ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

ヴァンディットとの扱いの差

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~アンテイカーを見下ろせる坂の上・夕方~


「ほほぅ、こげな窪地のど真ん中に街があるんじゃのぅ。(バド)」
「なる程、霧が立ち込めば確かに″出そう″な場所じゃな。(ルド)」
「暗ぁなる前にさっさと降りて街に向かうど。(ロイ)」

「「じゃな。」」


ノア達と一日遅れでウォルタメを発ったドワーフ3人組が窪地の頂上に到着。
霧が立ち込めるアンテイカーの街を見下ろしていた。


「そういやアンテイカーってあれじゃろ?
時折質の良い″霊銀″を儂らん故郷『フェレイロ』に送って″聖霊銀(ミスリル)″へと加工依頼出してきとった街じゃなかか?(ルド)」

「んだぁな。
フリアダビアでの話が流れてきた頃からパタリと途絶えたがな。何でじゃろうな?(バド)」

「【採掘】の者が居らんくなったか堀り尽くしたんじゃろうかの。(ロイ)」


ドワーフ3人は聖霊銀(ミスリル)を取り扱った事がある様だが、送られてきた霊銀を聖霊銀(ミスリル)に加工する技術は持ち合わせているものの、採取、獲得方法までは知らない様であった。





~アンテイカー・通りにあるとある商店~ 


「お姉さん、マナポーションって在庫どれ位ありますか?」

「突然来てどうしたのよ急に…
えーっと、取り敢えず店頭には10本常備してあって、明日以降の分を考慮して50本位かな。」

「それ全部下さい。」

「ぶっ!?
ちょ、ウチのは品質は高いとは言え、さっきみたいにがぶ飲みし続けたら中毒起こしちゃうよ!?」



(ポーション類がぶ飲みによる)中毒症状…品質の低いポーション類を飲み続ける事で体調不良や(体力・魔力)回復阻害、(体力・魔力)最大値の減少、中毒症状の長期化等が起こる。

品質の高低は不純物の量で決定されるので、最高品質の物であれば中毒症状は発生しない。

が、そういった品を作り出すのは非常に技術と設備を要する為困難とされている。



にゅっ。

「そうですぞノア殿、魔力の回復なら私のキノコで事足りますぞ!(クリストフ)」

「おわーっ!何だアンタはぁっ!?」

「あ、この人(?)は僕の連れのクリストフ。
これでも歴とした冒険者です。(見た目には触れない)」

「初めまして店主殿、私はつかえるキノコのクリストフ、こちらのノア殿の従者です。
どうぞウェルカムドリンクとなります。(クリストフ)」

「あ、どうも…じゃなくてっ!」


クリストフの登場で混乱を極めた商店のお姉さんをどうにか落ち着かせるのに大体4、5分掛かってしまったのだった。





「これから向かう洞窟に何が居るか分からないし、もしかしたら<浄化>を連発する事態になるかも知れない。
無いとは思うけど、クリストフもヴァンディットさんみたいな状態になって頼る事が出来なくなるかも知れないから万全を期す為に大量購入するんだよ。」

「なる程、不測の事態を考慮してるのですな。(クリストフ)」

ズズズ…(ウェルカムドリンク(お吸い物)を啜る。)

「何があったか知らないけど、危険な場所へ向かうという事だけは分かったよ。
色々と考えあっての事だってんなら購入に応じるよ。」


話が分かるお姉さんのお陰でマナポーションの大量購入はすんなりと承諾された。


「でもノア殿?
ヴァンディット殿と同じ状態になれば私はそれなりに厄介なハズ。
それでも同行を許すというのは信頼の証ですかな?(クリストフ)」

「確かに敵に回したら一番厄介そうではあるけど、ヴァンディットさんと違ってクリストフなら全力でぶん殴っても一番ダメージ無さそうだから。
その辺はしっかり信頼しているよ。」

「初めて信頼の方向性に戦慄しましたぞノア殿。(クリストフ)」

「お互いを理解しあっているからこその信頼ってヤツだね。
へへ、良い主従関係だ。(ちょっと違うお姉さん)」


この時意図していなかったが、この発言を受けたクリストフは、例え操られたとしても絶対にノアにぶん殴られたくないと思った為、元々高かった精神力を大幅に上昇させたとかなんとか。





~門前~


「さてクリストフ。
街の人に色々情報を聞いてみたんだがこれまで悪霊の類の目撃は無かったらしい。
まぁ洞窟近辺まで向かう事自体が少ないから、ってのもあるみたいだけどね。
″霊″の方々からは、洞窟の方から不気味な気配があったけど、教会関係者の人達は気付いてなかったらしい。」

「私も独自に調べてみましたが、元々あの洞窟は″洞窟″ではなく″隧道(トンネル)″だったらしく、現在は廃墟と化した″隣村″へと繋がっていたそうです。
前領主の悪政の数々の結果、20年以上前に大量の餓死者が出たらしく、最奥は現在封鎖されているとか…(クリストフ)」

「クリストフの方でも調べてくれていたか。
その話を聞いた感じ、悪霊が生まれる条件は揃ってると言えるな。」


商店での大量購入を終えたノアは、クリストフと情報共有しつつ門前へと移動。

すると門前に教会関係者が数人待機しているのが見えた。


「ノア殿、もうすぐ夜になります。
幽鬼(幽霊)の類が昼の比では無い程出現します。」
「分かってると思いますが、幽鬼(幽霊)は物理属性が効き難く、精神に影響を与える攻撃や魔法を多用してきますが…」

「ご安心を。ちょっと悪霊退治に向かうだけですので。
精神については″そこそこ″自信があるのでそこについてもご心配無く。」

「…いやいや…サラッと凄い事を言ってるぞ、君…(ヒュージャ)」


教会関係者の中には【聖騎士】ヒューガの弟ヒュージャも含まれており、ノアが来るのを分かって待機していた様に思われた。


「ヒュージャさん、どうしてここに?」

「さっき兄のヒューガが軽率な事を言ってしまった事を謝罪にきた。
君に言われた通り、視える様になったヒューガが現在街を回っているが、半分も行く前に発言を後悔しているってヒューマに溢していたぞ。(ヒュージャ)」

「視える事で自身に掛かる重圧の一端を分かってくれればそれで良いです。
この街に居る以上、霊と関わる事が必至なので、時間を掛けて慣らしていけば良いでしょう。
それでは僕らは先を急ぐので…」

「分かっている。
そんな君に相談なのだが、私も同行して良いだろうか?
シンプソンやソシエールがあの状態で、ヒューガも似た状態に陥っているのだ、洞窟の奥に何が居るのか報告しなければならないので出来れば同行を許して欲しいのだが…(ヒュージャ)」


(´・Д・)「えー…(※ノア)」


「ど、同行を許して欲しいのだが…(ヒュージャ)」


(´・Д・)「操られたらぶん殴って気絶させますよ?容赦しませんよ?」


「か、覚悟するよ…(ヒュージャ)」


(´・Д・)「………じゃあ良いですよ。」


「あ、ありがとう『ポン。』ん…?(ヒュージャ)」

「ナカーマ。(クリストフ)」
 
「え?(ヒュージャ)」   
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