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王都編
慌ただしく駆け回って
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ノアが『ミネリオ』の『レベル8』を目指している頃、王都では隊員達が慌ただしく駆け回っていた。
「東部の山中で観測された謎の発光現象、これを解析した結果『竜種のブレス』と似た物だという事が判明した。
早速隊員を派遣し、調査を実施してくれ!」
「「「はい!」」」
隊員達各々が準備に取り掛かる。
口々に「驚異は去ったハズじゃないのか」とか「アルバラスト同様誰かが召喚したのでは」等憶測ではあるが皆呟きつつ不安そうにしている。
そんな光景をほくそ笑みながら眺める人物達がいた。
「ふふふ、稀有な力が手に入ったからと言って遊び過ぎには注意して下さいねエルベスト殿。」
「悪かったなキエフ殿、あなたから貰って得たこの力、色々試してみたくなってついついぶっ放しちまったぜ。」
「試合まで後6日、それまでは力を潜めて頂くとこちらとしても助かるのですがねぇ。」
「分かってますってスロア殿。
ただ少し相談事があるんですが良いですか?」
「何でしょう。」
「『ヒュドラの竜血』はもう少し無いだろうか、あの小瓶程度の量だと再生力も不死性も中途半端なんだ。」
そう言ってエルベストは服の下に隠している右腕をチラリとコモン・スロアに見せる。
服の下から出した右腕は所々が焼け爛れ、引き裂かれた皮膚が中途半端に再生した為、とても痛々しい見た目をしていた。
これはヒュドラ同様に集束ブレスが放てる様になったエルベストが、試し撃ちした時に出来た傷や火傷である。
「ま、まぁ確かにあのエルニストラ王も体に浴びる程の血を受けて『不老』を得ましたしね…良いでしょう。
わ、分かったからさっさとその腕を仕舞え。
王都の連中に見られでもしたらどうする。」
「おや?スロア殿はこういった物はあまり見慣れていない様ですね、こりゃ失礼。」
コモン・スロアに言われ、エルベストは直ぐに腕を服の下へ隠す。
「私は基本的に現場には出ませんからね、血生臭い事は全て部下に任せておる。
今回も実動部隊を何組か王都に潜伏させているしな。」
「何かやるおつもりで?」
「部隊の調査によると例の【鬼神】とか言う少年の実力は本物の様だからな。
我が息子の実力は大したものだが、自意識過剰な所があるから保険みたいな物だ。
実動部隊を続々と王都に入れているにも関わらず連中は全く気付いていない事から、エルニストラ王含めここの者達は余程無能と思われる。
上級冒険者の殆どはフリアダビアに流れ、『槍サー』とか言うパーティとあの頭のおかしい夫婦はいつの間にか姿を消した。
驚異となりそうな者は【鬼神】位しか居らん。
国盗りするには絶好の機会と言えないかね?」
「国盗りとはまた…大それた事を…
で?【鬼神】はどうするおつもりで?」
「御前試合の直後、多かれ少なかれ満身創痍の状態で強力な力を得た貴方が復讐を果たす、と言うのはどうでしょう?」
「ふ、酔った俺を辱しめた意趣返しにもなるか。良いぜ。」
ニタニタとした笑い顔を晒すエルベスト。
「エルニストラ王は昔から気に入らん奴だった。
奴のやり方は温すぎる、私共が昔事業で不正を働いたのがバレた際も奴は私にこう言ったんだ『次は無いぞ』ってな。
ふふ、生かした相手に国を盗られた時の奴の顔が目に浮かぶわ。
まぁ奴が許しを請うても私は容赦なく斬り捨てるがね。
…おっと、息子が近くに居るので話はここまでとしよう。
では追加の『ヒュドラの竜血』は早馬を出して取りに行かせよう。」
「ありがとうございます。」
そう言ってエルベストは路地裏へと消え、コモン・スロアは前から歩いてくるパーティに近付いていく。
「やぁデミとパーティの皆々方。
まだ朝だと言うのに皆でどうしたんだい?」
「1週間暇だから適当に依頼受けて来た所さ。」
「何を受けて来たんだい?」
「例の【鬼神】が鉱山に行ったって言ってたろ?
通り道に野盗集団が出るってんで倒してくるんだ、1人1人が中級冒険者クラスの強さがあるらしく、他に太刀打ち出来る奴が居ないから俺達に声が掛かったんだ。」
「御前試合を控えているんだ、気を付けて行くのだぞ?」
「大丈夫だって、肩慣らしに丁度良「お、いたいた、おーいそこの小童。」
パタパタと足音を立て駆けて来た女の子がデミに声を掛ける。
「誰が小童だ!このガキが!」ガシッ
そう言って駆けて来た女の子の胸ぐらを掴むが、デミの手を顎で挟みつつ後ろに引き、デミの体勢を崩して膝を付かせる。
デミが何事か、と言う顔をして佇む女の子へ視線を送ると
「相手の力量読めんで行動しとる様じゃ、【鬼神】所か、野盗にすら勝てんぞ、小童。」
と言って『依頼中止』の印が押された紙をベチッとデミの顔に貼り付けるギルド長のジャロル。
近くにいたパーティメンバーのリナが、デミの顔から紙をひっぺがして声を上げる。
「え!?中止?何でですか?」
「さっき連絡があっての、護衛依頼中の【鬼神】の坊やがその野盗集団を無力化して今こっちに連行しとる様なんじゃ。
だからその依頼は中止。」
「は?はぁっ!?何かの間違いじゃないのか?
1人1人が中級冒険者位あるって聞いたぞ!嘘言うな!」
「小童に嘘言って何んなる?
嘘だと思うなら自分で確認してくりゃ良い。」
ジャロルが上を指差すので皆がそちらを向くと、鉱山の方角から大きな鳥が飛んで来た。
「妾はギルド長故に依頼対象の野盗かどうか確認来たのじゃ。
小童も確認するなら付いて来るが良い、ぞっ!」ズダンッ!
ジャロルは、遥か50メル程上空を飛ぶ巨鳥に向け大きく跳躍。
意図も簡単に巨鳥に飛び乗った。
「ほぅれ、早ぅ上がって来んかい!」
「あ、上がれる訳無いだろう!」
「な~んじゃ。」
呆れた様な声を出したジャロルは、1分程上で何やら確認をした後再びデミらの元に降り立った。
「対象の野盗で間違いないの。
同乗しておった新人冒険者の話じゃと物の数分で片付けて鉱山へ向かったそうじゃ。
肩慣らしなぞしとらんで、模擬戦でもしとったら良いんじゃないかな?
試合場借りるなる何時でも来るが良いぞ。」
そう言ってデミに手を振ってギルドへと戻るジャロル。
「…デミ、模擬戦しとく?どう考えてもあの子の実力が嘘には思えないんだけど…」
「あのギルド長の女の子、嘘言ってる様には感じなかった。
寧ろ焚き付けている様に感じるわ…」
「…ふん!気に入らねぇ、飯行くぞ飯!」
渋々といった様子でデミの後を付いていくメンバー達。
その場に残ったコモン・スロアはボソリと呟く。
「ふむ、少し細工しておくか…」
~『レベル8』~
「到着で~す。」
「や~っと着い、うわ!?暗っ!?」
「東部の山中で観測された謎の発光現象、これを解析した結果『竜種のブレス』と似た物だという事が判明した。
早速隊員を派遣し、調査を実施してくれ!」
「「「はい!」」」
隊員達各々が準備に取り掛かる。
口々に「驚異は去ったハズじゃないのか」とか「アルバラスト同様誰かが召喚したのでは」等憶測ではあるが皆呟きつつ不安そうにしている。
そんな光景をほくそ笑みながら眺める人物達がいた。
「ふふふ、稀有な力が手に入ったからと言って遊び過ぎには注意して下さいねエルベスト殿。」
「悪かったなキエフ殿、あなたから貰って得たこの力、色々試してみたくなってついついぶっ放しちまったぜ。」
「試合まで後6日、それまでは力を潜めて頂くとこちらとしても助かるのですがねぇ。」
「分かってますってスロア殿。
ただ少し相談事があるんですが良いですか?」
「何でしょう。」
「『ヒュドラの竜血』はもう少し無いだろうか、あの小瓶程度の量だと再生力も不死性も中途半端なんだ。」
そう言ってエルベストは服の下に隠している右腕をチラリとコモン・スロアに見せる。
服の下から出した右腕は所々が焼け爛れ、引き裂かれた皮膚が中途半端に再生した為、とても痛々しい見た目をしていた。
これはヒュドラ同様に集束ブレスが放てる様になったエルベストが、試し撃ちした時に出来た傷や火傷である。
「ま、まぁ確かにあのエルニストラ王も体に浴びる程の血を受けて『不老』を得ましたしね…良いでしょう。
わ、分かったからさっさとその腕を仕舞え。
王都の連中に見られでもしたらどうする。」
「おや?スロア殿はこういった物はあまり見慣れていない様ですね、こりゃ失礼。」
コモン・スロアに言われ、エルベストは直ぐに腕を服の下へ隠す。
「私は基本的に現場には出ませんからね、血生臭い事は全て部下に任せておる。
今回も実動部隊を何組か王都に潜伏させているしな。」
「何かやるおつもりで?」
「部隊の調査によると例の【鬼神】とか言う少年の実力は本物の様だからな。
我が息子の実力は大したものだが、自意識過剰な所があるから保険みたいな物だ。
実動部隊を続々と王都に入れているにも関わらず連中は全く気付いていない事から、エルニストラ王含めここの者達は余程無能と思われる。
上級冒険者の殆どはフリアダビアに流れ、『槍サー』とか言うパーティとあの頭のおかしい夫婦はいつの間にか姿を消した。
驚異となりそうな者は【鬼神】位しか居らん。
国盗りするには絶好の機会と言えないかね?」
「国盗りとはまた…大それた事を…
で?【鬼神】はどうするおつもりで?」
「御前試合の直後、多かれ少なかれ満身創痍の状態で強力な力を得た貴方が復讐を果たす、と言うのはどうでしょう?」
「ふ、酔った俺を辱しめた意趣返しにもなるか。良いぜ。」
ニタニタとした笑い顔を晒すエルベスト。
「エルニストラ王は昔から気に入らん奴だった。
奴のやり方は温すぎる、私共が昔事業で不正を働いたのがバレた際も奴は私にこう言ったんだ『次は無いぞ』ってな。
ふふ、生かした相手に国を盗られた時の奴の顔が目に浮かぶわ。
まぁ奴が許しを請うても私は容赦なく斬り捨てるがね。
…おっと、息子が近くに居るので話はここまでとしよう。
では追加の『ヒュドラの竜血』は早馬を出して取りに行かせよう。」
「ありがとうございます。」
そう言ってエルベストは路地裏へと消え、コモン・スロアは前から歩いてくるパーティに近付いていく。
「やぁデミとパーティの皆々方。
まだ朝だと言うのに皆でどうしたんだい?」
「1週間暇だから適当に依頼受けて来た所さ。」
「何を受けて来たんだい?」
「例の【鬼神】が鉱山に行ったって言ってたろ?
通り道に野盗集団が出るってんで倒してくるんだ、1人1人が中級冒険者クラスの強さがあるらしく、他に太刀打ち出来る奴が居ないから俺達に声が掛かったんだ。」
「御前試合を控えているんだ、気を付けて行くのだぞ?」
「大丈夫だって、肩慣らしに丁度良「お、いたいた、おーいそこの小童。」
パタパタと足音を立て駆けて来た女の子がデミに声を掛ける。
「誰が小童だ!このガキが!」ガシッ
そう言って駆けて来た女の子の胸ぐらを掴むが、デミの手を顎で挟みつつ後ろに引き、デミの体勢を崩して膝を付かせる。
デミが何事か、と言う顔をして佇む女の子へ視線を送ると
「相手の力量読めんで行動しとる様じゃ、【鬼神】所か、野盗にすら勝てんぞ、小童。」
と言って『依頼中止』の印が押された紙をベチッとデミの顔に貼り付けるギルド長のジャロル。
近くにいたパーティメンバーのリナが、デミの顔から紙をひっぺがして声を上げる。
「え!?中止?何でですか?」
「さっき連絡があっての、護衛依頼中の【鬼神】の坊やがその野盗集団を無力化して今こっちに連行しとる様なんじゃ。
だからその依頼は中止。」
「は?はぁっ!?何かの間違いじゃないのか?
1人1人が中級冒険者位あるって聞いたぞ!嘘言うな!」
「小童に嘘言って何んなる?
嘘だと思うなら自分で確認してくりゃ良い。」
ジャロルが上を指差すので皆がそちらを向くと、鉱山の方角から大きな鳥が飛んで来た。
「妾はギルド長故に依頼対象の野盗かどうか確認来たのじゃ。
小童も確認するなら付いて来るが良い、ぞっ!」ズダンッ!
ジャロルは、遥か50メル程上空を飛ぶ巨鳥に向け大きく跳躍。
意図も簡単に巨鳥に飛び乗った。
「ほぅれ、早ぅ上がって来んかい!」
「あ、上がれる訳無いだろう!」
「な~んじゃ。」
呆れた様な声を出したジャロルは、1分程上で何やら確認をした後再びデミらの元に降り立った。
「対象の野盗で間違いないの。
同乗しておった新人冒険者の話じゃと物の数分で片付けて鉱山へ向かったそうじゃ。
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試合場借りるなる何時でも来るが良いぞ。」
そう言ってデミに手を振ってギルドへと戻るジャロル。
「…デミ、模擬戦しとく?どう考えてもあの子の実力が嘘には思えないんだけど…」
「あのギルド長の女の子、嘘言ってる様には感じなかった。
寧ろ焚き付けている様に感じるわ…」
「…ふん!気に入らねぇ、飯行くぞ飯!」
渋々といった様子でデミの後を付いていくメンバー達。
その場に残ったコモン・スロアはボソリと呟く。
「ふむ、少し細工しておくか…」
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「到着で~す。」
「や~っと着い、うわ!?暗っ!?」
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