ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
761 / 1,124
獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

御前試合の途中ですが、話が動きます

しおりを挟む
〔『ぜぃっ!』〕 『『『ビョルルンッ!』』』

ババシュッ!シュバッ!バシュッ!


エルダークラーケンが腕を触手に変化させ、迫る強化状態のノアに打ち放つ。
だがノアは荒鬼神ノ化身を短く放って連続で転移を繰り返し、全て回避した。


『『『ギュルルルッ!』』』『!』『『『ブワァアアッ!』』』

ガガガガガガガガガガガ『…ッ!』ガガガガガガガガガガガガガガッ!


触手を回避したノアに対し、再び腕の形状へと戻しつつ捻りを加えノアを絡め取ろうとし、再度分散させる事で高速のバラ鞭の様な触手が襲ってきた。

それをガードを固めて凌ぐノア。


ガギッ!ダダンッ!


触手の振り終わりに合わせ、鉤爪を掴んでエルダークラーケンの直ぐ近くにまで接近。


〔『ガァッ!』〕

『ッラ″ァ″ッ!!』

『『ドバァアッ!』』


近付かせまいと衝撃波混じりの咆哮を発したエルダークラーケンに対し、強化状態により声量に更に威力の乗った<猿叫>を放つと、一瞬空間が揺らいだ後に相殺された。


ゴォッ!

『『スラッ!』』 『『ギャリィンッ!』』 

ギュンッ!

『『ギンッ!『ドゴォオッ!』 っ!!』


大体顔の高さに居るノアに対して回し蹴りを放つエルダークラーケン。
それを荒鬼神ノ化身2本で受け逸らすノア。

更に後ろ回し蹴りを繰り出した事で、ノアは再び距離を離されてしまった。
だが剣で防いでいた為、ダメージは皆無である。


″『おおおっ!
迫る【鬼神】!迎撃するエルダークラーケン!さっきとは真逆の攻防だぁっ!(ヤン)』″

″『一体この試合、どんな結末を迎えるのでしょうかっ!(フェイ)』″


繰り広げられる激しい攻防戦に、実況にも力が入る。




『『ピタッ!』』









″『…え?あれ?
2人共どうされました?急に止まって…
どうされたんでしょうかねぇ、リヴァイアさん…?あれ?リヴァイアさん?(リン)』″


激しい攻防戦を繰り広げていたノアとエルダークラーケンが突然ピタリと動きを止めた。
それに困惑した実況のリンがリヴァイアに解説を求めるも、リヴァイアも動きを止めて獣人国の外を眺めていた。

実はこれらの行動、獣人国の各所でも観測され、国王であるローグや、観衆の中に居る普通の一般市民、冒険者、貴族の一部でも同様の行動を取る者が居たと言う。

この時は何故そうした行動を取ったか本人達も不明であったが、その者達に共通していたのは、何か良からぬ事が起きる前兆を感じ取れるスキル<虫の知らせ>、若しくはそれに準ずるスキルを持つ者ばかりであった。


ザワザワ…

「「「「「「「「「「「「え?え?急にどうしたんだ…?」」」」」」」」」」」」


と、観衆がざわめく中、闘技場にリヴァイアが降り立ってきた。


ストッ。

「2人共、感じたかしら?(リヴァイア)」

『何かは分かりませんが、とても嫌な予感を感じました…』

〔『方向で言えば滅びの森の方ですな。
距離は大分離れておりますから今すぐの影響は無いでしょうが、何とも嫌な気配ですな。』〕


と、2人も何かを感じ取っている様子。
ノアは漠然と、エルダークラーケンは原因は分からずとも、大体の方向と規模の大きさは把握している様子。


「先ずは原因を探る事を考えましょう、取り敢えずひとっ飛びし『ガシッ』て…え?(リヴァイア)」

『…取り敢えず、この状況を締めてからにしないと大混乱に陥ると思いますよ…?』

「あ…(リヴァイア)」


※試合中です。





スタッ。

″『あ、あのー、リヴァイアさん?
どうしたんですか急に闘技場に降り「あ、頭いたーい、魔力の使いすぎで頭いたーい!(リヴァイア)」…えぇ…(ヤン)』″

″『ふ、2人が予想以上にドンパチやるモノだから信じられない位魔力消費しちゃって頭がががが…(リヴァイア)』″

″『…え?リヴァイアさん魔力切れ起こした事無いって『あー!うー!も、もう闘技場を維持するのすら難しくなってきたかも、(アワセテ)あーうー!(リヴァイア)』』″ 

″『え、えぇ…(ヤン)』″


明らかに棒演技のリヴァイアに小声で″アワセテ″と言われたネプトゥリオのヤンは、ノアとエルダークラーケンに目配せすると″頼む″とでも言いたげな視線を送られたので協力する事にした。


″『え、えー、どうやらリヴァイアさんの活動限界がもう間近な様で、闘技場を維持するだけの魔力を捻り出すのが難しい様です。(ヤン)』″


「そういえば、これを全部1人で賄ってたんだよなぁ…」
「まぁこれだけの規模だもんなぁ…」
「結構暴れたりしてたもんなぁ…」
「寧ろ今まで保ってたのが凄いよな…」


と、棒演技の割に比較的肯定的に受け取ってくれる者が大半であった。(否定的に受け取った者達の大半は賭け事に興じていた者ばかりである。)





″『えー、私の魔力切れと言う身勝手な理由で、勝者決定ならず、″引き分け″となってしまった事を誠に申し訳御座いませんでした。
ですが想像以上に健闘、並びに御前試合に参加して下さいました両代表に盛大な拍手をお願い致します。(リヴァイア)』″

「「「「「「「「「「「「ワァアアアアアアアアッ!」」」」」」」」」」」」

『『『『『『『『『『パチパチパチパチパチパチッ!』』』』』』』』』』


やや急ぎ足ではあったものの、御前試合閉会の儀を執り行うリヴァイア。
それでも観衆からは割れんばかりの歓声と拍手が送られてきていた。


〔『正直な所、あのまま戦っていたら危うかったかも知れん。
次に相見る時は本来の姿で勝敗を決するとしようぞ。』〕

『ハハハ、無理。』

「「「「「わはははははは!(観衆)」」」」」


表情を一切崩さず、晴れやかな笑顔でノアはエルダークラーケンにそう返答したと言う。


「【鬼神】殿、貴君の健闘には非常に胸が高鳴った。これからも新たな武勲を立ててくれる事に期待しておるぞ。(ローグ)」

『ありがとうございます。』

「(それとノア殿、試合後で申し訳無いが、確認出来る範囲で状況を見てきて欲しいのだ。
恐らく儂やリヴァイア殿はここを離れられん。
防壁の外に″影の者″を待機させておる故、何か分かったらその者達に伝えて欲しい。(ローグ))」

『(分かりました。)』


ローグから健闘を讃えられつつ、この場を離れられないローグやリヴァイアに代わり先程感じた″予感″の調査をお願いされるノア。


『ではエルダークラーケンさん、ここから退場する際、肩に乗せて貰っても良いですか?』

〔『ぬ?構わんぞ。』〕


闘技場の展開を解除する為、エルダークラーケンは1度ハケる必要がある。
その際に高高度から滅びの森方面を確認してみる様だ。





″『では闘技場を解除するので、御前試合代表者が1度退場致します。
再び盛大な拍手をお送り下さい。(リヴァイア)』″

『『『『『『『『『『パチパチパチパチパチパチッ!』』』』』』』』』』

ダァンッ!


観衆からの盛大な拍手に見送られながらエルダークラーケンonノアは空高く飛び上がっていった。





~獣人国直上高度約1000メル~

ゴォオオオオオオオオオオオオオオッ!

〔『そろそろ遠方にある滅びの森が見えるてくると思うがどうだ!?』〕

『ちょっと雲の切れ間で…あ、見えそう。
<万里眼>発動!』


薄らと雲が掛かり、白んで遠くが見え辛かったが、雲の切れ間に入ったので<千里眼>の上位スキル<万里眼>で遠くの滅びの森の方を見渡してみる。

すると


『…何だ…アレ…』

〔『何か見えたのか?』〕

『…森がドンドン消えていってる…?』


ノアの目には、南方にて青々と繁る滅びの森が次々に立ち枯れて行く光景が映っていた。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる

仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、 成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。 守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、 そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。 フレア。 彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。 二人の出会いは偶然か、それとも運命か。 無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、 そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。 孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

処理中です...