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獣人国編~救出作戦~
市街は疎か
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「おや?市街は疎か、城内や尖塔、学校にまで知らん反応があるのぅ。
じゃが、城内の金庫室に誰も居らん事と、尖塔に相当数の反応がある事からして、目当ては子供の獣人じゃな。」
(う、嘘だろ…こんな形でバレるなんて…
…だがどうする…作戦自体予定の半分にもいってない上に、ここを動けば救出が滞ってしまう…
仲間に連絡しようにもコイツはここを動く気配が無い…)
バルコニーに留まって周囲を観察しているツェドが居る為、アルバはランタンを使った情報伝達も出来ないでいた。
だからといってこのまま連絡を取らないのはマズイので、アルバとしては早々にツェドが室内に戻ってくれ、と願うばかりであった。
が
「…と言うか、先程から下に誰ぞ居るじゃろ?
『カッ!カッ!』こんな場所に隠れる奇特な者は20年程前にも居ったのぅ。」
(くっ…やはり気付かれていたか…
…ってか20年前のもバレてたんかい!)
バルコニーの床を杖でカツカツ叩くツェドは、裏に潜んでいるアルバの存在に既に気付いていた様子。
「現在は落ちる所まで落ちたが、『ヒュマノ聖王国』の前身であった『スパルティア』を"武力"のみで50年統治していたんじゃぞ?
ガキの頃は奇襲、強襲当たり前じゃったからな。
常日頃から鍛えられとった故"これ位"の差異で気付かんと直ぐにあの世行きじゃわい。
…さて、そろそろ出て来てくれんか?
ここで儂が変に騒いだら困るのはお前らの方じゃろ?」カッ、コッ、コッ…
ツェドはそう言いながらバルコニーから自室へと戻る。
下に居るアルバに選択肢は無く、ツェドの要求に応えるしかなかった。
バッ!スタッ!
「…ほぅ、その顔には見覚えがある…21年前に忍び込んだ賊の頭じゃ、確か『救世』とか名乗っておったのぅ。
その時は逃げ延びてその場所に半日隠れておったな。はっはっは、懐かしいのぅ。」
「…その様子だと私の名まで知ってる様ですな…」
「あぁ、そうじゃな。
だがその前に1つ聞きたい、ここで何しとる。
尖塔に人が集中しておるから目当ては子供の獣人じゃろうが。」
「…あぁ、そうだ。俺達がここでやってる事は…」
姿を現したアルバは一切合切喋る事にした。
目の前に立つツェドは、恐らく全て把握した上でアルバに問い掛けているハズだ。
ここで作戦の時間を延ばす為に変に話を長引かせたり誤魔化すのは悪手と判断した結果である。
ちなみにこの間も『影移動』の範囲内であるのでスキルは発動し続けているので救出作業も続いている。
「なる程な。
ここのアホ共が連れてった奴隷の首に世界的に禁止されている『強制隷属の首輪』が装着されていたと。
それで、お主が音頭を取っている訳では無いが、多種多様な冒険者を募ってこの国から子供獣人を救出しに、のぅ…
確かに全ての奴隷を救うのは無理があるし、成長しきった獣人を救っても下が居るからの。
そこを潰しに来たのは正解じゃな。」
「…だが途中であんたに気付かれた。
この作戦は失敗だ…」
「ん?儂以外に気付かれでもしたんか?」
「いや、あんただけだ…」
「…じゃあ良いではないか。
作戦が上手く行く事を願っておるぞ。」
「……。」
「……。」
「……。」
「…どうしたんじゃい、急に黙りこくって。」
「え?いや、俺達はあんたの国の…謂わば資産、収入源を盗ってってるんだぜ?
捕縛するとか兵を呼ぶとか無いのか?」
「何じゃ、捕まりたいんか?」
「いいえ。」
「そうじゃろ?
じゃから言うたんじゃ、"作戦が上手く行く事を願っておるぞ"とな。」
「……」
「何言ってんの?」とでも言いたげな表情でアルバの顔を見やるツェドに、アルバは言葉が何も出なかった。
その後ツェドは自室のベッドにドカリと腰掛けると、徐にアルバへ向けて首を晒す。
「お、おい…それって…」
「あぁ、お主達が子供を救出しつつ回収を図っている『強制隷属の首輪』じゃ。
儂が以前病に伏せてる時にでも着けられた様じゃ、全く忌々しい。」
と、ツェドが首元を晒す際に袖口から手首が見えたのだが、そこにも首輪と同じ装飾が施された腕輪が装着されていた。
「この首輪はな、精神を強く保っておれば完全に隷属する事は無い。
だが見ての通り儂には首と両手首、両足首にも装着されている故、本来の力すら発揮出来ず、城を出る事すら出来ん。
意を決して外そう物なら…」
ガシッ!
バヂッ!ブチッ!ブヂュブヂュッ!
ツェドが手首に装着された腕輪に触れると閃光が走り、装着されている腕と掴んだ手がズタズタに引き裂かれていく。
「ちょ、待て!止めろ止めろ!」
フッ…「多少血が流れた程度じゃ、慌てるで無い。ヒール。」
ツェドは慌てる事も無く、落ち着き払った様子で回復魔法を掛ける。
シュゥウウ…
「見ての通り外す事は可能であろうが、その代わり外れる頃には死んでしまうだろうがな。」
ツェド自身、もう何度か試したのだろう。
表情を見るに、半分諦めが入ってる様に思う。
と
『俺が外してやろうか?』
ヒュンッ ズダンッ!
「「!?」」
声と共に飛来し、バルコニーに降り立ったのは、赤黒いオーラを立ち昇らせたノアの力の根元である『鬼神』であった。
だがこの形での対面は初めてであったアルバは『鬼神』の姿に困惑していた。
「なっ!?えっ!?誰だ!?」
「え?仲間じゃ無いんか?」
『"アルバからの定時連絡が無い"っつってお仲間さんから連絡が合ってよ、駆け付けて来てみりゃ、何でこの国のお偉いさんと和気藹々と会話してやがるんだぁ、アルバさんよぉ。
何か問題があったら"別動隊"が動く手筈だったハズだぜ?』
「"別動隊"…え?じゃあアンタは…」
『まぁ、その辺の話はここまでにしよう、予定よりも遅れが出てるんでな。
おいそこの爺さん、どうやら騒ぎ立てる様子じゃ無い様だが、このまま見過ごしてくれるならその首輪、外してやっても良いぜ?』
『鬼神』の正体に気付いたアルバを尻目に、『鬼神』はツェドに交換条件を提示する。
するとツェドから意外な答えが返ってきた。
「…お前さんはあれじゃな?
侵入してきた者達の中でも一際ヤバい気配漂わせていた奴じゃ…
ここで儂が騒ぎ立てたとてお前さんをどうこう出来る気がせんし、する気もせん。
それとお前さんからの提案じゃが、首輪を外さなくても良い。」
『良いのか?』
「お前さん達が今日この国に来て秘密裏に事を成しに来たと言う事は、端的に言えば"もうどうしようもない"状態なんじゃろ?」
『あぁ。いつ戦争になってもおかしくはないな。』
「まぁそうじゃろうな。
ここで首輪を外し、この国の輩共を始末し、内外に呼び掛けたとてそれで事が収まる程簡単な事ではない。
その程度の問題であれば、疾うに手足を引き千切ってでも外して奴等を殺しておるわ。
もう儂の中で腹は決まっておるわい。
幕引きの時まで王としてここに残り、この国の最期を見届ける。
その代わりお前さんらも悔恨残さず徹底的に殺れぃ。」
「お、おぅ…」
ツェドは真っ直ぐアルバと『鬼神』を見詰め念押しをする。
その姿に気圧されてしまう程であった。
『あぁ、その時は必ず。』
「ふ、良い眼をしておるな。
儂があと20歳若ければ死合ってみたかったわい。
…と、長話して済まんかった。
こんな事言えた義理ではないが、子供達の事宜しく頼む。」
そう言ってツェドは2人に頭を下げた。
『『バッ!』』
2人は何も言わず、首肯するのみでバルコニーから飛び出し、再び作戦に戻るのであった。
じゃが、城内の金庫室に誰も居らん事と、尖塔に相当数の反応がある事からして、目当ては子供の獣人じゃな。」
(う、嘘だろ…こんな形でバレるなんて…
…だがどうする…作戦自体予定の半分にもいってない上に、ここを動けば救出が滞ってしまう…
仲間に連絡しようにもコイツはここを動く気配が無い…)
バルコニーに留まって周囲を観察しているツェドが居る為、アルバはランタンを使った情報伝達も出来ないでいた。
だからといってこのまま連絡を取らないのはマズイので、アルバとしては早々にツェドが室内に戻ってくれ、と願うばかりであった。
が
「…と言うか、先程から下に誰ぞ居るじゃろ?
『カッ!カッ!』こんな場所に隠れる奇特な者は20年程前にも居ったのぅ。」
(くっ…やはり気付かれていたか…
…ってか20年前のもバレてたんかい!)
バルコニーの床を杖でカツカツ叩くツェドは、裏に潜んでいるアルバの存在に既に気付いていた様子。
「現在は落ちる所まで落ちたが、『ヒュマノ聖王国』の前身であった『スパルティア』を"武力"のみで50年統治していたんじゃぞ?
ガキの頃は奇襲、強襲当たり前じゃったからな。
常日頃から鍛えられとった故"これ位"の差異で気付かんと直ぐにあの世行きじゃわい。
…さて、そろそろ出て来てくれんか?
ここで儂が変に騒いだら困るのはお前らの方じゃろ?」カッ、コッ、コッ…
ツェドはそう言いながらバルコニーから自室へと戻る。
下に居るアルバに選択肢は無く、ツェドの要求に応えるしかなかった。
バッ!スタッ!
「…ほぅ、その顔には見覚えがある…21年前に忍び込んだ賊の頭じゃ、確か『救世』とか名乗っておったのぅ。
その時は逃げ延びてその場所に半日隠れておったな。はっはっは、懐かしいのぅ。」
「…その様子だと私の名まで知ってる様ですな…」
「あぁ、そうじゃな。
だがその前に1つ聞きたい、ここで何しとる。
尖塔に人が集中しておるから目当ては子供の獣人じゃろうが。」
「…あぁ、そうだ。俺達がここでやってる事は…」
姿を現したアルバは一切合切喋る事にした。
目の前に立つツェドは、恐らく全て把握した上でアルバに問い掛けているハズだ。
ここで作戦の時間を延ばす為に変に話を長引かせたり誤魔化すのは悪手と判断した結果である。
ちなみにこの間も『影移動』の範囲内であるのでスキルは発動し続けているので救出作業も続いている。
「なる程な。
ここのアホ共が連れてった奴隷の首に世界的に禁止されている『強制隷属の首輪』が装着されていたと。
それで、お主が音頭を取っている訳では無いが、多種多様な冒険者を募ってこの国から子供獣人を救出しに、のぅ…
確かに全ての奴隷を救うのは無理があるし、成長しきった獣人を救っても下が居るからの。
そこを潰しに来たのは正解じゃな。」
「…だが途中であんたに気付かれた。
この作戦は失敗だ…」
「ん?儂以外に気付かれでもしたんか?」
「いや、あんただけだ…」
「…じゃあ良いではないか。
作戦が上手く行く事を願っておるぞ。」
「……。」
「……。」
「……。」
「…どうしたんじゃい、急に黙りこくって。」
「え?いや、俺達はあんたの国の…謂わば資産、収入源を盗ってってるんだぜ?
捕縛するとか兵を呼ぶとか無いのか?」
「何じゃ、捕まりたいんか?」
「いいえ。」
「そうじゃろ?
じゃから言うたんじゃ、"作戦が上手く行く事を願っておるぞ"とな。」
「……」
「何言ってんの?」とでも言いたげな表情でアルバの顔を見やるツェドに、アルバは言葉が何も出なかった。
その後ツェドは自室のベッドにドカリと腰掛けると、徐にアルバへ向けて首を晒す。
「お、おい…それって…」
「あぁ、お主達が子供を救出しつつ回収を図っている『強制隷属の首輪』じゃ。
儂が以前病に伏せてる時にでも着けられた様じゃ、全く忌々しい。」
と、ツェドが首元を晒す際に袖口から手首が見えたのだが、そこにも首輪と同じ装飾が施された腕輪が装着されていた。
「この首輪はな、精神を強く保っておれば完全に隷属する事は無い。
だが見ての通り儂には首と両手首、両足首にも装着されている故、本来の力すら発揮出来ず、城を出る事すら出来ん。
意を決して外そう物なら…」
ガシッ!
バヂッ!ブチッ!ブヂュブヂュッ!
ツェドが手首に装着された腕輪に触れると閃光が走り、装着されている腕と掴んだ手がズタズタに引き裂かれていく。
「ちょ、待て!止めろ止めろ!」
フッ…「多少血が流れた程度じゃ、慌てるで無い。ヒール。」
ツェドは慌てる事も無く、落ち着き払った様子で回復魔法を掛ける。
シュゥウウ…
「見ての通り外す事は可能であろうが、その代わり外れる頃には死んでしまうだろうがな。」
ツェド自身、もう何度か試したのだろう。
表情を見るに、半分諦めが入ってる様に思う。
と
『俺が外してやろうか?』
ヒュンッ ズダンッ!
「「!?」」
声と共に飛来し、バルコニーに降り立ったのは、赤黒いオーラを立ち昇らせたノアの力の根元である『鬼神』であった。
だがこの形での対面は初めてであったアルバは『鬼神』の姿に困惑していた。
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「え?仲間じゃ無いんか?」
『"アルバからの定時連絡が無い"っつってお仲間さんから連絡が合ってよ、駆け付けて来てみりゃ、何でこの国のお偉いさんと和気藹々と会話してやがるんだぁ、アルバさんよぉ。
何か問題があったら"別動隊"が動く手筈だったハズだぜ?』
「"別動隊"…え?じゃあアンタは…」
『まぁ、その辺の話はここまでにしよう、予定よりも遅れが出てるんでな。
おいそこの爺さん、どうやら騒ぎ立てる様子じゃ無い様だが、このまま見過ごしてくれるならその首輪、外してやっても良いぜ?』
『鬼神』の正体に気付いたアルバを尻目に、『鬼神』はツェドに交換条件を提示する。
するとツェドから意外な答えが返ってきた。
「…お前さんはあれじゃな?
侵入してきた者達の中でも一際ヤバい気配漂わせていた奴じゃ…
ここで儂が騒ぎ立てたとてお前さんをどうこう出来る気がせんし、する気もせん。
それとお前さんからの提案じゃが、首輪を外さなくても良い。」
『良いのか?』
「お前さん達が今日この国に来て秘密裏に事を成しに来たと言う事は、端的に言えば"もうどうしようもない"状態なんじゃろ?」
『あぁ。いつ戦争になってもおかしくはないな。』
「まぁそうじゃろうな。
ここで首輪を外し、この国の輩共を始末し、内外に呼び掛けたとてそれで事が収まる程簡単な事ではない。
その程度の問題であれば、疾うに手足を引き千切ってでも外して奴等を殺しておるわ。
もう儂の中で腹は決まっておるわい。
幕引きの時まで王としてここに残り、この国の最期を見届ける。
その代わりお前さんらも悔恨残さず徹底的に殺れぃ。」
「お、おぅ…」
ツェドは真っ直ぐアルバと『鬼神』を見詰め念押しをする。
その姿に気圧されてしまう程であった。
『あぁ、その時は必ず。』
「ふ、良い眼をしておるな。
儂があと20歳若ければ死合ってみたかったわい。
…と、長話して済まんかった。
こんな事言えた義理ではないが、子供達の事宜しく頼む。」
そう言ってツェドは2人に頭を下げた。
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