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天空大陸~終わりの始まり
魔導具『地獄門(ポルタオ・ド・インフェルノ)』
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~未明・旧イグレージャ・オシデンタル・巣上~
『『『ジュゥウウウ…』』』
【ふむ…一応成功だな…
知った上で実行しなければ巻き込まれ事故を起こす所だが…】
「す、凄い…
言ってはなんですが、こんな各種中間素材ばかりで『異世界転移』を可能とするなんて…(アリス)」
旧イグレージャ・オシデンタルで未明、中央に位置する巨大な巣の直上で強烈な閃光が走った。
一瞬の事であった為、見た者にとっては雷か流星の類いではと見間違えた事だろう。
だが発生したエネルギー量は桁違いで、<魔力感知>でその現場を目撃した者はあまりの瞬間的なエネルギー量に、失明していた事だろう。
閃光が収まった現場では、瞬間的とはいえ超高出力のエネルギーによって数千度に及ぶ熱が発せられ、巣の一部に炭化した大穴が空いていた。
まるで爆心地の様な大穴の中央には、懐中時計の様な魔導具が転がっていた。
【これは人類軍が超光速航法を開発しようとした結果『異世界転移』を"実現させてしまった"手法の模倣だ。
局所的に膨大なエネルギーを掛ける事で時空が歪み、何処か異世界へと繋がる事は以前から分かっていた。
これはそこに"時間の概念を組み込んだ、四次元座標"を打ち込んだに過ぎない。】
『『ジジジ…』』チャリ…
【小規模・低品質・低コストでの『転移』が可能だが、"約30セメル四方の無機質"のみという制限付き。
此度の実験はこの『転移』がこの世界線でも通用するかの確認でもあった。】
【魔王】アクロスは白く煮えた大穴に立ち入り、肌を焼きながらも懐中時計型の魔導具を拾い上げる。
「【魔王】様、それでその魔導具はどういった性能をお持ちなのですか…?(アリス)」
【これは地獄門と言ってな、星の内部に存在する"地獄"にポータルを繋げ、『魔界の住人』を召喚する事が可能なのさ。】
「おお…
では【魔王】様はそれによって軍勢をお作りになられるのですね?(アリス)」
赤熱化が収まらない大穴の中で【魔王】アクロスは、獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~編でも登場した魔導具、地獄門を手にし、不敵な笑みを浮かべる。
地獄門は、短時間で膨大な量の魔物を出現させる事が可能で、格下であろうとも1体1体が恐るべき脅威となる為、流石のノアでも舌を巻く程であった。
そんな物量戦を可能とする魔導具地獄門が【魔王】アクロスの手中に収まってしまった今、現状2人だけの【魔王】軍が本格的に大軍団へと変貌なるか、と思われた。
【いや、忠告に耳を一切貸さず、私を討伐しに来る輩への"掃除役"として利用しよう。
一々"力"を使って対処するのはそれこそ"時間の無駄"だからな。】
「…お掃除に…使うのですか…?(アリス)」
【ああ。
地獄門から召喚された魔物は"雑魔"と言って、戦闘力はそこそこ、知能も低い。
簡単な命令なら遂行出来るが、その後の制御が効かん。
人類軍はそれによって街を3つ潰した。】
「そんな危険な物をどうして…(アリス)」
【人間が"魔の物"を扱える訳が無いだろう。
"魔法を統べる"から【魔王】であるし、"魔の物も統べる事が出来る"から【魔王】なのだよアリス。】
『『『カキュンッ!』』』(地獄門起動)
魔物を完全に手中に収めるつもりではないが、利用はするつもりの【魔王】アクロス。
彼は手慣れた手付きで地獄門を起動し、文字盤の針はゆっくりと時を刻み始めたのだった。
『『『チキチキチキチキチキ…』』』(針が進む)
【俺の側に居ろアリス。
"雑魔"クラスだと、近くの生命体に手当たり次第に飛び掛かる。
話が分かる奴が来ないと安心出来んからな。】
「はい。(アリス)」
ガラス化した巣上に置かれた地獄門は刻一刻と時を刻む。
【魔王】アクロスの側にピッタリと貼り付いたアリスは固唾を呑んでその時を待つ。
『『カキンッ。』』
『ヴンッ!』『『ヴンッ!』』『『『『『『ヴヴンッ!』』』』』』(空間に亀裂)
そして針が頂点を差して止まったかと思うと、懐中時計の前後左右、それと上部の5ヶ所の空間に亀裂が出現し、"それら"は現れた。
『『『『『ギュォオオオッ!』』』』』×4
『『『『『ガァアアアッ!』』』』』×4
『『『『『グルルァアッ!』』』』』×4
『『『『『キシャァアアアアッ!』』』』』×4
『『『『『ガルルォオアッ!』』』』』×4
「……っ…何という…(アリス)」
まるで墨汁が詰まった風船を割ったかの様に、辺りに黒い"それら"が広がっていく。
人型ではあるものの、4本腕で体色はどす黒く、眼窩は無く、鋭くガチャガチャな牙を生やし、如何にもな獰猛さを漂わせている。
そんな"それら"は凄まじい叫び声を上げ、直ぐに標的に向かって襲い掛かる。
が
【هل هناك شخص يمكنني التحدث معه؟】
『『『ズザザッ!』』』
ギギッ…!?
【魔王】アクロスが謎の言語で話し出した途端"それら=雑魔"達は動きを止め、お互いに顔を見合わせていた。
グルル…
グロロロ…
ギャギャギッ!
ギャガガッ!
「何か、相談しあってる様に見えますが…(アリス)」
【ふむ、やはり雑魔は言葉を理解出来ていても会話は無理か。】
各々の雑魔は、仲間に何か伝えようとしているものの、相手の知能が低い為、上手く伝達が出来ていない様に思えた。
すると
ギャギャ『『ドロッ…』』
グルル『『ドロリ…』』
ギャガガ『『ズル…』』
「わ!わ!わ!
【魔王】様!奴ら突然自壊し出しましたよ!?(アリス)」
【落ち着けアリス。
話が分かる者が来てくれた様だ。】
辺りに跋扈している雑魔100体もの体が突然崩れ、溶け、液状化し出す。
直ぐに辺りにはどす黒い液体溜まりが形成され、巣上から溢れそうになる。
『『ゴボッ。』』
『『『ゴボボッ!ゴボッ!ゴボボボボボボボッ!』』』
どす黒い液体溜まりは中心に向かって集束しだし、激しい泡音を発し始める。
『『『ザバァッ!』』』
ズシャッ!
【أوه】
「っ!?(アリス)」
【魔皇…?
いや、この威圧感からして魔神か?
何はともあれ話が出来る者が来てくれて助かるよ。】
集束したどす黒い液体溜まりから、装甲を思わせる体格のどす黒い巨人=魔神が出現。
こちらも雑魔と同様に眼窩は無く、どす黒い頭部に浮かぶ白く鋭い牙が不気味さを醸し出していた。
『『『ジュゥウウウ…』』』
【ふむ…一応成功だな…
知った上で実行しなければ巻き込まれ事故を起こす所だが…】
「す、凄い…
言ってはなんですが、こんな各種中間素材ばかりで『異世界転移』を可能とするなんて…(アリス)」
旧イグレージャ・オシデンタルで未明、中央に位置する巨大な巣の直上で強烈な閃光が走った。
一瞬の事であった為、見た者にとっては雷か流星の類いではと見間違えた事だろう。
だが発生したエネルギー量は桁違いで、<魔力感知>でその現場を目撃した者はあまりの瞬間的なエネルギー量に、失明していた事だろう。
閃光が収まった現場では、瞬間的とはいえ超高出力のエネルギーによって数千度に及ぶ熱が発せられ、巣の一部に炭化した大穴が空いていた。
まるで爆心地の様な大穴の中央には、懐中時計の様な魔導具が転がっていた。
【これは人類軍が超光速航法を開発しようとした結果『異世界転移』を"実現させてしまった"手法の模倣だ。
局所的に膨大なエネルギーを掛ける事で時空が歪み、何処か異世界へと繋がる事は以前から分かっていた。
これはそこに"時間の概念を組み込んだ、四次元座標"を打ち込んだに過ぎない。】
『『ジジジ…』』チャリ…
【小規模・低品質・低コストでの『転移』が可能だが、"約30セメル四方の無機質"のみという制限付き。
此度の実験はこの『転移』がこの世界線でも通用するかの確認でもあった。】
【魔王】アクロスは白く煮えた大穴に立ち入り、肌を焼きながらも懐中時計型の魔導具を拾い上げる。
「【魔王】様、それでその魔導具はどういった性能をお持ちなのですか…?(アリス)」
【これは地獄門と言ってな、星の内部に存在する"地獄"にポータルを繋げ、『魔界の住人』を召喚する事が可能なのさ。】
「おお…
では【魔王】様はそれによって軍勢をお作りになられるのですね?(アリス)」
赤熱化が収まらない大穴の中で【魔王】アクロスは、獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~編でも登場した魔導具、地獄門を手にし、不敵な笑みを浮かべる。
地獄門は、短時間で膨大な量の魔物を出現させる事が可能で、格下であろうとも1体1体が恐るべき脅威となる為、流石のノアでも舌を巻く程であった。
そんな物量戦を可能とする魔導具地獄門が【魔王】アクロスの手中に収まってしまった今、現状2人だけの【魔王】軍が本格的に大軍団へと変貌なるか、と思われた。
【いや、忠告に耳を一切貸さず、私を討伐しに来る輩への"掃除役"として利用しよう。
一々"力"を使って対処するのはそれこそ"時間の無駄"だからな。】
「…お掃除に…使うのですか…?(アリス)」
【ああ。
地獄門から召喚された魔物は"雑魔"と言って、戦闘力はそこそこ、知能も低い。
簡単な命令なら遂行出来るが、その後の制御が効かん。
人類軍はそれによって街を3つ潰した。】
「そんな危険な物をどうして…(アリス)」
【人間が"魔の物"を扱える訳が無いだろう。
"魔法を統べる"から【魔王】であるし、"魔の物も統べる事が出来る"から【魔王】なのだよアリス。】
『『『カキュンッ!』』』(地獄門起動)
魔物を完全に手中に収めるつもりではないが、利用はするつもりの【魔王】アクロス。
彼は手慣れた手付きで地獄門を起動し、文字盤の針はゆっくりと時を刻み始めたのだった。
『『『チキチキチキチキチキ…』』』(針が進む)
【俺の側に居ろアリス。
"雑魔"クラスだと、近くの生命体に手当たり次第に飛び掛かる。
話が分かる奴が来ないと安心出来んからな。】
「はい。(アリス)」
ガラス化した巣上に置かれた地獄門は刻一刻と時を刻む。
【魔王】アクロスの側にピッタリと貼り付いたアリスは固唾を呑んでその時を待つ。
『『カキンッ。』』
『ヴンッ!』『『ヴンッ!』』『『『『『『ヴヴンッ!』』』』』』(空間に亀裂)
そして針が頂点を差して止まったかと思うと、懐中時計の前後左右、それと上部の5ヶ所の空間に亀裂が出現し、"それら"は現れた。
『『『『『ギュォオオオッ!』』』』』×4
『『『『『ガァアアアッ!』』』』』×4
『『『『『グルルァアッ!』』』』』×4
『『『『『キシャァアアアアッ!』』』』』×4
『『『『『ガルルォオアッ!』』』』』×4
「……っ…何という…(アリス)」
まるで墨汁が詰まった風船を割ったかの様に、辺りに黒い"それら"が広がっていく。
人型ではあるものの、4本腕で体色はどす黒く、眼窩は無く、鋭くガチャガチャな牙を生やし、如何にもな獰猛さを漂わせている。
そんな"それら"は凄まじい叫び声を上げ、直ぐに標的に向かって襲い掛かる。
が
【هل هناك شخص يمكنني التحدث معه؟】
『『『ズザザッ!』』』
ギギッ…!?
【魔王】アクロスが謎の言語で話し出した途端"それら=雑魔"達は動きを止め、お互いに顔を見合わせていた。
グルル…
グロロロ…
ギャギャギッ!
ギャガガッ!
「何か、相談しあってる様に見えますが…(アリス)」
【ふむ、やはり雑魔は言葉を理解出来ていても会話は無理か。】
各々の雑魔は、仲間に何か伝えようとしているものの、相手の知能が低い為、上手く伝達が出来ていない様に思えた。
すると
ギャギャ『『ドロッ…』』
グルル『『ドロリ…』』
ギャガガ『『ズル…』』
「わ!わ!わ!
【魔王】様!奴ら突然自壊し出しましたよ!?(アリス)」
【落ち着けアリス。
話が分かる者が来てくれた様だ。】
辺りに跋扈している雑魔100体もの体が突然崩れ、溶け、液状化し出す。
直ぐに辺りにはどす黒い液体溜まりが形成され、巣上から溢れそうになる。
『『ゴボッ。』』
『『『ゴボボッ!ゴボッ!ゴボボボボボボボッ!』』』
どす黒い液体溜まりは中心に向かって集束しだし、激しい泡音を発し始める。
『『『ザバァッ!』』』
ズシャッ!
【أوه】
「っ!?(アリス)」
【魔皇…?
いや、この威圧感からして魔神か?
何はともあれ話が出来る者が来てくれて助かるよ。】
集束したどす黒い液体溜まりから、装甲を思わせる体格のどす黒い巨人=魔神が出現。
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