ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

害虫駆除

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シタタタタタタタッ!

「あばばばばばっ!(ヤン)」ガクガクガク…

ズザザザッ!

「水属性魔法を使える方をお連れ致しましたぞノア殿っ!
あぁっ!間に合わなかった!ノア殿の腕が酸によってまるでジェル状に…!(クリストフ)」

『待って待って、落ち着いてクリストフ…
ヤンさんがガクンガクンしてるから…』


つかえるキノコのクリストフがネプトゥリオのリーダーヤンを肩車した状態で突っ走ってきた。
到着早々左半身をニャーゴに包まれたノアを見たクリストフは、ヤンを肩車したまま項垂れたり悔やんだりした為、ヤンがまるで人形の様にガクガクと振られていた。


「うぇえ…酷いアトラクション乗ったみたいだわ…
そ、それよりもノア君左側どうなってるの…?
何かスライム状のモノに包まれてるみたいだけど…(ヤン)」

『ほら、この間ダンジョンで出会って飼う事になったニャーゴだよ。
ほらニャーゴ、挨拶して。』

ぶにょん。んにゃご。

「あ、あの時の?(ヤン)」


ノアの肩の辺りが盛り上がり、ニャーゴが元の姿に戻ってヤンに対して一鳴きした。

元の姿に戻ったという事はノアが被った酸は完全に除去された様だ。


(『酸が除去されちまえばこっちのモンだ、損傷部位を制御下に置いて回復が行える。
だが流石に炭化したり変色する程損傷しちまった組織は追々切除しなきゃならんから、それは無事街に戻ってからだな。』)

(『うん、分かった。
一先ず酸が抜けただけで十分だよ。』)


露になった腕、特に肘から先は皮膚が剥がれ落ちてしまった為にとても痛々しい。
鎖骨の辺りは一部炭化していたり、痣の様に変色しているので、防具で見えていない箇所にはもっと酷い状態のモノもあるだろう。

力の制御下にあり、回復力も上昇しているとは言え、傷を治すのと失った皮膚を元の状態まで再生させるのとでは、掛かる時間とエネルギーが大きく異なると言う。

一先ず皮膚が剥がれ落ちてしまった腕にオーラを集めて保護し、その上で制御下に置いて継続回復させる事に努めた。





ギュッ、ギュギュッ!

『…よし…拳を握るとジクジクと痛むけど取り敢えず何とかなるな…』

「ひぃぃぃ…実況しないで、聞いてるこっちがゾワゾワしてくるからぁ…(ヤン)」

「宜しいのですかノア様…?
治療に専念すべきでは…(ヴァンディット)」

『それは追々。先ずは″害虫駆除″をしてからだ。
一先ずグリード。』

《は、はい、何で御座いましょう。》

『僕にプラズマレーザー撃って貰えるかな?』





~地面に空いた大穴周辺~


ドボォッ!

「うぬらぁっ!(ロイ)」ゴギンッ!

ギシャァアアアアッ!

〔ッス。〕ゴギィンッ!

ゲェァアッ!『『ブシャァッ!』』

〔まー。『バシャァアッ!』〕


先程グリードが放ったプラズマレーザーで仲間のが蹴散らされた事で、一時的に退いていたアースイーターだが、音沙汰が無くなった事で再び前進し、地面に空いた大穴から外に出ようとしていた。

ゴーレムやキノコ小隊らが奮戦して防いでいたのも束の間、大穴の周辺から次々に湧き始めていた。

そこで地中から顔を出したアースイーターに対して攻撃を仕掛けて退かせている。
その光景はさながら″もぐらたたき″であった。


「エエイ、キリガナイ!
ケッテイダガナイノハハガユイモノダナ!(エルグランド)」

ゴギィンッ!

「坊の容体が安定したら時機に坊の契約獣が戻って来るじゃろう!それまでの辛抱じゃ!(ルド)」

ガガンッ!ゴガガガガガガッ!

「…戻ってきますよね…?(ラインハード)」

「ったり前じゃ!
あンの坊は死神にトコトン嫌われておる!
そう易々とはおっちんだりせんて!(ロイ)」


酸を被っていたノアの様子を間近で見ていたラインハードは少し不安げに問い掛けるも、ドワーフ達は1ミリたりとも心配していない様子である。


「どーせいつも通り上手い事いって、今頃反撃の準備でも『『『ドドゴォオオッ!!』』』うわっとぃ!?(ロイ)」

「きゃぁっ!?な、何事です!?(ラインハード)」

「ゾウエンガキタカ!?(エルグランド)」


ロイが話していると、後方で爆炎が上がった。
新手、もしくはモンスターの増援によるものと思われたが、ロイだけはニヤリと口角を上げ、一言だけ呟いた。


「ほらな。(ロイ)」





ドボォッ!ゲェァ『ドスッ!』アッ!?

バシュンッ!

『ッラァアッ!』ズゴンッ!

『ビキッ…』ゲェァッ…


地面から新たに飛び出してきたアースイーターの頭部に、高速で飛来してきた荒鬼神ノ化身が突き立つ。

即座に転移してきたノアは、叩っ斬るでも無く強烈な拳を叩き込んだ。

頑強な甲殻にヒビが入る程の一撃が叩き込まれ、アースイーターは力無く飛び出してきた穴からノアと共に地下へと落下していった。


『『ギュァアッ!』』
『『『ギャガガッ!』』』
『『『ギギギギッ!』』』
『『ギャァアッ!』』

「ノアドノヲオッテイクゾ!(エルグランド)」

「ちょ、おい坊!何ぞ策はあるんじゃろうなぁっ!?
無策なら先の二の舞じゃどっ!(ロイ)」


この間僅か十数秒の出来事であった。
ロイの忠告が届いたのかは定かではなかったが、直ぐにノアの″策″は目に見える形で現れた。


シュボォアッ!

「お!?(ロイ)」

『『ゴォッ!』』『『ボッ!』』『ボォッ!』

「ンオッ!?(エルグランド)」

「何…熱″っ!?
退け!一先ずここから退くんじゃ!(ルド)」

『『『コォオオオオオ…』』』


地面に空いた大穴、ノアがアースイーターと共に落下していった穴、その他地中へと繋がる穴と言う穴から突如肌を焼く程の熱風が噴き出した。

更に大穴からは煌々と光が漏れ出した事で、地下でノアが何をやったのかは直ぐに分かった。


『『『『『『『ドゥンッ!』』』』』』』

「ヌゥッ!?(エルグランド)」
「地面が波打ちましたよ!?(ラインハード)」
「振り返るな!退け!退くんじゃ!(ロイ)」


地下で何か放たれた様で、瞬間的に地面が波打ち、各所で地割れが発生。


『『ボフゥウッ!』』
『ドゴォッ!』
『『ボッ!ボフッ!』』
『『ボゴボゴボゴッ!』』
『ボゴンッ!』『ドゴンッ!』『『ボゴゴ…』』

「後ろで不穏な音と熱波が迫ってますよぉっ!(ラインハード)」
「分ぁっとる!(ロイ)」
「…オ、オオ、ドウヤラナンヲノガレタヨウダゾ…(エルグランド)」


地面や地割れから炎が噴き出し、3人の後方で次々に崩落が発生。

漸く崩落が収まってきた所で後方を見てみると、地下空間全てが崩落した様で、大量の土石と、燃え盛り赤々と熱せられた岩石が転がる直径300メルを越える巨大な大穴が形成されていた。

その光景はまるで隕石が落下したクレーターの様で、土石に潰された個体や、火だるまとなって半死半生のアースイーターで地獄絵図と化していた。
 
その中心には煌々と光輝く召喚獣『龍神邪火』と、【鬼鎧殻】を身に纏ったノアが佇んでいた。
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