ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

訓練開始2分

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 ォォォン…ズモモ…

「お?潜ったか。(レドリック)」


腕に絡み付いていたノアを地面に叩き付けたレドリックだが、そこに姿は無く、ノアの反応は地面の下にあった。


「どったの?(アミスティア)」

「ノアはどうやら土属性魔法を取得した様だ。
地面の下で俺達の事を見上げてるぞ。(レドリック)」

「…捕捉した。
森から出て来たモンスターもそろそろ到着しちゃうから、さっさと″掘り返す″わね。(アミスティア)」

「はいよ。(レドリック)」





~地面の下~


(…よし、咄嗟に地面に潜ってダメージは無効化出来た。
…が、2人から離れたのは悪手だったな…一体何をしてくるか分か(『ボサッとすんな、来るぞ!』)


<気配感知>の反応から、地面の上に居るアミスティアが大きく剣を振り被る動作をしている事が分かった。

地下10メルに居るノアに対してその様な行動を取る場合、ノアの脳裏にある″技″が浮かんだ。


スラッ『ゴギィンッ!』

ドガガガ「ぬぐがががっ!」ガガガガガァッ!


咄嗟に荒鬼神ノ化身を抜き、自身の左側面に配置した直後、青白く、半透明の巨大な刀身が衝突。

直撃は免れ、鍔迫り合いの状態となったがそのまま押し込まれて地上へと急浮上していった。


ドボァアッ!

「お帰りノアちゃん。(アミスティア)」

「大技をスコップ代わりにしないでくれよぉっ!」


地下から弾き出されたノアが見たのは、魔力で形作られた、青白く刀身約20メルもある長大な剣を振り抜いているアミスティアの姿であった。



『断罪の剣(アポカリプス)』…【殲滅剣士】専用の大技。
自身の持つ刀剣に魔力を籠める事で、魔力で形作った長大な刀身を出現させる。
刀身の幅や長さは自身の魔力量で自由自在に変更可能だが、その分重量は増す。

尚取得の為には相当量のSTR(物理攻撃力)が必要な為、取得している者自体少ない。



「使える物は何でも使う。
『ブゥンッ!』でしょ!(アミスティア)」

ゴッ!

タタッ!「っぶねぇ…足首切断コースだったぞ…」


『断罪の剣(アポカリプス)』で地上に放り出されたノアの着地を狙い、刀身の長さを20メル→50メルに増大させたアミスティアは、ノア目掛けてぶん投げた。

寸での所でノアは腰を切って両断を防ぎ、刀身に手を付いて回避に成功。

で、その後の刀身はと言うと


ブゴォオ『ゾバッ!』ッ…
ヴォオオ『ゾリッ!』ッ…

「あ…(察)」


先程3人の殺気に当てられて駆け込んできていたトン豚とダックス憤怒に流れ弾として命中。

まぁ目の前に突然50メルの大剣が高速で現れたら避けようが無いだろう。


ゴォオオッ!

「あぁああっ!こっちに来るぅう!(クラン『真の勇者』メンバー)」
「に、逃げ…あひぃいっ!?(クラン『真の勇者』メンバー)」
「ふ、防…無理だぁああ!(クラン『真の勇者』メンバー)」


パチンッ!(アミスティア)

ゴォオ『フッ…』ザスッ!

「「「は…へぇ…(クラン『真の勇者』メンバー達)」」」


トン豚とダックス憤怒を突破してもなお威力が落ちず、迫ってきていた『断罪の剣(アポカリプス)』に、泣き言を言って動こうともしなかったクラン『真の勇者』メンバー達だが、旗印手前でアミスティアが指パッチンして解除した。



サササスッスッ。

Б┓┗┓┓(゜゜)(夫婦間ハンドサイン)

(さっきあの剣と鍔迫り合いした時、ゴッソリ魔力を持っていかれたわ。恐らく″吸収″持ちの魔剣だと思うわ。(アミスティア))


ススササ。

(   ゜゜)bГГ(夫婦間ハンドサイン)

(了解、矢を切り替えて対処する。(レドリック))


僅か1回ノアの剣に刃を当てただけで荒鬼神ノ化身の特性を見切ったアミスティアは、夫婦間でのみ使用しているハンドサインで対処法を


「あ!僕の知らないハンドサイン!?
何話してたの!?」

「教えなーい。(アミスティア)」

「気にすんな、作戦会議だ。(レドリック)」

「しっ!」ビュンッ!

「おっと。(レドリック)」ザスッ!

バシュンッ!

『『『『ブゥンッ!』』』』


ノアは手にしていた荒鬼神ノ化身をぶん投げてレドリックの足元に突き立てる。
即座に転移して強襲を仕掛けるノアであったが、レドリックの周囲には″ストック″していた20を超える木製の矢が展開されていた。


「何と無く来ると思ってたさ。(レドリック)」

「くっ『バシュシュシュシュシュッ!』

ドガガガガガガッ!ザザザザザザッ!


断続的に発射される木製の矢を、自前の反射神経で全て回避しつつ、ノアは地面に突き立つ矢を注視する。


ピキッ…パキッ…

「!?」ズザッ!

『『『『『シュバッ!!』』』』』

トカカカカカカカッ!プッ!プスッ!


木製の矢を注視すると、次々にヒビが入っていた為、何か仕掛けがあると悟ったノアがその場を離れた瞬間、矢が一斉に砕け、細かな針状の破片が周囲に散っていく。

その一部が左手の甲に突き刺さり、猛烈な痺れと激痛が走ったのだった。


ザザッ!

(この痺れと激痛…それにこの即効性…
″マッド・痺痺(マッド・ヒヒと言う猿)″から取れる毒だな…?)

(『効果は瞬間的だが継続性では無いから持ち前の耐性でどうにでもなるな。』)

「ほぅ、毒の正体に気付いたな?
直ぐに解毒に走ったら隙を突こうと思ったが…
うんうん、良いぞノア。(レドリック)」

「そりゃどうも。」ザッ!


毒だからと直ぐに行動せず、毒の特性を把握してから最善の行動を取った事に、レドリックは笑みを浮かべてノアを褒める。

次は自分の番だとばかりにノアはレドリックに向けて駆け出した。




ズズズズッ!

「あら、私とは遊んでくれないのかしら?(アミスティア)」

「うっ!?『バシュッ!』しぃっ!」ビュババッ!


殺気ムンムンで立ち塞がったアミスティアに、ノアは反射的に剣を手元に引き寄せ、二刀で攻撃を開始した。

『『ジャキンッ!』』

ガギンギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギッ!「ぬぅっ!」ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!「あはっ!」ギュガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!


ノアは手にした荒鬼神ノ化身を高速で振ってアミスティアを翻弄したい所だが、アミスティアは体中に装備した剣9本の内6本を、まるでお手玉の様に操って継続的にノアの剣を防ぎ、弾き、そして攻め立てた。


ゴガガガ『バシュッ!』ガガガガガガ『バシュンッ!』ガガガガガガガガガガ『バシュッ!』ガガガガガガガガ『バシュッ!』ガガガガガガガガガガ『バシュンッ!』ガガガガガガガ『バシュッ!』ガッ!


ノアはアミスティアに弾かれた瞬間、即座に3本目、4本目と荒鬼神ノ化身を抜き、4本目が弾かれるに手元に剣を引き寄せ、攻撃の手を緩めない様に心掛けた。


「うふふふふ。(アミスティア)」

「くぬぬぬぬぬ!」


余裕のあるアミスティアなら、手元に転移させた荒鬼神ノ化身を、ノアが掴む前に奪う又は弾く事すら可能だが、それはしなかった。


ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギッ!

「ふふふ、楽しそうにしちゃってまぁ。
さて、俺はアミスティアがさっき両断したトン豚でも捌いておくか。(レドリック)」


良い表情でノアと打ち合っているアミスティアを横目に、レドリックはトン豚とダックス憤怒の死骸の方へと歩いていった。

ちなみにこの打ち合いは約1時間続く事となった。
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