ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

やっぱりね、って話。

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【男色家】…戦闘対象が男もしくはオスの場合全ステータスが上昇する。
又、″好み″が合えば更に上乗せで上昇。

適正の儀を受けた際に、主催者から「あっ…」と言われる数少ない適正であり、本人の意向で表での適正名称を変更する事が出来る。

ゲイリーの場合本人も認めている事から表でも【男色家】と名乗っている。
武器は長棍『鬼棍棒』。



「俺は【男色家】ゲイリーパイルバンカー!
別に君の命を取りに来た訳では無く、単に殺害対象が″男の子″だったから来ただけさ!
しかも、聞く所によると相手は新人冒険者と言う穢れのない存在でありながら【鬼神】と言う何とも荒々しい二つ名をお持ちの少年じゃないか!
そんなん、もう興奮しちゃうじゃないか!
どんな、あ、一体どんな男の子か興味すぃんすぃんさ!
年相応な無垢な一面もありつつ荒々しい感じが何とも俺好み!
っつー訳で手合わせ願おうかぁッ!(【男色家】ゲイリー)」


妙に熱の籠った視線でノアの体を舐め回す様に見つつ、フンハフンハ鼻息荒く、捲し立てる様に自己紹介をするゲイリーであった。


「ハナさん居るー?」キョロキョロ…

「おぅおぅメス呼ぼうとすんなっ!
都合良くこの辺には誰も居ないんだから余計な事すんなって。(【男色家】ゲイリー)」

「だって殺しに来た訳じゃないなら僕があなたと戦う理由はありませんよ。」


確かにゲイリーからは特に敵意が感じられず、ノア自身先程まで抜いていた荒鬼神ノ化身を腰に戻している。


「戦うのに理由が必要か?
俺にとっては好みの男の子が俺を嬲る為に奮闘する姿は御褒美に「尚更戦いたくないわ。」


明確な理由が無ければノアとしては戦うつもりは無い。
下手に仕掛ければ、それはゲイリーを悦ばせるだけになってしまうからだ。


「なら理由を作ろうか。(【男色家】ゲイリー)」

「どうやってです?」

「君、彼女が2人居るよね?(【男色家】ゲイリー)」

ふるふる…(長棍を振る音)

「…居ますよ…」

「戦ってくれないなら、そのメスに酷い事しちゃうよ?(【男色家】ゲイリー)」

ぷるぷる…(長棍を振る音)

「一体何を…
ってかその長棍振るの止めてくれませんか…?」

「ナニをしちゃおうかねぇ…(【男色家】ゲイリー)」

ぶるんぶるんぶるんぶるん…(長棍を振る音)

スラッ…

「…やってやろうじゃないですか。
理由目的だとしても僕の愛する女性を山車に使った事、許すつもりはありませんよ。」

ブォンブォンブォンブォンブォン!

「良いねぇその半キレ気味な目。
ゾクゾクしちゃうよ…(【男色家】ゲイリー)」


ノアは荒鬼神ノ化身を抜き、ゲイリーは長棍を回転させ腰だめにして構え体勢を整えた。





~北門・防壁上~

『何でか知らんが【暗器弓】の命が戦線から離脱!
残ってんのは男好きだけだ!どんどん行け!(【計測】傭兵)』


北門の防壁上では、【計測】の傭兵が状況を確認しつつ未だに指示を飛ばしていた。

その背後では


「″愛する女性を″だってさ。
それを面と向かって言ってあげたら良いのに。(レドリック)」

「ねぇ、恥ずかしがり屋さんめ。
口下手な息子に代わって後で伝えといてあげましょ。(アミスティア)」

「そだな。(レドリック)」



奮闘する息子を暖かい目で見守るレドリックとアミスティアの姿があった。


「あ、あの、何もしないなら何処か別の場所に行ってくれませんか…?
気が散って気が散って…(【計測】傭兵)」

「あらごめんなさいね。(アミスティア)」

「それよりも君、俺らじゃなくてもう少し周りを見ると良いぞ?(レドリック)」

「え?『キョロキョロ…』おわっ!?
何だアンタ!?(【計測】傭兵)」

「こんな馬鹿げた催し物は終了だ。
【鬼神】を殺害した所でお前達の懐には1ガルたりとも入ってこないぞ。(ゼラ)」


【計測】の傭兵の隣に立っていたのは、先日ゴーマン指示の下、獣人国に侵入しようとしてノアによって捕らえられた『闇夜』のリーダーのゼラであった。





~6時間前・ゴーマン邸~


ガチャ…

「只今戻りました、ゴーマン様。(執事)」

「ふん、遅かったではないか。(ゴーマン)」

「殺害依頼の参加人数が多く、数を把握するのに手間取ってしまい、ギルドに併設されている宿に泊まる羽目になりました…(執事)」


邸宅へと戻った来た執事だが、帰りの遅さにゴーマンは不満げな様子。


「ふむ、まぁ良い。
馬車を待たせておる故、私はここを出るぞ。
直ぐにでもここを発ち、″デモニオ″向かうからな。(ゴーマン)」

「は…?″デモニオ″に御座いますか?(執事)」

「あぁ、なんでも私の発明品のアイデアを高く評価していてな。
あちらに亡命すれば資金と人材を出し、援助する、と言って来たのだ。
この誘いを受けない手はないだろう?(ゴーマン)」

「さ、左様ですか。
では途中で報酬金の受け渡しをしに獣人国へ「はっ!そんな事せんで良い。元々踏み倒すつもりであったしな。(ゴーマン)」

「…は?(執事)」

「傭兵はあくまで暗部と【鬼神】のガキの足止め要員よ。
どうせ傭兵ごときでは勝てぬであろうしな。
ならば私が″デモニオ″に着くまでの時間稼ぎに使わせて貰う。(ゴーマン)」


やはりと言うべきか、ゴーマンは殺害依頼を出させた挙げ句、傭兵部隊を獣人国の暗部とノアの足止めとして利用するのが本来の目的であった。


「お主は黙って私に着いてきた方が身の為だぞ?
何せ依頼は私では無く、お前が″勝手に″出したのだからな。(ゴーマン)」

「んなっ…!?(執事)」


ここに来てゴーマンは、【鬼神】殺害を指示した覚えは無く、執事が勝手に行ったモノだとした。

確かに執事自身が依頼を出し、依頼に事細かな指示を出したのも執事自身である。

が、ゴーマン男爵の印章が依頼書に押されている為、ゴーマンも罪に問われるのは明白である。


「お前は″私の代わりに【鬼神】殺害依頼出し、罪の重さに耐えきれなくなり、ここで自決する。″
と言うシナリオだ。
精々最後まで私の為に働いてくれよ?(ゴーマン)」

スラッ…


そう言い放つとゴーマンは腰に差していた細剣を抜き放ち、執事に斬り掛かった。


パシッ。

「へ?(ゴーマン)」

「どうせそんな事だろうと思ったわよ。(???)」

ガッ!「へぇあ!?」グリッ!ズダンッ!


剣を受け止められたゴーマンはマヌケな声を上げながら組伏せられ、机に顔を強打した。


ブンブンブン…

「残念、私は執事では無く王都の諜報員の者です。(探)」


執事(?)が顔を振ると、黒装束を身に纏った女性(探)が姿を現す。
だがその表情はフードに隠され、確認出来なかった。


「言質は取ったし、証拠となる物は既に確保してある。言い逃れ出来ないわよ?(探)」

「糞っ!糞糞糞糞糞糞っ!
おい誰ぞ来い!不届き者が出たぞ!(ゴーマン)」


組伏せられているゴーマンだが、喚き散らして私兵を呼ぶ。
だが私室の扉を開けて入ってきたのは


ガチャ…

「この部屋に来る者は誰も居ないぞ。(ゼラ)」

「ゼ、ゼラ!?貴様生きておったのか!
こんの、ノコノコと戻って来おって!(ゴーマン)」

「″罪の意識があって償うつもりがあるなら協力しろ″と【鬼神】に諭され、この者達に情報を渡したまで。(ゼラ)」

「お前達の主は私だぞ!?(ゴーマン)」

「元より消すつもりだったのに良く言う…
ちなみに本当の執事も俺達寄りだ。
もうアンタに味方する者は居ない。(ゼラ)」

「じゃあゼラっちゃん、ここは私に任せて良いから獣人国に戻って傭兵達に知らせてきて。
多分大丈夫だと思うけど【鬼神】君が大変だろうから。(探)」

「ゼラっちゃん…
分かった、従おう。(ゼラ)」


そして話は現在に戻るのであった。
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