ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~救出作戦~

ノア君お帰りなさい

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「あ、ノア君お帰りなさい。」

「あれ?クロラさんどうしてここに?」

「『宝物庫』から出て来たハナさんに聞いたら「中にノア君が居る」って言ってたから皆で待ってたの。」 


用事を済ませて『宝物庫』から出て来た所、調査隊と『犬姫』の3人、それとクロラ達が出迎えてくれた。

外は夜中と言う事もあり、人通りは疎らではあったが、また何か起きるんじゃないか?と期待を込めた人集りが出来ていた。


「違うでしょクロラ。
"ダンナがまた血塗れになって帰ってくるんじゃないか"って言って心配で待ってたんでしょ?」

「"ダンナ"は言ってないよポーラちゃん…」 


相変わらずしれっと誤情報を入れ込んで来るポーラは平常運転である。

するとハナがノアの元に近付き


「ノア君、中であの人とどんな話を?」

「大した事ではありませんよ。
装備の改良のお願いとちょっとした相談事です。」

「因みにその相談事の内容とか聞いてみても良いですか?」

「内緒。」

「ですよね…」

「もしや内容を言わないと依頼達成にならないとか?」

「いえいえ、流石に個人的な話で左右する事はしません。
取り敢えず依頼達成という事で私共の方でギルドに報告しておきます。」


と、色々あったが一先ず依頼の方は達成となった。
潜っていた時間は2時間程度であったが、それなりに腹が減ったノアはクロラ達と共に屋台の方へ向かう事にした。






「え?『滅びの森』に行ってみたんですか?」

「そうなの。
私達もそれなりに力が付いてきたから腕試しの意味合いも込めて行ってみたの。
そしたら盾役のジェイルがエレファント・バッファローに克ち上げられちゃって、皆で中距離からチクチク攻撃して何とか倒したんだ。」

「済まない…まさかああも簡単に宙を舞うとは思ってもみなかった…
もう少し筋力付けないとな…」

「いや、仕方無いと思うよ?
僕の近くで戦ってた中級冒険者も克ち上げられてたから筋力云々の話じゃ無く、どう受け流すかに重きを置いた方が良いよ。」

「ノア君も行ってみたんだよねー?
ギルドに行ったらデカい犬とタコと戦ってたって聞いたよー?」

「うん、大分強かったよ。
割と本気で戦った所もあったし…」


ダックス憤怒と魔蛸と戦った時の事を思い出し嘆息するノア。
1体同士ならまだ良いが、2体纏めては正直しんど過ぎる。


「そう言えばノア君冒険者ギルドに行ってみた?
多分ノア君を指定してる臨時パーティ募集依頼が結構あったよ?」

「え?僕を?
…困ったな…【適正】の問題で受けれないしな…」

「しかも明らかに少年の戦力頼みの依頼ばかり張り出されてあったわよ?
新人冒険者の3人組パーティで『エレファント・バッファロー15頭の討伐』とか中級冒険者の2人組パーティで『ダックス憤怒3頭の討伐』とか。」

「うわぁ…」


ポーラの話を聞く限り、身の丈にあって無い依頼ばかりが張り出されていたらしい。

しかも募集要項には"黒い二刀流の少年"や"1人で戦ってた男の子"など、明らかにノアとしか取れない様な物が書き込まれていたとの事だ。

ノアの【適正】を知ってる4人はその辺りを気にして教えてくれた様だ。


「特に悪質そうな募集依頼には、角に印を付けておいたからギルドに寄ったら見てみて頂戴。」ズズズ…


そう言ってホットミルクを啜るポーラに、妙な違和感を覚えるノア。


「…何かいつに無く気が利くけど何かあった?」

「そ、そうかしら?」ズズズ…


やはりだ。
何か急にしおらしくなったポーラに妙なむず痒さを感じ、隣に座るクロラに何かあったのか聞こうとしたら

『『『ニマニマ』』』

何故かクロラ、ロゼ、ジェイルの3人がニマニマと笑みを浮かべていた。


「皆どうしたの?」

「ほらー、ノア君この間クロラっちとポーラっちに宝石を贈ってたでしょー?」

「あぁ…」



~タイトル:『俄には信じられない』より抜粋~

「はい、クロラさん、ポーラ、1層で獲得した赤い宝石。」

「え?あ、ありがとう…」

「…私も良いのかい?」

「ああ。」

                                  (中略)

「あ、あの、ノア君ありがとうね…大切にするよ…」

「う、うん。」

「しょ、少年…クロラだけに飽き足らず私にまでその毒牙「返せ!」



「あの宝石の事ね。」

「あの時ポーラっちはいつも通りの反応だったけど、それなりに気に入ってるんだもんねー?」

「い、いや別に…」

ガシッ。

「見て見てノア君。
ノア君から貰った宝石、私とポーラちゃんでお揃いのブレスレットにしたんだ。」

「わわ、ちょっとクロラ…」


クロラはポーラの手を取り、お互いの腕に着けているブレスレットをノアに見せる。
珍しく慌てているポーラは、何処と無く気恥ずかしそうにしていた。


「折角貰った物だし、頻繁に顔を合わせる間柄なんだから無下には出来ないじゃない?」

「むふー、ポーラっちぃ、すーなおーじゃなーいなー。」ムギュ。

「やーん、ポーラちゃん照れちゃって可愛い~」ムギュ。

「ええぃ、離せぇ…」グイグイ…


顔を赤らめるポーラと抱き付くロゼとクロラ。
3人のやり取りの意図がよく分からないノアだったが、兎に角気に入ってくれたのなら良かった、という事にしておこう。

その後、夜中という事もあってクロラ達と分かれてそのまま宿に戻った。
そしたらヴァモスとベレーザがベッドの上を大の字で占領し、ぐーすかと寝ていた。

仕方無くノアは近くの椅子に腰掛けて寝る事にした。

結果朝方起きた2人がノアに滅茶苦茶謝ってきたのは言うまでも無かった。






「ふぁああ『ゴキゴキッ…』よく寝た…『ボキッ』」

「嘘にゃ…疲れが取れてない音がするにゃ…」


起き抜けに体を捩って解しているノアに、ベレーザがツッコミを入れた。


「すいませんノア様…
宿に戻ったら居なくて帰りを待ってる内にうつらうつらと…」

「にゃあ…」

「2人共中々疲れてるみたいだけど、またビルゴリラーマさんの所の館で踊り子の練習をしに行ってるのかい?」


ビルゴリラーマとは、少し前にヴァモスの胃袋を掴みに弁当を持参してきた女性ゴリラ獣人の事である。



~タイトル:『へっとへとの3人とくったくたの2人』より抜粋~

どうやらゴリラ獣人のビルゴリラーマは、毎年優秀な踊り子達を輩出している、獣人国でも有数な名家の出であった様だ。
要はお嬢様である。



ちなみにベレーザは踊り子の練習、ヴァモスは従業員兼用心棒をやってるとの事らしく、館を訪れた若い女性やご婦人方からのウケが良いらしい。


「ノア様が足腰強くする為に日頃から『二の腕ナメクジ』を食事に混入してくれたお陰で足捌きや体のブレが少ない、って褒められちゃいましたのにゃ。」

「そりゃ良かった。
それじゃ今度は『ザトウナメクジラ』を混入させてあげようね~。」

「嫌にゃ!『二の腕ナメクジ』に漸く慣れてきた所にゃのに畳み掛けないで欲しいにゃ!?」


などと朝っぱらから騒がしくなってしまったが、軽く朝飯を食べた2人は早速宿を飛び出して目的地へと向かっていった。


「さて、取り敢えず冒険者ギルドに向かうとしますか。」


椅子から立ち上がったノアも宿を出て、冒険者ギルドに向かう事にした。
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