ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

その手の話を聞きたいんじゃったら、儂らよかこの坊に聞いた方がええど。

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 「さ、ラインハードさん謝りましょうね。」

「ごめんなさいでした。(ラインハード)」


青年の足から引き剥がされた途端我に返ったラインハードは、ノアに促されつつ頭を下げた。
一応ラインハードは年上であるハズなのだが、端から見たらただの兄妹である。


「あ、いやいや、何か物凄い力でしがみ付いてきたからビックリしちゃっただけだよ。(悠)」

キュキュキュ。 


良く見ると青年の腕にはラインハードにがっちり掴まれた時の手の痕が残っており、なかなかな力で掴まれた事が窺える。




スッ…

「この度はとんだ御無礼をはたらいてしまい誠に申し訳ありませんでした。
今は亡きネウトロメカニコ(機兵中立国)を代表して女王ラインハードより謝罪致します。(ラインハード)」


~間~


「ははっ、面白い子ですね~。(悠)」

「でしょう?」

「え!?ちょ、こちらの御方は良いとして、せめてノア君は肯定して下さいよぉ!(ラインハード)」ポカポカ


ワンピースの裾を摘まんで恭しく頭を下げつつ名乗りを挙げるラインハードだが、少女姿である為、お姫様ごっこにしか見えないのだ。

ノアの腰の辺りをポカポカ叩く事でより子供感が増すラインハードを尻目にノアが青年に向かって自己紹介を行う。


「僕は新…じゃなかった、中級冒険者のノア。
この子は旅に同行するお仲間さんです。」

「ご丁寧にどうも、僕はユウ。
ちょっと用事があってこの国にやって来た者で、冒険者では無く、どちらかと言えば【技士】に近いかな。
隣に居る黒くてデカいのは僕の相棒『削岩土竜(サクガンモグラ)』のリドルだ。
普段は地面の下に居るんだが、自己紹介の為に残ってくれた様だ。(悠)」

キュキュ、キューキュキュ。

「…え?″それもあるけど、地面の下怖い人居るから暫く外に居る″?
まぁ良いけど…(悠)」

(″怖い人″…?グリードの事かな…?)


体長2メルを越える黒い体毛のモグラ。
てっきり獣人かと思ったが、れっきとした″モグラ″だそうだ。

と、ノアと青年の自己紹介終わった直後、ノアの背後からデカい声が響いてきた。


「あらぁ!?ユウでねぇか!
1ヵ月振りじゃのぅ!フェレイロを出て来たんか!(バト)」

「つー事は今身に付けておる装備が完成品じゃな?そうか、完成にこぎつけたか!(ルド)」

「はっはー、ここで会うたのも何かの縁じゃ!
後で整備しちゃろか?(ロイ)」

「バ、バトさん!?それにルドさんとロイさんまで!?
え??今フリアダビアで復興に努めてるんじゃないの!?」

「あら?お知り合いでしたか。」


ドワーフ3人組と青年は知り合いだったらしく、ノア達が居る事も忘れて暫し話込んでいた。





「え?つまりフリアダビアで復興の手助けをした後にこっちでもとある依頼の為にやって来て、で、今は獣人国でこちらのエルフさんと共に行動中って事ですか?(悠)」

「あぁ。色々とはしょってはいるが概ねそんな感じだ。(バト)」

「お前さん聞かんかったか?
2週間後に新種族との国交式典が行われるんだとよ。(ロイ)」

「え!?そうなんですか!?
…あ、そういえば昨日何処からともなく大声が聞こえてきてた様な…(悠)」


どうやら青年は今しがた獣人国に訪れた様で、式典の事を知らなかった様子。


「…と、そうだ皆さん!
さっきの話だと、ここ最近この国の周辺に居たんですよね?(悠)」

「「「おぉ、居ったど。(ドワーフ3人組)」」」

「詳しくは後で話しますが、この国の目と鼻の先にあるヒュマノに関する情報が欲しいんです。
何か知っている事、見聞きした事、噂程度でも良いので教えてくれませんか?(悠)」


青年悠がドワーフの国フェレイロを出てから今の今まで、自分なりに商人や冒険者等から情報を集めていたが、悠の思っていた以上にヒュマノと言う国は嫌われていて、情報云々の前に悪口から始まる為、有用な情報が一切入ってこなかったのである。

なので遠く離れた獣人国で既知の仲であるドワーフ3人組に出会えた青年にとっては、藁にもすがる気持ちでいたのだが


「「「その手の話を聞きたいんじゃったら、儂らよかこの坊に聞いた方がええど。(ドワーフ3人組)」」」

「え?(悠)」

「え?そこで僕に振る?」


3人共ノアの方を指差して話をぶん投げてきた。
何なら後ろで黙って事の成り行きを見守っていたエスメラルダやラインハードもウンウンと頷いていた。


「ちょ…お三方、情報が無いからってこんな子に話を振るのはどうかと思いますよ…?(悠)」

「本当じゃて!
何せこの坊は「待った。」


何か言い掛けたバドを手で制すノア。


「ここでは何だし、場所移しましょうか。」


わき道に入っているとは言え、ノア達が居るのは大通りの直ぐ近く。
一体誰が耳を立てているかも分からないので、ノアは一行を伴って防壁の方へと向かった。





「すいません兵士さん、上に上がらせて頂いても良いですか?」

「お、これはノア殿。
えぇどうぞ、上には見張り位しか居ませんのでどうぞご自由に。」


兵士の許可を得て防壁の上へと向かう一行。
防衛の要とも言える防壁の上に、一冒険者であるノアを顔パスで上がらせてくれた事に違和感を覚える悠であったが、一先ず黙ってノアの後を着いていく事にした。


スタスタスタスタ…

「時にユウさん、でしたか。
何故ヒュマノの情報が欲しいのですか?」

「えっと…実は人探しをしてて…日ほ…故郷で恋人同士だったんだけど、色々あって離れ離れになってしまったんだ。
その子はヒュマノととても関わりが深いから、隣国の獣人国なら色々と情報が入って来てないかな…とね…」

「人探しで恋人ですか…」

「…約1ヵ月前、バドさんとルドさんとロイさんのお三方がフリアダビアに向けて旅立たれた後、たまたま参加者リストに目をやったら″ミユキ″ってはっきり書かれていたんだ。
「「「「ん?」」」」それを見てから居ても立…って、どうしたんですか…?(悠)」


悠の話を聞いていたノア、バド、ルド、ロイは、聞き馴染みのある名前に、思わず歩みを止めた。


「おいユウ、お前さん今何つった?(バト)」

「え?(悠)」

「ミユキつったか?(ルド)」

「あ、はい。(悠)」

「え?じゃあお前さんがドワーフ国に居た時に言ってた″探し人″ってその娘っ子の事だったんか?(ロイ)」

「はい!え?もしや美幸の事を知っているのですか!?(悠)」

「「「その手の話を聞きたいんじゃったら、儂らよかこの坊に聞いた方がええど。(ドワーフ3人組)」」」

「そうですね。」

「えっ!?何で!?(悠)」
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