612 / 1,124
獣人国編~御前試合の代表決め~
ちょっとした昔話
しおりを挟む
~村から2山先の山中~
「ぐへへへお嬢ちゃん、そんな薄着でこんな山の中に1人で来ちゃ駄目じゃないかぁ。(野盗1)」
「あ、いや、その…(ミユキ)」
「お下げ髪が可愛いねぇ。
へへ、最近女に飢えてたから丁度良い。
嬢ちゃんちょっと俺らの『ドッ!』…ッ!?(野盗2)」
「な『ドッ!』…っげぇ…(野盗1)」
ドササッ!
野盗2人の喉に突如木の枝が命中。
堪らず2人は呼吸困難に陥り地面に倒れ伏した。
その後ろには洞窟がポッカリと空いており、2人は警備の為ここに居た事が窺えた。
「つ、都合が良いってこういう事だったんですね…?」
スタッ。
「山菜採りに来た村娘らしい服装だったから相手も油断しかしていなかっただろう?」ゴソゴソ…
「ま、まぁ…確かに…」
樹上に居たレドリックが倒れ伏した野盗の近くに降りてきた。
そして直ぐ様野盗の装備を確認し出した。
「ふむ。防具は無いに等しく、『ビッ!』刃溢れの無いナイフが3本か…
まぁ問題無いか。ほら2本渡しておくよ。」
ポイっ。
「わわわっ!?」
野盗が身に付けていたボロボロな革の肩当てを斬って切れ味を確認したレドリックは、内2本をミユキに渡して握り込んだ。
と
ガサガサ…
「あなたー、こっちは3人仕留めて出てきたのは刃溢れしたロングソード2本とナイフ2本、ロープ1本だったわ。」
「じゃあ剣はそっちで持つと良い。
その代わりロープくれ。」
「はーい。」ひょいっ、ぱしっ。
アミスティアは野盗から奪った刀剣をお手玉の様に操りながら洞窟の中へと入っていった。
「うわぁああ…!」
「ひぁああああ…!」
「ぐあっ、うぎゃぁあ…!」
「…中から凄い悲鳴聞こえてるんですが、まさか殺し回ってるんですか…?」
「いや。
恐らくアミの動きが速すぎて何が起こっているのか分からず、阿鼻叫喚としている悲鳴だろう。」
真っ暗な洞窟の奥から悲鳴が木霊してくる。
その数は当初20を越えていたが、既に3人にまで減り、そして悲鳴が聞こえなくなった。
「よ、早かったな。」
「目ぼしい物は持ってなかったみたいだったから早々に出てきたわ。
でも女性の野盗が2人居たから防具剥いで来たの。はいミユキちゃん、これ着けると良いわ。」
「あ、ありがとうございます…」
アミスティアの手には状態の良い革鎧が握られており、それを普段着姿のミユキに手渡す。
着のみ着のままで家を出たミユキは、漸くまともな防具を手にする事が出来たのであった。
「さ、行きましょうか。」
「え?野盗はどうするんですか?」
「それなら心配ない。
取り敢えず山を下るとしよう。」
ピュゥイッ!
下山し始めたレドリックは徐に指笛を鳴らす。
すると
『『『ゥオオーン…』』』
「え?え?」
「近隣の村に居る良く躾された猟犬に知らせた。直に村の者がやって来て捕縛等も済ませてくれるだろう。」
レドリックが毎日行っている村の見回りだが、週に2、3回は行動範囲を広げて周辺の村々にまで足を伸ばす事がある。
野盗や危険なモンスター等を発見、討伐までした後、近隣の村に知らせて引き渡し等の面倒な手続きを行って貰っている。
ちなみにそういった活動を行っているレドリックが村を離れている場合、熊獣人のマドリックが代わりに引き受けてくれている。
「ウチの村は水捌けが悪くて薪不足に陥りがちなんだが、これから猟犬と共にやって来る村の所は寧ろ余る程なんだとか。
だから周辺の警戒を担う代わりに、薪なんかを融通して貰ってるって訳さ。」
「マドリックさんが居るのに薪不足になるんですね…」
「寧ろマドリックが居るから何とかなってる感じだよ。」
とか話していると
ガゥウッ!ズザッ!
「よぅレドリック、いつも悪いな。」
「なに、それはお互い様だ。
それよりも野盗達はこの上にある洞窟に転がっている。」
「あぁ、了解した。『ピュゥッ!』」
『『『『『ドドドドドドドッ!』』』』』
近隣の村の者が指笛を鳴らすと、麓の方から数多くの猟犬が登って来て野盗が居る洞窟の方へと向かっていった。
「そういえばレドリックの所の村にそんな娘っ子居たか?」
ギクッ。
「ウチで暫く預かっていた子だよ。
ある程度の訓練が終わったから旅立とうとしたんだが、それなりの装備を作ろうにも"傷の無い魔蛸の眼石"が不足していたから獲りに行く序でに訓練の成果を見ようと思ったわけさ。」
「あぁ~、素材採取が難しい上に量も取れない"傷の無い魔蛸の眼石"か。
俺が中級ん時に苦しめられたからな。
なる程な、頑張れよ嬢ちゃん。」ザッザッ…
「あ、は、はい…」
村の者はそれだけ言うと、山を登り洞窟の方へと向かっていった。
「傷の無い…何て言いました?」
「"傷の無い魔蛸の眼石"よ。
魔蛸っていうモンスターの眼の素材なんだけど、膨大な魔力が蓄えられているの。
一定の強化まで進んだ武器や防具を更に強化する場合にその素材が必要なんだけど、傷が少しでもあると蓄えられた魔力が霧散しちゃって素材としての価値が無くなったと言っても良いわ。」
「ミユキちゃんも追々必要になるだろうから序でに獲って行くと良い。
ただ、中級冒険者が相手するには少し手強いから訓練の成果を見るにも良い相手だと思うぞ。」
「そ、そうですか…」
ミユキは頭の中で″真蛸″の姿を思い起こす。
あれがそんなに手強いのか、と心の中で考えていたが、アミスティアとレドリックの2人は1番大事な事を伝えていなかった。
それはサイズであった。
「それにしてもノアちゃんが今獣人国に居て、しかも彼女さんと一緒とはねぇ。」
「1度村に戻ってきた時に少しそんな事を匂わせていたが…
そうか、ノアにもそんな相手が出来たんだなぁ…うんうん。」
「でもマドリックさん、少し意地悪じゃないですか?
どんな感じの人か聞いたら″見れば分かる″なんて…」
「「いや?ノア(ちゃん)の好みは知ってるから、見れば分かると思う。」」
「…そうですか…」
両親に自分の好みを知られているのは何か嫌だな、と思うミユキであった。
ザッザッザッ…
「…にしても、ヒュマノに行くのは″あの時″以来…だったな?」
「そうね…もう10年位経つかしら…」
「え?2人共ヒュマノに行った事あるんですか…?
…って、そっか、元々冒険者でしたから当たり前ですよね…?」
「冒険者で、というよりか、仕事で行ったというのが正しいかな。」
「仕事で、ですか?」
「えぇ。まだヒュマノがまともだった頃、国からの依頼でヒュマノ周辺にある滅びの森に棲む″森の番人″って言う、ノアちゃんからマドリックに協力要請が掛かった高位のモンスターの討伐を依頼されたの。」
「アミはその時【殲滅剣士】として手練れ5部隊を率い、俺は【神出弓士】として精鋭3部隊を引き連れてヒュマノ近郊に夜営を張っていたんだ。」
「そ、そういえばアミさんとレドさんってクランのリーダーやってたんですよね…」
ちなみにアミスティアは冒険者時代『死屍累々』と言う名の【剣士】のみで構成されたクランに。
レドリックは『極大射程』と言う名の【弓】のみで構成されたクランのリーダーを務めていた。
「″森の番人″は何とか討伐したんだけど、その後の宴会中に妙な奴に出会してね。」
「…妙な奴?」
「フードを目深に被った奴が街の防壁を登って中に侵入しようとしてたのよ。」
「直ぐに射落として部隊の連中でそいつを捕縛しようとしたんだが、疲れもあって逃がしてしまったんだ。」
「その後位だったわよね、ヒュマノの王が病に伏せって表舞台から姿を消し、貴族連中が出張って来ておかしくなったのは。」
「あぁ、恐らくだがその侵入者が病魔を持ち込んだんじゃないか、って専らの噂だ。
その後幾ら探してもそんな奴の痕跡が何一つ見付からず、結局何もかもが分からずじまいさ。」
「あ、あの、もし気掛かりであれば、ヒュマノを訪れた後に少し調べ「「いや、いい。」」
「ミユキちゃんは一先ずヒュマノの王様に会う事だけを考えてれば良い。」
「今となっては過ぎた事だし、今更って感じでもあるしね。
それよりも他の楽しい事を話しましょう。
ほら、ミユキちゃんの彼氏の話しとか。」
「え、えぇ~…」
と、ミユキの元居た世界の事を話しつつ3人は獣人国へと向かうのであった。
「ぐへへへお嬢ちゃん、そんな薄着でこんな山の中に1人で来ちゃ駄目じゃないかぁ。(野盗1)」
「あ、いや、その…(ミユキ)」
「お下げ髪が可愛いねぇ。
へへ、最近女に飢えてたから丁度良い。
嬢ちゃんちょっと俺らの『ドッ!』…ッ!?(野盗2)」
「な『ドッ!』…っげぇ…(野盗1)」
ドササッ!
野盗2人の喉に突如木の枝が命中。
堪らず2人は呼吸困難に陥り地面に倒れ伏した。
その後ろには洞窟がポッカリと空いており、2人は警備の為ここに居た事が窺えた。
「つ、都合が良いってこういう事だったんですね…?」
スタッ。
「山菜採りに来た村娘らしい服装だったから相手も油断しかしていなかっただろう?」ゴソゴソ…
「ま、まぁ…確かに…」
樹上に居たレドリックが倒れ伏した野盗の近くに降りてきた。
そして直ぐ様野盗の装備を確認し出した。
「ふむ。防具は無いに等しく、『ビッ!』刃溢れの無いナイフが3本か…
まぁ問題無いか。ほら2本渡しておくよ。」
ポイっ。
「わわわっ!?」
野盗が身に付けていたボロボロな革の肩当てを斬って切れ味を確認したレドリックは、内2本をミユキに渡して握り込んだ。
と
ガサガサ…
「あなたー、こっちは3人仕留めて出てきたのは刃溢れしたロングソード2本とナイフ2本、ロープ1本だったわ。」
「じゃあ剣はそっちで持つと良い。
その代わりロープくれ。」
「はーい。」ひょいっ、ぱしっ。
アミスティアは野盗から奪った刀剣をお手玉の様に操りながら洞窟の中へと入っていった。
「うわぁああ…!」
「ひぁああああ…!」
「ぐあっ、うぎゃぁあ…!」
「…中から凄い悲鳴聞こえてるんですが、まさか殺し回ってるんですか…?」
「いや。
恐らくアミの動きが速すぎて何が起こっているのか分からず、阿鼻叫喚としている悲鳴だろう。」
真っ暗な洞窟の奥から悲鳴が木霊してくる。
その数は当初20を越えていたが、既に3人にまで減り、そして悲鳴が聞こえなくなった。
「よ、早かったな。」
「目ぼしい物は持ってなかったみたいだったから早々に出てきたわ。
でも女性の野盗が2人居たから防具剥いで来たの。はいミユキちゃん、これ着けると良いわ。」
「あ、ありがとうございます…」
アミスティアの手には状態の良い革鎧が握られており、それを普段着姿のミユキに手渡す。
着のみ着のままで家を出たミユキは、漸くまともな防具を手にする事が出来たのであった。
「さ、行きましょうか。」
「え?野盗はどうするんですか?」
「それなら心配ない。
取り敢えず山を下るとしよう。」
ピュゥイッ!
下山し始めたレドリックは徐に指笛を鳴らす。
すると
『『『ゥオオーン…』』』
「え?え?」
「近隣の村に居る良く躾された猟犬に知らせた。直に村の者がやって来て捕縛等も済ませてくれるだろう。」
レドリックが毎日行っている村の見回りだが、週に2、3回は行動範囲を広げて周辺の村々にまで足を伸ばす事がある。
野盗や危険なモンスター等を発見、討伐までした後、近隣の村に知らせて引き渡し等の面倒な手続きを行って貰っている。
ちなみにそういった活動を行っているレドリックが村を離れている場合、熊獣人のマドリックが代わりに引き受けてくれている。
「ウチの村は水捌けが悪くて薪不足に陥りがちなんだが、これから猟犬と共にやって来る村の所は寧ろ余る程なんだとか。
だから周辺の警戒を担う代わりに、薪なんかを融通して貰ってるって訳さ。」
「マドリックさんが居るのに薪不足になるんですね…」
「寧ろマドリックが居るから何とかなってる感じだよ。」
とか話していると
ガゥウッ!ズザッ!
「よぅレドリック、いつも悪いな。」
「なに、それはお互い様だ。
それよりも野盗達はこの上にある洞窟に転がっている。」
「あぁ、了解した。『ピュゥッ!』」
『『『『『ドドドドドドドッ!』』』』』
近隣の村の者が指笛を鳴らすと、麓の方から数多くの猟犬が登って来て野盗が居る洞窟の方へと向かっていった。
「そういえばレドリックの所の村にそんな娘っ子居たか?」
ギクッ。
「ウチで暫く預かっていた子だよ。
ある程度の訓練が終わったから旅立とうとしたんだが、それなりの装備を作ろうにも"傷の無い魔蛸の眼石"が不足していたから獲りに行く序でに訓練の成果を見ようと思ったわけさ。」
「あぁ~、素材採取が難しい上に量も取れない"傷の無い魔蛸の眼石"か。
俺が中級ん時に苦しめられたからな。
なる程な、頑張れよ嬢ちゃん。」ザッザッ…
「あ、は、はい…」
村の者はそれだけ言うと、山を登り洞窟の方へと向かっていった。
「傷の無い…何て言いました?」
「"傷の無い魔蛸の眼石"よ。
魔蛸っていうモンスターの眼の素材なんだけど、膨大な魔力が蓄えられているの。
一定の強化まで進んだ武器や防具を更に強化する場合にその素材が必要なんだけど、傷が少しでもあると蓄えられた魔力が霧散しちゃって素材としての価値が無くなったと言っても良いわ。」
「ミユキちゃんも追々必要になるだろうから序でに獲って行くと良い。
ただ、中級冒険者が相手するには少し手強いから訓練の成果を見るにも良い相手だと思うぞ。」
「そ、そうですか…」
ミユキは頭の中で″真蛸″の姿を思い起こす。
あれがそんなに手強いのか、と心の中で考えていたが、アミスティアとレドリックの2人は1番大事な事を伝えていなかった。
それはサイズであった。
「それにしてもノアちゃんが今獣人国に居て、しかも彼女さんと一緒とはねぇ。」
「1度村に戻ってきた時に少しそんな事を匂わせていたが…
そうか、ノアにもそんな相手が出来たんだなぁ…うんうん。」
「でもマドリックさん、少し意地悪じゃないですか?
どんな感じの人か聞いたら″見れば分かる″なんて…」
「「いや?ノア(ちゃん)の好みは知ってるから、見れば分かると思う。」」
「…そうですか…」
両親に自分の好みを知られているのは何か嫌だな、と思うミユキであった。
ザッザッザッ…
「…にしても、ヒュマノに行くのは″あの時″以来…だったな?」
「そうね…もう10年位経つかしら…」
「え?2人共ヒュマノに行った事あるんですか…?
…って、そっか、元々冒険者でしたから当たり前ですよね…?」
「冒険者で、というよりか、仕事で行ったというのが正しいかな。」
「仕事で、ですか?」
「えぇ。まだヒュマノがまともだった頃、国からの依頼でヒュマノ周辺にある滅びの森に棲む″森の番人″って言う、ノアちゃんからマドリックに協力要請が掛かった高位のモンスターの討伐を依頼されたの。」
「アミはその時【殲滅剣士】として手練れ5部隊を率い、俺は【神出弓士】として精鋭3部隊を引き連れてヒュマノ近郊に夜営を張っていたんだ。」
「そ、そういえばアミさんとレドさんってクランのリーダーやってたんですよね…」
ちなみにアミスティアは冒険者時代『死屍累々』と言う名の【剣士】のみで構成されたクランに。
レドリックは『極大射程』と言う名の【弓】のみで構成されたクランのリーダーを務めていた。
「″森の番人″は何とか討伐したんだけど、その後の宴会中に妙な奴に出会してね。」
「…妙な奴?」
「フードを目深に被った奴が街の防壁を登って中に侵入しようとしてたのよ。」
「直ぐに射落として部隊の連中でそいつを捕縛しようとしたんだが、疲れもあって逃がしてしまったんだ。」
「その後位だったわよね、ヒュマノの王が病に伏せって表舞台から姿を消し、貴族連中が出張って来ておかしくなったのは。」
「あぁ、恐らくだがその侵入者が病魔を持ち込んだんじゃないか、って専らの噂だ。
その後幾ら探してもそんな奴の痕跡が何一つ見付からず、結局何もかもが分からずじまいさ。」
「あ、あの、もし気掛かりであれば、ヒュマノを訪れた後に少し調べ「「いや、いい。」」
「ミユキちゃんは一先ずヒュマノの王様に会う事だけを考えてれば良い。」
「今となっては過ぎた事だし、今更って感じでもあるしね。
それよりも他の楽しい事を話しましょう。
ほら、ミユキちゃんの彼氏の話しとか。」
「え、えぇ~…」
と、ミユキの元居た世界の事を話しつつ3人は獣人国へと向かうのであった。
63
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる