス、アルキラーが絨毯を挟んで向かい合う様に整列していた。
王は見た所、30代後半か40代前半と王にしては若いなと感じる印象である。
白のローブを身に纏い、比較的楽な姿勢で座しておりノアの姿を見るや否や、ニコリと破顔した。
その王が座る机の両側には赤み掛かった全身鎧を身に纏い、腰には剣を差して微動だにしない騎士2人が立っている。
王の警護としては不十分かと思われるが、<気配感知>の反応からして天井と床に何か仕掛けがある様だ。
そんなノアの目の動きを見たのだろう、側近の男性が「ほぅ」と呟いた所で頭を切り替え、王に一礼した後アルキラーの隣に並ぶ。
ノアの姿を見た6人パーティと3人パーティは一様に『え?』と言う顔をしていた。
まぁこの場に新人冒険者が登場するとは誰も思っていなかったのだろう。
「ゼル、これで全員か?」
「は、左様に御座います。」
「そうか。
皆の者、今日はこの場に集まってくれて感謝する。
配下の者から聞いているだろうが私はちと体が不自由でな、座ったままで失礼する。
我が名はエルニストラ・アーミスタ、この国の王と言う立場ではあるが、元々私は君達同様冒険者であったので、出来れば砕けた感じで接してくれると助かる。」
王と言えば威厳たっぷり、半端無い圧力を放っているのを予想していたのだが、この人からは本当に"出来れば仲良くしたい"と言う雰囲気が伝わってきた。
(それにしてもエルニストラ・アーミスタか…
最近頭に"エル"が付く人が続くなぁ…
あれ?でも"アーミスタ"って最近どっかで聞いた様な…)
等と考えていると王がノアの方を見て声を上げる。
「さて、皆の偉業に対して褒美を与える前に個人的に話したい者が居る。
先にその者に感謝と謝罪をさせて欲しい。
【鬼神】のノア君、息子の手助けをしてくれてありがとう。」
『息子』と言われたが王族の知り合いなど居ないので何も言えずにいると側近の男性が王に耳打ちをする。
<王よ、ノア殿が困っております。それだけでは誰の事か分かりませんぞ。>
<あ、それもそうだな。>
「旧フリアダビアの前哨基地で指揮を執っていたエルグランドが居たであろう?
あれは私の息子だ。」
142
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる
仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、
成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。
守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、
そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。
フレア。
彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。
二人の出会いは偶然か、それとも運命か。
無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、
そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。
孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる