未熟な蕾ですが

黒蝶

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第6話

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菓子を味わっているうちに集合時間になったらしい。
「それじゃあ深碧さん、また明日」
《はい。お待ちしています》
金・土の夜以外は家に帰ること…それが主が夜仕事に参加する条件だったらしい。
「一緒に来てくれてありがとう」
《…襲われては困るからな》
「そっか」
元いた部屋に足を踏み入れると、複数の人間の気配を感じ取る。
特に殺気立っている雰囲気はなく、そのまま解散になった。
「ふたりともお疲れ!何もなかった?」
「うん。陽向君は?」
「俺の方はちょっと迷子になってる子がいたから案内したよ」
「そうなんだ…。そういえば、さっき桜良先輩に会ったよ」
「え、桜良が外出てたの!?」
チャラ男はそう叫ぶと、慌てた様子で外に出た。
《止めなくていいのか?》
「うん。あのふたりは恋人同士だから」
《…恋人?》
「特別な関係なんだって。お互いを好きになるってどんな感じなんだろう…」
そう呟く主の姿は乙女そのものだった。
「おまたせ」
「あ、お姉ちゃん。検査、終わったの?」
「うん。特に問題ないって」
姉妹の少し後ろを歩いていると、夜紅がぴたりと足を止める。
「どうかしたの?」
「…いや、なんでもない。それより穂乃、学校の話を聞かせてくれないか?」
「学校のこと…そうだ、この前絵のコンクールの表彰式があってね…」
夜紅の動きはとても素早いものだった。
札を軽く投げ、一瞬で決着をつけたのだ。
主は気づいていないようだが、あれだけの炎で燃やせるのは夜紅だけだろう。
その後は特に何もなく家に辿り着き、ふたりは別々の部屋へ入っていく。
「……」
主が眠ったのを確認してから音を立てずに部屋を出る。
別の部屋の明かりがついていて、そこにはやはり夜紅の姿があった。
「白露か。どうした?」
《先程邪気を燃やした相手は知り合いか?》
「…気づいていたのか」
夜紅は苦笑しつつ、はっきり答えた。
「極論、悪さをしなければそれでいいと思っているんだ。悪戯程度の可愛いものなら見過ごすけど、あの妖は草花を枯らそうとしているように見えた。
…それに、穂乃の霊力に惹き寄せられているように見えたんだ」
流石、祓い屋連中から夜紅姫と噂されるだけのことはある。
どこにも属さず独学だけで物事を片づける凛とした姿はこの世のものとは思えない美しいらしい、などと云われていたか。
本人は知らないようだが、祓い屋を生業としている人間どもはよく知っている。
《祓い人に追い回されていないのは、それだけの素質があるからか?》
「たしかに結界は強めにはってあるけど、どうなんだろうな」
ほとんど睡眠をとらない夜紅と早朝まで会話をし、主が起きるまでに部屋へ戻る。
…いつの間にか、それが当たり前になっていた。
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