ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

ヤンのネーミングセンス

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ザザ~ン…ふよふよ…

にゃ~ご。


縁側で寝転ぶ猫の様な姿で海面を漂いつつ日光浴をしているネコクラゲ(仮称)。

体の95%が水で出来ており、ほぼほぼ透明な見た目ながら特徴的な猫耳とヒゲを形成し、間延びした声を発している為、残りの5%が猫なのだろう、と思われているが、実際の所よく分かっていない。

海面を漂っている時、体はポチャポチャとしているが、多少脱水すればナタデココ位の固さになるので地上を歩く事も可能。

そんな生態がよく分かっていないネコクラゲ(仮称)に忍び寄る影があった。


ゆらっ…

シュビビビッ!


普段は群れの1尾が海底に噛み付き、その1尾に次々と噛み付いて海藻に擬態している″ミミックリィ・ピラニア″。

感知範囲内に獲物となるモンスターが侵入してきた為、一斉に海底を離れて海面を目指す。

″ミミックリィ・ピラニア″は掌サイズでありながら、非常に獰猛で素早く、回避能力も高いので新人冒険者単体では対処が難しい事だろう。

つまり1度でも目を付けられたらそれ相応の覚悟が必要である。

だがそんな中


にゃ~ご。ふよふよ…


ネコクラゲ(仮称)はまるで気付いていないかの様に海面を漂っていた。

そこに


シャァアアアアッ!

ジュォッ!ジュォオオッ!ジュッ!ジュアッ!


″ミミックリィ・ピラニア″がネコクラゲ(仮称)に食らい付こうとするが、体表に触れるや否やあっという間に体が白煙を上げて溶解していきネコクラゲ(仮称)に吸収されていった。


にゃ~ご。





「「ひ、ひぇえええ…(ヤンとラビッツ)」」

「ほ、捕食(?)している所を初めて見ましたが、恐ろしい溶解毒を持っている様ですね…(セレイア)」

「色んなモンスターを吸収しているのでしょう、そのモンスター達から得た毒を自身で利用しているみたいですね…」


ネコクラゲ(仮称)から離れた所に居た一行は、目の前で行われた光景に固まっていた。

愛くるしい見た目に反して恐ろしい能力が備わっていた為、ある意味このモンスターも初見殺しと言えるだろう。

しかもこのネコクラゲ(仮称)に触れる事が出来るのが、唯一耐性があるノアだけなのであった。


ぶにょん。にゃ~ご。

ぶにょぶにょ…にゃ~ご。

モチモチモチモチ…にゃ~ご。

「あああ、この触り心地堪らない!
これだけ触ってるのに″にゃ~ご″の一本調子な反応なのが何とも言えない!」シュゥウウ…

にゃ~ご。

「白煙上げながら抱き付かないの、ノア君!
…でも少し羨ましい…(ラビッツ)」

「くっ、私にもっと<毒耐性>があれば…(ヤン)」


<毒耐性>とネコクラゲ(仮称)の持つ毒が拮抗しているのか、白煙が上がってはいるがノアの体表には影響出ていない様子。

ネコクラゲ(仮称)を可愛がるノアに、触れる事も出来ない3人は何処と無く悔しがっていた。

するとセレイアからこんな提案が。


「随分お気に召したご様子。
もし良ければこのモンスターの″名付け″をしてみますか?(セレイア)」

「ん?″名付け″?ペットとしてですか?」

「いえいえ、モンスター自体の名称です。
″ネコクラゲ″と言う名前もあくまで″仮称″ですし。(セレイア)」


セレイアからの提案はこのネコクラゲ(仮称)の名前ではなくモンスター種としての名付けであった。


「実は第一印象から僕の中でこのモンスターの呼び名が決まってたんですよ。
もし飼うならこんな名前かな~、って感じで。」

「「え!?どんな?どんな?(ヤンとラビッツ)」」

「″ニャーゴ″。」

「「「あー。(ヤンとラビッツとセレイア)」」」


即行で決まった。



ネコクラゲ(仮称)改めニャーゴ…95%が水分、5%が猫で構成された特殊なモンスター。

体の構成はクラゲに似てて、特性はスライムに似てて、性格と見た目はまんま猫である。

好みが合えば人懐っこくなり、ペットの様に飼う事すら可能だが、生物濃縮の影響で体全体に毒が回っているので飼うのは至難である。



「ではその名前で今後このモンスターを呼ぶ事にしますね。(セレイア)」

「メモメモ…(ラビッツ)」


即行で名付けが決まった直後、ノアの脳内に色々と情報が流れ込んできた。



スキル<契約>により正規の契約手順を踏んだ事で『ニャーゴ』と主従契約を結びました。



「え?」

(『え?』)



相手の『ニャーゴ』も主人であるあなたを気に入っている様子。
しっかり可愛がってあげましょう。



「どうしたの?ノア君?(ヤン)」
「どうしましたノア君?(ラビッツ)」
「どうされました?(セレイア)」

「…何かこの子と″主従契約″結ばれちゃいました。」

「「「えええーっ!?(ヤンとラビッツとセレイア)」」」

にゃ~お。





チャポ…チャポ…

「えー、とりあえずこれからよろしくね、″ニャーゴ″。」シュゥウウ…

にゃ~お。

「良いなぁ~、その子と<契約>出来て。
どうしよう、<毒耐性>上げて私も<契約>しようかな…(ヤン)」

「でもその子、毒が凄いんですよね?
今もノア君の背中から白煙上がってますし…(ラビッツ)」

「そうなんですよね。
僕は大丈夫ですけど、街に戻ったらかなり気を付けないといけませんね…
なぁニャーゴ?君の体に回ってる毒、後で抜かせて貰っても良いかな?」

にゃにゃ、にゃ~お。ブルブル…

「お?」


言葉は悪いがニャーゴは毒の塊そのものである。
今はまだ良いが、街に戻ればその影響は計り知れない。

なのでヴァンディットと協力して早々に毒を抜く必要があるだろう。

念の為ニャーゴに確認を取って同意を得ようとすると、何やら言いたげな様子のニャーゴが身震いさせると


シュゥッ!にゃ~お。

「あれ?白煙が止まった…それに首に紫のチョーカーが…もしかして…?」

ぶにょんぶにょん。


ブルブルと身震いした直後ニャーゴの首元に首輪の様に型取られた紫色のチョーカーが形成された。
それと同時にずっとノアから立ち昇っていた白煙が止まったのである。

ノアが思わずニャーゴに触れて確認してみると、自身の持つ<毒耐性>が一切反応しなかったのである。


「…もしかしてその首元の所に毒を集めたのかい?」

にゃ~お。


″そうだよ″とでも言いたげに答えたニャーゴ。
どうやら全身の毒を首元にして首輪の様に形成した様だ。中々に器用だ。

すると


「…という訳で…(ヤン)」スッ…

にゃん。スカッ。

「いざ…(ラビッツ)」スッ…

にゃん。スカッ。


満を持してニャーゴに触れようとしたヤンとラビッツだが、伸ばした手は悉くニャーゴに避けられてしまった。

その間ニャーゴの足下に居るノアはキャットウォークの如く踏まれ続けたが、悪い気はしなかった。





そんな事を続けていたが唐突に


ボゴンッ!ボゴボゴッ…

「この音は!?(ラビッツ)」

「下からね!さっきセレイアさんが言ってた赤珊瑚何とかって奴!?(ヤン)」

「いえ、それにしては反応が小さい…
と言ってもコイツも直径20メル位あるデカい奴ですけどね!」

「ん?直径…?あ、アイツだ!?(ヤン)」

「アイツって?」

「これも明確に名前が決まってなかったのでヤンさんが仮で命名した″ライトニングレーザー搭載オカヤドカリ″ですね。(セレイア)」

「あぁ、取って付けた感のある名前のモンスターですね?」

「ちょ、サラッと酷くない!?(ヤン)」


海底の方から岩を砕く様な鈍い音が響く。
てっきりセレイアの言っていた″赤珊瑚将軍″かと思われたが、それにしてはサイズが小さい。


ボチャンッ!ボチャボチャ、ボロボロ…


色々と憶測を立てつつもそれはドンドンと海面へと浮上。
ボロボロと音を立てて岩山の塊が姿を現した。



投稿遅れたので出来れば今日中にもう1話投稿します。
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