ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

見世物じゃない。

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「あ、クロラだー。(ユカリ)」

「あ、ユカリちゃんにハクアちゃん。(クロラ)」

「クロラもノア君の特訓見に来たんだよね?
まぁあれだけ街で噂になってれば仕方無いか。(ハクア)」

「前から話には聞いてたけど、実際どんな事やってたかまでは知らなかったから、興味本意で来ちゃいました…(クロラ)」


クロラ含めたパーティが″滅びの森″付近を歩いていると、同郷のハクアとユカリに出会した。

というか、この場に集まった者達はほぼ全員、ノアが行うという特訓が目的でやって来た。

単純に興味本意で来た者、ノアの強さの秘密を暴いて自身の物にしようと画策する者、記事にする者(ラビッツ)など様々である。

皆律儀に3人が立てた旗の所で立ち止まり、観戦を行うつもりであったが、直ぐに彼らは大きく後退せざるを得なくなる状況に陥る事となる。





ジャリ…

「さて、そろそろ良いんじゃないか?(レドリック)」

「それもそうね、ノアちゃん準備は良い?(アミスティア)」

「勿論。」

「それじゃあ今から3日3晩、俺達2人のどちらかが戦闘不能になるか、ノアが負けを認めるまで戦闘は続行。
範囲はさっきの旗印~反対側にある森まで。大体直径500メル内。
モンスターの遭遇は必至だが、倒すも逃がすも利用するのもそれは各々の判断に任せる。
飯も適当に済ませる事。(レドリック)」

「手足が千切れたり、大きな血管を傷付けたら10秒あげるからその間に何とかなさいね?(アミスティア)」

「…了解。」


と、恐らく訓練開始前のルール説明と注意事項(?)を周知させる両親。


「「おおっ!始まるか始まるか?(冒険者達)」」
「さて、一体何が始まるやら。(冒険者)」
「実力の程、確かめてやろう。(クラン『真の勇者』メンバー)」
「ノア君…(クロラ)」


遂に訓練開始か?と離れた場所に居る冒険者達は考え、固唾を飲んでいた。







「やっぱりこう、見られてるのって何か嫌ね。
見世物みたいで。(アミスティア)」

「そうだな。
それに、大した実力も無いのに手の内を探ろうとしてる輩が大半だしな。
どうする、″払う″か?(レドリック)」

「そうね。
それじゃ、ノアちゃんも″強め″にお願いね?(アミスティア)」

「りょーかい。」


『『『ズズズズズズズズズズズズズズズズズッ!!!』』』


「「「ひっ!?(冒険者達)」」」
「「うぉっ!?(冒険者達)」」
「「キャッ!?(ユカリとハクア)」」
「「「ヒャンッ!?(クラン『真の勇者』メンバー)」」」


向き合うノア、レドリック、アミスティア各々から強烈な殺気が立ち昇り、少し離れた場所に居る冒険者達を襲う。


『『『ズズズズズズズズズズズズズズズズズッ!!!』』』

「おーおー、大した殺気を放てる様になったじゃないか。(レドリック)」

「この殺気、バーサークベアじゃないわね?
昨日行ってたダンジョンで何か倒したのかしら?(アミスティア)」

「まぁそんな所。
…うーん、この程度じゃ″払う″までは行かないね。」

「じゃ最大出力で。(アミスティア)」

「「うーっす。(ノアとレドリック)」」

『『『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!』』』


「うぉおおおっ!?ヤバいヤバいヤバい!
離れろ!ヤバい殺気が飛んで来やがった!(冒険者)」
「「退け!下がれ!(冒険者達)」」
「「「キャァアッ!?何なのよこれぇ!(冒険者達)」」」
「ひぃいぁあっ!?こ、恐いぃっ!?(クラン『真の勇者』メンバー)」


各々が持つ最大出力の殺気を放たれ、底冷えする様な恐怖と威圧感が冒険者達を襲う。

そしてダメ押しとばかりに


<<ギャアギャアッ!>>
<グォオオオッ!>
<<バキバキバキッ!>>

「お、来た来た。」

「おい!そこで俺らの事を観察してる冒険者達よ!
これからこの周辺に俺達の殺気に当てられたモンスター共が大挙して押し寄せて来るだろう!
観戦するのは構わないが、溢れた奴等の相手を請け負う程俺達はヒマじゃない!
溢れて向かってったモンスターはそっちで何とかしろよ!(レドリック)」

「「「「「「うぇえええぇっ!?(冒険者達)」」」」」」


レドリックの<聞き耳>に、モンスターの鳴き声と木々を薙ぎ倒す音が入る。
飛んでもない殺気に当てられ、最優先対象と認識された様だ。


バガァアッ!

フゴォオッ!ブゴォオオオッ!
ヴオォオオオオンッ!


「うぉおおおっ!?トン豚とダックス憤怒が現れたぞ!に、逃げろぉっ!(冒険者)」


3人が立てた旗印の僅かに内側の森から体重3トンを超す巨大な豚トン豚と、既にキレ散らかしている状態の巨大な犬ダックス憤怒が出現。

だが直ぐ後ろに居る冒険者達には目もくれず、そのままノア達の居る方角へ駆けて行ったが、冒険者達はそれに気付かずに後退していく。





「さーて、これで少しはやり易くなったが、その代わりにモンスターとの混戦となるんだが…(レドリック)」

「問題ないわ。(アミスティア)」
「問題無い。」

「だろうな。
そんじゃ、『『『ブゥンッ!』』』始めるとしますか。(レドリック)」

「えぇ、『ユラリ…』いつでも良いわよ。(アミスティア)」

「『チキッ…』…それじゃあ僕から行くとするよ。」


レドリックは、冒険者の大半が退いていくのを確認しつつ″ストック″していた光の矢を左右の肩の辺りに3本出現させた。

アミスティアはユラリとした動作で、体中に装備してある剣に手をやる。

ノアは両腰に差した荒鬼神ノ化身の柄を握り





キ『ドゴォッ!』ンッ!

「ぐっ!」


ノアが荒鬼神ノ化身を抜き放つよりも速く、ノアの左脇腹に蹴りが叩き込まれた。


「へぇ…咄嗟に剣で防いだのね。
やるじゃないっ!(アミスティア)」

ガシッ!「ぅげっ!?」

ボッ!


防御したにも関わらず、地面から僅かに浮いたノアの襟首を掴んだアミスティアは、そのまま片腕1本でぶん投げた。

※ノアは荒鬼神ノ化身を装備しているので、最低でも200キロはあります。


「くっ…相変わらず母さんは馬鹿ぢか「喋ってるヒマは無いんじゃないか?」

バシュ『ギュンッ!』シュ『ヒュバッ!』シュ『ギュルッ!』シュ『パシッ!』シュッ!『ガシッ!』


吹っ飛ばされたノアの背後にいつの間にかレドリックが立っており、出現させていた光の矢を次々に射る。

それをノアは体を捻る事で次々に回避。
最後の2本は手で受け止めて事なきを得る。


ズザザザッ!『『ビギンッ!』』

『『『『ブゥンッ!』』』』

ドシュシュシュシュシュッ!

ガガンッ!ギンッギギン!ガゴッ!


地面に着地したノアは滑り込みつつ掴んだ光の矢を握り潰す。
構わずレドリックは次々に矢を出現させて矢を射続けるも、ノアはこれを全て迎撃。


ズルリ…

「『ギリリッ!』俺の前で動きを止めるのは悪手だぞ?(レドリック)」

「しまっ『ガゴッ!』…っぐ…」


矢の迎撃で一瞬レドリックの姿が見えなくなったと思ったら、体勢を低くして滑り込む様に急速接近してきており、反応が遅れたノアは強かに顎を強打された。




「…んなろっ!『ガギッ!』」

「お?(レドリック)」


克ち上げモーションのレドリックの腕に足を絡ませたノアは関節を極めようと力を込める。

だが


ギッ…

「判断が早い。『ガッ!』相手の力量を見定めてからにした方が良いぞ?」

ドゴォッ!


絡ませた足に力を込めるも、レドリックの腕はピクリとも動かず、そのままノアを掴んだレドリックは、思いっ切りノアを地面に叩き付けたのだった。
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