ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

戻ってきて早々

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「おー、クリスタルブルーの冒険者カード…
長く冒険者ギルドの受付をしていますが、この目で見るのは初めてですよ…」

「そ、そうですか…」

「えぇ、この美しく透き通ったクリスタルの輝き…
あーん、惚れ惚れしちゃいますわ…」

「さ、左様で…」

「所でノア様、何やら顔が赤いですが体調は大丈夫ですか?」

「は、はは、ちょっと走ってきたから、ですかね…」

(最上級冒険者並みのスタミナを持つ子が少し走った位でそうなりますかね…?)


獣人国に到着し、冒険者ギルドにて色々と手続きを済ませに来たノア。
ギルドの資料の中ではまだノアは″新人″となっているので諸々の更新があるのだとか。

ちなみにノアは顔を真っ赤にしているのは、人混みの中をクロラとポーラに引っ付かれたまま通って来た為だ。

2人の柔らかな部分が人混みによって押し付けられ、割りと一杯一杯になっていた様子である。


「…ノア様?」

「あ、はい、何でしょうか!?」

「あ、いえ、手続きの方は終了致しました。
それとなのですが、ノア様に伝言が御座いまして、″この国に戻ってきたら裏手の雑貨屋に来て欲しい″との事です。」

「ほぅ…差出人はどなたでしょうか?」

「『犬姫』団長のハナからに御座います。」

「ハナさんが…?分かりました、取り敢えず向かってみます。」


『犬姫』騎士団長のハナからの呼び出しに、思い当たる節があるノアは、早速指定された場所に向かう事に。

その思い当たる節と言うのは、中級冒険者試験を受けにいく前に寄った村での一件である。
恐らく大暴れしたモンスターの正体もしくは発生原因等が判明したのだろう、と思われる。






ギィイ…

「あ、ノア君お帰り。(クロラ)」

「お帰り、少年。
早速だけど、この後何か予定がある様ね。(ポーラ)」

「あー、聞こえてたんだね。
これから裏手にあると言う雑貨屋に来てくれ、ってハナさんに呼ばれてね。
申し訳無いけど直ぐに向かうつもりだよ。」

「それじゃあ一旦ここでお別れって事だね?(クロラ)」

「まぁ大方この間の村での一件の報告とかだと思うからまた直ぐに会えるよ。」

「まぁ少年の場合、また何か面倒事の前触れかも知れないから気長に待ってるわ。(ポーラ)」

「こ、怖い事言うなよポーラ…」


と、何かフラグの様な事を言われつつも一行と別行動を取る事になったノアは、早速通りを進んでギルドの裏手へと向かう。





ガヤガヤ…

キョロキョロ…

「えーっと、そろそろ裏手に来たと思うけど雑貨屋って何処だろ…」


通りの裏手とは言え、人通りはそれなりに多い。
加えて獣人は全体的に体が大きいので15歳のノアでは雑貨屋があったとしても辛うじて看板が見える位である。


(仕方無い、ハナさんの気配を辿って…あ、居た。
と言うか他にも誰か…え?何でこの人達が居るの…?)


進行方向から僅かに逸れた場所にハナの気配を感じ、そちらに歩を進める。
どうやらハナ以外にも何名か顔馴染みが居る様子であった。





「すいませーん、店主さんはいらっしゃいますか?」

「はいはい、お待たせ…おや【鬼神】の冒険者さん、お待ちしておりました。
この先にある地下倉庫にて皆さんお待ちです。」


雑貨屋の店主に促されて目をやると、地下倉庫へ向かう通路の奥にハナが待機していた。


「お、お待ちしてました、向かいまひょうか。(ハナ)」


妙に畏まった、と言うか緊張した面持ちのハナだったが、取り敢えず合流して地下へと向かっていった。





「やぁ【鬼神】の。
こうして面と向かって会うのは王城以来だな。(ローグ)」

「…あの、何故ここに王様が?
それにリヴァイアさんと、ジョーさんまで…?
あ、いや、何と無く分かったけども…」


地下倉庫に入ると、他の『犬姫』の騎士団員が待機しており、警戒にあたっていた。

何故なら獣人国の国王ローグ・ラグナーが居るのだから当たり前と言えば当たり前である。

その他に、独特な和装を靡かせた海洋種族の長であるリヴァイアに、ヒュマノ聖王国から莫大な額の取り立てを行っているハズの大商人のジョーも居た。

この3人に加えてノアが関係していると言えば″アレ″しか無いだろう。


「まぁ既に察してるかも知れないが、″海洋種族の国である龍宮城″との国交樹立が正式に決まった、近く調印式を開催する。(ローグ)」

「それで最も関係の深い君に、一番に知らせようと思ってね、日取りは一応2週間後の予定だよ。(リヴァイア)」

「王都の方が先んじて邂逅していたんだけど、獣人国では先に交易を行っているし、子供獣人の大規模奪還作戦では協力もしてくれたから先に獣人国から行い、後日王都でも執り行うそうだよ。(ジョー)」


と、海洋種の国である龍宮城との国交樹立式典が催される事が正式に決まったらしい。
だがノアは気掛かりな事があった。


「政治的な事は分かりませんが、まだ獣人国と龍宮城が接点を持ってから半月位しか経ってませんけど大分早くないですか?」

「何を言う。
間に君と言う存在が居たから、これ程あり得ない早さでの国交樹立に至ったのだぞ?(ローグ)」

「私達としても、ここまで早く国交が結べるとは思ってもみませんでしたわ。
最低でも5年位は見積もってましたのに。(リヴァイア)」

「まぁこの僅かな期間で色々と起こって、その全てに君が関わっていたんだ。
つまりノア君が国交の架け橋になったんだよ。(ジョー)」


普通であれば大使を送り合い、互いの国が敵対関係になるモノか、思惑や思想、何より意志疎通が取れる種族であるか、他にどういった種族が居るか等の調査に膨大な時間が掛かる。

その際の人選も重要で、どちら側からしても未開の地である為、相応の武力が必要になるが、その場その場で臨機応変に行動出来る柔軟さを持つ強者が必要になる。

そこから徐々に関係を持っていき、幾度にも及ぶ交流を経て国交を結ぶのだが、その全てをノアが知らず知らずの内に担っていたので、細かな擦り合わせのみで、色々と段階をすっ飛ばす事が出来たのだとか。


「何かそう面と向かって言われると何だかむず痒いですね…
それにしても2週間後ですか、特に予定も無いですし、式典楽しみにしてますよ。」


~間~


「…そこで、何だけどねノア君…(リヴァイア)」
「…そこで、何だけどね【鬼神】の…(ローグ)」

「…え?何ですか、今の間は…しかも2人同時に…
何か凄く嫌な予感がするんですけど…」


龍宮城のリヴァイアと獣人国のローグが妙な間を挟んで言い難そうに同時に話し出す。

この手の話に嫌な予感を感じずにはいられないノアだが、恐る恐る聞いてみる事にした。


「…獣人国では腕っぷしの強さを重要視する慣わしみたいなモノがあるじゃない?
それを聞いたウチの長老達が″今こそ我等の力を見せる時″って張り切っちゃってね…
申し訳無いんだけど、その連中と式典で御前試合して貰えないかなー、って…(リヴァイア)」

「…その御前試合で獣人国の代表として【鬼神】が出場して貰えないかなー、とね…(ローグ)」

「えぇえええええええっ!?」
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