ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

タイミングが悪い。が、タイミングが良い。

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~獣人国・王城前(謎の反応を感知してから10分後)~ 


″『えー、それではこれにて国交式典を終了致しますが、それを皮切りとして″海洋系ダンジョン『龍遇城』″の開放も合わせて行いたいと…(リヴァイア)』″

″『『『『『『ウォオオオオオオォォォーンッ!!』』』』』』″

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


式典閉会の挨拶を行っていた所に、幾人もの遠吠えが国中に響き渡る。

観衆達の殆どは何が起こったのか分からないといった反応を示したが、先程謎の反応を感知した者はそれに関連したモノだと悟り、この国の住民にとってはこの報せが″警報″である事を意味していた。




″『既に幾人かの者達も気付いていると思われるが、有志による視察とその後の鳥人部隊の確認により判明致した。
『廃都』方面の″滅びの森が消失した″。(ローグ)』″

『『『『『『ザワッ…』』』』』』


国王のローグ・ラグナーからそう報告を受け、発言の意味が分からず、静かに騒然となっていた。


『『『『『バッ!』』』』』


すると一般開放されていた南側防壁上に居た冒険者や一般市民達が一斉に『廃都』方面へと視線を移す。

流石に高さ的にも低く、距離として10キロも離れている為、目視は不可能であった。


″『消失した滅びの森に元々生息していたモンスター群は真っ直ぐこちら側の滅びの森、そしてこの国を目指しており、地図上で滅びの森との位置関係から計算して割り出された所によると、後30分程でここに到達するモノと思われる。(ローグ)』″

『『パパンッ!』』『『『パーンッ!』』』


直後目映い光と共に5発の要請弾が高々と打ち上げられた。
これは王都に向けての救援要請である。


″『今しがた上がったのは王都への救援・協力要請である。
これからの対処には騎士団や兵を動員するが、戦力や数の上でも心許ない。
何せ『廃都』方面の滅びの森に生息しているモンスターだ、最低でも上級冒険者クラスの戦力が欲しい所であるからな。(ローグ)』″

″『そこで、ここにお集まりの上級以上の冒険者、又は同等の戦力を有する有志の方に協力を要請したいのです。
勿論報酬等は出させて頂きますし、強制ではありません。
ですがどうか、どうかご協力の程宜しくお願いします。(キュオラ)』″


そう言って国王のローグと共に頭を下げてお願いするキュオラ。
現在獣人国には、200人以上の上級冒険者が滞在していたが、結果から言ってしまえばこの後に行われた防衛戦に参加した上級冒険者は1/10程であった。

これに関して言えばローグもキュオラも分かりきっていた為、敢えて″強制ではない″と伝えたのである。

理由は簡単で、上級冒険者の殆どが国交式典の後に開放されるダンジョンが目的で集まっていた事であった。

彼等の多くは数日前に商人、貴族等から指名依頼を受け、ダンジョンで取れる素材の高額買い取りの契約を結んでいたのである。

いつの世に於いても新規ダンジョンから得られる素材は、その話題性も相まって非常に高値で売買される。

しかも新種族が独自に作り上げたダンジョンであった為、その価値は鱗1枚で昔で言う胡椒に匹敵するのでは、と言うトンデモ話まで持ち上がっている位だ。

その分如何なる理由であっあとしても、破棄したり契約不履行となった場合、莫大な違約金と信用を失ってしまう。

特に貴族連中と契約してしまった場合はその点が後になってかなり尾を引く。

 矜持を踏みにじられたとして恨みを買ってしまう事にすら発展してしまう場合がある。
そういう目にちょくちょく逢っているノアが良い例である。

だからと言って貴族連中に下手に出ると付け上がる者が大概である為、参加の可否は上級冒険者達の判断に任せたのである。


それに、上級冒険者達のみならず、獣人国国民を含めた殆どの者が思っていた事だが、この国にはさっきまで海洋最強種であるエルダークラーケンと激戦を繰り広げていた″【鬼神】″が居るから大丈夫だろう、と言う思いがあったのである。





″『それでは防衛戦に参加して頂く有志の者達よ、時間が惜しいので今より10分後に冒険者ギルドに集まって貰いたい。
また、到達予想時刻に防御結界を張り巡らせる故、今より20分後には全方角の門を締め切る事になる。(ローグ)』″

″『それと只今からダンジョン『龍遇城』へのポータルを開かせて頂きます。
場所は中央広場となります、新人・中級冒険者、並びに防衛戦に参加しない方も共にどうぞ。
即席のセーフティエリアを用意致しました。(リヴァイア)』″


着々と防衛戦に向けての準備が進められていく。

国王ローグとリヴァイアからの呼び掛けが終わる頃には、既に騎士団『犬姫』の騎士達が各所に配置して避難誘導等が行われ、一般市民達は各々の家々に素早く待避する事で人流の滞りを無くしていた。

ただ一般開放されていた防壁上には人々が多く残っており、防衛設備や防御結界発動の要となる【魔術師】の配置には大分時間が掛かった。





ダダダダダダダダダダダッ!

「おぅ、お前ら行くど!(バド)」
「ったりめぇじゃ!(ルド)」
「娘っ子、お前さんも強制参加じゃ。(ロイ)」
「はいはい。(エスメラルダ)」


タッタッタッタッ!

「おいおい、こっちはダンジョンへのポータルとは逆方向だぜ?(ゴファン)」
「お前こそ。今日から数日籠るんじゃなかったのか?(ゴフゥ)」


『『『『『『ザッザッザッザッ!』』』』』』

「恐らくこの防衛戦には【鬼神】のノア君が参加する事だろう!
よってクラン『灰塵』リーダーとしては総力を挙げてこれに参加し、彼の力となる!
付いてくる者あらば参列せよ!(ギュラドスカル)」

「「「「「「「おぅ!」」」」」」」


スタスタスタ…

「全く、【鬼神】への謝罪兼観光目当てで訪れてみりゃあトンデモ無ぇ事に巻き込まれたもんだなぁ。(【無手】傭兵)」

「まぁ良いさ、顔を売っておくのも良いかも知れねぇな。(【強奪剣士】ダン)」

「それよりもミコッちゃん(ミコトの愛称)妹さんの所に居てあげなくて良いの?(【男色家】ゲイリーパイルバンカー)」

「治療、金、工面、妹、助かる、彼の、お陰。
恩、返す。(【暗器弓】ミコト)」

「はっはー!そりゃ良いこった!
終わったら祝賀会と洒落こもうぜ!(【強奪剣士】ダン)」


カッカッカッカッ…

「全く、フリアダビア奪還戦での熱が冷めたと思ったら今度は防衛戦か。
まさか親父(王都の国王)、これを見越して俺をここに…
って、そんな訳無いか…(エルグランド)」
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