ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
744 / 1,124
獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

作戦開始は正午頃

しおりを挟む
~新装ダンジョン『宝物庫』ざっくり概要~

・『第1部:見えざる脅威』『第2部:パチもんの攻撃』『第3部:姫(ラインハード)の復讐』の全3部構成。
・難易度選択式。『楽』『普通』『無謀』の3つ。
・難易度が高くなれば報酬は上がるが、『無謀』は割に合わないので、おまけ要素として考えた方が良い。
・難易度『無謀』のボスは″対とある人物″を想定している為、 相当の高難易度を誇るのだと言う。

との事。





~説明終了後~


ず~~~~ん…

「げ、元気出してハーちゃん…(ヴァンディット)」

『そうそう、ちゃんと全部説明出来たから良かったじゃないですか…』

「89回…89回も噛んだ…練習の時は36回だったのに…(ラインハード)」

『そんな事覚えてるのね…』

「ログに残るしね…(ラインハード)」


説明を終えて舞台を降り、天幕に入った瞬間三角座りをして縮こまってしまったラインハード。

噛みまくって、テンパった事を相当引き摺っている様だ。


「でもお陰で授業参観日に我が子の作文発表を見守る親御さんみたいな暖かい雰囲気で観衆達も見守ってくれたから良いんでない?(ヤン)」

(『あ、やっぱり皆そう思ってたんだ。』)

「そそ、可愛かったよ。(リン)」
「御馳走様です。(フェイ)」

「フォローになってなーい!(実年齢ウン百歳のラインハード)」


その後も皆で少し涙目のラインハードをフォローし続け、漸く落ち着きを取り戻した頃、ふとノアはある事に気付く。


『あれ?そう言えばラインハードさん、前まで頬が赤くなったり、噛んだり、テンパってたりしてましたっけ?』


念の為言っておくが、今現在ノアの目の前に居るラインハードは本体では無く、ダンジョン『時の迷宮』内に居るラインハード本人が義体を操作している物である。

こちらの呼び方では″機兵″、別の世界の言葉で言えば″ロボット″である。

義体表面に体組織がある訳でも無いので、″感情表現″等は有り得ないハズだ。


ぷにぷに…

「わ、ちょちょ…どうしたんですノア君顔をつついたりして…(ラインハード)」

『いや、肌触りも何か人間に近くなってるし…』


先程連れてきた時にも思ったが、肌の感触も何処と無く普通の女の子同様、自然な感じになっている。


「ふふふ、それはですね。
この前海洋種の方から頂いた『鱗銀』…″基板″を用いた事で処理が容易になって他の機能に回す事が出来たのですよ!(ラインハード)」

『肌の感じは?』

「毎日ヴァンちゃん(ヴァンディットの愛称)の柔肌を触りまくってる私とヴァンちゃんの共同開発で作られた複合ボディなのですよ。(ラインハード)」

『ほぇー。』


先程までのテンパり具合は何処へやら。
感情表現と肌の肉感の話になると流暢に、そして誇らしげに話し出すラインハードであった。





~旧ヒュマノ聖王国~


ヒュゥウウウ…

「…異世界召喚に…【魔王】ねぇ…
未だに話が飲み込めねぇわ…(バンデイラ)」

「まぁそうじゃろうな。(ツェド)」

「だが【召喚勇者】を喚び出しちまう国だ、信じる他無いわな。
良かったのかい?【召喚勇者】のミユキとやらに【魔王】の事話さなくて。(バンデイラ)」


旧ヒュマノ聖王国。
獣人国方面が見渡せる防壁の上で元国王ツェド・ガーランドと、元奴隷獣人達のリーダーであるバンデイラが共に座して話し込んでいた。


「えぇえぇ。
儂ですら手こずった相手じゃ、幾ら天敵とも言える【勇者】であってもどうしようも無い。
若過ぎるし経験も皆無。
故に″彼等″がここに集結しとるんじゃろ?(ツェド)」ピッ。


ツェドは徐に背後、家屋が立ち並んで居たが今や解体されて石材が取り払われ、土台ばかりとなった広場の方を指差す。

そこには″黒服の集団が集まっていた。


「僅か3日。
まだ回復しきっとらん者達ばかりだと言うのに移動して貰って済まんかったな。(ツェド)」

「何言ってんだ。
もう直ぐここは戦場になるかも知れないんだろ?おちおちと横になってられないからな(バンデイラ)」

「そりゃそうじゃな。(ツェド)」


現在、旧ヒュマノ聖王国には貴族連中、国民は既に更正施設や開拓地等、方々に送られ、元奴隷の獣人達やクリストフ率いるキノコパーティらはここを離れて海岸線の方へと退去している。

王城以外の解体作業は終わり、作業員も居らず、この国に残っているのはツェド、バンデイラ、少し離れた場所に居るナサケ、そして広場に居る″黒服の集団″である。


「で、バンデイラよ、何故ここに残っておる。
儂は言ったハズじゃぞ?″お主は元奴隷達と共に避難せよ″とな。(ツェド)」


バンデイラの隣で胡座をかいていたツェドが頬杖をしながら問い掛ける。


「行くんだろ?
あそこの″集団″と共に王城地下にあるという、10年前にツェドさんが封印した【魔王】の所に。
戦力としては心許ないと思うかもしれんが、連れていってくれ。(バンデイラ)」

「皆はどうするんじゃ?
下手すりゃ戻ってこれんかも知れんのだぞ?(ツェド)」

「アイツらの事はフォルテ(サブリーダー)に任せてある。
アンタの助けになり「ならん!」ちょ、何でさ!?(バンデイラ)」


真っ直ぐな目でそう言われたツェドだが、発言を遮る形で断りを入れた。


「儂ゃな、先代の国王から王権を奪い取った際に言われたんじゃ。
″王とは″つわもの″で無ければならん″とな。
″つわもの″とは″強者″であり″兵(つわもの)″でもある。
王として強権を振るうが、いざという時は先陣切って″兵″として皆の前に出るもんじゃ。
既に儂は王では無いが、現状責任を取るべき者が居らん故、元国王の立場でもって強権を発動し、一″兵″としてこの問題に対処する。
それに忘れたか?儂が国王だった際の方針『奴隷第一』を。
こんな重大な問題に家族を巻き込むのは荷が重すぎる。
お主らは安心して待っておれ、この手の問題は″強者″の役割じゃ。(ツェド)」

ジャリ…


そう言うとツェドは徐に立ち上がり広場の方へと歩を進める。


「それに【召喚勇者】のミユキにも言ったが、″儂は後30年位は生きるつもり″じゃ。
そう簡単には殺られんよ。(ツェド)」

「…確かにアンタが死ぬ姿が想像出来ない。
皆で肉焼いて待ってるから解決してさっさと帰ってきてくれ。(バンデイラ)」

「おぅ。(ツェド)」





ズダッ!ザッザッザッ…

「話は済んだの~?(バラス)」

「あぁ、待たせて済まんかったのぅ。(ツェド)」

「いえ、まだ時間はありましたから大丈夫ですよ。(アルキラー)」

「それで?そこに居る者達はお主らの仲間で良いんじゃよな?(ツェド)」

「ええ。(アルキラー)」


ツェドの目の前には

"眼球コレクター"のセゴ。
"サドフィリア"のフィリア。
吸血鬼"ドラキュリオス"。
"肉食系女子"のカナミ。
"腸漁り"のコノミ。
"皮膚コレクター"の皮膚ミン(本名ヒフミ)。
"ボーンコレクター"のプレ爺(あだ名がプレ◯ター)。

以前″偽″【魔王】殲滅戦に参加したバラス、アルキラーの仲間達が勢揃いしていた。


「いやはや、僅か3日で揃えるのに苦労しましたよ。(ナサケ)」

「尽力感謝しますよ、ナサケ。(アルキラー)」
「皆、1ヶ月振り~。(バラス)」フリフリ。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...