ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~中級冒険者試験~

暴露大会

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~タイトル:強制的に試合終了より一部抜粋~ 

「君の様に大抵の事は解決出来る程の圧倒的武力を持った者には分からんだろう。
寝ても覚めても故郷が失われるかも知れない恐怖に苛まれるのは…」

『…故郷が失われる恐怖…と言うのは確かに僕には分かりませんね。』

「そうであろう。なら…」


と、ゴワスがオーラを纏った状態のノアに対して叫んでいたのだが、突如発言を止めて何やら聞き入っていた。

良く見るとノアは口を動かしているので、何かしら話してはいる様だが、勿論観客席に居る人達には聞こえていなかった。

だがこの2人は違っていた。


「ねぇポーラちゃん、あの人急に喋らなくなっちゃったよ?(クロラ)」

「ホント…あ、でもクロラ、少年の口が動いているから何かしら話してるんでしょ。
ほら、″うし、なった(失った)″…?って言ってるわ。(ポーラ)」

「えーっと、″じゅ、みょう(寿命)″って言ってる…何の話だろ…(クロラ)」


と、2人は常時発動していた<読唇術>を介し、ノアとゴワスの会話を読んでみる事にした。

ちなみに何故ポーラとクロラの2人が<読唇術>と言うスキルを持っていたかと言うと、ポーラは<地獄耳>と言うスキルを持つ程、人の恋話だったり噂話だったりを聞くのが好きなのもあり、<地獄耳>の効果範囲外に居る者の会話を盗み見ている内に自然と身に付いたモノである。

クロラは【弓】という適正上、奇襲、強襲を得意とする為、対象が油断した所を狙って攻撃を仕掛ける機会がままある。

主に野盗相手に磨いた技術であり、こちらも自然と身に付いた技術である。

この時の2人は″何話してるんだろう?″位の軽い気持ちでしかなかった。

が、全て読み終えた後、ゴワスが軽く暴走気味になったのだが、その事に2人は上手く反応出来なかった。





「…なぁ少年。
さっき試合場で戦ったゴワス試験官よりも長生き出来ない、と言ってたがそれは本当かい?(ポーラ)」

「…あぁ、本当だよ。
生まれ育った村で始めに宣告された時は22歳、つまり7年後。
大量のスキルを取得して肉体の強化や耐性を施したし、毎日ヴァンディットさんのケアを受けているけど、それでも24歳位までだろうね。」

「…ほ、他に何か手立ては無い…のかな…?(クロラ)」

「最近延命出来そうな手立てを得たけど…保留中…」

「も、もしかして怪しい連中が絡んでたり、どっかの貴族から何か吹き込まれて…?(ポーラ)」

「いや、″そういった存在″じゃない…けど保留にしてる…」

「…どうして…?(クロラ)」


この話は勿論″暦″絡みなのだが、ノアは現在保留としている。
その理由と言うのが


「…怖いから…ですかね…」

「「怖い…?(クロラとポーラ)」」

「よくある話ですよ。
急に身に余る程の財を得たり力を得ると、人って性格が変わるって言うじゃないですか。
僕が今の性格でいられるのは、『残り少ない人生を未来(さき)のある人の手助けの為に使おう』って決めてるからなんです。
そんな所に延命出来そうな手立てを得ちゃうと…何か根底から覆っちゃいそうで怖いんです…」

「「……。(クロラとポーラ)」」

「それに僕、自分のこの過剰戦力とも取れる力を人の為に使うのって何か性に合ってるって言うか…
取り敢えず今の生き方に大分満足してるんです。この話を聞いて、直ぐには割り切れないとは思いますが、今すぐにどうこうなるって事は無いので安心して下さい。」

「…何でそんなに落ち着いて…
…って、あぁそうか、悩み抜いた結果だったね…(ポーラ)」

「えぇ、切り替えの早さはその時に身に付きましたね。」

「…そうか…君がそう決めたのなら私からとやかく言う事はしない…
…クロラは、どう、かしら…?(ポーラ)」


と、ポーラはクロラに意見を求める。


「…私もポーラちゃんと同じ…かな…
まだ現実を受け止めてないだけかもだけど…(クロラ)」

「まぁ寿命があと数年って言われてもピンと来ないよね。
今の所健康体ではあるし…」

「あの…ノア君がオーラを纏ってる状態って、あれは影響無いの?(クロラ)」

「うん。
どっと疲れるだけだけど、ヴァンディットさんにケアして貰ってるから大丈夫、問題無いよ。」

「そっか…
…ごめんね、ノア君。盗み聞きしちゃったみたいで…(クロラ)」

「いや、僕の方こそ話さなくてごめん…
出会った時にでも話しておけば良かったよ。
知られちゃった時は頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃったけど…今は言えて少しホッとした。」

「…そっか…(クロラ)」スッ…

「ん?クロラさ『ギュゥ…』っぷ。」


ノアは安心させる様に微笑み掛けると、クロラにそっと優しく抱き締められた。
その時に分かったが、表面上は落ち着いている様子のクロラだったが、抱き締める腕が僅かに震えていた。





「…良い雰囲気の所悪いけど、私居るの忘れてない?(ポーラ)」

「「ほぅあっ!?(ノアとクロラ)」」バッ!


抱き合う2人の真隣に居たポーラがジト目でそう呟くと、同極を合わせた磁石の様に勢い良く離れる。


「いや、良いのよ?
別に私の事は気にせず″始め″ちゃっても…(ポーラ)」

「あああ、ごめん。
ポーラちゃんの気持ちも考えずに…(クロラ)」

「ん?気持ち…?」

「…えぇい、この際だから言うけど、少年の事を男性としてこ、好ましく思ってるのはクロラだけじゃ無いって事!(ポーラ)」

「へ?」


突然のポーラからの告白に、素直に驚いてしまったノア。
彼女であるクロラの前で何て事を言うんだ、と言う気持ちが少しあったが


「あ、やっと素直に言えたねポーラちゃん!(クロラ)」

「へ?」

「…本当だったら時間を掛けて言うつもりだったけど、少年が正直に話してくれたんだもん、私も正直になろう、って思っただけ…(ポーラ)」


どうやらクロラはポーラの想いを前々から知っていた様子。
恐らくこの話し振りだと、幾度か相談に乗っていたのかも知れない。


「え?ポーラって僕の事よく茶化したり、事ある毎にクロラさんと一緒に居る場面に現れたりしてたからそんな風に想ってくれてたとは…」

「あ、あれは気になる人や好きな人にやるちょっかいみたいなモノよ…
少年だって小さい時に村の友達とかにやらなかった…?(ポーラ)」

「あ、いや僕、子供の頃は寝たっきりだったからあまりそう言う事は…」

「う…(ポーラ)」


と、少し気まずそうな雰囲気になった所にクロラが割って入る。


「そ、それでノア君、ポーラちゃんが素直に告白してくれたけど、返事はどうかな…?(クロラ)」

「…逆にクロラさんは良いの?」

「ノア君の事が好き過ぎる気持ちは私も同じ「ちょ、クロラ…(照)」だし、一人占め何て出来ないよ。(クロラ)」

「…そっか…
…日頃の行いで最初は苦手意識はあったけど、最近は妙に心地良いとすら感じる。
そんな君が僕の事を好いてくれていたのは正直に嬉しい事だ、寧ろ僕からお願いしたい位だ。
これからよろしくね。」
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