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獣人国編~救出作戦~
閑話:昼過ぎのヒュマノ聖王国
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~ヒュマノ聖王国・市街~
突如奴隷達が反乱を開始した。
まるで、示し合わせたかの様に市街地の中央部に位置する食糧庫前に50人程の奴隷達が集結。
各々その辺の石や棒きれ、状態の良い者は己の拳を使って食糧庫の破壊に取り掛かった。
突然の事で対処の遅れた兵や、住人等が止めに入ろうとするも、周囲に居た奴隷達が一斉に行動を開始したのであった。
「2人1組トなり、共に行動するんダ!
武器ヲ手にする者に対しては2組で対応シ、極力無力化する様ニ、トのバンデイラからの指示ダ!」
「「「「「「「おぅ!」」」」」」」
「女、子供には手を出すナ!
武器を手にした場合ハ脅してでも武器のみ取り上げロ!」
「「「「「「「おぅ!」」」」」」」
拙い口調で指示を出す狼獣人の言葉に従って他の獣人達が動く。
と
「何をやっておるのだ貴様ら!
飼ってやってる恩を仇で返しよって!
兵共!斬り捨てて構わん!」
「え?あ、あぁ…」シュィンッ!
「お、おおおっ!」チャキッ!
「か、覚悟しろ!」スラッ!
白銀鎧を身に着けた男が声を荒げて兵士に指示を飛ばす。
兵達は突然の事に困惑しつつも剣を抜く。
「フォルテ!どうすれば良い!?」
「食糧庫の方は継続シロ、俺が相手すル!」
ビリリ…
フォルテと呼ばれた狼獣人は、上半身に纏っていた襤褸布を破り捨て、肩を数回回した後、兵士約30人の前に立ち塞がる。
「武器ヲ捨て大人しく投降シロ、そうすれバ怪我しなくて済むゾ?」
「馬鹿を言え!30人を1人で相手するつもりか!?
投降するのは貴様らの方だ!
だが、お前らの様な反乱分子は生かしておけん!さぁ兵ども、奴らを捕らえろ!」
「チッ…」
「自分は出ないのかよ…」
「ったく、面倒臭ぇ…」
白銀鎧の男が声高らかに指示を出すと、周りの兵士達が渋々と進み出る。
兵達の士気は最悪と言えよう。
だがそんな中、1人の兵士が剣を振り上げながらフォルテに接近し
「おら!死にやがれ!」ブォンッ!
「『ドズッ!』ぇぐっ!?『ビキッ!』ぎっ!?『ズドッ!』ぅがぁあっ!?」
ドシャァアアッ!
馬鹿正直に剣を振り上げた兵士に対し、フォルテは喉元に親指を突き、呼吸困難を引き起こし、即座に剣を握っていた手首を掴み粉砕。
がら空きになった脇腹に強烈な蹴りを入れて吹き飛ばした。
「がぁあああああっ!!い、痛ぇ!痛ぇよぉおっ!!」
「な…」
「は…?」
「えぇ…」
あっという間に無力化された兵士は、粉砕された腕を押さえつつ声を上げて地面を転がっている。
その光景を見た他の兵士は何が起こったのか分からず、ただただ立ち尽くしていた。
「黙レ!たかだか1本骨が折れた位で喚くナ!
それよりも見ただろウ?怪我したくなければ武器を捨て、大人しく投降シロ!」
フォルテがそう呼び掛けると、兵達の間に明らかに同様が走った。
が
「何をしている!たかだか死に損ないの奴隷1人に何をびびっておるかぁっ!」
シュィンッ!
白銀鎧の男が喚き散らす。
男は腰に差していた剣を抜き放つと、ズカズカとフォルテへと向けて歩を進める。
「獣人と言うのは本来御し易い存在なのだ。
今一度我らが強者だと言う事を知らしめれば、簡単に頭を垂れる。
貴様ら兵達も見ているが良い!」
ブォンッ!
と、能書きを垂れつつ、先程の兵士同様に剣を振るう。
が、やっぱり
パギンッ!
「んなっ!?何だと!?」
「…オ前、さっきの兵士とのやり取りを見ていなかったノカ…?
何の代わり映えが無い所カ、さっきの兵よりも剣速が遅かったゾ…」
<刃断ち>を発動したフォルテは剣を破壊。
「オ前、口"だけ"は達者な様だナ、これ以上ベラベラ喋られても耳障りなだけダ。
その口、破壊させてモラウぞ。」
ガキッ!「おがっ!?」
ガコッ!「ふごぉおおおおおおおっ!?」
白銀鎧の男の下顎に指を掛けたフォルテは瞬時に下方向に引き、顎を外す。
男は口をあんぐりと開けたまま悲鳴を上げて地面を這いつくばった。
「ひ、ひぃいいい…」カラン…
「うわぁああ…」ガシャン…
「と、投降する…投降するから危害は加えないでくれ…」カランカラン…
その光景を見た周りの兵士は次々に武器を捨て、両手を上げて降伏し出したのであった。
「…我々ハ今までこの程度の奴らに虐げられてきたのカ…」
~王城・居室~
ミクズとその配下を拳1発で伸した獅子獣人は、次なる矛先をベッドに腰掛けるツェドへと視線を移す。
「悪いな、ご老体。少し眠って貰うぜ。」
ダンッ!
再び拳を握った獅子獣人は、ツェドへ向け駆け出す。
残り大股2歩分まで接近すると、ツェドの腹部目掛けて拳を振るい
「お前さん、その左腕…もしやバンデイラか?」
ビタッ!「……!?」
ツェドがそう言うと、獅子獣人は驚きの表情と共に繰り出した拳を止める。
ツェドが言う様に、その獅子獣人の左腕は手首から先が欠損していた。
「…俺らを前にしてその落ち着きっぷり、それにその老体の割に力強いオーラ…
まさかアンタ、10年前に死んだとされたツェド…さんか?」
「おぅ、そのツェドだ。今じゃ主ら同様の扱いじゃがな。
エイムラルヒムの息子、バンデイラ。
あの時は小さな子供じゃったが、立派になったものだなぁ。」
と感慨深そうに喋るツェド。
「…どうしたバンデイラ。その爺さん知り合いか?」
「…あぁ。
俺ら古参組の奴隷が、不自由無くこの国で暮らしてた時期がある、って話前にしただろう?」
「あぁ…家も持てたし、結婚も自由。
そこらの市民同様の生活を送れてたっていう…」
「そん時の国王だったのがこの爺さんだ。」
「えぇ!?…いや、だって死んだハズじゃ…」
「俺だってそう思ってたさ。だが本人を前にしちゃな…
真偽はハッキリしないが、悪いな爺さん。
一先ず表に出させて貰うぜ?」
「悪いがそれは出来ん相談じゃな。」
「何だと?」
バンデイラからの要望には沿えない事を伝えるツェド。
不満げな表情の獣人2人に、見て貰った方が早いだろうとツェドは衣服を捲り首や手足を晒す。
「な!?隷属の首輪に、手足には枷まで嵌められているのか!?」
「拘束力だけでいったら俺達よりも酷いな…
首輪だけならまだしも、枷の解除方法までは知らねぇぞ…」
「構わん。これは儂にとっての戒めみたいな物じゃ、外そうとせんでも良い。
だが、これがあるから儂は城所かこの部屋から出られんのじゃがね。」
「…分かった、爺さんはここに居ても良い。
だがこれから外に居る獣人達の多くがこの城を根城にしにやって来る。
手出しはさせないつもりだが、ある程度は覚悟しててくれ…」
「あぁ、分かった。」
「それじゃあ俺達は一度外に出て、捕らえた者達を市街の1箇所に集めに行く。
昔良くして貰った誼だ、もし何かあれば言ってくれ。」
「なぁ、バンデイラ。
外の市民達は『シュピッ!』"撥ねる"んか?」
居室から出ていこうとするバンデイラを呼び止めたツェドは、首に指を当て真一文字に切る動作をする。
奴隷達が今まで受けて来た仕打ちを考えれば、この後取る行動は自ずと決まってくる。
ツェドはその辺りを聞いてきているのだ。
だがツェドは、その行為に対して止めようとは思っていない。
物事を行う場合はそれ相応のリスクも考えなければならないが、ヒュマノが今まで起こしてきた事は全て度を越している。
広く、世間一般にヒュマノの悪評は知れ渡っているし、悪行の数々も今後色々と開示されていくだろう。
別の国からすれば獣人達が反乱を起こしはしたものの、自国に危害が加わらない様であれば目を瞑る所すらあるだろう。
「いや、この国の北側、王城から先の区画に市民共を追いやるだけで別にこちらからは何もしない。
だが、抵抗してきた者には多少怪我を負って貰うがな。」
「ほぅ?何もせんのかい。」
「あぁ。今食糧庫を襲わせてるが、全て取るつもりもない。
2~3日分の最低限の食糧を頂いたら、その後は自活するさ。」
「良いのか?
お主ら、恨み辛みあるじゃろ?」
「あぁ、復讐したい気持ちは山程あるさ。
だが敢えてこちらからは何もしない。
"何故なら奴らは勝手に自滅していく"だろうからな。」
「ふむ、まぁそうじゃな。
それじゃあのバンデイラ、健闘を祈るぞ。」
「あぁ、ありがとな。」
妙に納得したツェドは、バンデイラと仲間の獣人を見送るのであった。
突如奴隷達が反乱を開始した。
まるで、示し合わせたかの様に市街地の中央部に位置する食糧庫前に50人程の奴隷達が集結。
各々その辺の石や棒きれ、状態の良い者は己の拳を使って食糧庫の破壊に取り掛かった。
突然の事で対処の遅れた兵や、住人等が止めに入ろうとするも、周囲に居た奴隷達が一斉に行動を開始したのであった。
「2人1組トなり、共に行動するんダ!
武器ヲ手にする者に対しては2組で対応シ、極力無力化する様ニ、トのバンデイラからの指示ダ!」
「「「「「「「おぅ!」」」」」」」
「女、子供には手を出すナ!
武器を手にした場合ハ脅してでも武器のみ取り上げロ!」
「「「「「「「おぅ!」」」」」」」
拙い口調で指示を出す狼獣人の言葉に従って他の獣人達が動く。
と
「何をやっておるのだ貴様ら!
飼ってやってる恩を仇で返しよって!
兵共!斬り捨てて構わん!」
「え?あ、あぁ…」シュィンッ!
「お、おおおっ!」チャキッ!
「か、覚悟しろ!」スラッ!
白銀鎧を身に着けた男が声を荒げて兵士に指示を飛ばす。
兵達は突然の事に困惑しつつも剣を抜く。
「フォルテ!どうすれば良い!?」
「食糧庫の方は継続シロ、俺が相手すル!」
ビリリ…
フォルテと呼ばれた狼獣人は、上半身に纏っていた襤褸布を破り捨て、肩を数回回した後、兵士約30人の前に立ち塞がる。
「武器ヲ捨て大人しく投降シロ、そうすれバ怪我しなくて済むゾ?」
「馬鹿を言え!30人を1人で相手するつもりか!?
投降するのは貴様らの方だ!
だが、お前らの様な反乱分子は生かしておけん!さぁ兵ども、奴らを捕らえろ!」
「チッ…」
「自分は出ないのかよ…」
「ったく、面倒臭ぇ…」
白銀鎧の男が声高らかに指示を出すと、周りの兵士達が渋々と進み出る。
兵達の士気は最悪と言えよう。
だがそんな中、1人の兵士が剣を振り上げながらフォルテに接近し
「おら!死にやがれ!」ブォンッ!
「『ドズッ!』ぇぐっ!?『ビキッ!』ぎっ!?『ズドッ!』ぅがぁあっ!?」
ドシャァアアッ!
馬鹿正直に剣を振り上げた兵士に対し、フォルテは喉元に親指を突き、呼吸困難を引き起こし、即座に剣を握っていた手首を掴み粉砕。
がら空きになった脇腹に強烈な蹴りを入れて吹き飛ばした。
「がぁあああああっ!!い、痛ぇ!痛ぇよぉおっ!!」
「な…」
「は…?」
「えぇ…」
あっという間に無力化された兵士は、粉砕された腕を押さえつつ声を上げて地面を転がっている。
その光景を見た他の兵士は何が起こったのか分からず、ただただ立ち尽くしていた。
「黙レ!たかだか1本骨が折れた位で喚くナ!
それよりも見ただろウ?怪我したくなければ武器を捨て、大人しく投降シロ!」
フォルテがそう呼び掛けると、兵達の間に明らかに同様が走った。
が
「何をしている!たかだか死に損ないの奴隷1人に何をびびっておるかぁっ!」
シュィンッ!
白銀鎧の男が喚き散らす。
男は腰に差していた剣を抜き放つと、ズカズカとフォルテへと向けて歩を進める。
「獣人と言うのは本来御し易い存在なのだ。
今一度我らが強者だと言う事を知らしめれば、簡単に頭を垂れる。
貴様ら兵達も見ているが良い!」
ブォンッ!
と、能書きを垂れつつ、先程の兵士同様に剣を振るう。
が、やっぱり
パギンッ!
「んなっ!?何だと!?」
「…オ前、さっきの兵士とのやり取りを見ていなかったノカ…?
何の代わり映えが無い所カ、さっきの兵よりも剣速が遅かったゾ…」
<刃断ち>を発動したフォルテは剣を破壊。
「オ前、口"だけ"は達者な様だナ、これ以上ベラベラ喋られても耳障りなだけダ。
その口、破壊させてモラウぞ。」
ガキッ!「おがっ!?」
ガコッ!「ふごぉおおおおおおおっ!?」
白銀鎧の男の下顎に指を掛けたフォルテは瞬時に下方向に引き、顎を外す。
男は口をあんぐりと開けたまま悲鳴を上げて地面を這いつくばった。
「ひ、ひぃいいい…」カラン…
「うわぁああ…」ガシャン…
「と、投降する…投降するから危害は加えないでくれ…」カランカラン…
その光景を見た周りの兵士は次々に武器を捨て、両手を上げて降伏し出したのであった。
「…我々ハ今までこの程度の奴らに虐げられてきたのカ…」
~王城・居室~
ミクズとその配下を拳1発で伸した獅子獣人は、次なる矛先をベッドに腰掛けるツェドへと視線を移す。
「悪いな、ご老体。少し眠って貰うぜ。」
ダンッ!
再び拳を握った獅子獣人は、ツェドへ向け駆け出す。
残り大股2歩分まで接近すると、ツェドの腹部目掛けて拳を振るい
「お前さん、その左腕…もしやバンデイラか?」
ビタッ!「……!?」
ツェドがそう言うと、獅子獣人は驚きの表情と共に繰り出した拳を止める。
ツェドが言う様に、その獅子獣人の左腕は手首から先が欠損していた。
「…俺らを前にしてその落ち着きっぷり、それにその老体の割に力強いオーラ…
まさかアンタ、10年前に死んだとされたツェド…さんか?」
「おぅ、そのツェドだ。今じゃ主ら同様の扱いじゃがな。
エイムラルヒムの息子、バンデイラ。
あの時は小さな子供じゃったが、立派になったものだなぁ。」
と感慨深そうに喋るツェド。
「…どうしたバンデイラ。その爺さん知り合いか?」
「…あぁ。
俺ら古参組の奴隷が、不自由無くこの国で暮らしてた時期がある、って話前にしただろう?」
「あぁ…家も持てたし、結婚も自由。
そこらの市民同様の生活を送れてたっていう…」
「そん時の国王だったのがこの爺さんだ。」
「えぇ!?…いや、だって死んだハズじゃ…」
「俺だってそう思ってたさ。だが本人を前にしちゃな…
真偽はハッキリしないが、悪いな爺さん。
一先ず表に出させて貰うぜ?」
「悪いがそれは出来ん相談じゃな。」
「何だと?」
バンデイラからの要望には沿えない事を伝えるツェド。
不満げな表情の獣人2人に、見て貰った方が早いだろうとツェドは衣服を捲り首や手足を晒す。
「な!?隷属の首輪に、手足には枷まで嵌められているのか!?」
「拘束力だけでいったら俺達よりも酷いな…
首輪だけならまだしも、枷の解除方法までは知らねぇぞ…」
「構わん。これは儂にとっての戒めみたいな物じゃ、外そうとせんでも良い。
だが、これがあるから儂は城所かこの部屋から出られんのじゃがね。」
「…分かった、爺さんはここに居ても良い。
だがこれから外に居る獣人達の多くがこの城を根城にしにやって来る。
手出しはさせないつもりだが、ある程度は覚悟しててくれ…」
「あぁ、分かった。」
「それじゃあ俺達は一度外に出て、捕らえた者達を市街の1箇所に集めに行く。
昔良くして貰った誼だ、もし何かあれば言ってくれ。」
「なぁ、バンデイラ。
外の市民達は『シュピッ!』"撥ねる"んか?」
居室から出ていこうとするバンデイラを呼び止めたツェドは、首に指を当て真一文字に切る動作をする。
奴隷達が今まで受けて来た仕打ちを考えれば、この後取る行動は自ずと決まってくる。
ツェドはその辺りを聞いてきているのだ。
だがツェドは、その行為に対して止めようとは思っていない。
物事を行う場合はそれ相応のリスクも考えなければならないが、ヒュマノが今まで起こしてきた事は全て度を越している。
広く、世間一般にヒュマノの悪評は知れ渡っているし、悪行の数々も今後色々と開示されていくだろう。
別の国からすれば獣人達が反乱を起こしはしたものの、自国に危害が加わらない様であれば目を瞑る所すらあるだろう。
「いや、この国の北側、王城から先の区画に市民共を追いやるだけで別にこちらからは何もしない。
だが、抵抗してきた者には多少怪我を負って貰うがな。」
「ほぅ?何もせんのかい。」
「あぁ。今食糧庫を襲わせてるが、全て取るつもりもない。
2~3日分の最低限の食糧を頂いたら、その後は自活するさ。」
「良いのか?
お主ら、恨み辛みあるじゃろ?」
「あぁ、復讐したい気持ちは山程あるさ。
だが敢えてこちらからは何もしない。
"何故なら奴らは勝手に自滅していく"だろうからな。」
「ふむ、まぁそうじゃな。
それじゃあのバンデイラ、健闘を祈るぞ。」
「あぁ、ありがとな。」
妙に納得したツェドは、バンデイラと仲間の獣人を見送るのであった。
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