ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

え?それにまで100%乗るの?

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~数分前~

~タイトル:『第2波』より抜粋~


『それじゃあ僕らも行こっか、グリード。』

《…》

『…グリード?』

《お…》

『お…?』


【鬼哭崇崇】を掛け終わり、騎士団員や傭兵、エルグランドやドワーフ組等が一斉に前線へと向かったので、ノアやグリードも向かおうとしたのだが、何故かグリードは一歩も動こうとしなかった。

反応も宜しくなく、まるで絞り出したかの様に漸く一言目を呟いたのだが


《お腹が空きましたわ…》じゅるり…

ズルッ…←ノア


ノアの固有スキル【鬼哭崇崇】は、自分以外の周囲に居る者達の全ステータスを100%上昇させる支援系のスキルなのだが、どういう訳かグリード(正式名称『″餓″龍王グリード』)の腹へり具合まで100%上乗せされてしまった様である。


『…それなら言ってくれれば良かったのに…』

《だってだって、皆さんの前でそんな恥ずかしい事言えませんわ。
今だってお腹の鳴るのを耐えておりましたのよ。》ボタボタ…ぐるるぅ…

『分かった、分かったから抑えて…
涎が凄いから…』


余程腹を空かせているのだろ、小さく腹を鳴らすグリードの口からは止めどなく涎が流れていた。


《ですので主様、″下″に行っても宜しいですか?》

『え?″下″?
良いけど何かあ…え?何だこりゃ…』


グリードから言われ、<気配感知>の範囲を地下に延ばしてみた所、ノアの前方40メル、地下20メル程の場所に、うねりながら地中を進む長大なモンスターが居た。

それも1匹や2匹所では無く、<気配感知>の範囲内だけで30匹は居た。
全長は10~30メルとバラつきはあるものの、大して大きくは無い。(ノアの戦歴的に)


(『恐らくコイツらがエスメラルダさんの言っていた『アースイーター』だな…
くそっ、地中を進んでくるとは思わなかったな…』) 

『よし、僕も行こう。先導頼む。』


これだけ近付いていたにも関わらず気付かなかった事を反省しつつグリードと共に地下を進む『アースイーター』討伐に向かおうとするノア。

しかし


《あ、ダメ。》

『え?』

《主様がお願いして、私が穴掘って、主様がそこを通っちゃうと″協力関係″になっちゃうんじゃないでしょうか?》

『あ、そっか。』


今更だがノアの適正は【ソロ】。
あくまで1人行動を取らなければならないので、少しでも″協力関係″と取れる行動を起こすと弱体化してしまうのだ。

ではこの場合はどうするかと言うと


《あちょー!》ボッ!

『危ねっ!?』ヒュッ!ドガッ!


ノーモーションで繰り出されたグリードパンチを回避。


《ふははは、追い掛けて来るが良い、ですわ。》ガボボボボボッ!

『何その口調。』


攻撃を回避された為、逃げに徹する(と言う演出)為、地面に穴を掘るグリード。


『待て待て~。(棒)
あ、そうだ。ラインハードさん!』


「はいなー。(少し離れた所に居るラインハード)」


『ちょっとお願いがあります。
僕の固有スキルで大幅に戦闘力が上昇しているハズなので、皆を見守っててくれませんか?
やり方は任せます。』


「ん?戦闘力が上がってるのに見守るのですか?(少し離れた所に居るラインハード)」


『人って、身に余る力を得ると調子に乗ったり、気が大きくなって判断が鈍ったりしますから。』


「物語で最終形態になったボスがペラペラとどうでも良い事を喋り出すアレだね。(少し離れた所に居るラインハード)」


『うーん、まぁそうかも。
それでは後宜しくお願いします!』バッ!


そう言ってノアは先に穴を掘って地下に降りていったグリードを追っていった。

その後ラインハードは、魔装鉄甲の砲身を伸ばし、遠方から狙撃する事にしたのである。





~地下20メル~


(『<夜目>発動!
いや、それでも暗いなっ!そして深っ!?』)


当たり前だが地下なので光は一切無い。
<夜目>を発動しているとは言え、その恩恵は微々たるモノであった。


カサカサ…アアア…

(『微かに音が聞こえる…
ならば<反響定位(エコーロケーション)>を使って地下空間の全体図を把握するとしよう。』)

『『『ブゥウウウン…』』』



<反響定位(エコーロケーション)>…風の流れや反響音等から周囲の位置関係を把握出来るスキル。
尚反響音が小さいとポリゴンの荒い視界となるが、反響音が大きいと比較的クリアな視界となる。



(『…いや、かなり広いし深いぞ…
それにグリードはど『ギシャァアアアアッ!』『ガキッ!』ぬぐっ!?』)

ギギッ…グヂヂ…


反響定位で地下空間を把握しつつグリードを探すノア。
すると<気配感知>を発動してても分かり辛い真下から『アースイーター』が大きな顎を開いてノアに噛み付いて来た。

寸での所で腕を差し入れたがその顎の力は凄まじく、力を制御したノアの腕にジワジワと牙が食い込んでいっているのである。


『ガギッ!ギギギギッ!』ギガッ!?ギャガガッ!?

『ぬんっ!』


ノアは追加で足を差し入れて力任せに顎を開く。『アースイーター』も負けじと顎を閉めに掛かるが


『『ゴギッ!』』

ギァアアアアアアッ!

スラッ!『バシュッ!』『バシュッ!』ズドンッ!

ギァア『ゴギンッ!』


顎を破壊して解放されたノアは荒鬼神ノ化身を抜いて『アースイーター』の頭上に即転移。
深々と頭に突き刺して力任せに脳を破壊したのだった。


ズシャッ!ドシャッ!スタッ!


『アースイーター』を始末したと同時に地下空間に降り立ったノア。
その直ぐ後ろに『アースイーター』の死骸が崩れ落ちたのである。


ズルルルル…!

《大丈夫ですか主様?》

『やぁグリード。
コイツら知能が高いね、<気配感知>の死角となる真下から強襲してきたよ。』

《ですが頭のネジは外れている様です。
地下に入ってきた私から逃げるでも無く食らい付いて来ましたから。
ですがそのお陰で処理は容易かったですけどね。》


つまり『アースイーター』に対して殺気等で威圧しても効果が無いと言う事である。


『じゃあここら辺は大体片付けたんだ。』

《そうですね、後は奥…》


『『『ゴリリリリッ!』』』

『『『『『ズズズズズズズンッ!』』』』』


『ん!?今のは何だ?<千里眼>発動。』

《どうやら上の地盤が落ちてきた様『あっ!?エスメラルダさんじゃないか!近く『アースイーター』も居るという事は嵌められたんだな!』

《その様ですね。
彼女の周辺に大挙して押し寄せているみたいですから間違いないでしょう。
助けに向かいましょう。》

『いや、僕が行こう。
『スラッ。』グリードは僕が彼女の下まで行ったらいつもの(プラズマレーザー)を宜しく。』

ブンッ!

《了解しました『ゲェァアッ!』わ…え?》

『何『ビヂャッ!ジュゥヴヴヴヴッ!』ぐぁあああああっ!?』

(『ちょ!?おい大丈夫か!?』)


ノアがエスメラルダ救出の為に荒鬼神ノ化身を抜いてぶん投げ、直ぐに転移しようとした所、死んだと思っていた『アースイーター』が起き上がり、強酸性の体液をノアに吐き出してきた。

咄嗟に顔は防いだものの、左半身に体液を浴びてしまい、忽ち白煙が上がり肌が焼け爛れ始めてしまった。

『アースイーター』に限らず、虫系のモンスターは例え頭部を切り離したとしても僅かな時間生存していられる程の生命力を持つ為、注意が必要である。


ズドンッ!ブギュッ!?

《主様!?主様大丈夫ですか!?》

『くそっ…流石の僕でも<酸耐性>は持ち合わせて無いってのに…取り敢えず手筈通りに行くぞ!
先ずはそれからだ!『バシュンッ!』』


強酸を吐き出した『アースイーター』の頭部を尻尾で叩き付け、完全に破壊したグリードは駆け寄るが、ノアはぶん投げた荒鬼神ノ化身の下まで転移した。

そして前話の後半へと繋がる。
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