ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

唐突に始まります。

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~???~


「…あれ?暗…
何で僕ここに居るんだっけ…?」



「…あれ?鬼神…?」


ふと目を覚ましたノアが周りを見ると、周囲は誰も居ない闇に染まり、中に居るハズの鬼神も反応が一切感じ取れなかった。


「…あ、ヴァンディットさん達だ…
皆なら知って『ギギギ…』うっ、何か体が重いなぁ…」


数度首を回して周りを見ていると、少し離れた所にヴァンディット、ラインハード、ミリア、ミダレの姿を見付け思わず駆け寄る事に。

何故か体が異様に重かったが、その時は特に不思議がる事は無かった。


「み、皆さーん…どうしてこんな所に居るんです…?」


重くなった足を引き摺りながら4人の所に辿り着くノア。

すると


「「「「誰、あなた?」」」」

「へ…?」 


4人は普段見せない冷たい目をノアに向けて怪訝そうに睨み付けてくる。


「…あの、僕ですよ、ノアです。
確か皆さんカステロの『美肌の湯』に行っていたハズですが…」

「やだ何コイツ、覗きの類?(ラインハード)」

「貴方がノアさん?ハッ、″ボロ雑巾″みたいな奴と一緒にしないでくれる?(ミリア)」

「ノア君はとぉっても強くて逞しい人なの、少しは体を鍛えてから名乗りを上げてくれるぅ?クスクス…(ミダレ)」

「ノア様の名を騙るな下朗!(ヴァンディット)」

「え?…え?皆何を言って…」


と、蔑んだ目で罵詈雑言を言われ続けたノアはその時になって漸く自身の状況を理解したのである。


ヒュー…ヒュー…
カサ…

「…ぅ、ぁあああっ…」


すきま風かと思う程の吸量で呼吸もままならず、自身の手足からは肉が削ぎ落ちて恐ろしく痩せ細り、肌の所々は黒ずみ、所々がささくれて捲れていた。


「それに貴方、病を抜きにしても10才位じゃない。ノア君は今15才よ?
自分の年齢を確かめてから来て頂戴。(ラインハード)」

ゴトッ。

「はい、鏡。(ミダレ)」


何処からともなく大きな鏡が出てきた事について特に違和感を持つ事無く、ノアは映し出されたその姿を見る。

そこには、過去に患っていた病気で恐ろしく痩せ細り、髪が抜け落ちた今とは見る影も無い幼い自身の姿が映っていた。


「ぁ、あ『…ド』ぁああ…『アド…』ああああああ…」

『ノア殿。(クリストフ)』





ガッ。(肩を掴まれる。)

「…っ…!」ポタポタ…

「…10分経ちましたぞ。(クリストフ)」

「…あぁ…ありがとうクリストフ…」


眠りに就いていたノアの目覚めは最悪だった。
幾ら夏とは言え、夕方はそこそこ涼しく、スキルもあって汗をかく事は殆ど無い。

だがノアの顔は青く、額には汗が滲み滴り、呼吸も荒く、支えとしていた手は震え、寝る前よりも疲労感が増した様に思えた。


にゃーご…?ペロペロ…

「はは、ヨシヨシ。
…クリストフ、次は8分位で起こして貰える…?」

「…ノア殿、どうやら自身の<睡眠耐性>の影響で、私の『昏睡茸』でも深い眠りに陥らない様に思われますな。(クリストフ)」

「はー…やっぱりか…
どーしても夢を見ちゃうんだよなぁ…」

「…その様ですな。
言われた通り10分まで待ってましたが、7分辺りで体が震えてニャーゴが心配してましたぞ。(クリストフ)」

「そっか、心配してくれてたんだな~、ニャーゴ?」

にゃーご。ゴロゴロ…


胡座をかくノアの胸の中で心配そうにしているニャーゴをあやし、気を紛らわせるノア。


「…それよりも、2人は何でここに…?
他の皆が居ないから、様子を見に来た感じかな?」

「……。(ミダレ)」ビクッ。

《…。》


ノアは顔面蒼白でジットリと汗を浮かべつつ背後に居る2人へと振り返る。

そこには、夢の中では冷たく、蔑んだ様な目で見ていたミダレではなく、不安と心配を含んだ瞳で見るミダレと、その使い魔であるイスクリードが居た。


《…契約者様、″澱んでる″よ。》

「…その意味について合ってるかは分からないけど、寝る度にコレだからね、″澱み″もするだろう?」

《…うん…》


ミダレの使い魔であるイスクリードは″夢魔″である為か、ノアがどんな夢を見ていたか大体分かるらしい。

ミダレは分からないものの、ノアの魘され具合で毎度悪夢に魘されている事位は分かっている様だ。


「ノ、ノア君、大丈夫…?(ミダレ)」

「はは、心配しなくて良いよ。
これでも合計で1時間位は睡眠が取れたから多少は動ける様になった。
その頃には街に入れる様にはなるだろうから、もう少しゆっくり出来るさ。
さ、恐らく皆が待ってるだろうから戻ってらっしゃい。」

「あ、でも「ね?」…うん…(ミダレ)」


何か力になりたいが、街に戻る様ノアに静かに、だが強く促されたミダレは、一言「うん…」としか答えられずに街の方へと引き返す事しか出来なかった。

するとそこに


「…気持ちは分かりますぞミダレ殿。
私の方でもどうにかしたいものですが、流石に夢の中となると…(小声のクリストフ)」


ノアが寝てる間、タイムキーパーとして近くで見守っていたクリストフ自身、どうにかノアの力になりたかったが、分野が違う為どうにもならないとミダレに告げてきた。


「一応何か出来ないかこちらでも検討してみますので、一先ず一度お戻り下さいな。(小声のクリストフ)」

「う、うん…(ミダレ)」


クリストフにも促されたミダレは、トボトボと街の方へと向かっていった。





トボトボ…

《…主人。》

「…何イスクリード?(ミダレ)」

《…契約者様…ノアさんの力になれるかも知れないって言ったら…どう…?》

「…え?そんな事出来るの…?(ミダレ)」

《…ボクは″夢魔″だからね。
ノアさんの夢に″介入″して原因となるモノを排除すれば出来ない事も無いよ。》

「だ、だったら

《でも場合によってはノアさんを更に苦しめてしまうかも知れないから、勝手に″介入″するのは勧めない。
一度ノアさんと話してからの方が良いよ。》

…うん、分かった。(ミダレ)」


使い魔である″夢魔″のイスクリードなりに打開策はある様子。
それを聞いて少し勇み足になったミダレを落ち着かせ、ノアに相談してからにする様諭していた。




『『『『『ズズンッ!』』』』』

「「えっ?(門兵1、2)」」

「ひゃっ!?(ミダレ)」
《へ?》

「ぬ?(クリストフ)」

にゃ?

「え?」


突如街の方から突き上げる様な音と振動が響き、周囲に居た者達がほぼ同時に驚きの声を上げた。  
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