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獣人国編~森の番人~
バカップル
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「ほぉ~、"エルフの森"では今そういう動きを見せているのか。」
「えぇ。外界で暮らすエルフは少なからず居たのだけど、それでも数える程よ。
エルフの族長がフリアダビア前哨基地戦に参加したのは王都から要請があったから、と言うの確かだけど、外界の情報を取り入れる目的もあったの。」
エルフのエスメラルダとマドリックは、酒を片手に語り合っていた。
マドリックが中級冒険者時代にエルフの森に行った事があった様で、そこから話に華が咲いたとの事だ。
当時のエルフの森は閉鎖的で、外界との交流を断っていた事から"中々"なもてなしを受けたらしい。
その事を話すと「…それは森の恥部だからもう言わないで…」と頭を下げてお願いされたマドリックであった。
「見聞を広めるのは良い事だ。
閉ざされた環境が悪い訳では無いが、時代の流れに取り残されてしまう恐れがあるしな。」
「その辺を危惧して族長自身が先陣を切った感じかしらね。」
「それで?族長の意見はどうだったのだ?」
「"中々良い経験が出来た。やはり世界は広く、我々の狭さを実感出来た"らしいわ。」
「ほぅ?意識の高いエルフが外の世界を褒めるとは珍しいな。」
「"何かの間違いでは?"と否定する者も居れば、外の世界に興味を持つ者も居たわ。
その内の1人が私よ。
まさか族長が話していた人族と相見えるとは思ってもみなかったけどね。」
「まさかその人間と言うのがノアだったとはな…
だが、勘違いしないで欲しいのは、皆が皆、あのレベルに達している訳では無いからな?
あれは"中の存在"と、本人の頑張りと、それを受けて調子に乗った両親の過剰教育の賜物だからな?」
「分かってるわよ。
少なくともこの街に来るまでの間、彼に匹敵する程の猛者とは会わなかったもの。」
エスメラルダは、北方にある"エルフの森"を発ち、フリアダビアからスロア領に向かっていたドワーフ3人組と出会して共に南下。
見聞を広めつつ外の世界を楽しんでいたが、目を見張る様な者は大して居なかったと言う。
そんなエスメラルダは、スロア領で一仕事終えてから本格的に旅を開始しようとしていたらしい。
「ま、そんなノアでも彼女さんの前では大人しくなってるがね。」グビッ。
「どれどれ…?あら本当。
5日前の鬼気迫る戦闘を繰り広げていた子と同じとは思えないわね。」クピリ。
2人は酒を煽りつつ、視線の先でクロラに良い感じで弄ばれるノアを眺めていた。
スリスリ…
「うーん、ノア君頬っぺ柔らかーい。」
「あ、あの、クロラさん…僕今日結構体動かしたから汗臭いかも…」
「んーん。ホッとするし、落ち着くからノア君の匂い私好きよ。」
「は、はわわ…」
クロラから滅茶苦茶甘えられているノアは、先程から心臓バクバクである。
気恥ずかしさから、多少距離を取ろうとするも、ガッチリと腰に手を回している為、中々引き離せずにいた。
「むー…ノア君さっきから私と距離取ろうとしてる~。
もしかして私の方こそお酒臭かったりする…?」
「あ、いや、そんな事無いですよ…
僕もクロラさんの…その…匂い好きですし…」
「ふーん…」
耳を赤くし、背後のクロラのみに聞こえる声量で答えるノア。
その反応を見たクロラは、妖しく、でも嬉しそうに微笑んだ後、耳元でノアにだけ聞こえる声量で
「知ってるよ~。
だってノア君、アルバラストでお風呂上がりの私と一緒に居た時、ずっとドキドキしてたもんね~?」
「え!?何で知っ…あ、いや、その…」
「むふふ…ノア君大好きクロラお姉さんは何でもお見通しなのだ~。」
そう言ってノアの頭に顎を乗せ、首に腕を回してギュッと抱き締める。
普段のクロラであったらやらない事盛り沢山の為、ノアはなすがままである。
「…まさかクロラっちが酔うとちょー積極的になるとは…」
「これは予想外だな…これがノア君効果か…」
「…デレデレ通り越してベットベトじゃない…
ここまで来たら流石の私でも茶化すのを躊躇うわ…」
ロゼ、ジェイル、ポーラがクロラのやり取りを見て固まっていた。
ジェイル曰く、旅の道中エール等を飲む機会はあったが、こうなった事は無かったらしい。
こう言った状況であれば真っ先に茶化すポーラが一切触れない辺り、本当に困惑しているのであろう。
「ク、クロラさん、皆が見てますって…
はな、離れま「良いよ。」
3人がじっくりと眺めているのに耐えられなくなったノアが身動ぎし出すと、抱き締めていたクロラの腕から力が抜ける。
「そっか…やっぱり恥ずかしいよね…「え?あ、いや…」良いよ、振りほどいても。
「え?ちょ…」ノア君なら私の拘束から抜け出すのは簡単だもんね?」
「う、うぬぬ…」
少し残念そうな声音でそう言われたノアは明らかに動揺し
「も、もう少し…このままで良いよ…」
「わーい!ノア君やっさしーい!」ムギュウッ。
(((めっちゃ手の上で転がされてる…)))
クロラの意外な一面を垣間見た一同であった。
その後も、クロラが抱き付いたままあーんをさせたり、あーんさせられたり、無駄に気を利かせた料理人達がカップル専用の料理を作ったりした結果、中々なバカップルっぷりを発揮する羽目になった。
だが何だかんだありながらもクロラとノアの2人は妙に肌ツヤが良くなっていた。
「いやぁ…青春しとるのぅ…(バト)」ズルル…
「ワシらもあんな感じの青春送りたかったのぅ…(ルド)」ズルル…
「無理じゃろ。」ズルル…
「爺専のエルフ紹介しよっか?(エスメラルダ)」ズルル…
「ふむ、レドとアミに良い報告が出来るな。
あぁ…所帯持ちたかったなぁ…(マドリック)」ズルル…
「あら、私熊好きよ?(エスメラルダ)」ズルル…
「え…?(マドリック)」
「ジェイル、アンタも頑張りなさいよ?(ポーラ)」ズルル…
「……。(照)(ジェイル)」ズルル…
「……。(照)(ロゼ)」ズルル…
1時間程した後クロラの拘束が解け、ノアから距離を取る。
ベットベトなやり取りを端から見ていた一行も多少当てられていた。
パッ。
「え?」
「てへへ…ごめんねノア君、私のわがままに付き合って貰っちゃって…」
「い、いや…最初びっくりしちゃったけど楽しかったよ…
出来れば今度は人があまり居ない時に…それと酔ってない時が良いかな、って…」
「ねぇノア君、私からお酒の匂いする?」
「え?『スンスン…』あれ?さっきまで強い酒精の匂いがしてたけど…」
「えへへ…私ね、何でか知らないけど、代謝が良くってどれだけ飲んでも1時間足らずで酔いが覚めちゃうの。」
「へー…え?…と言う事は…?」
「むふふん♪さてどっちでしょう?」
不敵に笑ったクロラは、踵を返してポーラ達の居る場所へと駆けて行く。
タタタ…
クロラの後ろ姿を目で追うノア。
先程までずっとくっ付いていたからか、名残惜しいのかは定かではないが、遠ざかるクロラの姿がゆっくりに見えていた。
タ、タ、タ…
(『終始手の上で転がされてたな。』)
(転がせる程の手管も無いから転がされる方が良いよ。
それにとても楽しかったしね。)
タ、タ、ピタッ。
(『ん?』)
(え?)
ゆっくりに見えていたクロラの後ろ姿がピタリと止まり、辺りには静寂が訪れた。
そして今頃になって周囲を見渡して気付いたが、クロラだけでなく周囲に存在する街の者達や冒険者、龍種のグリードにプロスペリダージ。
王一家に兵士達、止まり木に居て今正に飛び立とうとしていた鳥ですら動きが止まっていた。
まるで時間そのものが止まったかの様に。
コッ。
〝お楽しみの様だったので、不躾ながら見守らせて頂きました。〟
<気配感知>には全く反応は無いが、ノアの背後からは高圧的な反応が2つと、その間に何とも言えない気配の"何か"が居るのは確かだ。
〝中々1人にならなかったので、今この場での逢瀬となりました事を御容赦下さい。〟
ジャリ…
「…アンタ達は何者だ…」
スキルに反応しない相手である事から、決して緊張感を緩めないまま後ろを振り返り、謎の存在達と対面した。
そこには、金の装飾が施され、白銀の鎧を身に纏い、三叉槍を装備した兵士が2人と、目映く発光する人型が立っていた。
そして何より目を引くのが、目映く光る人型の前に立つ兵士2人の背からは、純白の羽が生えていたのである。
〝この姿で察っせるかどうかは分からないが、私は世間一般的に言われる"神"に付随する者、名を"暦(コヨミ)"という。お見知り置きを。〟
「えぇ。外界で暮らすエルフは少なからず居たのだけど、それでも数える程よ。
エルフの族長がフリアダビア前哨基地戦に参加したのは王都から要請があったから、と言うの確かだけど、外界の情報を取り入れる目的もあったの。」
エルフのエスメラルダとマドリックは、酒を片手に語り合っていた。
マドリックが中級冒険者時代にエルフの森に行った事があった様で、そこから話に華が咲いたとの事だ。
当時のエルフの森は閉鎖的で、外界との交流を断っていた事から"中々"なもてなしを受けたらしい。
その事を話すと「…それは森の恥部だからもう言わないで…」と頭を下げてお願いされたマドリックであった。
「見聞を広めるのは良い事だ。
閉ざされた環境が悪い訳では無いが、時代の流れに取り残されてしまう恐れがあるしな。」
「その辺を危惧して族長自身が先陣を切った感じかしらね。」
「それで?族長の意見はどうだったのだ?」
「"中々良い経験が出来た。やはり世界は広く、我々の狭さを実感出来た"らしいわ。」
「ほぅ?意識の高いエルフが外の世界を褒めるとは珍しいな。」
「"何かの間違いでは?"と否定する者も居れば、外の世界に興味を持つ者も居たわ。
その内の1人が私よ。
まさか族長が話していた人族と相見えるとは思ってもみなかったけどね。」
「まさかその人間と言うのがノアだったとはな…
だが、勘違いしないで欲しいのは、皆が皆、あのレベルに達している訳では無いからな?
あれは"中の存在"と、本人の頑張りと、それを受けて調子に乗った両親の過剰教育の賜物だからな?」
「分かってるわよ。
少なくともこの街に来るまでの間、彼に匹敵する程の猛者とは会わなかったもの。」
エスメラルダは、北方にある"エルフの森"を発ち、フリアダビアからスロア領に向かっていたドワーフ3人組と出会して共に南下。
見聞を広めつつ外の世界を楽しんでいたが、目を見張る様な者は大して居なかったと言う。
そんなエスメラルダは、スロア領で一仕事終えてから本格的に旅を開始しようとしていたらしい。
「ま、そんなノアでも彼女さんの前では大人しくなってるがね。」グビッ。
「どれどれ…?あら本当。
5日前の鬼気迫る戦闘を繰り広げていた子と同じとは思えないわね。」クピリ。
2人は酒を煽りつつ、視線の先でクロラに良い感じで弄ばれるノアを眺めていた。
スリスリ…
「うーん、ノア君頬っぺ柔らかーい。」
「あ、あの、クロラさん…僕今日結構体動かしたから汗臭いかも…」
「んーん。ホッとするし、落ち着くからノア君の匂い私好きよ。」
「は、はわわ…」
クロラから滅茶苦茶甘えられているノアは、先程から心臓バクバクである。
気恥ずかしさから、多少距離を取ろうとするも、ガッチリと腰に手を回している為、中々引き離せずにいた。
「むー…ノア君さっきから私と距離取ろうとしてる~。
もしかして私の方こそお酒臭かったりする…?」
「あ、いや、そんな事無いですよ…
僕もクロラさんの…その…匂い好きですし…」
「ふーん…」
耳を赤くし、背後のクロラのみに聞こえる声量で答えるノア。
その反応を見たクロラは、妖しく、でも嬉しそうに微笑んだ後、耳元でノアにだけ聞こえる声量で
「知ってるよ~。
だってノア君、アルバラストでお風呂上がりの私と一緒に居た時、ずっとドキドキしてたもんね~?」
「え!?何で知っ…あ、いや、その…」
「むふふ…ノア君大好きクロラお姉さんは何でもお見通しなのだ~。」
そう言ってノアの頭に顎を乗せ、首に腕を回してギュッと抱き締める。
普段のクロラであったらやらない事盛り沢山の為、ノアはなすがままである。
「…まさかクロラっちが酔うとちょー積極的になるとは…」
「これは予想外だな…これがノア君効果か…」
「…デレデレ通り越してベットベトじゃない…
ここまで来たら流石の私でも茶化すのを躊躇うわ…」
ロゼ、ジェイル、ポーラがクロラのやり取りを見て固まっていた。
ジェイル曰く、旅の道中エール等を飲む機会はあったが、こうなった事は無かったらしい。
こう言った状況であれば真っ先に茶化すポーラが一切触れない辺り、本当に困惑しているのであろう。
「ク、クロラさん、皆が見てますって…
はな、離れま「良いよ。」
3人がじっくりと眺めているのに耐えられなくなったノアが身動ぎし出すと、抱き締めていたクロラの腕から力が抜ける。
「そっか…やっぱり恥ずかしいよね…「え?あ、いや…」良いよ、振りほどいても。
「え?ちょ…」ノア君なら私の拘束から抜け出すのは簡単だもんね?」
「う、うぬぬ…」
少し残念そうな声音でそう言われたノアは明らかに動揺し
「も、もう少し…このままで良いよ…」
「わーい!ノア君やっさしーい!」ムギュウッ。
(((めっちゃ手の上で転がされてる…)))
クロラの意外な一面を垣間見た一同であった。
その後も、クロラが抱き付いたままあーんをさせたり、あーんさせられたり、無駄に気を利かせた料理人達がカップル専用の料理を作ったりした結果、中々なバカップルっぷりを発揮する羽目になった。
だが何だかんだありながらもクロラとノアの2人は妙に肌ツヤが良くなっていた。
「いやぁ…青春しとるのぅ…(バト)」ズルル…
「ワシらもあんな感じの青春送りたかったのぅ…(ルド)」ズルル…
「無理じゃろ。」ズルル…
「爺専のエルフ紹介しよっか?(エスメラルダ)」ズルル…
「ふむ、レドとアミに良い報告が出来るな。
あぁ…所帯持ちたかったなぁ…(マドリック)」ズルル…
「あら、私熊好きよ?(エスメラルダ)」ズルル…
「え…?(マドリック)」
「ジェイル、アンタも頑張りなさいよ?(ポーラ)」ズルル…
「……。(照)(ジェイル)」ズルル…
「……。(照)(ロゼ)」ズルル…
1時間程した後クロラの拘束が解け、ノアから距離を取る。
ベットベトなやり取りを端から見ていた一行も多少当てられていた。
パッ。
「え?」
「てへへ…ごめんねノア君、私のわがままに付き合って貰っちゃって…」
「い、いや…最初びっくりしちゃったけど楽しかったよ…
出来れば今度は人があまり居ない時に…それと酔ってない時が良いかな、って…」
「ねぇノア君、私からお酒の匂いする?」
「え?『スンスン…』あれ?さっきまで強い酒精の匂いがしてたけど…」
「えへへ…私ね、何でか知らないけど、代謝が良くってどれだけ飲んでも1時間足らずで酔いが覚めちゃうの。」
「へー…え?…と言う事は…?」
「むふふん♪さてどっちでしょう?」
不敵に笑ったクロラは、踵を返してポーラ達の居る場所へと駆けて行く。
タタタ…
クロラの後ろ姿を目で追うノア。
先程までずっとくっ付いていたからか、名残惜しいのかは定かではないが、遠ざかるクロラの姿がゆっくりに見えていた。
タ、タ、タ…
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(転がせる程の手管も無いから転がされる方が良いよ。
それにとても楽しかったしね。)
タ、タ、ピタッ。
(『ん?』)
(え?)
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そして今頃になって周囲を見渡して気付いたが、クロラだけでなく周囲に存在する街の者達や冒険者、龍種のグリードにプロスペリダージ。
王一家に兵士達、止まり木に居て今正に飛び立とうとしていた鳥ですら動きが止まっていた。
まるで時間そのものが止まったかの様に。
コッ。
〝お楽しみの様だったので、不躾ながら見守らせて頂きました。〟
<気配感知>には全く反応は無いが、ノアの背後からは高圧的な反応が2つと、その間に何とも言えない気配の"何か"が居るのは確かだ。
〝中々1人にならなかったので、今この場での逢瀬となりました事を御容赦下さい。〟
ジャリ…
「…アンタ達は何者だ…」
スキルに反応しない相手である事から、決して緊張感を緩めないまま後ろを振り返り、謎の存在達と対面した。
そこには、金の装飾が施され、白銀の鎧を身に纏い、三叉槍を装備した兵士が2人と、目映く発光する人型が立っていた。
そして何より目を引くのが、目映く光る人型の前に立つ兵士2人の背からは、純白の羽が生えていたのである。
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