ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

巡り合わせ

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『『『『『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…』』』』』

シュゥウウウ…

『ハァ…ハァ…ぅぐっ、痛ぇ…』ガクッ…

「酷い薬傷…これは直ぐにでも洗い流さないとマズイ事になるわよ!(エスメラルダ)」


グリードの放ったプラズマレーザーで地下空間内が爆炎と業火に包まれる。

そんな中、アースイーターの酸を浴び左半身が焼け爛れたノアが膝から崩れ落ちる。
エスメラルダは状態を見てそれが酷い物であると直ぐに察していた。

と、そこに


ドガガガガッ!

《主様!?主様大丈夫ですか!?》

『おーグリード…今の一撃良《そんな事より治療しましょう!上に行ってヴァンディットさんを直ぐに呼んできますから!》

ガシッ!ダンッ!

『ぅぐっ…!?待て待て待で…』


<人化>形態で飛んできたグリードは、直ぐにノアに駆け寄り抱き抱えて地上へと飛び上がっていく。

それだけのハズなのに何故かノアは冷や汗を流し、苦悶に顔を歪めていた。

その理由は地上に出て判明する事になる。





ズダッ!

『ぅぐっ!』

「おぉやはり今のは坊の契約獣のじゃったか。
って、おい大丈夫かぁっ!?(バド)」

「おい娘っ子!
ちと急いでここに来とくれ!(ルド)」

「ゴーレム共は穴を見張っとれ!
モンスターが出てきたら追い返せ!(ロイ)」

(    ゜゜)〔っす。〕

(    ゜゜)〔まー。〕


地上にエスメラルダと共に上がると、穴の周りにはドワーフとゴーレム達が集まっていた。
直ぐにノアの状態に気付いてヴァンディットを呼び、ゴーレム達が警戒にあたる。


タッタッタ…

「ノア様…?如何為され…
!?これは酷い薬傷…!急いで被った酸を洗い流さないと!
グリードさんはノア様の防具を外して!
あと誰か水属性魔法を使える人は居ますか!?(ヴァンディット)」

「わ、私は風属性魔法しか…(エスメラルダ)」

「儂ら全員土属性魔法だけじゃ。(バド)」

「おぅい!傭兵共!エルグランド殿!誰か水属性魔法使える者は居らんかぁっ!?(ルド)」


結果から言えば周りに居る者達の中には水属性魔法が使える者は居なかった。
唯一水を得る事が可能そうなつかえるキノコのクリストフは、現在最前線でキノコ小隊やネプトゥリオの3人らと共に奮闘中である。


「わ、私、ひとっ飛びしてクリストフさんを呼んでくる。(ラインハード)」

バシュゥウウウッ!

《と、取り敢えず主様の防具を『ベリッ…』『ぅがぁああっ!』…えっ!?あ、わ、わ…》


一先ず抱き抱えているノアを地面に下ろした<人化>形態のグリードだが、再びノアが悲鳴を上げる。

何せ、酸を被って爛れたノアの左腕の皮膚がグリードの体に引っ付いており、剥がれてしまったからである。


「グリードさん待って!
防具を外すのは止めましょう!他の皮膚が剥がれてしまうかも知れません!(ヴァンディット)」

《う、うん…》

「なので、防具の上から大量の水で…
あぁもう!何で蒸留水を全部ポーションに使ってしまったんでしょう私は!(ヴァンディット)」


防衛戦が始まる直前、備蓄しておいた蒸留水をポーション作製にまわしてしまったヴァンディットだが、状況を考えれば仕方の無い事である。


タッタッタ…

「うわっ!?こりゃ酷ぇな。(ヨーヘー)」

「下が剥き出しじゃない、早く手当てしないと…
あっ!生活魔法の″クリーン″で酸を除去しちゃえば良いんじゃない?(ゲイリー)」


あまり使用した事は無いが、生活魔法の中に″クリーン″というモノがある。
これは汚れを落とす効果があるのだが


「ダメダメ止めなさい!
酸で爛れた他の皮膚や筋肉等も″汚れ″として判定されて、下手したら骨や血管だけになっちゃうかも知れないわよ!(エスメラルダ)」

ゾッ…

「「「「うぇ…」」」」


傭兵のゲイリーが提案してみるも、エスメラルダが制止する。
想像してみたら中々にスプラッターな光景となった事だろう。


(『…鬼神…オーラで包む事は出来ない…?』)

(『出来るが、何よりも酸を除去しなきゃ回復させる事すら出来ん…
力を制御したとは言え、″対物理″に関して防御力はあるが、酸に対しては普通の人間と何ら変わらん…取り敢えずクリストフが来るまでは耐えてくれ…』)

(『…了解…
取り敢えず<激痛耐性>で何とか意識は保ててるけど、そう長くは持たないかも…』)


ノアでも<酸耐性>は持ち合わせていない為、<激痛耐性>のみで耐えている状態である。

ヴァンディットや周りに居る他の者達らもどうしたら良いか頭を悩ませていると


ズズ…トテテ…

『…あ、ニャーゴか。
そっか、影の中で1人だったから出て来たんだね…?』

にゃ~ご…?


ノアの影の中から紫のチョーカーがトレードマークの半透明のネコ、″ニャーゴ″が現れた。

ニャーゴとは、数日前視察した海洋種が造り出したダンジョン″龍遇城″内に生息していたモンスターである。

猛毒を持っているが、チョーカーの様に見える部分に集約されている為、無毒である。

″スライムネコ″だったり″ネコクラゲ″等呼び名は様々であるが、正式名称は分かっていない。
鳴き声からそのまま″ニャーゴ″と名付けている。

今はノアに懐き、日がな1日日向ぼっこしたり、影の中でヴァンディットらとゴロゴロしている。

そんなニャーゴが影から出て来て、苦しむノアに近付いてきた。


にゃ~ご?

『…ごめんね、今指1本動かすだけで激痛が…ぅぐぐっ…』

……チロ…ジジジ…

『あ、こら、舐めたら…
…まぁニャーゴなら大丈夫か…』

にゃごご…

タッ『いっ!?』トンッ『うっ!』


ノアの左手をチロリと舐めたニャーゴが低い声を上げる。
直後にノアの太腿、肩に登ってきた。


にゃぉおん…『ドロリ…』

『えっ!?ちょ!ニャーゴ?ニャーゴ!?』

「どうしましたノア様!?(ヴァンディット)」

『ニ、ニャーゴが肩に登ったと思ったら急にドロドロに…』


焼け爛れた左肩にニャーゴが登った直後、鳴き声を上げながら溶けだした。
てっきり浴びた酸に反応して溶解したものと思ったのだが


たぽんっ。

にゃぁん。シュゥウウウ…

『…っえ、大丈夫なの…?
あ、でも何か痛みが引いてきた…』


肩口の辺りから溶けだして左脇腹を伝って左足の先まで防具ごと包み込むと、そこで溶けたニャーゴの伝播は止まった。

ノアを安心させる為か、一鳴きしたニャーゴの半透明な体の中には、幾つもの黄色っぽい気泡が上がっていた。


「…もしかして、ノア様が浴びた酸を吸収してる…?(ヴァンディット)」


人語を話せないニャーゴにダメ元で問い掛けるヴァンディット。
するとニャーゴは


にゃ。
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