ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

ミダレに色々と起きますし、起こします。

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~その頃アンテイカーの工房では~


カィン!カィン!カィン!(バドが剣を打つ。)

カッカッカッカッカッ!(ラインハードが指示された装飾を作成。)

トカカッ!カカッ!(ロイが刀身に空けられた穴に装飾を嵌め込む。)

タパパッ…『『ジュワァア…』』(ルドが刀身に特殊な液体を掛けて刀身と装飾を一体化させる。)

「よっしゃ、出来たぞ神父。
お主専用の剣、『鎮魂歌(レクイエム)』じゃ。
大事に扱うんじゃぞ?(バド)」

「お、おお…何と美しい…(シンプソン)」



『鎮魂歌(レクイエム)』…ドワーフとラインハードとの共同で造られたグラディウスと言う剣。
刀身には幾つか穴が空けられており、そこに聖霊銀(ミスリル)製の装飾を施されている。

剣を振る際そこに空気が流れ、浄化作用が付与された音色が発生する。
勿論悪霊やアンデットに対する効果は絶大である。



「…意外です…
てっきり聖霊銀(ミスリル)のインゴット全部使って武器を作成すると思っていたのに、3人分の装飾で使ったの一欠片にも満たないんですね…(ミリア)」

「そりゃあの。
聖霊銀(ミスリル)そのもので武器を造っても強度が無く、直ぐに使い物にならなくなっからな。(ロイ)」

「それにこれだけ少量でもちゃあんと聖霊銀(ミスリル)はしかと効力を発揮すんじゃぞ。(ルド)」


商人見習い(メルカドール)のミリアは教会関係者への刀剣製作を1から見続け、ドワーフの技術を見て目を養っていた。

ミリアは聖霊銀(ミスリル)が極少量しか使われていない事に驚いていたが、その理由はバドが教えてくれた。


「ちなみに商人見習いの嬢ちゃん、聖霊銀(ミスリル)インゴット1本の市場価格知っとっか?(バド)」

「え?…いや、資料を漁ってみたのですが聖霊銀(ミスリル)に関する情報が殆ど無くて…(ミリア)」

「まぁそうじゃろうな。
聖霊銀(ミスリル)が少量市場に出回るだけでも一騒ぎある代物じゃ。
インゴットとなると大騒ぎになるぞ。
嬢ちゃんちとインゴットを持ってみぃ。(バド)」


そう言ってバドはミリアに聖霊銀(ミスリル)インゴットを手渡す。


「それ1本で″十ウン億″すっど。(バド)」

「でぇえ″え″え″え″え″え″っ!?(ミリア)」


バドから額を伝えられたミリアは全身から汗を噴き出し、女の子らしからぬ絶叫を上げていた。


ヒェエエエエエ…(ミリアの叫び。)

「ノア君と一緒に居ると、不定期に凄まじい物と出会すよね…(ラインハード)」

「慣れましょう…(ヴァンディット)」


額が重過ぎたミリアは、その後懇願気味に手の上の聖霊銀(ミスリル)を取り除いて貰っていた。


「そういえばノア君とミダレちゃん、帰ってくるの遅いね。(ラインハード)」
 
「そうですね。(ヴァンディット)」

「まぁ『幽閉霊』ってダンジョン、名前はおどろおどろしいけどデートスポットとして有名だから結構長居してるんだと思いますよ?(ソシエール)」

「あらあら。(ヴァンディット)」
「まぁまぁ。(ラインハード)」

「親睦が深まっていると良いですな。(クリストフ)」





~『幽閉霊』内~


「ノア君…焦らさんといてぇな…『ハァ…』ウチ、お腹ペコペコでおかしくなりそうなんよ…『フ…ゥ…』
ずっとノア君の(精気)が欲しくて欲しくて堪らんき、『ハァ…』助けるつもりで…なぁ…?(ミダレ)」

「う、ううう…」


親睦所かそれ以上に深い関係になりそうな状況に、ノアはどうにか事態が好転しないものか思考を巡らせるが、時間を掛ければ掛ける程ミダレの艶かしさと甘えが増し、今現在ノアの腕に絡み付いて懇願してきていた。




「…そ、そうだよね…
ミダレさんにとって今の状況は″空腹″故のモノ。
やましい事なんて何一つ無いよね。
いやあるまい!」

(『誰に言ってんだ?主。』)


遂に色々と折れたノアが自分に言い聞かせるかの様に予防線を口にし出す。

確かに食事=性欲に近いモノを持つサキュバス故、ノアの言い分は正しい。


ズズズ…(右手首の力の制御を解除。)


そこでノアは力の制御を一部(右手)解除。
つまりそこを通じて精気をミダレに与える様だ。


「あはっ、やっとその気になってくれたっちゃね?(ミダレ)」

(『何か性格変わってないか?この娘っ子…』)

「そ、そんな事無いよ…ね?ミダレさ「だーめ、あっちの事はこれから″ミダレ″って呼んで?」…はい…」

(『やっぱ変わってんな。
いつもよりぐいぐい来るしな。』)


ノアが力の制御を一部解除した瞬間、妖しく光っていたミダレの目がより一層妖しく光り、″ハート″模様の双眸がノアを見据える。

いつもより口調が砕け、態度も積極的である。
そんなミダレの変化に気圧されるノアであったが、力の制御を解除した右手を濡れた瞳で待つミダレの顔へとゆっくり近付けていった。


ぴとっ…スリスリ…

「あ、はぁ…ん、スゴい精気…
ずっと…ずっとコレが欲しかったっちゃ…(ミダレ)」

(これは食事、これは食事、これは食事…)


ノアの手が振れると愛おしそうに顔を擦り付けるミダレ。
まるで主人が撫でる手に気持ち良さそうな反応を示す飼い犬の様であった。

それだけならまだ良かったのだが


チュッ、チュピッ…(ノアの右手にキス。)

「ちょ、ちょおい!ミダレェッ!?」

(『ここに居るのが俺らだけで良かったな…
こんな絵面、他の嬢ちゃん達に見せたら間違いなく誤解されっからな。』)


ノアの手に頬擦りするだけに止まらず、口付けをするミダレ。
この後、貪る様に吸ったり舐めたりするのだが、当人達の事を考えてここは省略させて貰う。

この状況を見られてなくて良かったなぁ、と言う鬼神だが、とある1人の人物にバッチリと見られているとは露程も思っていなかった。



~サーバールームの識童子~


〝ほほっ!うほほっ!貪る様に味わうねぇ!
少年君は我慢している様だけど、何処まで理性が持つかなぁっ!
…あれ?サキュバスが″男性の右手に口付け″するのって何か意味が無かったっけかなぁ…
…まぁ良いか、今はこの状況を見逃さない様にしないとねぇ~♪〟


何か意味ありげな事を呟く識童子だが、外に居るノアの目の前では、それに関連した不可思議な事象が発生していたのであった。




ペロペロチュッチュッ…(ミダレがノアの右手を舐めたりキスしたり。)

「ふ…ふぬぬ…」

(…ねぇ鬼神…?)
(『…あぁ…』)

右手に感じるくすぐったい感覚に耐えつつ、ノアと鬼神はミダレの直ぐ近くで発生している不可思議な事象に困惑していた。


『『『ふよふよ…』』』(毛むくじゃらの″何か″が浮遊。) 


((『え?この″毛玉″何…?』))
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