ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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天空大陸~終わりの始まり

王都(ノアはお婆ん家)へ出発

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「「「「「それじゃあ【鬼神】一足お先に!」」」」」

「「「「「また何処かで!」」」」」


「はーい、また何処かで。」


自分達よりも先にフロンテイラを発っていく有志や冒険者達を見送るノア。

北へ向かう者、南へ向かう者、はたまた【魔王】占領下にある旧イグレージャ・オシデンタルの近くを通ってアルバラストや獣人国に戻る者も居る。

各々元の日常へと戻っていくのだ。

そんな中フロンテイラに残る者や、もう少し滞在する者も居り


〔我々はここに残り、折角の地上での生活を満足するまで営んでいこうと思っております。(肺魚人族のヌル)〕

〔帰ろうと思えば乾眠状態で龍宮城まで配達して貰えれば良いですしね。(肺魚人族のネロ)〕

「へ、へぇー…」


海洋種からの援軍であった陸上生活可能な肺魚人族のヌルとネロ。
彼らは元から地上で生活するつもりだったらしく、当分の間はフロンテイラで生活するらしい。

落ち着いてきた頃に天空大陸の湖でバカンスをする計画だとか。


そしてもう一組、ノアの両親と美幸と悠の4人である。

両親(特にレドリック)は、新しく領主となったカルルに周辺地域・国の貴族連中の情報を教えるとの事で暫く滞在するとか。

美幸と悠は何れ夫婦となるのだから予行練習として夫婦の真似事でもしてみれば?
とアミスティアから唆されたのが発端らしい。

お互い満更でも無い様子だったので気付いていない様だが、夫婦の真似事を想像して浮かれている2人の後ろで、両親は別の面白いものを見付けた時の様な黒い笑みを浮かべていた。


そしてノアを除くクランメンバーと共に王都へ同道する者が居た。


「いや、な…?我々は王都で催される闘技大会目当てだが、もしかすると、もしかするとノア殿の言っていたサキュバスの街の祭りにも行かん事も無いかな…(パンプ)」
「うむうむ、女人の黄色い声を聞きに行くとか、そんな疚しい気持ちは一切無いんだぞ?(バルク)」
「祭りを純粋に楽しみたい、その一心で向かうだけだ。
サキュバス族と接してみてワンチャン良い関係になれないかなとか、そんな気持ちは…(スクワ)」

「分かった分かった。
態度に出てるからもう素直になろうよ!」
  

今回フロンテイラ新興に伴って派遣された、サキュバス3人組と長い事接してみて色々思う所があった様で、たまたまサキュバス族の街の存在とお祭りの件を小耳に挟んだクラン『筋肉達磨』の3人が異様に張り切っていたので、お祭りに行くのは確実であろう。





~ヴァリエンテ領正門~


〈うにゃーん…寂しくなるのだわさ…〉

「何言ってるのさ、行こうと思えばいつでも行けるんだし(無事かどうかは別)そんな顔しないで下さいよ。」

〈これから秋になって冬になったら寒くなるから毛布一杯羽織って寝るのだわさ。〉

「うん。」

〈ハンカチは持ったのだわさ?〉

「うん…?」

(((((お母さんみたい…)))))


見送りにはフロンテイラの領主となったカルルや父親のルルイエ、フロンテイラへと通じる門の所にはその妻や娘の他多数の兵士、街の住人がピシッと整列していた。

天空大陸からはハルモニアを代表してケット・シーのステラがカルルの肩に乗って見送りに来た。

だが頭上を見上げ、天空大陸のある方を注視すると、四季龍インヴェルノ等の亜龍やハーピー族が翼を広げて大陸の周囲を旋回しており、これも一種のお見送りと捉える事にした。


〈離れ離れにはなるけど、私達は坊やのこれからの旅路が無事でいられる様、空の上から祈ってるのだわさ。〉

「う、うん…」

(((((別の意味合いに聞こえる…)))))


ケット・シーのステラが本来暮らしているのは雲の上なので言ってる事は間違いないのだが、死間際の老人が話す冗談の様に聞こえて仕方無かった。



「出会い方から何から、今の今まで迷惑を掛けて済まなかったな。
君のご両親からも色々と手解きを受ける事になるが…(カルル)」

「えぇ本当に。
まさかアルバラストでグーパンかました人とこんな関係性を築けている事に驚きですよ。
ちなみに2人両親には冗談効かないので気を付けて下さいね。」

「ははは…2度とああはならない様に精進するよ…それに君がそう言うのなら気を付けるとするよ。(カルル)」

〈え?え?2人には一体何があったのだわさ…?〉


数ヵ月前まで傍若無人に振る舞っていたカルルの姿はもう無い。
今は立派な1人の領主としてノアと相対していた。


「それじゃあこちらからも。
俺が言えた事じゃないが、あまり問題事に首を突っ込むのは程々にな?
仲間や彼女さんがずっと心配してるしな。(カルル)」

「えぇ、それはもう重々承知で…」



『『『ガラガラガラッ!』』』(走り抜ける荷馬車)

「「「ヒャッハー!待ちやがれそこの商人がーっ!(野盗連中)」」」



「「「「「「………。」」」」」」


そんな話をしていると、後方の旧街道から高速で駆け抜けていく荷馬車の車輪と馬の蹄の音、野盗と思しき叫び声が響いてきて思わずその場に居た全員が絶句する。

ある意味主人公の運命力といった所だろう。

今までのノアであったら直ぐに首を突っ込む所であるが


「…クリストフ、分かってるね?」

「畏まり!(クリストフ)」ズザッ!


押し黙っていたノアが徐にクリストフに一言告げると、代わりにクリストフがダッシュで荷馬車に向かっていった。


「ヨシ!これで大丈夫!」

(((((帰郷中はクリストフさんは居ないのにこんな調子で大丈夫かなぁ…)))))


介入するのは相変わらずだが、その役目がクリストフになっただけである。
「ほら、大丈夫でしょ?」とでも言いたげな晴れやかな表情のノアだが、他の面々は新たな不安に襲われるのだった。


(それにしてもクリストフ、1度も「お供しますぞ!」的な事言わなかったなぁ。
彼の性格考えたら絶対着いてくると思ったのに…
ふふ、彼も成長したんだろうな。)


つかえるキノコのクリストフの事だから、てっきりノアに仕えるものだと思っていた。

にも関わらず、クリストフはノアが帰郷すると聞いた時から今の今まで同道する様な発言が無かった。

故にノアが居ない間の自分の役割を理解したのだろう、その時はそう思っていた。





~クリストフサイド~


シュタタタタッ!(疾走中)

(…等とノア殿は思っておいでであろうが、勿論私は同行致しますぞ。
ですがそのまま着いていくと納得して貰えないと思いますので"違った形"で着いていきますぞ。
何せ私は"つかえるキノコ胞子噴出系男子"で御座いますからな。)


ノアの考えを見越してか、クリストフは既にお供する為の策を仕込んでいる様子。
一体彼がどんな策で同行するかは次回以降に説明する事になるだろう。
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