ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~森の番人~

デイダラボッチ

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「デ、"デイダラボッチ"じゃとぉっ!?」 

「なんちゅう奴召喚してくれてんのよっ!?」   

「若く、小型の個体とは言え地属性巨人の上位種族を喚び出すとは…
奴め、どれ程の魔力を行使したんだ…」


地面を突き破り現れた50メルを越える巨体の"デイダラボッチ"に驚きを隠せない一同。



『デイダラボッチ』…自然豊かな土地や山岳地帯に生息している巨人種。体長約50~150メル。
所に依れば他種族と共に生活したりと、性格は比較的温厚だが、自身の領域や環境が脅かされると、途端に狂暴になり牙を剥く。



ウボォアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

ドボォオオオオオオオオオオッ!

「「「「「うぉわっ…!?」」」」」 


足元に居たノアへ向け、強烈な踏み付けを放つデイダラボッチ。
その一撃で大地震もかくやな揺れが辺りを襲い、爆煙が立ち込める。



ボファッ!

ガションッ!ガチャッ!ガシャガシャガシャッ!

バシュゥッ!ドゴゴゴゴゴゴッ!

『準備出来たか主っ!合わせろぉっ!』

「了解っ!」


ノアは既に魔装鉄甲の装着をほぼ終えた姿で爆煙から姿を現し、スラスターを駆使して鬼神と共に"デイダラボッチ"へと駆けていた。

ボ、オアアアアアアアアアアッ!

2人の接近に対処する為、"デイダラボッチ"は右腕を大きく振り被って殴り掛かろうとしていた。


『行くぜっ!』ドンッ!ドドッ!

「おぅよっ!」ブォンッ!


タイミングを図るかの様に歩調を合わせて飛び上がった鬼神の足目掛け、魔装鉄甲の巨拳を振るう。

オオォアアアアアアアアアアアッ!ブォッ!

それよりも僅かに早く"デイダラボッチ"が巨岩の様な拳を2人目掛けて振り下ろされる。

その直後


ドッ!バギュゥウウウウウウウウウウッ!

ゴッ!『『『ゴシャッ!!』』』

ゥゴァアアアアアアアアアアアッ!?


鬼神は<渾身><縮地><剛脚>を発動し、突進力を最大限まで高めた上で魔装鉄甲の巨拳上で跳躍し、ノアはその最大まで高めた突進力を殺さない様、<渾身><剛腕><遠心力>を乗せた拳と、事前に魔装鉄甲内に蓄積させていたエネルギーの8割をブースター出力にまわした事で、万全な発射台となるのであった。

発射された鬼神は、"デイダラボッチ"の振り下ろした巨岩の様な拳に当たるや否や、全く拮抗する事無く粉砕し、20メル以上もある腕を一瞬の内に破壊し、上腕部を貫通して肩口に降り立った。

"デイダラボッチ"は激痛に悲鳴を上げ、たたらを踏みながらもまだ健在であった。

ダタッ!

だが、肩口に立つ鬼神は即座に"デイダラボッチ"の鎖骨辺りまで駆けていくと


『ハッハーッ!!』ゴギャッ!

ヴボァッ!?ぐりんっ!


"デイダラボッチ"の顎の辺りをぶん殴り、攻撃を開始。
あまりの威力に、ぐりんと首が回り、再びたたらを踏む。 



ズンッ!ズズンッ!

バシュッ!バシュッ!

「おぉおらっ!」ゴガッ!ゴギャッ!

ベキベキブチッ! ガァアアアアアアアアッ!


足元に居るノアは、たたらを踏む"デイダラボッチ"を、スラスター移動で回避しつつ、人間で言うアキレス腱の辺りにを魔装鉄甲の巨腕で殴り付け、筋を破壊していた。


ガァアアアアアアアアッ…

ズンッ!ズズンッ…

ヒュオッ…『主!『コツコツ』仕留めちまえ!』

「はいよ。」


堪らず自重を支えられなくなった"デイダラボッチ"は、片膝を付き、地面に手を付いた。
すると肩口に居た鬼神も一緒に落下してくるのだが、その際主であるノアに向け、指でこめかみを小突く動作をする。

鬼神の意図を察したノアは、即座に巨腕を構え、力を溜め始めた。


ズドォオオオオオオンッ!

「おぉお…らぁっ!!!」ゴヂュッ!

ゥ…ゴ…ッ………!?


地面に倒れ込んだ"デイダラボッチ"のこめかみ目掛けてノアが巨拳を振るうと、粘っこい音と共にこめかみが破砕し、短い悲鳴を上げながら"デイダラボッチ"は動かなくなった。


〔素晴らしい。
"デイダラボッチ"をものの1分程で仕留めるとは…
そこの赤黒い存在が気になる所ですが、さて、お次は何『ゴシャッ!!』ヴッ!?〕

ブチブチッ!ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!


"デイダラボッチ"を仕留めた事に上機嫌だったレントに腹を立て、鬼神が真っ正面から蹴りを入れ、足元に張られていた根が何の抵抗も無く千切れて後方に吹っ飛ばされた。


ドッ!〔…ぬ…〕

ドガガッ!〔…何『ガシッ!』

『よぅ木偶人形、俺らはてめぇを楽しませる為にやって来た訳じゃねぇんだ。
余興が済んだならさっさと始末つけさせて貰うぜ?』ミシミシ…


地面を転がったレントが体勢を立て直そうとするも、既に追い付いていた鬼神がレントの顔面を掴み、『滅びの森』の中に押し込んでいく。

レントの胸元には先程蹴り込んだ際に付いた鬼神の足形がくっきりと付けられていた。


〔『ミキミキ…』…ぐっ『ビキビキ…』何『黙れ。ちょっと2人で話しようや。丁度そこに無駄にバカスカ木が生えてる森があるからなぁっ!』ブォンッ!

ゴシャ『ゴッ!』ゴガガ『バキッ!』ガガガガ『バキバキッ!』ガガガガ『ビキッ!』ガガガガ『ゴバッ!』ガ『『バキンッ!』』ガガガガガガガガ『バキバキバキッ!』ガガガガ『ベキンッ!』ガガガガ『ボキンッ!』ガガガガガガガガガ『ボキャッ!』ガガガガガッ!


ノアが取得した<投擲術><渾身><剛腕><遠心力><自暴自棄>を総動員し、全力で『滅びの森』の中へとぶん投げる鬼神。

あまりの威力に、重力を無視し、地面と平行に進むレントは森の木々を悉く薙ぎ倒しながら直進を続けた。


『おぅ主!【固有スキル】解除されちまうからあんまり離れんなよ?』

バシュシュッ!

「素のステータスじゃ100メルの距離を一瞬で詰められないっての!今素なの僕っ!」

『悪い悪い。久し振りに全力出せたから楽しくってな。
さぁ、暴れるぞぅ!』ズダンッ!


にかっ、と笑みを浮かべた鬼神は、レントを追って森の中へと駆けていった。


「グリード!少しの間森の中に行ってるからそっちは任せたぞ!」


(。・_・)ノ


レアナとお取り込み中だったグリードは、手を上げて返事をした。

先程"デイダラボッチ"が出現した穴からは、魔蛸やダックス憤怒等の危険度(中)のモンスター等が沸いて出て来ているが、ドワーフ3人やエスメラルダ、マドリックなんかが戦闘を継続しているお陰か、特に問題無い様だ。

何かあってもグリードが居るしどうにかなるだろう、と判断したノアは鬼神を追い掛けて『滅びの森』へと足を踏み入れていった。
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