ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~

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ゴガガギガガガガッ!(鎧王富嶽蟲の咆哮)

ズドンッ!『グチャッ!』『『『ゴガンッ!』』』ズゴンッ!『ッチャッ!』(大地と仲間を踏み砕く)


アミスティアとレドリックがモンスター群へと駆け出したと同時に、モンスター群の中からも最大戦力の鎧王富嶽蟲が仲間を踏み潰しながら侵攻を開始。

だが見えている訳では無い様で、微妙に左右に振れながらの侵攻であった。


『アミ!奴の『死点』は!(レドリック)』

『左脚の付け根部分よ!
奴の装甲剥がせる?(アミスティア)』

『完全破壊は難しそうだがやれるだけやってみよう!(レドリック)』

『『フッ…』』(姿が掻き消える)


アミスティアと数度話をしたレドリックは、まるで夜の闇の中に溶け込む様に姿を消す。



~鎧王富嶽蟲の脚部周辺~


『『ズァッ…』』(出現)

『『『ギュルルルルッ!』』』(腕に幾本もの″闇″が絡み付き肥大化)

『『『ボゴボゴッ!』』』グルォオオオオオオッ!(肥大化した腕から真っ黒い獅子出現)

『kttbdkbtg!(かっ飛べデカブツが!(※レドリック))』

『『『ゴギュィンッ!』』』(硬物質同士の衝突&激震)


『『『ズゥン…』』』ゴガギ…(上体が僅かに浮く鎧王富嶽蟲)


『t、ssgnukbagrysnxek!
m、sksdmsp-sgdkry…slt:『iskinh-t-』!
srt【trnk】htdu!
(チッ、流石に浮かび上がりゃしねぇか!
ま、少しでもスペースが出来りゃ…
スロット:『異世界の砲塔』!それと【貫(ツラヌキ)】発動!)』

『『『ギュンッ!』』』ゴォッ!(チャージされていた『異世界の砲塔』出現&発射)

『『ゾリンッ!』』(発射された『異世界の砲塔』が鎧王富嶽蟲の分厚い甲殻を防御力無視で貫通&突破)

ゴガガガギガガガッ!?(鎧王富嶽蟲の鳴き声)


説明が追い付かないが、鎧王富嶽蟲の脚部に出現したレドリックは″闇″を体に付与したり闇で形作られた眷属の黒獅子を宿したりして巨体である鎧王富嶽蟲を殴り付けて僅かに上体を浮かせた。

次に何処かでチャージしておいた櫓の様に大きく、長く図太い『異世界の砲塔』を出現させ【神出弓士】専用の固有スキル【貫(ツラヌキ)】を用いて岩盤の様に強固な鎧王富嶽蟲の甲殻を、防御力を無視して貫いた。


ボダボダボダ…(貫かれた体内から滝の様な出血)

グゴ…ゴゴ…(死にかけの鎧王富嶽蟲)

『『iskinh-t-』rc-j !
t、snz-wwzknhzrtk…!am、tdmwtnm!
(『異世界の砲塔』リチャージ!
チッ…心臓を僅かに外れたか…!アミ、トドメを頼む!)』


天窓の様に空けられた貫通痕から止めどなく流れ出る血液。
完全に心臓を破壊していなくても致命傷なのは確実であるが、虫系モンスターの生命力を舐めたら痛い目を見るので確実な死を見届ける必要がある。

そこで常人では理解出来ない言語で妻に呼び掛け、トドメを刺して貰う事にしたレドリック。

仰いだ夜空には透き通った空色の三日月が浮かんでいたが、それが徐々に降下してきていた。

もうお分かりだろうが、これは三日月等ではなく


『久し振りの発動だから忘れてるだろうけど、なーに言ってるのか分かんない、ってーのぉっ!(アミスティア)』

『『『ズドンッ!』』』(バカデカい鎌が突き刺さる)

ゴ…ガャ…ッ!(鎧王富嶽蟲の悲鳴)


遥か上空からバカデカい鎌を担いで飛来したアミスティアは、命を刈り取るその刃をポッカリと空いた貫通痕へと突き刺した。


『『ゴギンッ!ベキベキベキッ!』』(鎌が肉を割って突き進む)

『てか『死点』の場所教えたのに仕留められなかったの?(アミスティア)』


『【trnk】nkukjknh0.2b-。
nmntknrtrnkrg、kndkbtaitjtrnittn。
(【貫(ツラヌキ)】の効果時間は0.2秒。
並の敵なら貫けるが、このデカブツ相手じゃ足りないっての。)』


『『『ベキベキベキビキビキビキ…』』』(鎧王富嶽蟲の甲殻が内部から盛り上がる)

『…何言ってるかよく分かんないけど、取り敢えず弁明かしらね。
まぁ私の出番がちゃんとあったから良いのだけど。(アミスティア)』

『『『ベキベキベキベギンッ!』』』(胸部側面から巨大な刃が出現)

ゴ…(鎧王富嶽蟲絶命)


アミスティアが突き刺した巨大な鎌は貫通痕を起点に肉を割り、体内から鎧王富嶽蟲の命を破壊していく。

だがその見た目は、刃を突き入れていくのではなく突き刺した刃をこねくり回すかの様。
例えて言うなら『缶切り』であろう。


『『『ズズンッ!』』』

『『『ゴボゴボゴボ…』』』(流れ出る血液)

 
『t-k『stn』nitwmeryunstkrnik?
ssgnkutudtitgkdstmrrn。
(つーか『死点』の位置を見える様にしてくれないか?流石に口頭だと一撃で仕留められん。』

スタッ!ガシャンッ!

『えーっと…?『死点』を見える様にしてくれ的な事かしら?
分かったわ、ノアちゃんが仕事をした後でね。(アミスティア)』


一仕事終えたアミスティアがバカデカい鎌を肩に担いで地面に降り立つ。

鎌の柄で肩を揉み解しながら見上げた空には、分厚い雲を突き破って一筋の青白い光が凄まじい速度で光を放ちながら、一直線に巨大な繭を目指していた。





『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』(高速降下中)

[分厚い雲を抜け落下位置を目視!
軌道の修正を行います!(エル)]

『速度・角度・位置そのまま!このまま繭に突っ込む!特定の攻撃以外全て無視!
回避行動を取るんじゃ無いぞ!』

[了解しました!(アール)]


分厚い雲を抜け距離を稼いだノアは一転して再加速して高速で地上を目指し始めた。

あっという間に分厚い雲を抜け、目標落下地点である巨大な繭へと突き進む。

丁度虫モンスター群は囮に向かって侵攻しており、巨大な繭の周囲に待機している個体はそう多くない。

とはいえ、全体数からすれば多くないだけで普通に100体以上存在しているし、その殆どが砲放宝蜂であった。


『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』

チキ…(荒鬼神ノ化身を確認)

『…魔力量は3本分には少し足りない位か…
魔力供給でどれだけ確保出来るかに掛かってるな…』


ノアは徐に荒鬼神ノ化身の刀身を確認し、吸収し蓄積されている魔力量を確認。

目標量よりも少ない状態らしく、到達までの間にどうにか供給するつもりらしい。

一応策は立ててはいる。

上手くいくかどうか怪しいモノである為、あくまで最終手段としての手段であるが、その策というのは、囮となっている者達の遥か後方で待機しているラインハードに高密度の魔力弾を狙撃して貰い、荒鬼神ノ化身で受け止めるという何とも無茶苦茶な策である。

だが、後にこの策が必要となる状況に陥るのだが、最終手段である策も不発に終わる事となる。





ギガガッ!ガゴガガッ!(砲放宝蜂の1匹がノア達の気配を感知)

ガガガッ!(また1匹)
『『ゴギゴッ!』』(2匹3匹)
『『『『『『ギョゴガゴガガッ!』』』』』』(全ての砲放宝蜂が感知)


巨大な繭の周囲で待機モードであった砲放宝蜂の1匹が、高速で降下してくるノアの気配に気付くや否や、瞬く間に周囲の砲放宝蜂が気付き攻撃態勢に入る。

砲放宝蜂の砲撃は厄介この上ないので、普通であれば絶望的な状況であるが



『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』

[っ!?蜂に気付かれました!(エル)]

『っしゃあっ!待ってました魔力供給源!
コースはこのまま!押し通るぞっ!』

[はいっ!(アール)]


砲放宝蜂の砲撃は厄介ではあるが、荒鬼神ノ化身で防げば魔力に変換され吸収されるだけ。

故に現状のノアからすれば、砲放宝蜂の砲撃は只の魔力供給に過ぎないのである。



『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』『ギュン!』(砲放宝蜂の砲門が一斉に向けられる)


『逃げるなよぉ、寧ろコースが狂わない程度に当たりに行け!』

[[は、はい!]]


この日幾度と無く繰り返された動きを見たノアは、荒鬼神ノ化身を手に眼下の砲放宝蜂の群れに突き進む。

砲門を向け、次々に『メテオボール』をチャージする光景は、深まる夜空に輝き出す星星の様。


『『『『『『『『『『『『ズドドドドドドドドドドドドドドドッ!ドドドドドドドドドドドドドドドドンッ!!!』』』』』』』』』』』』(無数の『メテオボール』の砲撃)


放たれる砲撃。

待ちに待った攻撃が放たれたのだが、それはノアが思っていたものとは大分掛け離れた代物であった。


ヒュヒュンッ…『『ヒュンッ!』』バフォッ!(命中精度10%の『メテオボール』)

『あ、あれ…!?』

[…全然飛んで来ませんね…(エル)]

[何か闇雲に撃っている様な…
距離の問題…ではありませんよね…?(アール)]

『くっ、こうなったら最終手段を…』


先程までの命中精度は何処へやら。
眼下の砲放宝蜂共が放った『メテオボール』の殆どが明後日の方向に飛んでいき、真っ直ぐ飛んできたのは5、6発程度であった。

原因不明の低命中率の砲撃に、ノアはラインハードからの狙撃に期待するしか無かったのだが、正にその直後


『『『『バツン!』』』』(視界真っ暗)

『[[え?]]』


全く同時に3人の視界が真っ暗となり、何も見えなくなってしまったのである。


[し、視界0っ…!え!?何で!?(エル)]

[整備不良…!?いや、でもラインハード様に限ってそんな事…(アール)]

『落ち着け2人共!感知系スキルで降下する分には問題無


『『『『ヒュヒュヒュンッ!』』』』(通過していくラインハードからの魔力弾)


あ!しまった!』


急な視界不良に慌てる2人。
それでもノアは落ち着いて自前の感知系スキルでコースを違えずに降下していく。

が、その代わり最終手段として立てていた策(ラインハードからの狙撃による魔力供給)まで余力を残せず、全ての魔力弾を逃してしまったのだった。

この一連の事象はレドリックが発現させた『闇の神』の恩恵によるものである。

とは言え彼を責めないで欲しい。

″神の恩恵″の殆どが広域に効果を及ぼす物である上、こういった有事にしか使用しない為、どの程度の範囲に効果が及ぶか確かめようが無いのである。


『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』

『…くっ、こうなりゃ、あれだ。
巨大な繭の中でしっちゃかめっちゃか暴れてやる…
当初よりは被害を与えられないだろうが仕方無い…!』

[……。(エル)]


立てていた策が失敗に終わり歯噛みするノアだが、依然最高速度を維持したまま降下しており、巨大な繭には後20秒程で到達する。

そう、ノアが巨大な繭に対して行おうとしていた大博打というのは『繭への特攻』で、内部に突入して内側から破壊し、魔力の枯渇に追いやる事であった。

だが想定外の事が立て続けに発生した事でこの作戦は失敗に終わる。

と思われたが


『『バシュッ!』』(胸部のカバーオープン)

『え?』

[ちょ、お姉…何やってんの!?(アール)]

[私の動力源(高密度の魔石)をお使い下さい!
アール、私のボディの回収宜しくね!(エル)]


ノアの様子を伺っていた左腕のエルが胸部のカバーを開放させ動力源を見せてきた。

言わずもがな『この魔石を使え』との意思表示であろう。


[ノア様、これは″死″ではありません、また動力となる魔石を入れれば活動出来ます!
作戦の完遂をお祈りしています!(エル)]

『…あぁ分かった。必ず成功させてやる。
アール、エルのボディの回収頼んだぞ。』

[は、はい!(アール)]


人間で言えば作戦遂行の為に命を捧げる行動と捉えられるが、エルはそれだけの覚悟を持って動力源を差し出してくれたのだ。

そんなエルの覚悟に、ノアは僅かに動揺しつつも差し出された動力源(高密度の魔石)を受け取るのだった。


『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』

『『キュゥウン…』』(エル機能停止)

『…アール、合図を送ったら装着を解除しエルと共に離脱するんだ。』

『はい、畏まりました。(アール)』


もう既に巨大な繭とは目と鼻の先。
依然視界は0だが、ノアの感知系スキルの範囲内に繭の反応がある為後は突っ込むだけである。


[…ノア様、エルは先程雲の上で見た星空を大変気に入っていた様子。
この戦いが終わったら労いも兼ねて3人でまた見に行きませんか?(アール)]

『あぁ、勿論。
…よし、離脱してくれ。』

[御武運を。(アール)]

『『ガションッ!…バシュゥウウウウウ…』』(装着解除&離脱)


(『さ、トドメを刺しに行こうぜ。』)

『おぅ。』


『『『『チュゴンッ!』』』』(巨大な繭内部に到達)
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