ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~全ての始まり~

10年前、全ての始まり。~老いても王は王~

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~スパルティア・正門~ 


ゴゴン…

ガラガラガラ!バンッ!

「誰か!誰か!居るか!?」

「お!お早いお帰りで。
ちゃーんとツェド殿の分の酒も…(バンデイラ)」

「バンデイラ!他の者達はどうした?
城の者も居らぬ様だが…?」


重々しい正門の門扉が開かれると、急ぎの馬車が勢いよく入ってきた後、ツェドの従者2人が完全武装で飛び出してきた。

親子3人で祭に参加していたバンデイラが出迎えるも、従者のただならぬ雰囲気に直ぐに表情を真面目なモノに変えた。


「何かあったのですか?(バンデイラ)」

「こちらも状況がよく分からんのだ。」
「だがツェド殿によれば王城の地下で謎の魔


『『『『『『『『ドゥンッ!』』』』』』』』


「…ぉ…っ?(バンデイラ)」
「ぐぉ…」
「な……?」

ドサッ!ドッ!ドサッ!ズシャッ!

ガシャッ!パチパチッ…


何の前触れも無く王城の方から急速に魔力が消失していく感覚を伴った衝撃波が伝播し、城下に居た奴隷の獣人、計画を企てていた城の者達、従者関係無く全ての者達を襲う。

ちなみにこの魔力消失現象は、スパルティアから数ケメル離れた獣人国やスロア領でも観測され、魔力枯渇状態に陥って意識不明に陥る者達が数多く出たと記録に残っている。


ズリ…ズリ…

「…ぅ…ぐぅ…(バンデイラ)」


通常魔力枯渇状態に陥った場合、多くの者が即意識不明に陥り、暫くの間体の自由が効かなくなる事が殆どで、マナポーションや時間経過による魔力の自然回復等で回復する他無かった。

そんな中、当時傭兵として各地を回っていたバンデイラは完全な魔力枯渇に陥っていたものの、ギリギリの所で意識を失っていなかった。

だが後に起こる事を考えれば、バンデイラは意識を失っていた方が良かったかもしれない。

バンデイラの妻と息子は近くの家屋の中で共に気絶していたのだが、衝撃波が伝播した時の弾みで、用意されていた篝火が倒れ、それが2人の居る家屋に…





~地下空間・『廃都』へと続く通路~


ォォオオオオオ…

「…何じゃ今のは…
咄嗟に″自身の周囲の空間を【支配】して魔力の流失を阻止″したが、それでも9割は魔力を持っていかれたわい…」

(だがそれはまだ良い…
恐らくこの現象、かなりの広範囲に伝播しょったハズ…
城下の皆が心配じゃ。さっさとこやつを…ん?)


謎の存在によって突如発生した『魔力消失(マジコ・キャンセル)』により、ツェドの周囲の魔力は″0″となった。

咄嗟に自身の能力で完全な魔力枯渇には陥らなかったが、多少の体の不自由さと強烈は脱力感がツェドを襲っていた。


『『『『シュゥウウウウ…』』』』


そんな中不可思議な現象はまだ続いていた。
″消失したハズの魔力が謎の存在の下へ収束していた″のであった。


バヂバヂバチッ!メギメギメギッ!

「ooooo…wooooo!!〕


収束した魔力は、謎の存在の背鰭と取れる物体を介して吸収され、体の周囲に帯電するかの様に身に纏い、ドンドンと身体が強靭に変化していっていた。

それに伴う高揚感からか、謎の存在は咆哮を上げるのだった。


「止めじゃな。」

〔n…?〕


そんな絶望的な状況に、流石のツェドも諦めの声が出た。
かと思われたが、ツェドは謎の存在へと指を突き付け


「貴様を今から明確な″敵″とみなす。
殺すつもりでいくが、死ぬ寸前に【支配】し、最終的に捕らえて情報を引き出してやろう。」


言葉は通じないながらも、先程までと違い明確な殺意と殺気を向けられた事で、謎の存在もツェドがこれからどういった行動に出るかが容易に判断出来ただろう。


〔yttmr!!〕バジュゥウッ!

「ぬぅんっ!」ガゴッ!

ドガッ!ゴガガガガガガッ!


謎の存在は背鰭を発光させたかと思うと、口からプラズマレーザーを放出。

一直線に向かってくるプラズマレーザーを掻い潜ったツェドは謎の存在の顎を克ち上げた直後、喉輪落としを仕掛けて地面に頭部をめり込ませそのまま30メル程引き摺っていった。


ボゴッ!ドゴォッ!

「ぬぅんっ!」ズガガガッ!

ギュゥウンッ…

『グンッ!』

ドゴォッ!〔……!?〕
 

紅葉おろしを食らっていた謎の存在が強烈な蹴りを繰り出し、ツェドが僅かに後退。

その隙に謎の存在が再びプラズマレーザーを発射しようとしたが、【支配】の力を行使したツェドが左腕を振るうと、謎の存在の右側の壁が高速でせり出して直撃させ、攻撃を中断したのであった。


「『圧縮』!」

メギメギメギッ!〔ggggg!〕


続けて謎の存在の周囲の壁や天井、床や瓦礫が球状に集まり包み込み、謎の存在を潰しに掛かる。


『ブゥンッ!』グジャッ!

「あ?」

〔″armjtr-v(雷電砲)″!〕『『『バヂュンッ!』』』


球状の瓦礫の中から転移してきた謎の存在は、通路を埋め尽くす程の雷魔法を放出。


ジュゥウウウッ!「ぬぅうううっ!!」


ツェドの【支配】により状態異常にならないのだが、高出力の″armjtr-v(雷電砲)″は異常な高温であった為、【支配】を突破してツェドの肌を焼いたのであった。


「ぬりゃぁあっ!」ボゴンッ!

ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!


ツェドは足下の床を踏み抜き、目の前に壁を出現させ″armjtr-v(雷電砲)″を防ぐ事に成功した。


グジュグジュ…シュゥウウウウ…

「っし、治った。」

 
【支配】の力を自身に行使し、新陳代謝を加速させて焼け爛れた皮膚を即座に治療した。


「空間転移か、味な真似を『ブゥンッ!』してくれるわい!」

〔″armjtr-v(雷電『ギュンッ!』

バヂバヂバチッ!

〔ggggggggggggg!!?〕

「どうじゃ?自分の技を自分で食らってみた感想は?」



再び転移してきた謎の存在が″armjtr-v(雷電砲)″を放とうとした為、ツェドは謎の存在の皮膚一枚上に支配領域を展開。
結果、自身の攻撃がそのまま返ってきたのであった。


ガシッ!ギュルンッ!

ブジュッ!〔ugxaaaaaaa!!!?〕

ビダッ!ビチャチャチャッ!


所々が焼け爛れ、力無く膝を付けようとしていた謎の存在の腕を掴むと、【支配】の力を行使して血の巡りを″一瞬反転″。

直後、謎の存在は全身から血を噴き出した。


「『血封』。
吸血鬼の様に血を操れん限り、この拘束からは逃れられんぞ?」

〔ugxiiiiiiii!!〕


謎の存在は、全身から血を噴き出した際のポーズのまま固まっていた。
体内から抑えられているのだから堪ったものでは無い。


「貴様を殺す前に背中の背鰭は″剥がさせて″貰う。あの様なモノを連発されては儂はまだしも外では堪ったものでは無いのでな。」

〔ugggg!〕


圧倒的な戦力と【支配】を備えるツェドの前では、奥の手である『魔力消失(マジコ・キャンセル)』を使用した謎の存在でも歯が立たない。

今も『血封』による拘束技で指一本動かす事すら難しい状況であった。




〔uggg『ゴボッ…』…〕

「…今度は何〔…″prtodinfrn(地獄門)″。〕


謎の存在は口から懐中時計の様な物体を吐き出し、そう呟いたのであった。
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