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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~
息付く暇も無し
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<変身(メタモルフォーゼ)>…他者から得た遺伝子を自身の遺伝子に組み込み、自身の肉体を細胞レベルで変化させ、全く別の存在へと変身又は変化させる事が出来るスキル。
一応取得可能なスキルではあるが、超低確率故狙って獲得するのは不可能と言える。
そんな超希少スキルである<変身>を獲得したアンドリーナだが、自身が住み処としていた場から動けずに居た。
何故なら、グリードに意図も容易く屠られてからまだ数日。
ここで外の世界に飛び出し、またアイツに遭遇したら今のままではとても敵わない。
これはアンドリーナが思考して判断した、と言うよりか本能的に感じ取ったモノである。
そうしてアンドリーナなりの稚拙な知能で考え出した答えが、″群れを作る″事であった。
だがまだ子供であるアンドリーナは、どうやって群れを作れば良いか分からず、単純に1を2に、2を4に…と言う方式で考えた。
だがこれは失敗した。
方法は伏せるが、アンドリーナは当初自傷を行って増えようとしたが、激しい痛みと苦痛でそこから先を行う事が出来なかった。
では他に何か方法は無いか。
そこで活躍したのが<変身(メタモルフォーゼ)>である。
方法は至って簡単だ、″そう言う体に作り変えれば良い″のである。
だが体を作り変える際はそれなりの量の栄養が必要になるのだが、偶然にもこの村には『滅びの森』から逃げてきたモンスターがわんさかと居たので、自身の体を少し作り変え、モンスターを誘き寄せて補食する事で解消した。
そうして条件をあっさりとクリアしたアンドリーナは、自身を増やす体へと作り変える事にした。
結果、自身の体内で卵の様な生成物を作り、卵管を通して周囲に苗床の様に配置した木々に産み付けた。
つまり木々に産み付けられているのは自分の分裂体なのである。
ア″ア″『ズズ…』ア″ア″『ズル…』ア″ア″ア″…
ちなみにこのアンドリーナ、呻き声を上げつつただ黙々と数を増やしており、まるで自我が無い様に感じるが、実際の所自我はとうに失っている。
これは元となるアンドリーナの破片が紙切れ一枚分しか無い上に、<変身>を獲得する程に虫の遺伝子を取り込み、トドメとして自身を細分化して数を増やした結果、ドンドンと自我が薄まっていったのである。
その代わり、糧となった虫本来の意識が前に出、自身を増やす体に作り変えた事も相まって、<変身>する上に死ぬまで増殖を繰り返す新たな生物となってしまったのだ。
ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″…
元アンドリーナ、現在は自我を失い蝶の形態をとっている事から″ボルボレート″と呼称する。
ボルボレートは、連続で80以上の分裂体を産み付けた所で大木の上で小休止に入った。
ポゥ…
ふと視線の先にボンヤリとした光が上がった。
光の色は赤色を呈しており、暫し宙に漂っていた。
これはノアが獣人国の騎士達を派遣して貰う為に上げた要請弾の光である。
獣人国では滅多に要請弾が上がらない為、今街ではちょっとした騒ぎになっている事だろう。
プル、プルプル…
そんな要請弾の光を見詰めるボルボレートは、何故か身体中が震え出す。
ボルボレートの元となった素体のアンドリーナが″あの日″に見た光と酷似していたからだ。
親であるレントを一瞬の内に灰と化し、自身を爆散させたあの業火に。
既に自我は無いものの、ボルボレートはこの光を″怨敵″のものと判断し、震える体を奮い起たせ、叫ぶのであった。
ア″ア″ア″…ア″ア″ア″ア″ッ…
ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ッ!!!!
『『『ブヂュッ!』』』
『ゾルッ!』
『『ビヂビヂッ!』』
蝶形態のボルボレートが咆哮すると、それに呼応するかの様に、最初期に産み付けられた分裂体が蠢き出し、中から人間サイズ~3メルを越える巨体の虫が飛び出してきた。
しかもその飛び出してきた虫達は、元となった虫と少し形状が違っていた。
カマキリは鎌が4本に増えていたり、カブトムシは体長3メルもあり、甲殻が厚く、二足歩行で歩いていたり、蚊は手足にも吸血菅が付いていたりと、明らかに殺傷力が上がっていた。
『『ギシャァアアアアッ!』』×15
『ガキガキガキガキッ!』×10
『『『ギャガァアアアアッ!』』』×30
虫共は優に100体を越え、 生まれ落ちたその瞬間からボルボレートが咆哮を上げた方向に駆けていくのだった。
パシュゥゥウウウッ…パァンッ!
「これでよし、っと。」
「へー、こんなので国から騎士や兵士を派遣して貰えるのね。(ハクア)」
「中級冒険者になったけど、こんな物があるなんて知らなかったわ…(ユカリ)」
「まぁ普通の冒険者ならこんな大規模な事件に巻き込まれる事無いからねぇ…(ジョー)」
3人は上空を漂う要請弾の光を見詰めてそう呟いた。
「まぁこれで騎士やら兵共が訪れ、腹も膨れりゃ漸く村の住人達は心落ち着ける事が出来るじゃろう。(ロイ)」
「んじゃワシらの出番も特に無かじゃろう。
商人(あきんど)さんよ、酒はあるか?酒。(バド)」
「ええ御座いますよ、何本程ご所望ですか?(ジョー)」
「樽でくれ、樽。(ルド)」
「た、樽!?(ジョー)」
「商人さん、万能薬頂戴。
この爺共が断酒しそうな強力な奴。(エスメラルダ)」
「「「なんじゃエスメラルダ!ワシらを殺す気かい!」」」
「「「「「あはははは。」」」」」
と、他愛の無い話をしていた所に
ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ッ!!!!
「「「「「ひっ!?」」」」」
「「うわっ!?」」
「「「な、何だ!?」」」
突如村の最奥から聞こえてきた咆哮に、食料等を補給していた住人達は身を屈めて怯え、我が子を抱き寄せて不安な表情をし出す。
この咆哮を聞いたノアは、直ぐにその出所を察知した。
「え…何、今の「全員戦闘準備だ!」
ノアは、大声を上げて指示を飛ばす。
その間にもノアの<気配感知>内には30以上の反応が出ていた。
「2人共(ルーシー姉妹)!住人とジョーさんを1ヶ所に集めて全力で守れ!
2人(ハクアとユカリ)はクロラさん達と一緒に居て下さい!ドルフ、ガルフ!頼んだぞ!」
「「はい!」」
「え、うん…」
「分かった…」
『『ワウッ!』』
「クリストフ!これから僕らは迎撃に向かう、取り溢した場合どんな手を使ってでも止めろ!」
「御意!」
「エスメラルダさんとドワーフさん達は…」
「「「「もう準備出来てるわよ。」っぞ。」」」
「…流石!」
エスメラルダ、ドワーフの3人は既に自身の得物を取り出して迎撃態勢に入っていた。
「ご存知かと思いますが、適正上僕は先行します!出来る範囲で向かってくる敵を転がしますのでトドメをお願いします!」
と、指示を出した直後、木々を薙ぎ倒しながら大型で奇形の虫共が姿を現したのであった。
一応取得可能なスキルではあるが、超低確率故狙って獲得するのは不可能と言える。
そんな超希少スキルである<変身>を獲得したアンドリーナだが、自身が住み処としていた場から動けずに居た。
何故なら、グリードに意図も容易く屠られてからまだ数日。
ここで外の世界に飛び出し、またアイツに遭遇したら今のままではとても敵わない。
これはアンドリーナが思考して判断した、と言うよりか本能的に感じ取ったモノである。
そうしてアンドリーナなりの稚拙な知能で考え出した答えが、″群れを作る″事であった。
だがまだ子供であるアンドリーナは、どうやって群れを作れば良いか分からず、単純に1を2に、2を4に…と言う方式で考えた。
だがこれは失敗した。
方法は伏せるが、アンドリーナは当初自傷を行って増えようとしたが、激しい痛みと苦痛でそこから先を行う事が出来なかった。
では他に何か方法は無いか。
そこで活躍したのが<変身(メタモルフォーゼ)>である。
方法は至って簡単だ、″そう言う体に作り変えれば良い″のである。
だが体を作り変える際はそれなりの量の栄養が必要になるのだが、偶然にもこの村には『滅びの森』から逃げてきたモンスターがわんさかと居たので、自身の体を少し作り変え、モンスターを誘き寄せて補食する事で解消した。
そうして条件をあっさりとクリアしたアンドリーナは、自身を増やす体へと作り変える事にした。
結果、自身の体内で卵の様な生成物を作り、卵管を通して周囲に苗床の様に配置した木々に産み付けた。
つまり木々に産み付けられているのは自分の分裂体なのである。
ア″ア″『ズズ…』ア″ア″『ズル…』ア″ア″ア″…
ちなみにこのアンドリーナ、呻き声を上げつつただ黙々と数を増やしており、まるで自我が無い様に感じるが、実際の所自我はとうに失っている。
これは元となるアンドリーナの破片が紙切れ一枚分しか無い上に、<変身>を獲得する程に虫の遺伝子を取り込み、トドメとして自身を細分化して数を増やした結果、ドンドンと自我が薄まっていったのである。
その代わり、糧となった虫本来の意識が前に出、自身を増やす体に作り変えた事も相まって、<変身>する上に死ぬまで増殖を繰り返す新たな生物となってしまったのだ。
ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″…
元アンドリーナ、現在は自我を失い蝶の形態をとっている事から″ボルボレート″と呼称する。
ボルボレートは、連続で80以上の分裂体を産み付けた所で大木の上で小休止に入った。
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ふと視線の先にボンヤリとした光が上がった。
光の色は赤色を呈しており、暫し宙に漂っていた。
これはノアが獣人国の騎士達を派遣して貰う為に上げた要請弾の光である。
獣人国では滅多に要請弾が上がらない為、今街ではちょっとした騒ぎになっている事だろう。
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そんな要請弾の光を見詰めるボルボレートは、何故か身体中が震え出す。
ボルボレートの元となった素体のアンドリーナが″あの日″に見た光と酷似していたからだ。
親であるレントを一瞬の内に灰と化し、自身を爆散させたあの業火に。
既に自我は無いものの、ボルボレートはこの光を″怨敵″のものと判断し、震える体を奮い起たせ、叫ぶのであった。
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ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ッ!!!!
『『『ブヂュッ!』』』
『ゾルッ!』
『『ビヂビヂッ!』』
蝶形態のボルボレートが咆哮すると、それに呼応するかの様に、最初期に産み付けられた分裂体が蠢き出し、中から人間サイズ~3メルを越える巨体の虫が飛び出してきた。
しかもその飛び出してきた虫達は、元となった虫と少し形状が違っていた。
カマキリは鎌が4本に増えていたり、カブトムシは体長3メルもあり、甲殻が厚く、二足歩行で歩いていたり、蚊は手足にも吸血菅が付いていたりと、明らかに殺傷力が上がっていた。
『『ギシャァアアアアッ!』』×15
『ガキガキガキガキッ!』×10
『『『ギャガァアアアアッ!』』』×30
虫共は優に100体を越え、 生まれ落ちたその瞬間からボルボレートが咆哮を上げた方向に駆けていくのだった。
パシュゥゥウウウッ…パァンッ!
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「へー、こんなので国から騎士や兵士を派遣して貰えるのね。(ハクア)」
「中級冒険者になったけど、こんな物があるなんて知らなかったわ…(ユカリ)」
「まぁ普通の冒険者ならこんな大規模な事件に巻き込まれる事無いからねぇ…(ジョー)」
3人は上空を漂う要請弾の光を見詰めてそう呟いた。
「まぁこれで騎士やら兵共が訪れ、腹も膨れりゃ漸く村の住人達は心落ち着ける事が出来るじゃろう。(ロイ)」
「んじゃワシらの出番も特に無かじゃろう。
商人(あきんど)さんよ、酒はあるか?酒。(バド)」
「ええ御座いますよ、何本程ご所望ですか?(ジョー)」
「樽でくれ、樽。(ルド)」
「た、樽!?(ジョー)」
「商人さん、万能薬頂戴。
この爺共が断酒しそうな強力な奴。(エスメラルダ)」
「「「なんじゃエスメラルダ!ワシらを殺す気かい!」」」
「「「「「あはははは。」」」」」
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ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ッ!!!!
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「「「「もう準備出来てるわよ。」っぞ。」」」
「…流石!」
エスメラルダ、ドワーフの3人は既に自身の得物を取り出して迎撃態勢に入っていた。
「ご存知かと思いますが、適正上僕は先行します!出来る範囲で向かってくる敵を転がしますのでトドメをお願いします!」
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