ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~

聞いてた内容と違うんですが?

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「お、あそこじゃなかか?(バド)」

「防壁に大穴…確かに説明にあった通り…
ん?何か争ってますね…」

「「「「「「え?」」」」」」

(<千里眼>発動!)


『滅びの森』南端から約500メル程離れた地点で、視界の奥に高さ5メル程の防壁を見付けた一行。

ギルドからの説明通り、防壁には大穴が空き、その奥には家屋らしきモノが見えた。

だが、防壁の前で十数人の集団が蠢き、微かに剣戟の音が聞こえてきた為、ノアが<千里眼> を発動して集団の方を見やる。

すると


「防壁を守ってると思しき兵3人と野盗らしき集団16人が争っています!」

「な…ドルフ!ガルフ!(ハクア)」

『『ヴォゥッ!』』ドンッ!


ハクアの呼び掛けに応じた2頭は、直ぐ様その場から駆け出し、防壁へと向かう。


「2頭を向かわせた!私達も後に…
って、速ぁっ!?(ハクア)」


前を行くノアに伝えたつもりであったハクアだが、既にノアの姿は無く、ドルフとガルフの倍の速力で追い越し、先行していた。








ギンッ…ガギンッ!

「ぐあっ!」

「へっ!手こずらせやがって!」
「だが、3人でよく持ち堪えたな。」
「安心しろ、一切合切奪ってってやるよ!」

グァッ!

「くっ…」


手にしていた剣を落とされた自警団の男性目掛け、剣を振り上げる野盗。


ゥゥウウウ…


絶体絶命の状況に覚悟を決める男性だが、彼の耳に金切り音の様な物が聞こえた、かと思うと


『ズドンッ!』ぶぇっ!?」

パラパラ…「よし、間に合いましたね。」

「…へ?」


野盗の足下に何かが着弾したかと思うと、野盗は吹き飛ばされ、代わりに3本の刀剣を携えた少年が立っていた。


「な!?おま、一体何処から…」
「デラが居ねぇ!デラを何処やったぁっ!?」
「ついでだ!そのガキも殺っちまえ!」

「「「「「おおおっ!」」」」」


突然現れたノアに混乱する野盗達だが、直ぐに標的をノアに変更して全方位から駆けてくる。


「でやぁっ!『ゴキンッ!ドズッ!』あ″あ″あ″っ!」
「ヒョオッ!『ゴッ!』ぉん…」ドサッ!
「じぇあ『ビチッ!』ぶっ!?」ドゴッ!


振り上げた剣を手首から2つの意味で外して足の甲に突き立て、向かってきた野盗の顎を殴り気絶させ、体が1回転する程の強さで繰り出したビンタを打ち付けて、等向かって来る野盗を悉く屠っていくノア。

そうして半分程を屠った所で


『『ヴォゥッ!』』

「うわぁあっ!?」
「でけぇ狼だ!?」
「な、何でこっちからモンスターがっ!?」


と、ハクアの従魔2頭が到着し、足を掬ったり、腕に甘噛みして放り投げたり、体当たりしたりして野盗を次々に倒していった。

それを見届けつつ足下で呆然としている自警団の男性に目をやる。


「き、君は一体…」

「あ、依頼を請けてやって来ました新人冒険者のノアです。」ペラリ…

「…い、依ら「ノア殿~!」ドドド…

「「ん?」」


自警団の男性に依頼用紙を手渡していると、ノアを呼ぶ声と共に足音が響いてきた。


ドドドッ!「大丈夫で御座いますかー?」

「うわぁあっ!?モ、モンスターが…!」

「足早いなー、クリストフ…」


ドルフ、ガルフに続き、この場に到着したのは、見事なフォームで駆けてきたクリストフであった。

クリストフを知らない自警団の男性からすればモンスターと思っても仕方無い事だろう。

一先ず男性を落ち着かせ、ドルフ、ガルフが伸した野盗達を捕らえる事に。
生憎縛る物が無かったが、クリストフ即席菌糸ロープで縛り上げる事にした。

やはり【つかえるキノコ】は使えるキノコである。






「お、おおっ!皆無事だったか!
急に静かになったから心配したぞ!」

「こちらの冒険者のお陰だよ村長。
この間出した依頼を請けて来てくれたんだ。」

「おぉ…こんなに…」


村入り口近くの家屋の影に心配そうに1人の男性が立っていた。
それに気付いた自警団の男性がノアを紹介し、喜びの表情になる村長だが、直ぐに暗い表情へと変わる。

するとそれを察したバドが村長に歩み寄り


「村の状況は大体察しとる。
ワシらはそこの坊に着いてきただけじゃ。
金の事ならその1人分だけ考え時ゃエエぞ。」

「いや、しかし「それよりも村長(むらおさ)よ、村の状況を教えてくれんかのぅ。
モンスター退治に来た思ったら野盗に襲われとったモンで、こちとら少し混乱しとるんじゃ。
なぁ坊よ。(ルド)」

「そうですね。
何か込み入ってそうなので、直ぐに状況の確認して対処したいですしね。」

「あ、はい、分かりました…」


1人分の報酬は流石に、と感じた村長の言葉を遮り、ルドとノアが協力してこの話を終わらせた。





~村中央の広場にて~


「あ!村長!それに皆!無事だったんだね?」

「あぁ、この少年とお仲間さん達があっという間に片付けてくれたよ!」


村中央の広場に着くと、鍬や牧草フォークを手にした十数人の住人が待機していた為、野盗を迎え撃つつもりだったのだろう。

他には5つのテントが張られ、その中に親子が入り身を寄せ合っていた。

ふと村の奥を見ると破壊された家屋が何軒かあった為、元住人なのだろう。

依頼には2軒の家屋が破壊されたと書いてあったが、その時よりも被害が増えている様だ。


「1週間程前に村の守りである防壁が『滅びの森』のモンスターに突破され、反対側の防壁まで抜け、今もそこに跋扈しております…
1日2日は何かに怯えたかの様に動かなかったのですが、3日目辺りから活動し、家屋を破壊し始めました。」

「ヤツら、急に行動するから心休まる時が無いのよ!」

「ちなみにさっきの野盗は?」

「防壁があんなんなっちゃったから好機とみたんでしょう。」

「2~3日前から彷徨いてたよ。
恐らくモンスターの行動を見て、村を襲っても乱入されないかどうを確認していたんだと思う。」

「なる程ね。
モンスターと野盗の襲撃ですか、これまた厄介な…
…今の所<気配感知>内に反応が無いのでこっちから済ませますか…」スッ…


村長や村の住人から説明を聞いたノアは徐に立ち上がり、さっき伸した野盗の下へ向かう。





ペチペチ…

「…っ…」

ビチィッ!

「ぶっ!?」

「目覚めました?
手短に聞きます、
「んぇ?何だガ『ズブッ!』ぎゃあ″あ″あ″あ″っ!?痛い″!痛い″ぃ!」


先程足の甲に剣を刺し、気絶していた野盗をひっ叩き強制的に覚醒させるノア。
だがまだ寝惚けていた様で、甲の傷に指を突っ込んで目を覚まさせる。


「「……っ!?」」


ハクアとユカリはノアの突然の行動に、体をビク付かせていた。


「もう一度聞きますよ。
あなた達は斥候で、本隊が何処かに居るのではないでしょうか?」

「そ、そうだ!俺らは斥候で、俺達が戻らねぇと拠点に居る仲間が襲ってくるぞ…!
分かったら俺達を解放しろ!」

「何人?場所は?」

「…は?『ズグッ…』グガガッ!ご、ごごご、50人!場所は道沿いに進んだ廃村だ…!
い、言っただろ!だから指『グボッ!ドッ!』…っ…!」

ドサッ!


場所と人数を聞き出したノアは、指を即座に抜くと、首筋に手刀を打ち込み、再び気絶させる。


「ノア殿。(クリストフ)」ザッ!

「ノア君。(エスメラルダ)」スッ…

「…頼みます。」

ダッ!ノシノシノシ…


野盗が倒れ込むのと、【つかえるキノコ】のクリストフ、エルフのエスメラルダが立ち上がるのはほぼ同時であった。

クリストフが名乗りを上げたのは驚いたが、ノアは2人に任せる事にした。


「2人共、捕まえたらここに戻ってきて下さいね!」

「「はーい!」」


あれよあれよという間に話が進み、展開に着いていけない村の住人達や、ハクア、ユカリ含めたクロラ達は呆然としていた。
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