ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~森の番人~

病み上がり1発目の謎依頼『ブレイカー』

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「え?報酬はいらない?」

「あぁ。元々ワシらが参加したのは、フリアダビアで命を救われた恩を返す為じゃしの。(バト)」

「まぁ再び戦場(いくさば)で坊と共に戦いたかった、っちゅう割と身勝手な理由もあったしな。(ルド)」

「何せ坊の戦い方は滾るでの。(ロイ)」

「私も辞退するわ。
使った薬品は手製で死蔵していたものばかりだったしね。(エスメラルダ)」

「最終的なドドメを刺したとは言え、途中まで大した働きも出来なかった故私も辞退するよ。(マドリック)」

「「「それに、一番の功労者である坊が受け取って無いんじゃ、こちらとしても受け取れんわい。」」」

「爺さん達に同意。(エスメラルダ)」

「同じく。(マドリック)」

「うむむ…」


朝方ノアの元に王城から遣いの者が来て、報告と報酬についての話になった際、リハビリの為に受注した依頼を理由に出城を辞退した上、「報酬なら既に街の人達から現物支給で頂きました」と言って受け取るつもりは無いと辞退したのだ。

その現物支給も元を正せばノアの行いによるものだが、ノアはそそくさと駆けて行ってしまったらしい。

これについて困ってしまったローグ・ラグナーだが、王都でも同様の事が起きた際、後にヒュマノから子供達を救出する際の報酬に宛がう事になったので、それに倣って今回も報酬の件は一旦保留する事で一先ず落ち着く事になった。






さて、リハビリ目的で依頼を理由に出城を辞退した当のノアが現在何をやっているかというと


「はい、冒険者の皆さんお疲れ様でーす。
変なフラグを立てず、速やかに街へ戻って下さいねー。」

「ど、どうも…」

「た、助かりました…」


弓を手にした仮面の男『ブレイカー』が2人組の冒険者パーティを街へと誘導している。

その後ろには5本の矢が目に突き立って絶命しているエレファント・バッファローが横たわっていた。


「うわ~…あっという間に2組目を…
流石ノ…『ブレイカー』だね!」

「…クロラさん、2人っきりの時は流石に設定引き摺らなくても良いですよ…
…あと自分で請けといて今更言うのもなんだけど、何だこの依頼…」


何故か『ブレイカー』と言う偽名を使っているノアの隣には、観測手兼お手伝いのクロラが控えている。

これはあくまで冒険者ギルドで受けた正規の依頼なのだが、一体2人が何をしているかというと






~約2時間程前~

「痛ててて…」

「ノア君…まだ休んでた方が良いんじゃないの?確か、筋がまだ治りきって無いんでしょ?」

「うん…でももう5日も体動かして無いと流石に鈍っちゃうから少しでも何かやっておかないと痛ててて…」よろよろ…

「あ、ほらまた…」


ほにょん。


「ほぁっ!?ご、ごめんなさ痛ででで…っ!」

「ひゃっ!?あ、気にしないでノアく『ほにょん。』


※以下2回繰り返す。


快気祝いを終えたノアは、クロラと共に大通りを歩いていた。

理由は冒険者ギルドにリハビリ目的で何か依頼を請けにいく為である。

クロラは未だに足を引き摺るノアを心配して着いてきていた。

ヴァンディット曰く、レントとの戦闘で傷付いた足の腱まだ治りきっていないらしい。
と言っても歩く程度であれば支障はあまり無いとの診断が出たので、痛み止めと注入薬を貰って簡単な依頼を請けに来たと言う訳である。


ギュッ。「ほ、ほら、こうすれば大丈夫。」

「う、うん、ありがとう…」


3度に渡るラッキースケベを起こしたノアに近付き、腕を取って腕組みし、なるべく足に負荷が掛からない様、自身に引き寄せるクロラ。

ノアは気恥ずかしいのか顔を赤らめていたが、クロラの行為にされるがままとなっている。





冒険者ギルドへと入った2人は、カウンター横のクエストボードへ。

流石に討伐依頼を行う訳にはいかず、モンスターが絡みそうな採取依頼も請ける訳にもいかない為、街の住人からの頼み事である白色の依頼用紙を探す事にした。


だが、先日まで『滅びの森』での活動が出来なかった為、街の住人からの依頼すらも悉く完了されていた。


「うーん…」
「うわぁ…」

「あのー…ノア様、もし宜しければオススメしたい依頼があるのですが…」


そんな状態に困り果てる2人の下に、犬獣人(犬寄り)のウーワンと言う受付嬢がやって来て、ある依頼を提示してきた。



『ブレイカーとしてのお仕事』

仕事内容:フラグのへし折り。
期間:取り敢えず1日。(場合によっては数日)
報酬金:1組につき2000ガル。

説明文

正義のヒーロー『ブレイカー』となって冒険者達が立てた余計なフラグをドンドンぶち壊していこう!

~間~


「…なん「疑問はごもっともです!先ずは訳を聞いて下さい!」

    
依頼名を見ても何のこっちゃ分からなかったノアとクロラだが、説明文を見てもっと訳が分からなくなった。

ノアが内容について聞こうとすると、受付嬢のウーワンが待ってましたとばかりに食い気味で説明をしだしたのであった。





「お二方、冒険者の死因で最も高いモノは何かご存知ですか?」

「え?死因?普通にモンスターに殺られたりとかじゃないんですか?」

「それか野盗とか人為的なモノですか?」

ふるふる。


受付嬢ウーワンからの質問に真面目に答えるノアとクロラだが、反応からして違うのであろう。
ウーワンは首を横に振って違う事をアピールしていた。


「答えは"余計なフラグ立て"です。
新人の冒険者にしろ、中級~上級までの冒険者の死因で特に多いのがコレに該当します!」

~間~

「「へー…(棒)」」

「あー!信じてませんね!?
フラグは立て方を間違えると本当に恐ろしい事になるんですよ?」

「いやー…そう言われても実感が…」
「う、うん…」

「良いでしょう!フラグの恐ろしさを身をもって体験して頂きましょう、"恋人同士のお二人さん"!」


受付嬢のウーワンが声高らかにそう言われてノアとクロラの2人が今現在の自分達を見てみると、未だにクロラが腕組みをし、ノアに寄り添っている体勢である為、誰から見ても2人が恋人同士である事は確かである。

するとクロラが慌ててノアから体を離す。


パッ。「あ、ご、ごめんノア君、すっかり忘れてたよ…」

「え?あ、いや、別にこのままでも良かったのに…
でも良かったですよね、こんな所ポーラに見られてたら一体何を言われるか…」

「呼んだ?」

「「ぎゃぁああっ!?」」


早速ノアがフラグを立てた所、後ろから音も無くポーラが出現し、絶叫を上げる2人。

身をもってフラグ立ての恐ろしさを知り、受付嬢のウーワンも何処と無く満足した所で本題に入る事になった。
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