ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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天空大陸~終わりの始まり

【魔王】と魔神・元【勇者】と元【聖女】

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【|هل هذا أنت؟ ما يسمى بـ [ملك الشياطين] من عالم آخر. اسمك يزأر في الجحيم.《お前だな?異界の【魔王】とやらは。既に地獄でも名が轟いているぞ。》(魔神)】


ليس الأمر وكأنني أريد المجيء.来たくて来た訳じゃない。


【|لا تغضب، لا تغضب. لذا؟ يبدو أنهم يريدون استغلالنا، ولكن ماذا يجب علينا أن نفعل؟《怒るな怒るな。それで?俺達を利用したいらしいが、何をすれば良い?》(魔神)】


【|المحادثة سريعة وسهلة، وهو أمر مفيد. أطلب منك أن تعتني بمن يعارضنا.《話が早くて助かる。君らには歯向かって来る人間共の処理を願いたい。》】


出現した魔神ジェニーに対し嫌味を交えながら雑談を交わす【魔王】アクロス。
世界線は違えど魔界の者とは以前から交流があるのが窺える。




「あ、あの、【魔王】様?
一体何を…そもそも何の言語で話されているのですか…?(アリス)」

【何って…
あぁ済まない、アリスはこの世界より前の記憶が無いのだから魔界の言語を知らないのは当然だな。
少し待て、スキルを授与して翻訳してあげよう。】



~ここから翻訳~



【はぁーいアリスちゃん♪
俺は魔神のジェニー、気軽にジェニーって呼んでくれて良いぜ?(魔神)】

「は、はぁい…(アリス)」

【悪いなアリス、魔界の連中は大概"軽い"んだ、慣れてくれ。】


目の前に立つ不気味な巨躯、魔神ジェニーは黒くてらてらとしていて、眼窩が無いので表情が読めない不気味さを兼ね備えておきながら、その見た目に反して言動は軽い。





【まさかまさかだ。
この世界の魔王が早々に御退場しちまったんで暇してたん、だ♪
そしたら異界の【魔王】からの呼び出しだぁ、こりゃ面白い事になるぞ、ってジェニー自らやって来たって訳♪(魔神)】

【暇してただぁ?
魔界の事はそこまで知らんが、普段は『冥界』の手伝いしてるんじゃなかったか?】

【それは雑魔コモンの仕事、ジェニーはそれの監視。
ハデス冥界の神様直々の案件だからさぁ?やらない訳にはいかないでしょ♪(魔神)】

ハデス冥界の神…って…
あ、あの、【魔王】様?このジェニー魔神さんは神徒だったりするのですか?(アリス)」


【【違う違う。】】


「あ…そうですか…(アリス)」


魔神ジェニーの口から冥界の神ハデスの名が飛び出した為、魔神ジェニーは神に近しい存在なのか?と疑問に思ったアリスであったが、どうやら違うらしい。





ハデス冥界の神様のお仕事を手伝ってるのは確かだけど、神徒ってモンじゃないわ。
例えて言うなら"分解者"。
私達魔界の連中は『悪人の魂の"ガワ"』が大好物だから"捌く"代わりに"ガワ"を貰ってるって訳。(魔神)】

「は、はぁ…(アリス)」


ハデス冥界の神ジェニー魔神・魔界の者達との関係性を軽く説明された【魔王】配下アリスであったが、まるでピンときている様子は無かった。


【まぁその辺は追々聞けば良い。
それでだ、ジェニー。
先も言った様に俺達にちょっかい掛けてくる連中の対処を頼みたい。
但し人間に限る。
その他種族で碌でも無い奴は、どのみち各々の国の法で裁かれる事になるだろうしな。】


【はぁ~い♪
『元【勇者】・【聖女】』と"同じお願い事"で良かったわぁ。
雑魔コモン共が混乱しなくて済んで安心よぉ。(魔神)】


「えっ!?(アリス)」

【何故この話の流れで『【勇者】・【聖女】』の名が出てくる?
…それに"元"とはどういう事だ?】


【魔王】からの頼み事を告げられた魔神ジェニーから『【勇者】・【聖女】』の2人の存在が飛び出す。

どういう事かと説明を求められた魔神ジェニー


【アナタなら知ってるだろうけど、『【勇者】・【聖女】』の2人ねぇ、かなり酷い仕打ちを受けたのよ。
【適正】が…"【神】"が"【勇者】・【聖女】"って【適正】に決めただけで、それこそ操り人形の様に、そしてボロ雑巾の様にね。(魔神)】


【…まさか"変質"したのか?】


【その通りよぉ。
本来人類を守るべき存在の【勇者】と【聖女】は現在人類全てを憎みきっている。
タチが悪いのは、そうなる原因を作った連中がもうこの世に居ない事。(魔神)】


【俺が全員有効活用苗床にしたからな。】


【怒りの矛先が定まっていれば、解消した時に多少は気が晴れるモノだけど、その矛先が"何処"に向くか。
場合によってはこの世界が"ウチ魔界"みたいになっちゃうかもね♪(魔神)】





~ドワーフ国『フェレイロ』・夜~


現在【勇者】アークと【聖女】ミミシラが保護・療養しているドワーフの国。

彼等は洗脳された状態で【勇者】軍なる対【魔王】戦力として諸国巡るつもりであったが、それは全て建前。

統制出来る者が誰一人居らず、略奪・侵略行為は当たり前。

殺人・強盗・盗み等の犯罪が公然と行われ、傀儡状態となった【勇者】パーティは陵辱・拷問・強姦と、文字通り『性奴隷』的なポジションに陥る。

彼等にとってその期間はただの『地獄』であった。

奇しくもその『地獄』から救い出してくれたのは【魔王】であった。

彼等は"声"しか聞こえていなかったが、後にそれが【魔王】のモノであった事を知り、【魔王】も助け出した者達が【勇者】と【聖女】達である事を知る。

彼等は『地獄』を経験した事で仲間を2人失い、人間を見るだけで身体が拒否反応を示し、保護された後一時的に錯乱状態に陥る事がままあった。

漸くそれらの状態から脱し、落ち着きを取り戻してきた今日この頃


「…この国を発つ?…そもそも行く当てはあるんか…?
…その、主らの故郷は無いなってもうたが…?(国王)」


「行く当てはありませんが、何処か人間の居ない所に向かおうと思います…(【??者】アーク)」

「アークと話して南の方に向かおうと考えています。(【??女】ミミシラ)」


「…そうか。
…お主達が良ければ、この国に残ってもええんだが…
何よりここは人族の出入りも少ない。
お主達にとって比較的良い環境だと思うのじゃが?(国王)」

(…配下からの報告で聞いてはいたが、本に【適正】が変質しちょる…
どういったモンかは分からんが、野放しにするのは宜しくない…(国王))


元【勇者】・元【聖女】を前にしてドワーフ国国王は、【適正】が変質した2人を前にしてどうやってこの国に止めようかと頭を巡らせていた。


「身寄りを失くし【聖女】としての力も失って迷惑をずっと掛けていたのです。
これ以上迷惑を掛けれません。(【??女】ミミシラ)」


「せめてミミシラ嬢、主の目ぇの治療を終えてからでも良いじゃろ。
目ぇが見えんで日常生活にも支障が…(国王)」


「視えてます。(【??女】ミミシラ)」


「ぬ?(国王)」


ドワーフ国国王は、一時ミミシラが錯乱状態に陥った際に自傷した目の治療を理由に、国内に留めようと画策。

だが言い切る前にミミシラはこの提案を却下した。


「確かに目は見えなくなりましたが、"視える"様にはなりました。
【聖女】としての力は失いましたが、"神"は私を見捨ててはいませんでした。
新たな力と"天啓"で私は残りの人生を費やしていきたいと思います。
ね?アーク。(【猜忌邪極ノ醒女】サイキジャキョクノセイジョミミシラ)」


「ああ。
俺も新たな力でミミシラを支えていこうと思います。(【酷罰怨欲ノ復讐者】コクバツエンヨクノフクシュウシャ)」


「…そうか。(国王)」

(…不安だ…(国王))
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