ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~救出作戦~

一進一退

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その後も一進一退の攻防が繰り広げられていた。

未だ右近の雷速に追い付く事は不可能ではあるが、右近の攻撃パターンや特徴が徐々に分かってきた。

どうやら右近の稲妻形態は、あくまで高速移動用であって、攻撃には使用出来ない様だ。

しかもノアに攻撃する際は実体化しなければならず、それを悟られたくないのか高確率でノアの背後から奇襲を仕掛ける形になっている。

なのでわざと背中をがら空きにさせていると


バチンッ!

「ぬぅ『ゾリッ!』「ふっ!」

「ぐぬぅっ!?」


実体化した右近の足をカウンター気味に削ぎ落とす。

移動速度は脅威だが、ある意味右近はタイミングゲーと同じである。
毎回攻撃の際に「ふん!」とか「でやっ!」等の声を発している為、ノアで無くても対処は十分可能である。

更に範囲攻撃である落雷も出現箇所はほぼ固定である為、冷静に見ていれば2回目で何と無く察してしまうので対処も容易である。

つくづく"最初のダンジョンボスなんだな"と思わされる。

バチッ!

「くそぉっ!貴様ッ!我の動きを見きりつつあるな!?」

「"見切りつつ"じゃないよ、"見切ったよ"。
『シュゥウ…』アンタの特性も攻撃パターンも"見切った"、次で仕留めてやる。」


【一鬼呵成】と【鬼鎧殻】を解除したノアは二刀を構えた状態でピタリと動きを止める。


「小癪なっ!」

バヂュンッ!

バチッ!バチバチ!バチュンッ!バチッ!バチュン、バチバチッ!

「ちぇぁああッ!」グオォッ!

ゾリッ!バギンッ!

「ごっ!?おぁぁああああッ!!」バシュンッ!


再び高速移動を開始した右近がノアの背後で実体化し奇襲を仕掛けるも、待ってましたとばかりに剣を振るうノア。

実体化した右近の左脇腹から右の腰でを一刀両断し、2撃目で右の鎖骨から左脇腹へ抜ける様斬撃を放つ。

途中胸の中央にある核諸とも断ち斬ると、右近は叫び声と共に霧散していった。


ガィンッ!ジャラジャラ…

「お?」


霧散した右近から剣や古金貨、宝石に魔石等が残されていた。
どうやらステージボスを倒した報酬の様だ。



〝御見事!我等【魔王】軍第一障壁である"雷神の右近"をよくぞ討伐した!誉めてやろう!
だが右近は我等第一障壁の中でも"最弱"。
次はそう上手くいくとは思わん事だな!〟

「次のステージでは私"左近"が御相手しよう。
それまで生き残っていれば、の話ではあるがな。」


天守閣頂上に居る【魔王】軍幹部の2人がそうノアへと言葉を投げ掛ける。


「冒険者様!この2人は先程の相手を遥かに凌ぐ強者に御座います!
命を投げ売ってはなりません!
私の事は気にせず…御逃げ…下さい…」

〝黙れ姫君よ。次余計な事を抜かせば命は無いぞ。
さて冒険者よ、貴様は中々の猛者であるな。
貴様との勝負心待ちにしているぞ。ガハハ!〟

スゥゥ…

【魔王】軍幹部"羅刹"は高笑いをした後、隣に居た左近と共にその姿が霧散していった。

ラインハードの話では、次のステージからが本番の様だ。

ノアは足元の報酬には目もくれずに天守閣へと歩き出した






パッ。

「お?」


ら、目の前に着物姿のラインハードが現れた。


「はい、体験版はここまでになります。
ここから先は是非実装されてからお楽しみ下さい。」

「あ、はい。」


どうやら体験は最初のステージのみという事らしい。
言われてみれば、まだ未完成の部分があるとか言っていたのでそう言う理由もあるのだろう。


ザァアアアア…サァアア…パラパラ…ピチョン。


今まで降っていた土砂降りの雨や薄暗かった雲も何処へやらと消え、晴れやかな空に変わっていた。


「"ドライ"。」ブォオッ!

「うへぇっ!?」


ずぶ濡れであったラインハードの着物とノアの装備は瞬く間に乾き、気分的にも清々しいものとなった。


「いやぁ~すっかり体験だと言う事を忘れて真面目にやっちゃいましたよ。」

「そう言って貰えると有り難いですわ。
正直な所を言いますと、一応最終ステージまで完成しているのですが、ノア君の事ですからまた攻略しちゃいそうなので今回はここまでとしました。」

「はは、なる程ね。」


実装前にクリアされるのは流石に、と思ったのか、ダンジョンマスターであるラインハードの判断で今回の体験は終了となった。





「おーい、ノアくーん。」タタタ…


ラインハードと話していると、ノアの元に調査に来た一行が集まってきた。
特に疲れた様子を見せていないノアに、一行は苦笑いを浮かべたとか何とか。

その後はダンジョンマスターであるラインハード先導の下、天守閣内部の見学や、実装予定の敵幹部の紹介等を行った。

調査隊は各方面に報告があるので羊皮紙に内容を詳細に書いていく。
そうでもしないと、ダンジョン内にこれ程巨大なステージがあるとは誰も信じてくれないからだ。


「因みにノア君、何か不満点等御座いましたでしょうか?」


実際に体験したノアに忌憚の無い意見を求めるラインハード。
恐らくノアの意見を受けて手を加えていくのだろう。


「そうですね…この平原に追々城下町を造るのであれば、先程天守閣から現れた機兵を纏めて出すのでは無く、時間経過で沸かせるのはどうでしょう。」

「物量攻めが良いかと思ったのですが、それだと宜しくないでしょうか…?」

「うーん…実装したては良いと思うんですけど、1箇所から出現すると分かれば、そこに集中砲火を浴びせれば良いので一気に難易度が下がっちゃうかも知れないですよ。
それよりか、家々の屋根上や中から、物陰から、池の中から、ありとあらゆる場所から出現して来られた方が緊迫感があって良いかと…」

「ふむむ、なる程。
分かりました、やってみましょう。
他には何か御座いますか?」

「そうですね…後は…」


と、ノアから忌憚無き意見がドバドバと出てくる。
その意見聴取を後ろで聞いていた調査隊と『犬姫』の一行は苦笑いを浮かべながら聞いていた。


「ああ…こうして一歩、また一歩と高難易度化していくのね…(ハナ)」

「多分ノア君みたく1人で来る人何て居ないだろうから、2人パーティと考えても最低40体の機兵が奇襲を掛けて来るのよね…?(サクラ)」

「あ、今ボスの改善点の話してる…
"もうちょっと頭悪くて良いから大暴れさせてみては?"ですって…何か厄介になりそう…(モコ)」



こうして約30分程ノアが意見を挙げていった後、ラインハードによって手直しされたステージがこちらである。
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