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獣人国編~中級冒険者試験~
皆が試験官です。
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「えーっと…39番、1回目失格っと…
いやぁ君、かなり鋭いね。事前に知らされていた私ですら反応で来なかったのに。」
「あ、あの、それより大丈夫ですか?
何か″失格″って聞こえましたが…」
「大丈夫よノア君。
ここはそういう場所だから。(ハクア)」
「はぁ?」
『中級冒険者、【適正】試験街テスタ』…読んで字の如く中級冒険者、並びに非戦闘【適正】専用の試験を行う為だけに造られた街。
元は半森化していた廃墟だったが、そこをまるっと試験会場にしてしまったのである。
街には普通に人が住んでいるが、殆どが職員やその家族である。
安全性を考え、結界などが張られている為、多少騒がしくなっても問題無いとか。
尚、この街で行われる実地試験は少し特殊で、実戦を想定している所が多々ある為、【忍】や【諜報】等の試験の場合″誰にも気付かれてはならない(試験官以外にも同様)″等、厳しいモノもある。
つまりこの街に居る間は、皆が受験生であり、試験官でもあるのだ。
「まぁ今の彼の場合、君に気付かれて失格になったとしても、あと2回は再試験のチャンスがあるし、一定の基準を満たしていれば合格になるからそんなに気にしなくても良いよ。」
「そ、そうですか…」
「あ、君だな?僕を見付けたのは!」スタッ!
門兵の言葉に安堵するノア。
すると防壁の上から忍装束姿の1人の冒険者と黒装束の男性が降りてきた。
どうやらノアに気付かれ、失格になった冒険者と、担当の試験官の様だ。
「【忍】の要(カナメ)だ。
君は何故<気配遮断>と<忍び足>を発動した俺に気付けたんだ?」
「足音はしっかり消せてましたよ。
ただ妙に高揚した気配を感じたのでそれを感知しました。
案外気配は感情に左右されやすいですから。」
と、ノアは【忍】の冒険者に説明すると、相手はしまった、と言った表情をした。
「う…確かにここを突破出来れば完了だ、とつい気分を上げてしまったな…
君はそれに気付いたのか…」
「39番の要(カナメ)。
失格だが、道中完璧だったので基準は満たしているので一応試験は合格となるが、どうする?」
担当試験官がそう言うも、要(カナメ)は納得しなかったのか
「…っ、も、もう一度受けさせて下さい!」
「ふ、良いだろう、今度は最後まで気を抜くんじゃないぞ?」バッ!
と、試験官に再試験を要求し、試験官と共にその場を去る際、要(カナメ)はノアに向かって軽く会釈をしていった。
「なる程な…冒険者カードを確認した時は驚いたが、君が【鬼神】のノア。
又はフリアダビア奪還の最高功労者、野盗200人殺し等の通り名を持つ新人冒険者…
確かにそれ程の人物なら彼を見付ける事など造作も無い…か。
よし、通って良いぜ!試験頑張れよ。」
と、門兵は上機嫌でノアの入街を許可した。
ちなみにハクア、ユカリ、クロラ達等の試験を受けない同行者は、それが分かる様、胸元に細工の施されたバッジを付ける事で同じく入街する事が出来た。
ガコォン…
「凄いねノア君。
私も<気配感知>を発動してたけど全然気付かなかったよ。」
「俺もだ。(ジェイル)」
「私もー。(ロゼ)」
「私もよ。(ポーラ)」
「まぁ気付けたのは他にも理由があるんですけどね。足音とはまた別の音だったり、匂いとかね。」
「え?匂い?気付いた?ドルフ、ガルフ…?(ハクア)」
『『ワ、ワゥゥ…』』
ノアの言葉に困惑するハクア。
獣魔であるドルフ、ガルフの2頭も気付いていない様子。
「まぁあまり違和感の無い匂いだから気にならなかったのでしょう。
簡単に言えば″2種類の環境臭″がしたので気付けたんですよ。」
「「え?どういう事?(ハクア、ユカリ)」」
「僕らは今街の外から来た。
でも先程の方は街の中から来た。そういう事です。
さ、街に入りましょうか。」
「あ、ちょ…
あー…でも何と無く分かったかも…(ハクア)」
「自分の家と友達の家に行った時の違いみたいなヤツね…
でもあの一瞬でその違いに気付く?普通…(ユカリ)」
ノアに答えを言われた2人だが、改めてノアの鋭さを思い知らされるのであった。
キョロキョロ…
「…この街全体が試験会場みたいなモノなんだよね…?」
「さっきの門兵さんの説明だとそうなるよね。
だけど…(クロラ)」
「至って普通の街にしか見えないな…(ジェイル)」
「ふつーに市場やお店が開かれてるし、街の住人達もふつーに暮らしてる。(ロゼ)」
「そこの路地で子供とかが普通に玉蹴りして遊んでるわ。(ポーラ)」
「一見すると普通の街なんだけど、実はこの視界の中でもう既に幾つか試験は行われてるのよ。(ハクア)」
「正確には6つ程行われてるわね。(ユカリ)」
(残念、正しくは13個程行われてるな。)
門を潜って中に入ると、普通に住居が建ち並び、店が開かれ、この街に住まう住人が生活し、屈託の無い笑顔の子供達が遊んでいる。
だが幾つかスキルを駆使して辺りを探ってみると、建物の陰で<聞き耳>を立てている者、店の主人に変装している者、住居の屋根裏に潜む者なんかが居る。
「おっ!君は冒険者の様だが、試験を受けに来たのかい?」
「…えぇ、まぁ…」
門の直ぐ近くで青果店を営んでいる男性主人がノアに話し掛けてきた。
だがノアの反応は鈍い。
「ノア君どうしたの?何か歯切れ悪いよ?(クロラ)」
「え?あ、いや…」
と、クロラが話し掛けるもノアの反応は悪い。
すると
ツカツカツカ…
「冒険者の方ですね?
何かお気付きになられましたか?」
「え?あ、はい…気付いたと言えば気付いたのですが…」
職員らしき女性がノアの下に近付いて来て問い掛けてきた。
「ど、どうしたんだい?冒険者の少年。
き、気分でも悪いのかい?」
「何かお気付きになられたのなら忌憚なき意見を頂ければと…」
「う、うむむ…」
青果店の主人が露骨に焦り出し、職員は職員で、ノアに詰め寄って行く。
「「「「「「……?」」」」」」
ハクアやクロラ達は何がなんだか分からず、そのやり取りを見守っていると、ノアが重い口を開く。
「…この店の主人…もしかして変装してます…?」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
ノアの発言に驚きの声を上げる一同に対し、女性職員は
「46番、変装看破!失格!」
「嘘ぉーっ!何でバレたのよぉーっ!?」
「ごめんなさい!本当にごめんなさいっ!」
失格の声を上げる女性職員と、青果店の主人に変装していた女性が膝から崩れ落ち、その女性にペコペコ頭を下げるノアであった。
「マズイ!僕ここに居たら色んな人の試験を邪魔しちゃうかも知れない!」
「ノ、ノア君落ち着いて!(クロラ)」
街に来てまだ数分だと言うのに、既に2名の冒険者を失格へ誘ってしまったノアは頭を抱えて叫んでしまった。
スキルを大量に所持し、元々洞察力も高い為か、少しの隙であっても見逃さないノアだから成せる事である。
そんなノアだが、看破した際に顔に出てしまった為か、女性職員が確認に来てしまったと言う訳である。
「ちょっと、ちょっと、ちょっとー!何で私の変装見破ったのよー!
後10分程で達成出来たのにぃ!」
「確かに変装は完璧、声も完全に男性の声が出来ていましたが、君は何故気付いたのですか?」
【諜報】の実地試験中だったネネと言う女性冒険者(顔は青果店の主人)と、担当の女性職員が理由を求めて詰め寄ってきた。
「いや、ほら、男性だと呼吸する時にお腹が動くけど、女性みたいに胸の辺りが動いていたから…」
「あ、なる程。」
「ちっくしょー!盲点だったわー!!」
本当に悔しかったのだろう、【諜報】の冒険者ネネは再び膝から崩れ落ち、石畳に向かって叫んでいた。
いたたまれなくなったノアは、クロラ達を急かしその場を早々に立ち去るのであった。
いやぁ君、かなり鋭いね。事前に知らされていた私ですら反応で来なかったのに。」
「あ、あの、それより大丈夫ですか?
何か″失格″って聞こえましたが…」
「大丈夫よノア君。
ここはそういう場所だから。(ハクア)」
「はぁ?」
『中級冒険者、【適正】試験街テスタ』…読んで字の如く中級冒険者、並びに非戦闘【適正】専用の試験を行う為だけに造られた街。
元は半森化していた廃墟だったが、そこをまるっと試験会場にしてしまったのである。
街には普通に人が住んでいるが、殆どが職員やその家族である。
安全性を考え、結界などが張られている為、多少騒がしくなっても問題無いとか。
尚、この街で行われる実地試験は少し特殊で、実戦を想定している所が多々ある為、【忍】や【諜報】等の試験の場合″誰にも気付かれてはならない(試験官以外にも同様)″等、厳しいモノもある。
つまりこの街に居る間は、皆が受験生であり、試験官でもあるのだ。
「まぁ今の彼の場合、君に気付かれて失格になったとしても、あと2回は再試験のチャンスがあるし、一定の基準を満たしていれば合格になるからそんなに気にしなくても良いよ。」
「そ、そうですか…」
「あ、君だな?僕を見付けたのは!」スタッ!
門兵の言葉に安堵するノア。
すると防壁の上から忍装束姿の1人の冒険者と黒装束の男性が降りてきた。
どうやらノアに気付かれ、失格になった冒険者と、担当の試験官の様だ。
「【忍】の要(カナメ)だ。
君は何故<気配遮断>と<忍び足>を発動した俺に気付けたんだ?」
「足音はしっかり消せてましたよ。
ただ妙に高揚した気配を感じたのでそれを感知しました。
案外気配は感情に左右されやすいですから。」
と、ノアは【忍】の冒険者に説明すると、相手はしまった、と言った表情をした。
「う…確かにここを突破出来れば完了だ、とつい気分を上げてしまったな…
君はそれに気付いたのか…」
「39番の要(カナメ)。
失格だが、道中完璧だったので基準は満たしているので一応試験は合格となるが、どうする?」
担当試験官がそう言うも、要(カナメ)は納得しなかったのか
「…っ、も、もう一度受けさせて下さい!」
「ふ、良いだろう、今度は最後まで気を抜くんじゃないぞ?」バッ!
と、試験官に再試験を要求し、試験官と共にその場を去る際、要(カナメ)はノアに向かって軽く会釈をしていった。
「なる程な…冒険者カードを確認した時は驚いたが、君が【鬼神】のノア。
又はフリアダビア奪還の最高功労者、野盗200人殺し等の通り名を持つ新人冒険者…
確かにそれ程の人物なら彼を見付ける事など造作も無い…か。
よし、通って良いぜ!試験頑張れよ。」
と、門兵は上機嫌でノアの入街を許可した。
ちなみにハクア、ユカリ、クロラ達等の試験を受けない同行者は、それが分かる様、胸元に細工の施されたバッジを付ける事で同じく入街する事が出来た。
ガコォン…
「凄いねノア君。
私も<気配感知>を発動してたけど全然気付かなかったよ。」
「俺もだ。(ジェイル)」
「私もー。(ロゼ)」
「私もよ。(ポーラ)」
「まぁ気付けたのは他にも理由があるんですけどね。足音とはまた別の音だったり、匂いとかね。」
「え?匂い?気付いた?ドルフ、ガルフ…?(ハクア)」
『『ワ、ワゥゥ…』』
ノアの言葉に困惑するハクア。
獣魔であるドルフ、ガルフの2頭も気付いていない様子。
「まぁあまり違和感の無い匂いだから気にならなかったのでしょう。
簡単に言えば″2種類の環境臭″がしたので気付けたんですよ。」
「「え?どういう事?(ハクア、ユカリ)」」
「僕らは今街の外から来た。
でも先程の方は街の中から来た。そういう事です。
さ、街に入りましょうか。」
「あ、ちょ…
あー…でも何と無く分かったかも…(ハクア)」
「自分の家と友達の家に行った時の違いみたいなヤツね…
でもあの一瞬でその違いに気付く?普通…(ユカリ)」
ノアに答えを言われた2人だが、改めてノアの鋭さを思い知らされるのであった。
キョロキョロ…
「…この街全体が試験会場みたいなモノなんだよね…?」
「さっきの門兵さんの説明だとそうなるよね。
だけど…(クロラ)」
「至って普通の街にしか見えないな…(ジェイル)」
「ふつーに市場やお店が開かれてるし、街の住人達もふつーに暮らしてる。(ロゼ)」
「そこの路地で子供とかが普通に玉蹴りして遊んでるわ。(ポーラ)」
「一見すると普通の街なんだけど、実はこの視界の中でもう既に幾つか試験は行われてるのよ。(ハクア)」
「正確には6つ程行われてるわね。(ユカリ)」
(残念、正しくは13個程行われてるな。)
門を潜って中に入ると、普通に住居が建ち並び、店が開かれ、この街に住まう住人が生活し、屈託の無い笑顔の子供達が遊んでいる。
だが幾つかスキルを駆使して辺りを探ってみると、建物の陰で<聞き耳>を立てている者、店の主人に変装している者、住居の屋根裏に潜む者なんかが居る。
「おっ!君は冒険者の様だが、試験を受けに来たのかい?」
「…えぇ、まぁ…」
門の直ぐ近くで青果店を営んでいる男性主人がノアに話し掛けてきた。
だがノアの反応は鈍い。
「ノア君どうしたの?何か歯切れ悪いよ?(クロラ)」
「え?あ、いや…」
と、クロラが話し掛けるもノアの反応は悪い。
すると
ツカツカツカ…
「冒険者の方ですね?
何かお気付きになられましたか?」
「え?あ、はい…気付いたと言えば気付いたのですが…」
職員らしき女性がノアの下に近付いて来て問い掛けてきた。
「ど、どうしたんだい?冒険者の少年。
き、気分でも悪いのかい?」
「何かお気付きになられたのなら忌憚なき意見を頂ければと…」
「う、うむむ…」
青果店の主人が露骨に焦り出し、職員は職員で、ノアに詰め寄って行く。
「「「「「「……?」」」」」」
ハクアやクロラ達は何がなんだか分からず、そのやり取りを見守っていると、ノアが重い口を開く。
「…この店の主人…もしかして変装してます…?」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
ノアの発言に驚きの声を上げる一同に対し、女性職員は
「46番、変装看破!失格!」
「嘘ぉーっ!何でバレたのよぉーっ!?」
「ごめんなさい!本当にごめんなさいっ!」
失格の声を上げる女性職員と、青果店の主人に変装していた女性が膝から崩れ落ち、その女性にペコペコ頭を下げるノアであった。
「マズイ!僕ここに居たら色んな人の試験を邪魔しちゃうかも知れない!」
「ノ、ノア君落ち着いて!(クロラ)」
街に来てまだ数分だと言うのに、既に2名の冒険者を失格へ誘ってしまったノアは頭を抱えて叫んでしまった。
スキルを大量に所持し、元々洞察力も高い為か、少しの隙であっても見逃さないノアだから成せる事である。
そんなノアだが、看破した際に顔に出てしまった為か、女性職員が確認に来てしまったと言う訳である。
「ちょっと、ちょっと、ちょっとー!何で私の変装見破ったのよー!
後10分程で達成出来たのにぃ!」
「確かに変装は完璧、声も完全に男性の声が出来ていましたが、君は何故気付いたのですか?」
【諜報】の実地試験中だったネネと言う女性冒険者(顔は青果店の主人)と、担当の女性職員が理由を求めて詰め寄ってきた。
「いや、ほら、男性だと呼吸する時にお腹が動くけど、女性みたいに胸の辺りが動いていたから…」
「あ、なる程。」
「ちっくしょー!盲点だったわー!!」
本当に悔しかったのだろう、【諜報】の冒険者ネネは再び膝から崩れ落ち、石畳に向かって叫んでいた。
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