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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~
対『鬼神』
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《むぅ…プラズマレーザーが全く効いてない訳では無い…
このまま撃ち続ければ押し切れるかな…》
破壊力抜群なグリードのプラズマレーザーが、鎧王富嶽蟲には僅かな傷痕を付ける程度に留まった事に動揺する反面、際限無く攻撃し続ければ、何れ討伐は可能。
と、思われた矢先
『『『パキッ!』』』(鎧王富嶽蟲(ガイオウフガクムシ)の背甲殻が突如割れる)
《あれ?攻撃が効いてた…?
…いや、嘘でしょ…まさかアレって…″脱皮″?》
『『『パキパキパキパキ…』』』ズロン…(脱皮)
「…あの巨体で脱皮持ちなのね…(アミスティア)」
「実質再生持ちって訳か、厄介だな…(レドリック)」
鎧王富嶽蟲からパキリと音が立ったかと思えば、あっという間に脱皮を開始。
傷が付いた背甲殻を脱ぎ去り、光沢のある鈍色の背甲殻が露となった。
グリードの後方でその様子を見ていたアミスティアとレドリックは、そんな鎧王富嶽蟲の特性に苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべていた。
と
『『『ドドドドドッ!!』』』(突進)
『『『ズボォッ!』』』(地面に潜って回避)
「「ふっ!」」『『ズザッ!』』(後方退避)
徐に鎧王富嶽蟲が突進を開始。
80メルもある巨体である為真っ正面から立ち向かう訳にもいかず、グリードは地面の下に、アミスティアとレドリックの2人は後ろに飛び退いて退避した。
すると
……(鎧王富嶽蟲)
『『『ズォン…』』』(多脚を駆使して跳躍)
『『『『『ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』』』』』(大激震&大爆発&衝撃波&土石弾)
「きゃあっ!?(アミスティア)」
「うぉわっ!?(レドリック)」
~地下~
『『『ドボォアアアアアアアアッ!』』』(大激震&衝撃波)
《ぬ…ぎ…!》ミシミシ…!
~上空~
〔えっ!?〕
〔爆発!?〕
〔た、退避!退
『『ドドドッ!』』ゴッ!『『ゴォッ!』』ズドドッ!(衝撃波&土石弾)
~地上~
『『『ドォオオオオオオ…』』』(迫る衝撃波&土石弾)
「皆々方!配置しているバックラッシュルームの防壁にお逃げ下され!(クリストフ)」
「皆障壁を展開しろっ!
盾の無い者達は集まってくれ!(シンプソン)」
「来るぞ!早く逃げ
『『『ドァアアアアアアアッ…』』』(衝撃波&土石弾到達)
~街(前哨基地)~
『『『ズズズズズ…』』』(地揺れ)
『『『パラパラパラ…』』』(降り注ぐ土砂)
「な、何だ今の激震と爆発は…(ルルイエ)」
「兵の者達よ!街の被害と負傷者の確認を!(カルル)」
「「「「「はっ!」」」」」
「…何だあのデカいダンゴムシは…(戦闘職1)」
「あれも虫なのか…?(冒険者1)」
「デケェ…(冒険者2)」
「見た事無いぞあんなモンスター…(戦闘職2)」
鎧王富嶽蟲が引き起こした一連の破壊行動に、各所で被害と混乱が引き起こされていた。
最前線のアミスティアとレドリックは衝撃波に呑まれ、グリードは地下でも大激震を食らい、上空を飛んでいたハーピー族達は衝撃波と土石弾を受け、散り散りに。
地上で防壁となって立ちはだかっていた冒険者や戦闘職等の有志達は、クリストフが事前に設置した避難所やシンプソン達教会関係者が展開した障壁にて難を逃れた者も居るが、決して少なくない被害が後に明らかとなるのだった。
~最前線~
『『『ゴォオオオオオッ…』』』(立ち込める爆煙&砂煙)
ズシャッ!ドシャッ!ズズン!(降り注ぐ土石弾)
『『ドボボッ!』』(グリード、地面から出現)
《…ゲホッ…私じゃなければ圧死していたでしょうね…》
大激震に大爆発、衝撃波と土石弾が止み、地中に逃げていたグリードが姿を現す。
とはいえ、相当の圧を食らったのか龍鱗の所々から血を流し、思わず咳き込んでいた。
直後、グリードの背後に
『『ブゥンッ!』』(虚空から2人の影)
《っ!》ザッ!
「ゴホッ…おっと済まない落ち着いてくれ。
俺と…アミだ。
君と同じく一時的に避難していただけだ…(レドリック)」
《良かった、無事で…も無さそうですね…》
「…肩や脇腹に石や木の枝が刺さってるけど私はこれでも軽傷よ。
私を逃がす為にレドの方が傷を負ったのだもの。(アミスティア)」
グリードの背後の空間から突如アミスティアを抱き抱えたレドリックが出現。
退避が間に合い、無事が分かった事で安堵したのも束の間、アミスティアは左半身、特に肩から脇腹にかけて石や木の枝が刺さり、血を滴らせていた。
そしてレドリックは傷こそ少ないものの、左目と左の首筋が抉れ出血を伴っていた。
「…ゴホッ…
全く、息子に気を付けろと言っておいて自分が怪我してちゃ世話無ぇわな。(レドリック)」
《そ、その…目…》
「気にしないでくれ、元々俺の目は両目共″義眼″だ。
だからこそ感知系スキルをカンストさせたんだがな…(レドリック)」
ッポン、くいっ。(ハイポーションを呷る)
カッ。(活性の丸薬服用)
ブスッ。(チノアラシの針を刺す)
「ゴホッ…
…少し組織が抉られ過ぎて手持ちの薬品だけでは完治は難しいか…
街に戻って治療したい所ではあるが、コイツが見逃してくれるかどうか…(レドリック)」
手慣れた様子で応急手当てをするレドリックだが、抉れた眼窩から出血が僅かに減った程度で、首筋も同様であった。
完全に出血を止めるには、失った組織を再生させる為の上級の薬品が必要となる。
となれば一度街に戻り回復に努めたい所である。が、ここは最前線である為
『『『ボゴボゴボゴ…』』』(めり込んだ地面から出現)
《っ!》
「っ!(アミスティア)」
鎧王富嶽蟲が大激震&大爆発&衝撃波&土石弾を発生させる為に大きく跳躍した際、その巨体と重量によって体の大半は地面に埋まり、周囲にはクレーターが形成されていた。
そこからゆっくりと体を出現させた鎧王富嶽蟲は、グリードとアミスティア、レドリックの方を一瞥する。
と
『『『グググ…』』』(多脚を曲げ、跳躍の体勢)
《むっ!?また″アレ″をやるのでしょうか!?》
「俺達を仕留めてなかったから頭に来たんだろう。(レドリック)」
「あんなもの連発されたら堪ったモノではないわねぇ…(アミスティア)」
鎧王富嶽蟲は、全ての脚を曲げ、身を屈めて力を溜め、再び跳躍しようとしていた。
一応回避方法があるレドリック達とは違い、後方に居る有志達や上空のハーピー族は、再びあの大激震を起こされたら堪ったモノでは無い。
どうにかして鎧王富嶽蟲の動きを止めたい所である。
そこに
『『ゴガガガガガガガガッ!』』(上空から魔力弾の雨)
『『『ガガガガガガガガガギィンッ!』』』
……?(鎧王富嶽蟲)ムク…
鎧王富嶽蟲の頭部目掛けて雨の様に魔力弾が降り注ぐ。
ダメージらしいダメージが入っていない様だが、鎧王富嶽蟲は魔力弾が降ってきた方向へと頭を向ける。
『『『ゴォオオオオオッ!』』』
[魔力弾、効果無し!(エル)]
[敵微動だにしていません!(アール)]
『だが気は逸らした!これで良い、このまま突っ込むぞ!』
『『バシュゥッ!』』(ブースターによる加速)
上空からは魔装鉄甲を装着したノアが高速で降下しつつ魔力弾を放ってきていた。
それによって跳躍体勢に入っていた鎧王富嶽蟲の気を逸らす事に成功。
『エル!アール!
この後装備状態を解除して離脱!
父さんと母さんを連れて街まで運んでいってくれ!』
[っ!?(エル)]
[り、了解!アール]
『『ガショガショガショッ!』』(装備状態解除)
[[…御武運を。]]
『おぅ!』
『『バシュンッ!』』(エルとアール左右に離脱)
ゴォオオオオオッ!(急降下)
もう何度目かも分からないノアからの無茶苦茶な要求に、とうとう余計な口答えをせずに従う様になったエルとアールの2人。
ノアの指示に従い鎧王富嶽蟲に向かって急降下しながら装備状態を解除。
エルとアールは最前線に残っている両親の下へ向かわせ、自身は
『『『『ズズズズズ…』』』』(赤黒い腕を4本生成)
ズラッ…『『『『ガシッ!』』』』(荒鬼神ノ化身を抜き、柄と刀身を握り込む)
『『ギシギシギシ…』』
『随分堅い様だが、クラーケンとどっちが堅いかなぁっ!』
『『『ギュゴンッ!』』』(衝突&地揺れ)
荒鬼神ノ化身を抜き、切っ先を下に向け赤黒い腕で固定した状態で鎧王富嶽蟲に激突。
破壊不可能な金属同士が衝突した鈍い音と逃れられない衝撃が揺れとなって周囲に響き渡る。
…ゥゴゴ…(鎧王富嶽蟲)
『ギジギジギジギジギジ…』(じわりじわりと切っ先がめり込む)
『かっってぇなコイツ…!!』
鳴き声なのか悲鳴なのか分からないが鎧王富嶽蟲が反応を見せる。
そんな中急降下の勢いを乗せたノアの一撃は、切っ先が僅かに食い込む程度であった。
が
『俺の力じゃここまでか…!
【一神同体】発動!こっから頼んだぜ『鬼神』!』
自身の力ではこれ以上は無理だと察するや否や、固有スキルの【一神同体】を発動。
ノアの中でいつも寛いでいる力の根源『鬼神』を体外へ召喚したのだった。
『『ズズズズズ…』』(ノアの中から赤黒いノア(鬼神)出現)
『あいよ。』
『ガシッ!』(荒鬼神ノ化身の柄を握る)
『任され、た。』
ゴチュッ!(↓)ゾリンッ!(→)
軽い口調の『鬼神』は、出現するなりノアが何とか刺した荒鬼神ノ化身の柄を握るなり、堅牢な鎧王富嶽蟲の甲殻に根元まで突き刺し、そのまま切り開くかの様にスライドさせたのだった。
ゴォオ″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ッ!!!!(鎧王富嶽蟲)
ズズンッ!『『ドゴォンッ!』』(暴れる鎧王富嶽蟲)
すると今まで動きや様子が大人しかった鎧王富嶽蟲が咆哮に似た鳴き声を上げながら暴れ、背中の上に居る2人を振り落とそうともがいていた。
「うおっ!?(レドリック)」
「なっ!?(アミスティア)」
『『キィイイイイインッ!』』(接近する機影)
[御二方!ここは危険です!一時避難します!(エル)]
「「え?」」
[ノア様の命です!失礼します!(アール)]
『『ガシッ!』』「「ア、チョ…」」『『バシュゥッ!』』(問答無用の連行)
ノアの指示を受けて左右から迫っていたエルとアールがレドリックとアミスティアの下に到着。
言葉少なに、説明。有無を言わさず2人を抱えて飛び去るエルとアールであった。
ズズンッ!『『ズシンッ!』』(暴れる鎧王富嶽蟲)
『…ょぃ…『『ゴシャンッ!』』しょっとぉっ!』
ゴォオ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″ッ!!!!(鎧王富嶽蟲)
ひたすら暴れる鎧王富嶽蟲の上で踏ん張りを付ける為、『鬼神』は四股を踏む姿勢を取った後、強固な甲殻を踏み砕いて足を突っ込む。
それによって鎧王富嶽蟲は尚更咆哮を上げて暴れまくる。
グリードですら傷を付けるのが精々であったにも関わらず、更に体躯の小さい人型に簡単に自慢の甲殻が砕かれている為鎧王富嶽蟲は必死も必死なのである。
ズゴンッ!ドゴンッ!
「や、ヤバい!振り落とされ…そう…」
ガシッ!(首根っこを掴む)
「え?」
『グリード!
主の事頼むわ、ほれ、パス!』
ポイ。(放られるノア)
力の根源である『鬼神』がノアの中から抜けている為、大幅に力を失った状態のノアは今にも鎧王富嶽蟲の背中から振り落とされそうである。
そこで『鬼神』はノアをまるでボールでも持ち上げるかの様に扱い、離れた所に居るグリードへと放る。主従関係とは一体。
ゴロリン。(グリードの頭から背に転がる)
《もう大丈夫そうですね。》
「あぁ…『鬼神』ならあの堅い奴相手でも何とかしてくれるだろうさ…」
『鬼神』からパスされたノアはグリードの背中に到着。
グリードの背中から鎧王富嶽蟲対『鬼神』の戦闘を見守る事とした。
ドドンッ!『『ズダンッ!』』ゴゴゴッ!
ガッ!ガギッ!『『メギメギメギメギ…』』(切断した甲殻を抉じ開ける)
凄まじい力と、実質破壊不可能な荒鬼神ノ化身をによって斬り裂いた鎧王富嶽蟲の背甲殻に腕を突っ込み、まるで地下室の扉を開くかの様に左右に抉じ開ける『鬼神』。
すると甲殻の下には柔らかな白い肌が見えた。
ぶにっ。(白い肌に着地)
『流石に中は柔らかいわ、な!』
『『ドブッ!』』(肩口まで腕を突っ込む)
ゴォオ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″ッ!!!!(鎧王富嶽蟲)
鎧王富嶽蟲の生身に到達した『鬼神』は腕を突っ込み″何か″を探す。
その間鎧王富嶽蟲は暴れ、叫び抵抗するが『鬼神』は全く気にしていない様子。
『お、これだろうな。』
ズッ『『『ブヂブヂブヂブヂブヂブヂッ!』』』(図太い白い筋を引き抜く)
ゴォオ″…オ″オ″オ″…オ″オ″…!
ダンッ!(跳躍)
『『『ズルルルルルルル…』』』(引き抜かれ続ける図太い白い筋)
『よぅし、一丁上がり。』
『『『ズルルルル…』』』ボゴンッ!(図太い白い筋の先に″何か″の塊も一緒に引き抜かれる)
オ″オ″…『『『ズズンッ!』』』(絶命)
腕を突っ込んだ後、″何か=脊髄″を引き抜いた『鬼神』は、そのまま跳躍して鎧王富嶽蟲の″何か=脳″も序でに引っこ抜く。
すると鎧王富嶽蟲は急に暴れなくなり、咆哮も上げる事無く絶命するのだった。
このまま撃ち続ければ押し切れるかな…》
破壊力抜群なグリードのプラズマレーザーが、鎧王富嶽蟲には僅かな傷痕を付ける程度に留まった事に動揺する反面、際限無く攻撃し続ければ、何れ討伐は可能。
と、思われた矢先
『『『パキッ!』』』(鎧王富嶽蟲(ガイオウフガクムシ)の背甲殻が突如割れる)
《あれ?攻撃が効いてた…?
…いや、嘘でしょ…まさかアレって…″脱皮″?》
『『『パキパキパキパキ…』』』ズロン…(脱皮)
「…あの巨体で脱皮持ちなのね…(アミスティア)」
「実質再生持ちって訳か、厄介だな…(レドリック)」
鎧王富嶽蟲からパキリと音が立ったかと思えば、あっという間に脱皮を開始。
傷が付いた背甲殻を脱ぎ去り、光沢のある鈍色の背甲殻が露となった。
グリードの後方でその様子を見ていたアミスティアとレドリックは、そんな鎧王富嶽蟲の特性に苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべていた。
と
『『『ドドドドドッ!!』』』(突進)
『『『ズボォッ!』』』(地面に潜って回避)
「「ふっ!」」『『ズザッ!』』(後方退避)
徐に鎧王富嶽蟲が突進を開始。
80メルもある巨体である為真っ正面から立ち向かう訳にもいかず、グリードは地面の下に、アミスティアとレドリックの2人は後ろに飛び退いて退避した。
すると
……(鎧王富嶽蟲)
『『『ズォン…』』』(多脚を駆使して跳躍)
『『『『『ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』』』』』(大激震&大爆発&衝撃波&土石弾)
「きゃあっ!?(アミスティア)」
「うぉわっ!?(レドリック)」
~地下~
『『『ドボォアアアアアアアアッ!』』』(大激震&衝撃波)
《ぬ…ぎ…!》ミシミシ…!
~上空~
〔えっ!?〕
〔爆発!?〕
〔た、退避!退
『『ドドドッ!』』ゴッ!『『ゴォッ!』』ズドドッ!(衝撃波&土石弾)
~地上~
『『『ドォオオオオオオ…』』』(迫る衝撃波&土石弾)
「皆々方!配置しているバックラッシュルームの防壁にお逃げ下され!(クリストフ)」
「皆障壁を展開しろっ!
盾の無い者達は集まってくれ!(シンプソン)」
「来るぞ!早く逃げ
『『『ドァアアアアアアアッ…』』』(衝撃波&土石弾到達)
~街(前哨基地)~
『『『ズズズズズ…』』』(地揺れ)
『『『パラパラパラ…』』』(降り注ぐ土砂)
「な、何だ今の激震と爆発は…(ルルイエ)」
「兵の者達よ!街の被害と負傷者の確認を!(カルル)」
「「「「「はっ!」」」」」
「…何だあのデカいダンゴムシは…(戦闘職1)」
「あれも虫なのか…?(冒険者1)」
「デケェ…(冒険者2)」
「見た事無いぞあんなモンスター…(戦闘職2)」
鎧王富嶽蟲が引き起こした一連の破壊行動に、各所で被害と混乱が引き起こされていた。
最前線のアミスティアとレドリックは衝撃波に呑まれ、グリードは地下でも大激震を食らい、上空を飛んでいたハーピー族達は衝撃波と土石弾を受け、散り散りに。
地上で防壁となって立ちはだかっていた冒険者や戦闘職等の有志達は、クリストフが事前に設置した避難所やシンプソン達教会関係者が展開した障壁にて難を逃れた者も居るが、決して少なくない被害が後に明らかとなるのだった。
~最前線~
『『『ゴォオオオオオッ…』』』(立ち込める爆煙&砂煙)
ズシャッ!ドシャッ!ズズン!(降り注ぐ土石弾)
『『ドボボッ!』』(グリード、地面から出現)
《…ゲホッ…私じゃなければ圧死していたでしょうね…》
大激震に大爆発、衝撃波と土石弾が止み、地中に逃げていたグリードが姿を現す。
とはいえ、相当の圧を食らったのか龍鱗の所々から血を流し、思わず咳き込んでいた。
直後、グリードの背後に
『『ブゥンッ!』』(虚空から2人の影)
《っ!》ザッ!
「ゴホッ…おっと済まない落ち着いてくれ。
俺と…アミだ。
君と同じく一時的に避難していただけだ…(レドリック)」
《良かった、無事で…も無さそうですね…》
「…肩や脇腹に石や木の枝が刺さってるけど私はこれでも軽傷よ。
私を逃がす為にレドの方が傷を負ったのだもの。(アミスティア)」
グリードの背後の空間から突如アミスティアを抱き抱えたレドリックが出現。
退避が間に合い、無事が分かった事で安堵したのも束の間、アミスティアは左半身、特に肩から脇腹にかけて石や木の枝が刺さり、血を滴らせていた。
そしてレドリックは傷こそ少ないものの、左目と左の首筋が抉れ出血を伴っていた。
「…ゴホッ…
全く、息子に気を付けろと言っておいて自分が怪我してちゃ世話無ぇわな。(レドリック)」
《そ、その…目…》
「気にしないでくれ、元々俺の目は両目共″義眼″だ。
だからこそ感知系スキルをカンストさせたんだがな…(レドリック)」
ッポン、くいっ。(ハイポーションを呷る)
カッ。(活性の丸薬服用)
ブスッ。(チノアラシの針を刺す)
「ゴホッ…
…少し組織が抉られ過ぎて手持ちの薬品だけでは完治は難しいか…
街に戻って治療したい所ではあるが、コイツが見逃してくれるかどうか…(レドリック)」
手慣れた様子で応急手当てをするレドリックだが、抉れた眼窩から出血が僅かに減った程度で、首筋も同様であった。
完全に出血を止めるには、失った組織を再生させる為の上級の薬品が必要となる。
となれば一度街に戻り回復に努めたい所である。が、ここは最前線である為
『『『ボゴボゴボゴ…』』』(めり込んだ地面から出現)
《っ!》
「っ!(アミスティア)」
鎧王富嶽蟲が大激震&大爆発&衝撃波&土石弾を発生させる為に大きく跳躍した際、その巨体と重量によって体の大半は地面に埋まり、周囲にはクレーターが形成されていた。
そこからゆっくりと体を出現させた鎧王富嶽蟲は、グリードとアミスティア、レドリックの方を一瞥する。
と
『『『グググ…』』』(多脚を曲げ、跳躍の体勢)
《むっ!?また″アレ″をやるのでしょうか!?》
「俺達を仕留めてなかったから頭に来たんだろう。(レドリック)」
「あんなもの連発されたら堪ったモノではないわねぇ…(アミスティア)」
鎧王富嶽蟲は、全ての脚を曲げ、身を屈めて力を溜め、再び跳躍しようとしていた。
一応回避方法があるレドリック達とは違い、後方に居る有志達や上空のハーピー族は、再びあの大激震を起こされたら堪ったモノでは無い。
どうにかして鎧王富嶽蟲の動きを止めたい所である。
そこに
『『ゴガガガガガガガガッ!』』(上空から魔力弾の雨)
『『『ガガガガガガガガガギィンッ!』』』
……?(鎧王富嶽蟲)ムク…
鎧王富嶽蟲の頭部目掛けて雨の様に魔力弾が降り注ぐ。
ダメージらしいダメージが入っていない様だが、鎧王富嶽蟲は魔力弾が降ってきた方向へと頭を向ける。
『『『ゴォオオオオオッ!』』』
[魔力弾、効果無し!(エル)]
[敵微動だにしていません!(アール)]
『だが気は逸らした!これで良い、このまま突っ込むぞ!』
『『バシュゥッ!』』(ブースターによる加速)
上空からは魔装鉄甲を装着したノアが高速で降下しつつ魔力弾を放ってきていた。
それによって跳躍体勢に入っていた鎧王富嶽蟲の気を逸らす事に成功。
『エル!アール!
この後装備状態を解除して離脱!
父さんと母さんを連れて街まで運んでいってくれ!』
[っ!?(エル)]
[り、了解!アール]
『『ガショガショガショッ!』』(装備状態解除)
[[…御武運を。]]
『おぅ!』
『『バシュンッ!』』(エルとアール左右に離脱)
ゴォオオオオオッ!(急降下)
もう何度目かも分からないノアからの無茶苦茶な要求に、とうとう余計な口答えをせずに従う様になったエルとアールの2人。
ノアの指示に従い鎧王富嶽蟲に向かって急降下しながら装備状態を解除。
エルとアールは最前線に残っている両親の下へ向かわせ、自身は
『『『『ズズズズズ…』』』』(赤黒い腕を4本生成)
ズラッ…『『『『ガシッ!』』』』(荒鬼神ノ化身を抜き、柄と刀身を握り込む)
『『ギシギシギシ…』』
『随分堅い様だが、クラーケンとどっちが堅いかなぁっ!』
『『『ギュゴンッ!』』』(衝突&地揺れ)
荒鬼神ノ化身を抜き、切っ先を下に向け赤黒い腕で固定した状態で鎧王富嶽蟲に激突。
破壊不可能な金属同士が衝突した鈍い音と逃れられない衝撃が揺れとなって周囲に響き渡る。
…ゥゴゴ…(鎧王富嶽蟲)
『ギジギジギジギジギジ…』(じわりじわりと切っ先がめり込む)
『かっってぇなコイツ…!!』
鳴き声なのか悲鳴なのか分からないが鎧王富嶽蟲が反応を見せる。
そんな中急降下の勢いを乗せたノアの一撃は、切っ先が僅かに食い込む程度であった。
が
『俺の力じゃここまでか…!
【一神同体】発動!こっから頼んだぜ『鬼神』!』
自身の力ではこれ以上は無理だと察するや否や、固有スキルの【一神同体】を発動。
ノアの中でいつも寛いでいる力の根源『鬼神』を体外へ召喚したのだった。
『『ズズズズズ…』』(ノアの中から赤黒いノア(鬼神)出現)
『あいよ。』
『ガシッ!』(荒鬼神ノ化身の柄を握る)
『任され、た。』
ゴチュッ!(↓)ゾリンッ!(→)
軽い口調の『鬼神』は、出現するなりノアが何とか刺した荒鬼神ノ化身の柄を握るなり、堅牢な鎧王富嶽蟲の甲殻に根元まで突き刺し、そのまま切り開くかの様にスライドさせたのだった。
ゴォオ″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ッ!!!!(鎧王富嶽蟲)
ズズンッ!『『ドゴォンッ!』』(暴れる鎧王富嶽蟲)
すると今まで動きや様子が大人しかった鎧王富嶽蟲が咆哮に似た鳴き声を上げながら暴れ、背中の上に居る2人を振り落とそうともがいていた。
「うおっ!?(レドリック)」
「なっ!?(アミスティア)」
『『キィイイイイインッ!』』(接近する機影)
[御二方!ここは危険です!一時避難します!(エル)]
「「え?」」
[ノア様の命です!失礼します!(アール)]
『『ガシッ!』』「「ア、チョ…」」『『バシュゥッ!』』(問答無用の連行)
ノアの指示を受けて左右から迫っていたエルとアールがレドリックとアミスティアの下に到着。
言葉少なに、説明。有無を言わさず2人を抱えて飛び去るエルとアールであった。
ズズンッ!『『ズシンッ!』』(暴れる鎧王富嶽蟲)
『…ょぃ…『『ゴシャンッ!』』しょっとぉっ!』
ゴォオ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″ッ!!!!(鎧王富嶽蟲)
ひたすら暴れる鎧王富嶽蟲の上で踏ん張りを付ける為、『鬼神』は四股を踏む姿勢を取った後、強固な甲殻を踏み砕いて足を突っ込む。
それによって鎧王富嶽蟲は尚更咆哮を上げて暴れまくる。
グリードですら傷を付けるのが精々であったにも関わらず、更に体躯の小さい人型に簡単に自慢の甲殻が砕かれている為鎧王富嶽蟲は必死も必死なのである。
ズゴンッ!ドゴンッ!
「や、ヤバい!振り落とされ…そう…」
ガシッ!(首根っこを掴む)
「え?」
『グリード!
主の事頼むわ、ほれ、パス!』
ポイ。(放られるノア)
力の根源である『鬼神』がノアの中から抜けている為、大幅に力を失った状態のノアは今にも鎧王富嶽蟲の背中から振り落とされそうである。
そこで『鬼神』はノアをまるでボールでも持ち上げるかの様に扱い、離れた所に居るグリードへと放る。主従関係とは一体。
ゴロリン。(グリードの頭から背に転がる)
《もう大丈夫そうですね。》
「あぁ…『鬼神』ならあの堅い奴相手でも何とかしてくれるだろうさ…」
『鬼神』からパスされたノアはグリードの背中に到着。
グリードの背中から鎧王富嶽蟲対『鬼神』の戦闘を見守る事とした。
ドドンッ!『『ズダンッ!』』ゴゴゴッ!
ガッ!ガギッ!『『メギメギメギメギ…』』(切断した甲殻を抉じ開ける)
凄まじい力と、実質破壊不可能な荒鬼神ノ化身をによって斬り裂いた鎧王富嶽蟲の背甲殻に腕を突っ込み、まるで地下室の扉を開くかの様に左右に抉じ開ける『鬼神』。
すると甲殻の下には柔らかな白い肌が見えた。
ぶにっ。(白い肌に着地)
『流石に中は柔らかいわ、な!』
『『ドブッ!』』(肩口まで腕を突っ込む)
ゴォオ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″ッ!!!!(鎧王富嶽蟲)
鎧王富嶽蟲の生身に到達した『鬼神』は腕を突っ込み″何か″を探す。
その間鎧王富嶽蟲は暴れ、叫び抵抗するが『鬼神』は全く気にしていない様子。
『お、これだろうな。』
ズッ『『『ブヂブヂブヂブヂブヂブヂッ!』』』(図太い白い筋を引き抜く)
ゴォオ″…オ″オ″オ″…オ″オ″…!
ダンッ!(跳躍)
『『『ズルルルルルルル…』』』(引き抜かれ続ける図太い白い筋)
『よぅし、一丁上がり。』
『『『ズルルルル…』』』ボゴンッ!(図太い白い筋の先に″何か″の塊も一緒に引き抜かれる)
オ″オ″…『『『ズズンッ!』』』(絶命)
腕を突っ込んだ後、″何か=脊髄″を引き抜いた『鬼神』は、そのまま跳躍して鎧王富嶽蟲の″何か=脳″も序でに引っこ抜く。
すると鎧王富嶽蟲は急に暴れなくなり、咆哮も上げる事無く絶命するのだった。
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