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第34話
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旧校舎にて、真っ先に辿り着いた主が小さく息を吐く。
《ため息ばかりだな》
「…折角なら特選を取りたかった」
家族に関する作文を持った主は、大会の結果に落ちこんでいるようだ。
《結果より過程ではないのか?》
「すごく悔しいんだ。絵の方はいい結果だったけど、お姉ちゃんのことを自慢したかったのに…」
《夜紅自身の目に留まれば問題ない》
「お姉ちゃんに直接見せるのは恥ずかしいから、絶対内緒にしてね」
《…了解した》
主に頼まれてしまっては仕方ない。
他の仲間が集まったところで噂についての話がはじまる。
「最近ちょっと流行り傾向にあったのがこっくりさんの噂で…」
「そうなのか?」
「はい。けど、なんかいつの間にか廃れていったんですよね。なんでだろ?」
「あの…多分それ、白露のおかげだと思う」
この少女は何を言い出すのだろうか。
「そうなのか?」
《俺は別に》
「この間、放課後こっくりさんをやろうとしてた人たちがいて、そこに呼び出されてきていた相手を白露が止めてくれたんだ」
「それは知らなかったな」
そこまで詳しく話す必要もないと思っていたが、夜紅たちは興味があるらしい。
《はじめに気づいたのは俺ではない》
「穂乃がやったのか?」
「あ、うん。放課後にこっくりさんやろうって言ってるのを聞いたから、こっそり調べて…」
「穂乃ちゃん、やるね…。けど、ひとりじゃ危ない場合もあるから周りを頼るのも手だよ」
「今回は白露に頼らせてもらったんだ。あんなに周りを恨んで苦しんでいる人を放っておきたくなかったから…。
桜良先輩に手伝ってもらおうと思っていたら終わってたの。白露のおかげだよ」
《…別にそんなこともないと思うが》
「あの人の説得は白露じゃなかったらできなかった」
こうなってしまえば主は力強く主張し続けるだろう。
残りのふたりがいきなり俯くので何かと思えば、何故かいきなり笑いだした。
「ごめん。仲がいいなと思って微笑ましくなったんだ」
「俺もです。ふたりとも、すごい仲よしじゃん!」
仲良しというよりただ主の指示に従っているだけなのだが…まあいい。
「他の噂は特にないみたいだな」
「はい。珍しいですね、こんなに静かなの」
「そうだな。…紅葉の鑑賞でもするか?」
「いいですね、それ!俺らはもう受験も片づきましたし、たまには息抜きしたいです」
「各自色々持ち寄って、あとは参加できる日を聞いて…」
和やかな話がはじまると同時に、外から何者かの気配を感じとる。
《すまないが席を外す》
「分かった」
辺りを探ってみたが、結局気配の正体は分からずじまいだった。
《ため息ばかりだな》
「…折角なら特選を取りたかった」
家族に関する作文を持った主は、大会の結果に落ちこんでいるようだ。
《結果より過程ではないのか?》
「すごく悔しいんだ。絵の方はいい結果だったけど、お姉ちゃんのことを自慢したかったのに…」
《夜紅自身の目に留まれば問題ない》
「お姉ちゃんに直接見せるのは恥ずかしいから、絶対内緒にしてね」
《…了解した》
主に頼まれてしまっては仕方ない。
他の仲間が集まったところで噂についての話がはじまる。
「最近ちょっと流行り傾向にあったのがこっくりさんの噂で…」
「そうなのか?」
「はい。けど、なんかいつの間にか廃れていったんですよね。なんでだろ?」
「あの…多分それ、白露のおかげだと思う」
この少女は何を言い出すのだろうか。
「そうなのか?」
《俺は別に》
「この間、放課後こっくりさんをやろうとしてた人たちがいて、そこに呼び出されてきていた相手を白露が止めてくれたんだ」
「それは知らなかったな」
そこまで詳しく話す必要もないと思っていたが、夜紅たちは興味があるらしい。
《はじめに気づいたのは俺ではない》
「穂乃がやったのか?」
「あ、うん。放課後にこっくりさんやろうって言ってるのを聞いたから、こっそり調べて…」
「穂乃ちゃん、やるね…。けど、ひとりじゃ危ない場合もあるから周りを頼るのも手だよ」
「今回は白露に頼らせてもらったんだ。あんなに周りを恨んで苦しんでいる人を放っておきたくなかったから…。
桜良先輩に手伝ってもらおうと思っていたら終わってたの。白露のおかげだよ」
《…別にそんなこともないと思うが》
「あの人の説得は白露じゃなかったらできなかった」
こうなってしまえば主は力強く主張し続けるだろう。
残りのふたりがいきなり俯くので何かと思えば、何故かいきなり笑いだした。
「ごめん。仲がいいなと思って微笑ましくなったんだ」
「俺もです。ふたりとも、すごい仲よしじゃん!」
仲良しというよりただ主の指示に従っているだけなのだが…まあいい。
「他の噂は特にないみたいだな」
「はい。珍しいですね、こんなに静かなの」
「そうだな。…紅葉の鑑賞でもするか?」
「いいですね、それ!俺らはもう受験も片づきましたし、たまには息抜きしたいです」
「各自色々持ち寄って、あとは参加できる日を聞いて…」
和やかな話がはじまると同時に、外から何者かの気配を感じとる。
《すまないが席を外す》
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辺りを探ってみたが、結局気配の正体は分からずじまいだった。
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