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獣人国編~御前試合の代表決め~
物作りの血が騒いだと言うヤツ
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~獣人国で国交樹立宣言が行われる1ヵ月程前。(正確にはノアがフリアダビア前哨基地に向かって5日後。)ドワーフの国『フェレイロ』のとある工房~
カッカッカッカッ…
「…よし出来た。親方、どうでしょうか。」
「どれどれ…
ふむ、ええと思うぞ。
実際に装着してみて使用感を確かめてみるとええ。」
「はい!」
工房の一室では人族の青年が何やら製作しており、その前では親方と呼ばれたドワーフが仁王立ちして腕組みしていた。
青年の手元を見ると、ガントレットとゴツいレギンスが置かれていた。
細かく見てみると、どちらも機械仕掛けが施されており、何とも少年心を擽る造りをしていた。
「行き倒れていたお前さんがここに居着いてもう3ヵ月か、早ぇもんだなぁ。
手に職をなーんもつけてなかったから【技士】としての技術を叩き込んでやったが、悉く吸収しやがって。
お陰で毎日楽しかったぜ。」
「″こっち″に身寄りの無い僕に色々と助力して戴いたゴンズさん(親方の名前)含めドワーフの皆様には大変感謝しています。」
カチャカチャ…
「…にしても、何度聞いても不憫な話だぜ。
ヒュマノの連中に無理矢理喚び出されただけでなく、【勇者】じゃないからと追い出されたなんてな…
しかもお前さんの恋人、ミユキっつったか。
その娘っ子が【召喚勇者】としてヒュマノに実質囚われの身になってるったぁな…」
「でも漸くチャンスが巡って来ました。
″美幸″はヒュマノを離れ、フリアダビアに居ます!
準備出来次第ここを発って美幸を助「助けた後はどうするつもりじゃ?」…っ…」
親方の言葉に、ガントレットを装着していた青年の手が止まる。
「ヒュマノの連中1人1人は取るに足らん者ばかりじゃが、腐っても大国じゃ。
その場で娘っ子を助け出す事は出来るかもしれんが、奴らは兎に角しつこい。
強力で協力的な後ろ楯も居らんお前さんが1人でどうこう出来る事では無いぞ?」
カキ…
「…それでも、僕には美幸しか居ないんだ…」
「…そうか、それなら止めはせん。」
「ほぅ、様になってるじゃないか。
その″非殺傷スタンアーマー″とやらは。
最近まで手伝ってくれてたバト、ルド、ロイにも見せてやりたかったなぁ。」
「あのお三方は【技士】でありながら、ドワーフ国三強ですからね。
フリアダビア奪還には無くてはならない貴重な戦力です。仕方ありませんよ。」
グッ。バチチチチチッ!
青年はそう言いつつ装着したガントレットの拳を握る。
するとその拳から放電が起こったのであった。
「おー恐っ。
非殺傷とは言え、大型のモンスターを一撃で気絶させれる程の電圧に調整してあっから、取り扱いには十分注意するんだぞぅ?」
「えぇ、勿論。」
「ほんじゃあ″悠″、短いあ『バァンッ!』「お、おいゴンズ!大変だぁっ!」だーっ!うっせぇなぁっ!今感動的な別れの流れに入る所だったのによぉっ!」
「ははは…」
ドワーフのゴンズが言う様に、何やら感動的な一言を言って旅立つ青年″悠″を送り出そうとしたが、工房の扉を蹴破らんばかりの勢いで別のドワーフが入ってきた。
しんみりとしそうな雰囲気が霧散した為、悠は思わず苦笑いが出てしまった。
「…で、何だ?そんなに慌てて。」
「ユウも居るなら丁度良い!
良いか?落ち着いて聞けよ?ユウがこれから向かおうとしていたフリアダビア前哨基地が奪還されたと報告が入ってきた!」
「ええっ!?」
「馬鹿言え!
バト、ルド、ロイ程では無いが、俺含めウチの精鋭が何人も参加して奪還は到底不可能と言わしめたフリアダビア前哨基地が奪還されただと!?」
ゴンズはノアの3つ前に腕っぷしに自信のある精鋭を引き連れてフリアダビアへと向かった。
だが殆ど防戦一方となり、敢えなく引き返す事となったのである。
喜ばしい事ではあるが、悠にとってタイミングが悪かった。
今までヒュマノ聖王国の監視下に居た美幸が取り巻き2人だけを連れて国を離れたのだ。
その機に乗じて美幸に接触を図ろうとした悠にとってある意味絶望的な報せとなった。
「そ、そんな…」
出立目前だった悠の声音は弱々しくなり、ただただ呆然と突っ立っていた。
「…おいドル、その報告の詳細を聞きたいんだが、他に何か情報は無いか?」
「え?
…あぁ…直接的に敵の親玉を倒したのは【暗殺】の男女なんだが、実質的に大功を上げたのは『黒い二刀』の少年とその契約獣らしく、ユウが探してたミユキって【勇者】の名前は上がってない。
寧ろヒュマノの取り巻き2人は戦死し、【勇者】の方も敵から受けた傷で生死不明だったり行方不明だったりって噂だぜ!」
「っ…」
ドワーフの報告を聞き、益々顔色を悪くする悠。
と
バシッ!
「痛っ!?」
「なーに暗い顔してんだユウ!寧ろ好機と捉えろぃ!」
「こ、好機って…」
「ヒュマノっつう国は兎に角自己中心的な奴らばかりじゃからフリアダビア奪還の戦果を我が物顔で利用するハズじゃ。
今すぐヒュマノ…はダメだ、獣人国に向かい機を窺え!
ヒュマノとは目と鼻の先にある故情報には事欠かんじゃろ。
つーか手が1つ潰れた位で思考停止すんじゃねぇ!そんなんじゃこの世界で生きていく事は出来んぞ!」
ヒュマノの今後の動きを想像しつつ悠に道を示し、檄を飛ばすゴンズ。
悠の身寄りとして少しの間接した事で、我が子を思う親心の様なモノが芽生えていたのだろう。
「…うん、そうだね。
ごめん、頭が真っ白になってた。
こんなんじゃ美幸を助けるなんて夢のまた夢だったよ。
一先ず情報が錯綜しているみたいだし、僕なりに情報を集めつつ獣人国に向かうとするよ。」
「おぅ、そうすると良い。
それと儂から餞別として『削岩土竜(サクガンモグラ)』のリドルを連れて行くと良い。
何かと力になってくれるだろう。」
「ありがとうございます親方。
このご恩は「待て待て、礼は全て片付いてからで良い。
それより他に言う事があるだろう?」
頭を下げようとした悠を手で制すゴンズ。
「…行ってきます、親方。」
「おぅ、行ってこい。
外で変な奴に捕まんじゃねぇぞ?」
「はい。」
~そして現在~
「いやぁ、たまげた、たまげた!
スロア領で旅支度してたら馬鹿デカい声が聞こえてくっから何事かー思ったら国交式典となっ!
しかも新種族と来たもんだ!(バト)」
「老い先短いが、こうして新たな出会いが出来るとは心が踊るのぅ。(ルド)」
「ほんに坊と居ると面白い事が立て続けに起こるのぅ、ガハハ!(ロイ)」
「まさか今の時分で新種族に出会すなんて貴重な体験、森を出なかったら出来なかったわぁ…(エスメラルダ)」
「それでスロア領からやって来たのは分かるけど、まだ2週間も先だよ?それまで何してんの?」
「「「「待つ!(ドワーフとエルフ)」」」」
「あ、そうですか…」
夜が明け、朝ご飯を食べに街を彷徨いているとスロア領からドワーフ3人組とエルフのエスメラルダがやって来ていた。
理由は前日の国交樹立式典の報せがスロア領でも聞こえたらしく、スロア領での仕事が終わったのでどこか新天地へ向かおうとしたが取り止めて獣人国を訪れたのだと言う。
「とは言え、僕も2週間後まで何してよう…
ヴァモスに訓練をしてあげるのと…『ツンツン…』…ん?…ん?」
2週間後の式典まで何してようか思案していると、足首をつつかれる感触を覚える。
気になったノアは足下を見ると、影からヴァンディットの手が伸び、ある方向を指差していた。
「ちょ、ちょっとお嬢さん、離してくれないかな…?」
「良いじゃないですか、ちょっとで良いのでそのガントレットとレギンスを見せて下さいよぉ~。(ラインハード)」ハァハァ…
キュ、キュキュキュ…キュキュゥ…オロオロ…
ノアの見た光景は、ゴツいガントレットとレギンスを装備した青年にしがみ付く鼻息荒いラインハードと、青年の足にしがみ付いた少女に困った様子の巨大なモグラであった。
カッカッカッカッ…
「…よし出来た。親方、どうでしょうか。」
「どれどれ…
ふむ、ええと思うぞ。
実際に装着してみて使用感を確かめてみるとええ。」
「はい!」
工房の一室では人族の青年が何やら製作しており、その前では親方と呼ばれたドワーフが仁王立ちして腕組みしていた。
青年の手元を見ると、ガントレットとゴツいレギンスが置かれていた。
細かく見てみると、どちらも機械仕掛けが施されており、何とも少年心を擽る造りをしていた。
「行き倒れていたお前さんがここに居着いてもう3ヵ月か、早ぇもんだなぁ。
手に職をなーんもつけてなかったから【技士】としての技術を叩き込んでやったが、悉く吸収しやがって。
お陰で毎日楽しかったぜ。」
「″こっち″に身寄りの無い僕に色々と助力して戴いたゴンズさん(親方の名前)含めドワーフの皆様には大変感謝しています。」
カチャカチャ…
「…にしても、何度聞いても不憫な話だぜ。
ヒュマノの連中に無理矢理喚び出されただけでなく、【勇者】じゃないからと追い出されたなんてな…
しかもお前さんの恋人、ミユキっつったか。
その娘っ子が【召喚勇者】としてヒュマノに実質囚われの身になってるったぁな…」
「でも漸くチャンスが巡って来ました。
″美幸″はヒュマノを離れ、フリアダビアに居ます!
準備出来次第ここを発って美幸を助「助けた後はどうするつもりじゃ?」…っ…」
親方の言葉に、ガントレットを装着していた青年の手が止まる。
「ヒュマノの連中1人1人は取るに足らん者ばかりじゃが、腐っても大国じゃ。
その場で娘っ子を助け出す事は出来るかもしれんが、奴らは兎に角しつこい。
強力で協力的な後ろ楯も居らんお前さんが1人でどうこう出来る事では無いぞ?」
カキ…
「…それでも、僕には美幸しか居ないんだ…」
「…そうか、それなら止めはせん。」
「ほぅ、様になってるじゃないか。
その″非殺傷スタンアーマー″とやらは。
最近まで手伝ってくれてたバト、ルド、ロイにも見せてやりたかったなぁ。」
「あのお三方は【技士】でありながら、ドワーフ国三強ですからね。
フリアダビア奪還には無くてはならない貴重な戦力です。仕方ありませんよ。」
グッ。バチチチチチッ!
青年はそう言いつつ装着したガントレットの拳を握る。
するとその拳から放電が起こったのであった。
「おー恐っ。
非殺傷とは言え、大型のモンスターを一撃で気絶させれる程の電圧に調整してあっから、取り扱いには十分注意するんだぞぅ?」
「えぇ、勿論。」
「ほんじゃあ″悠″、短いあ『バァンッ!』「お、おいゴンズ!大変だぁっ!」だーっ!うっせぇなぁっ!今感動的な別れの流れに入る所だったのによぉっ!」
「ははは…」
ドワーフのゴンズが言う様に、何やら感動的な一言を言って旅立つ青年″悠″を送り出そうとしたが、工房の扉を蹴破らんばかりの勢いで別のドワーフが入ってきた。
しんみりとしそうな雰囲気が霧散した為、悠は思わず苦笑いが出てしまった。
「…で、何だ?そんなに慌てて。」
「ユウも居るなら丁度良い!
良いか?落ち着いて聞けよ?ユウがこれから向かおうとしていたフリアダビア前哨基地が奪還されたと報告が入ってきた!」
「ええっ!?」
「馬鹿言え!
バト、ルド、ロイ程では無いが、俺含めウチの精鋭が何人も参加して奪還は到底不可能と言わしめたフリアダビア前哨基地が奪還されただと!?」
ゴンズはノアの3つ前に腕っぷしに自信のある精鋭を引き連れてフリアダビアへと向かった。
だが殆ど防戦一方となり、敢えなく引き返す事となったのである。
喜ばしい事ではあるが、悠にとってタイミングが悪かった。
今までヒュマノ聖王国の監視下に居た美幸が取り巻き2人だけを連れて国を離れたのだ。
その機に乗じて美幸に接触を図ろうとした悠にとってある意味絶望的な報せとなった。
「そ、そんな…」
出立目前だった悠の声音は弱々しくなり、ただただ呆然と突っ立っていた。
「…おいドル、その報告の詳細を聞きたいんだが、他に何か情報は無いか?」
「え?
…あぁ…直接的に敵の親玉を倒したのは【暗殺】の男女なんだが、実質的に大功を上げたのは『黒い二刀』の少年とその契約獣らしく、ユウが探してたミユキって【勇者】の名前は上がってない。
寧ろヒュマノの取り巻き2人は戦死し、【勇者】の方も敵から受けた傷で生死不明だったり行方不明だったりって噂だぜ!」
「っ…」
ドワーフの報告を聞き、益々顔色を悪くする悠。
と
バシッ!
「痛っ!?」
「なーに暗い顔してんだユウ!寧ろ好機と捉えろぃ!」
「こ、好機って…」
「ヒュマノっつう国は兎に角自己中心的な奴らばかりじゃからフリアダビア奪還の戦果を我が物顔で利用するハズじゃ。
今すぐヒュマノ…はダメだ、獣人国に向かい機を窺え!
ヒュマノとは目と鼻の先にある故情報には事欠かんじゃろ。
つーか手が1つ潰れた位で思考停止すんじゃねぇ!そんなんじゃこの世界で生きていく事は出来んぞ!」
ヒュマノの今後の動きを想像しつつ悠に道を示し、檄を飛ばすゴンズ。
悠の身寄りとして少しの間接した事で、我が子を思う親心の様なモノが芽生えていたのだろう。
「…うん、そうだね。
ごめん、頭が真っ白になってた。
こんなんじゃ美幸を助けるなんて夢のまた夢だったよ。
一先ず情報が錯綜しているみたいだし、僕なりに情報を集めつつ獣人国に向かうとするよ。」
「おぅ、そうすると良い。
それと儂から餞別として『削岩土竜(サクガンモグラ)』のリドルを連れて行くと良い。
何かと力になってくれるだろう。」
「ありがとうございます親方。
このご恩は「待て待て、礼は全て片付いてからで良い。
それより他に言う事があるだろう?」
頭を下げようとした悠を手で制すゴンズ。
「…行ってきます、親方。」
「おぅ、行ってこい。
外で変な奴に捕まんじゃねぇぞ?」
「はい。」
~そして現在~
「いやぁ、たまげた、たまげた!
スロア領で旅支度してたら馬鹿デカい声が聞こえてくっから何事かー思ったら国交式典となっ!
しかも新種族と来たもんだ!(バト)」
「老い先短いが、こうして新たな出会いが出来るとは心が踊るのぅ。(ルド)」
「ほんに坊と居ると面白い事が立て続けに起こるのぅ、ガハハ!(ロイ)」
「まさか今の時分で新種族に出会すなんて貴重な体験、森を出なかったら出来なかったわぁ…(エスメラルダ)」
「それでスロア領からやって来たのは分かるけど、まだ2週間も先だよ?それまで何してんの?」
「「「「待つ!(ドワーフとエルフ)」」」」
「あ、そうですか…」
夜が明け、朝ご飯を食べに街を彷徨いているとスロア領からドワーフ3人組とエルフのエスメラルダがやって来ていた。
理由は前日の国交樹立式典の報せがスロア領でも聞こえたらしく、スロア領での仕事が終わったのでどこか新天地へ向かおうとしたが取り止めて獣人国を訪れたのだと言う。
「とは言え、僕も2週間後まで何してよう…
ヴァモスに訓練をしてあげるのと…『ツンツン…』…ん?…ん?」
2週間後の式典まで何してようか思案していると、足首をつつかれる感触を覚える。
気になったノアは足下を見ると、影からヴァンディットの手が伸び、ある方向を指差していた。
「ちょ、ちょっとお嬢さん、離してくれないかな…?」
「良いじゃないですか、ちょっとで良いのでそのガントレットとレギンスを見せて下さいよぉ~。(ラインハード)」ハァハァ…
キュ、キュキュキュ…キュキュゥ…オロオロ…
ノアの見た光景は、ゴツいガントレットとレギンスを装備した青年にしがみ付く鼻息荒いラインハードと、青年の足にしがみ付いた少女に困った様子の巨大なモグラであった。
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