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再びアルバラスト編
閑話 【勇者】ミユキの居候生活7日目~襲撃1回目②~
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「それで敵情視察に来た訳、か!」
バコッ!
「いえ、たまたま散策してたら薪割りの音が聞こえたのでここに来ただけです。」
「薪割りなんか見てて楽しい、か!」
バコッ!
「元の世界でお爺ちゃんがよくやってたのを見てたから、色々と思い出してる所。」
「…そうか。」
バコッ!
「…元の世界に…戻りたいか?」
バコッ!
「…実はあまり帰りたくないです。
私の世界って、情勢があんまり良くなくって、両親がもう居ないの。
お爺ちゃん家に預けられたけど、その地域もそろそろ危ないかも、って時にこっちに来たの。」
「…そうか、大変だったな。
こっちには1人だけ喚ばれたのか?」
バコッ!
「いや、同じ学校の恋人も一緒。
"あっち"では私の事をいつも気に掛けてくれてた好い人。
最初は確信が持てなかったけど、フリアダビアに行った時にドワーフの国に居るらしいって情報を得たの。」
「なる程。
会いに行くにしても弱いままではどうしようもない。少しでも力を付けたくてノア君を通してここに来た、と言った感じかな?」
バコッ!
「…はい、不純な動機だとは思いますが…」
「そんな事無いんじゃないか?
悪事で無いなら強くなるのに理由は要らないと思うぞ。
何分、強くないと生き難い世界だからな。」
バコッ!
「そう言って貰えると少し救われた気がします。」
「そうか。」
バコッ!
「…と言うかマドリックさん、薪素手で割ってるんですね…」
先程から一定のリズムで薪を割るマドリックであったが、全て右の手刀で叩き割っていた。
1発叩くと、太い丸太が4~5の薪木に分割され、辺りに散らばっている。
「斧で割ると切断面が綺麗過ぎて火の着きが悪いので、私は昔からこうやっている。
それ以前に私の手では斧自体持ち辛いしな。」
「なる程…」
「なぁミユキちゃん、もし手が空いてるならこの薪を各家々に10本ずつ届けて行ってくれないか?」
「…え?」
「はい!今日の訓練はここまで。」
「体を良く伸ばしておくんだぞー。」
「「「「はーい。」」」」
指導を終えた子供達が各家々に戻っていくのを見送るアミスティアとレドリックの2人。
「…さて、ミユキちゃんが戻ってきたら今日の『襲撃』について説明しようかね。」
「そうね。」
と、話していると
カラン、コロン…
「「どしたの、ミユキちゃん。」」
「ハァ…ハァ…た、薪を届けに来ました…」
薪50本程担ぎ、フラつきながらミユキが戻ってきた。
「あら、空いた時間を使って筋力アップの訓練に励むなんて偉いわねぇ。」
「それだけ今日の『襲撃』に躍起になってるんだなぁ。うんうん。」
「は、配達のお願いされただけです…」
その後周辺の家々に配り終わったミユキは、『襲撃』の説明を受ける為、家の中に入っていった。
「それじゃあ今日行う『襲撃』について説明するわね。」
「はい。」
アミスティアから『襲撃』の説明を受ける。
・場所は村から西に1ケメル程行った所にある山の麓、野営を張っている所に襲撃に遭うという想定である。
・夜中の12時から開始して朝の6時迄に"一太刀"でもマドリックに入れる事。
・一太刀入れた段階で即終了、入れられなければ戦闘継続。
・ちなみにマドリックは『蘇生薬』や各種回復薬を各10本持ち込むとの事。
つまり、最低10回は死んでも良いわけで…
「…って、あれ?"腕をぶっ飛ばす"位に留めるんじゃないんですか?」
「まぁジワジワ死んでいくのはなかなかに堪えるが、マドリックが相手ならほぼ一撃死は免れないだろう。
何を、どういう風にされたのか分からないまま死ぬからイマイチ為にならない。
四肢をぶった切った方が動き方等を考える良い経験になるのさ。
それに、死んでも蘇生薬を30分以内に掛けてあげれば直ぐに生き返るしね。」
「し、死のハードルが低く過ぎるよぅ…」
「さ、夜まで時間があるんだ、夜に備えてさっさと寝た寝た。」
「あ、いや…実は今の話聞いてたらあまり眠くな『パチンッ!』ふにゃっひゃ…」
「ほいアミスティア、ミユキちゃんを寝かせたぞ。
ベッドまで運んでやってくれ。」
「はいはーい。」
レドリックが指を弾き、問答無用で寝かし付けられたミユキは、そのままスヤスヤと夜の9時までしっかり眠りにつく事となった。
「はぁ…」
「あら、寝たり無かったかしら?」
「いえ…頭はスッキリしてます。
…ですが、寝起きは最悪です…」
『ズーン』と言う効果音が付きそうな表情で頭を抱えているミユキがベッドに腰掛けている。
緊張したままその時を迎えようと思っていたのにいつの間にか眠らされ、気付いたら開始まで3時間を切っていると言う状況だ。
心の整理をする暇も無い。
「ほら、早い所鎧来て軽く体解して来なさい。」
「は、はい。」
ベッドの横に用意してあったヒュマノ製の白銀の鎧に目をやるミユキは、改めて思う。
(この鎧派手だなー…)
パチッ、パチチッ…
「…ふぅ、時間的にもうそろそろか…
ど、何処からやって来るんだろ…」
現在、村から西に1ケメル程行った所にある山の麓、時間は後5分程で12時と言った所である。
一応野営時に襲われる想定の為、飾り程度の焚き火の前で半分に割った丸太を椅子代わりにして座っている。
(あの人、ずんぐりとした体型の割に気配が薄いし、音もあまり立てないから近くに来ても分かり難いんだよね…
普段は樵をやってるけど【適正】は何なんだろう、やっぱり【斧】かなぁ。
…でも斧は握り辛いって言ってたし…うむむ…)
と、マドリックの【適正】についてあれこれ考えるミユキだったが、それを知った所で何か対策が取れるのか?
と言う考えに至り、ミユキは考えるのを止めた。
(まぁでも一太刀入れれば良いから気長に機会を窺っ『ぞわっ』
「…っ!?」ババッ!
ギッ!?キュィイッ!?ピチチッ!?
突如真っ暗闇の通りの方から殺気が飛んで来た。
それと同時に森の各所に居た動物達の鳴き声が聞こえてくる。
ミユキは咄嗟に立ち上がり、腰に差した剣の柄を握る。
と
ゴオ"ォ"ォオオオオオオオオオオオオオッ!!
ギィイッ!?ギャギャッ!!ビィイッ!
ガサガサッ!バサササッ…
腹の底に響く様な重たい咆哮が森の中に響き渡る。
各所に居た動物や鳥等は一斉にその場から逃げ出し、辺りは本当の意味で静寂に包まれた。
メキッ…
「!」
ズ…ズズン…
「な、何…?」
バギバギバギバギッ!!
「くっ…!!」スラッ!
真っ暗闇の通りの方から木を破砕する音が聞こえてくる。
不安と焦燥に駈られたミユキは剣を抜き、迎撃の体勢に入る。
が
ゴッ!
ボギッ!バギギッ!メリメリッ!ゴガガッ!
「…な、何これ…」
根ごと引き抜かれた大木が高速で林の奥から飛んで来たかと思うと、ミユキの前方に生えていた大木7本と大岩を諸とも巻き込み、高さ5メル、幅10メルに渡って土石流の様に迫ってきていた。
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
「…こ、こんなの…どうすれ『ゴシャッ!』
ドドドドドドドドドドドドド…
完全に頭が真っ白になっていたミユキはなす術も無く、高速で飛んで来た大木が顔面に直撃し、土石流に巻き込まれて行った。
「まずは1回目…」
バコッ!
「いえ、たまたま散策してたら薪割りの音が聞こえたのでここに来ただけです。」
「薪割りなんか見てて楽しい、か!」
バコッ!
「元の世界でお爺ちゃんがよくやってたのを見てたから、色々と思い出してる所。」
「…そうか。」
バコッ!
「…元の世界に…戻りたいか?」
バコッ!
「…実はあまり帰りたくないです。
私の世界って、情勢があんまり良くなくって、両親がもう居ないの。
お爺ちゃん家に預けられたけど、その地域もそろそろ危ないかも、って時にこっちに来たの。」
「…そうか、大変だったな。
こっちには1人だけ喚ばれたのか?」
バコッ!
「いや、同じ学校の恋人も一緒。
"あっち"では私の事をいつも気に掛けてくれてた好い人。
最初は確信が持てなかったけど、フリアダビアに行った時にドワーフの国に居るらしいって情報を得たの。」
「なる程。
会いに行くにしても弱いままではどうしようもない。少しでも力を付けたくてノア君を通してここに来た、と言った感じかな?」
バコッ!
「…はい、不純な動機だとは思いますが…」
「そんな事無いんじゃないか?
悪事で無いなら強くなるのに理由は要らないと思うぞ。
何分、強くないと生き難い世界だからな。」
バコッ!
「そう言って貰えると少し救われた気がします。」
「そうか。」
バコッ!
「…と言うかマドリックさん、薪素手で割ってるんですね…」
先程から一定のリズムで薪を割るマドリックであったが、全て右の手刀で叩き割っていた。
1発叩くと、太い丸太が4~5の薪木に分割され、辺りに散らばっている。
「斧で割ると切断面が綺麗過ぎて火の着きが悪いので、私は昔からこうやっている。
それ以前に私の手では斧自体持ち辛いしな。」
「なる程…」
「なぁミユキちゃん、もし手が空いてるならこの薪を各家々に10本ずつ届けて行ってくれないか?」
「…え?」
「はい!今日の訓練はここまで。」
「体を良く伸ばしておくんだぞー。」
「「「「はーい。」」」」
指導を終えた子供達が各家々に戻っていくのを見送るアミスティアとレドリックの2人。
「…さて、ミユキちゃんが戻ってきたら今日の『襲撃』について説明しようかね。」
「そうね。」
と、話していると
カラン、コロン…
「「どしたの、ミユキちゃん。」」
「ハァ…ハァ…た、薪を届けに来ました…」
薪50本程担ぎ、フラつきながらミユキが戻ってきた。
「あら、空いた時間を使って筋力アップの訓練に励むなんて偉いわねぇ。」
「それだけ今日の『襲撃』に躍起になってるんだなぁ。うんうん。」
「は、配達のお願いされただけです…」
その後周辺の家々に配り終わったミユキは、『襲撃』の説明を受ける為、家の中に入っていった。
「それじゃあ今日行う『襲撃』について説明するわね。」
「はい。」
アミスティアから『襲撃』の説明を受ける。
・場所は村から西に1ケメル程行った所にある山の麓、野営を張っている所に襲撃に遭うという想定である。
・夜中の12時から開始して朝の6時迄に"一太刀"でもマドリックに入れる事。
・一太刀入れた段階で即終了、入れられなければ戦闘継続。
・ちなみにマドリックは『蘇生薬』や各種回復薬を各10本持ち込むとの事。
つまり、最低10回は死んでも良いわけで…
「…って、あれ?"腕をぶっ飛ばす"位に留めるんじゃないんですか?」
「まぁジワジワ死んでいくのはなかなかに堪えるが、マドリックが相手ならほぼ一撃死は免れないだろう。
何を、どういう風にされたのか分からないまま死ぬからイマイチ為にならない。
四肢をぶった切った方が動き方等を考える良い経験になるのさ。
それに、死んでも蘇生薬を30分以内に掛けてあげれば直ぐに生き返るしね。」
「し、死のハードルが低く過ぎるよぅ…」
「さ、夜まで時間があるんだ、夜に備えてさっさと寝た寝た。」
「あ、いや…実は今の話聞いてたらあまり眠くな『パチンッ!』ふにゃっひゃ…」
「ほいアミスティア、ミユキちゃんを寝かせたぞ。
ベッドまで運んでやってくれ。」
「はいはーい。」
レドリックが指を弾き、問答無用で寝かし付けられたミユキは、そのままスヤスヤと夜の9時までしっかり眠りにつく事となった。
「はぁ…」
「あら、寝たり無かったかしら?」
「いえ…頭はスッキリしてます。
…ですが、寝起きは最悪です…」
『ズーン』と言う効果音が付きそうな表情で頭を抱えているミユキがベッドに腰掛けている。
緊張したままその時を迎えようと思っていたのにいつの間にか眠らされ、気付いたら開始まで3時間を切っていると言う状況だ。
心の整理をする暇も無い。
「ほら、早い所鎧来て軽く体解して来なさい。」
「は、はい。」
ベッドの横に用意してあったヒュマノ製の白銀の鎧に目をやるミユキは、改めて思う。
(この鎧派手だなー…)
パチッ、パチチッ…
「…ふぅ、時間的にもうそろそろか…
ど、何処からやって来るんだろ…」
現在、村から西に1ケメル程行った所にある山の麓、時間は後5分程で12時と言った所である。
一応野営時に襲われる想定の為、飾り程度の焚き火の前で半分に割った丸太を椅子代わりにして座っている。
(あの人、ずんぐりとした体型の割に気配が薄いし、音もあまり立てないから近くに来ても分かり難いんだよね…
普段は樵をやってるけど【適正】は何なんだろう、やっぱり【斧】かなぁ。
…でも斧は握り辛いって言ってたし…うむむ…)
と、マドリックの【適正】についてあれこれ考えるミユキだったが、それを知った所で何か対策が取れるのか?
と言う考えに至り、ミユキは考えるのを止めた。
(まぁでも一太刀入れれば良いから気長に機会を窺っ『ぞわっ』
「…っ!?」ババッ!
ギッ!?キュィイッ!?ピチチッ!?
突如真っ暗闇の通りの方から殺気が飛んで来た。
それと同時に森の各所に居た動物達の鳴き声が聞こえてくる。
ミユキは咄嗟に立ち上がり、腰に差した剣の柄を握る。
と
ゴオ"ォ"ォオオオオオオオオオオオオオッ!!
ギィイッ!?ギャギャッ!!ビィイッ!
ガサガサッ!バサササッ…
腹の底に響く様な重たい咆哮が森の中に響き渡る。
各所に居た動物や鳥等は一斉にその場から逃げ出し、辺りは本当の意味で静寂に包まれた。
メキッ…
「!」
ズ…ズズン…
「な、何…?」
バギバギバギバギッ!!
「くっ…!!」スラッ!
真っ暗闇の通りの方から木を破砕する音が聞こえてくる。
不安と焦燥に駈られたミユキは剣を抜き、迎撃の体勢に入る。
が
ゴッ!
ボギッ!バギギッ!メリメリッ!ゴガガッ!
「…な、何これ…」
根ごと引き抜かれた大木が高速で林の奥から飛んで来たかと思うと、ミユキの前方に生えていた大木7本と大岩を諸とも巻き込み、高さ5メル、幅10メルに渡って土石流の様に迫ってきていた。
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
「…こ、こんなの…どうすれ『ゴシャッ!』
ドドドドドドドドドドドドド…
完全に頭が真っ白になっていたミユキはなす術も無く、高速で飛んで来た大木が顔面に直撃し、土石流に巻き込まれて行った。
「まずは1回目…」
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