公開処女喪失させられた王女は魔力を奪われました

空田かや

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33 嫉妬

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クースリューは、ジャナル王子の方から婚姻石こんいんせきを通して喋りかけられた事は一度もなかった。

…そもそも婚姻石こんいんせきはそんなに、簡単に入れてもらえるものではない。

数々の儀式を経て、正式な婚姻式の場でシーセントの王族に見守られ、そして初めて…。

クースリュー自身、何人もの花嫁候補を蹴落とし、やっと掴んだ権利だった…。

血の滲む努力で魔術を磨いて…。

それもこれも、ジャナル王子のそばにいたかった…ただそれだけの理由で…。

役に立つ女だと思ってもらえるように…好きになってもらう為に…。

そして、やっとジャナル王子に入れてもらえた大切な石…。

それを、この女はゴミのように捨てたがっている。

クースリューは、婚姻石こんいんせきを入れてもらい、はしゃいでいた十三歳の自分を、馬鹿にされたような気がした。

クースリューがここに来ていた本来の目的は、嘘をついたと白状する為だった…。

ジャナル王子が、サシュナに売りつけようとしている話は作り話だと…。

売春婦になれと言ったのは、ほんの冗談だと…。

しかし、クースリューの気持ちは180度変わってしまった…。

クースリューは、冷酷な金色の瞳でシャルリンテの額に、すっと手を伸ばす。

すると、シャルリンテが気がつく間もなく、クースリューの手には婚姻石こんいんせきが現れた。

無駄のないその動きで、クースリューが強大な魔力の持ち主なのだと、シャルリンテは瞬時に理解した。

「…瞬間移動で…サシュナの波止場まで、すぐに送って差し上げる…。走って逃げたって、ジャナル様にすぐ捕まってしまいましてよ?…王女様…」

クースリューは感情の伴わない、低い声で言った。

「──本当に?!ありがとう!あなた、本当に優しい方ね…!」

シャルリンテは、嬉しそうにクースリューに微笑んだ。

クースリューは、シャルリンテの顔を見ないように、目をさっと閉じた。

そして、シャルリンテの肩に、形のいい手を添えて言った…。

「……ひどい男に翻弄された者同士ですもの。サシュナでのご健闘をお祈りしておりますわ…。そうそう、以前お渡ししたショールと口紅…手を叩いて出して、有効にお使いくださいね…」

クースリューはそう言うと、シャルリンテをサシュナの波止場まで瞬時に飛ばした。
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